JPH0753370B2 - アンダカット部を備えた中ぐり孔を製作するための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、請求項１の上位概念に
記載の、特に外装プレートに、アンダカット部を備えた
中ぐり孔を製作するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】アンダカット部を備えた中ぐり孔を製作
するための装置は既に公開されており、該装置は球形状
の窪みを備えた軸受ブッシュを有し、その内方にはカラ
ーを備えた中ぐり工具が支持され、かつ旋回可能に支承
されている。同時に行われる撹拌運動の際中ぐり工具の
旋回によって、中ぐり工具に配置された側刃により中ぐ
り孔底部にアンダカット部が形成され、その内方には拡
開可能な拡開スリーブを備えた拡開栓を挿入することが
できる。

【０００３】この種のアンダカット部を備えた中ぐり孔
は、外装プレート又はその類似物内にも装着することが
できるため、アンダカット部は、極めて正確に構成され
ていなければならない。それは、拡開アンカの挿入及び
拡開の際、余りにも高い拡開力が発生しないようにする
必要があるからである。つまり余りにも高い拡開力が発
生すると、外装プレートの１部が破損するような結果に
なる。正確なアンダカット部を製作するため、ダイヤモ
ンド片を装着したドリルヘッドを備えている中ぐり工具
が使用されている。この打撃及び衝撃を受け易い中ぐり
工具に関し、またアンダカット部を備えた中ぐり孔の薄
肉外装プレートにおける所要の精度に関し、公知の装置
は、アンダカット部を備えた中ぐり孔の製作に対し満足
できる状態になっていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、特に外装プレートのための、アンダカット部を備え
た中ぐり孔を製作するための装置を改良して、ダイヤモ
ンド片を装着した中ぐり工具の使用及び拡開栓を規定し
ている正確な中ぐり孔の製作を、強制的に案内される旋
回によって実現できるようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための装置】本発明では、請求項１記
載の特徴によって上記課題を解決することができた。

【０００６】

【発明の効果】中ぐり盤に固定されたレバーは、クラン
クに装着されたピンがカムディスクの外周面に当接する
までクランクによって傾斜せしめられる。装置内に組み
込まれた旋回軸受けを介して中ぐり盤は、固定部材に所
定の大きさのアンダカット部が達成されるようになるま
で、中心軸線から傾斜せしめられる。レバーは、そのピ
ンと一緒にカムディスクの外周面に当接しているクラン
クの回転によって、傾斜した状態で強制的にその中心軸
線を中心に円形状に運動せしめられ、ひいては同時に、
回転によって中ぐり孔内のアンダカット部が完全に仕上
げられるようになる。アンダカット部の仕上げの際小さ
過ぎる傾斜又は不完全な円運動による欠陥の可能性は、
強制的な案内によってもはや発生することはない。

【０００７】本発明の更に有利な構成が、請求項２以下
に述べられている。クランクは、カムディスクの外周面
に配置された切欠きによって、レバー１回転後再び中立
位置にロックされるような形式で係止することができ
る。円筒状の中ぐり孔は、その中立位置で傾斜する前に
製作される。中立位置を安定化せしめるため、レバーに
は円錐面を備えたセンタリングスリーブを配置すること
も可能であり、該円錐面は、圧縮ばねにより面取部を備
えたカムディスクの孔に押し付けられている。

【０００８】傾斜及び旋回の際クランクの離脱が防止で
きるようにするため、クランクに配置されているピンに
直角状に突き出た舌状板が設けられており、該舌状板は
カムディスクの背面側に係止している。

【０００９】クランクの孔におけるレバーの焼付きは、
孔によって受容されるレバー端部を球形状に形成するこ
とによってこれを阻止することができる。

【００１０】別の実施例にあってはクランクが、カムデ
ィスク上に載置されたリングディスクと、レバーに結合
されてリングディスクの横方向孔に案内されている引張
棒と、によって構成されている。

【００１１】

【実施例】次に本発明を、図面に基いて詳しく説明す
る。

【００１２】外装プレート２内にアンダカット部を備え
た中ぐり孔を製作するための装置１は、スタンド３に組
み込まれており、該スタンド３は、一方ではそのベース
プレート４内に外装プレート２のための締付装置５を有
し、他方ではレバー６を有しており、該レバー６と一緒
に、装置１を受容しかつスタンド３に結合されている支
持装置７が上下に運動することができる。装置１を支持
装置７内で保持するため、支持装置７はスリットの付い
た受容孔を有しており、その内方で装置１の軸受ブッシ
ュ９が受容孔の収縮によって固定されている。軸受ブッ
シュ９によって、スリーブ１０に配置されて回転してい
るカラーが受容されており、その結果、支持装置７の上
下運動の際全中ぐり盤装置が一緒に運動できるようにな
る。

【００１３】回転モーメント伝達可能に中ぐり盤１２に
結合されているアダプタ２２が、スリーブ１０を貫通し
て延びており、該アグプタ２２は、中ぐり盤１２の反対
側に位置する端面に、アンダカット部を備えた中ぐり孔
を製作するのに必要な中ぐり工具１５を有している。ス
リーブ１０は、ねじ１６を介し中ぐり盤１２のケーシン
グに剛性的に結合されているため、中ぐり盤１２の傾斜
の際にはスリーブ１０も、ひいては中ぐり軸線１７も共
に傾斜せしめられる。中ぐり盤１２の傾斜のためにクラ
ンクプレート３１が使用されており、該プレート３１に
はハンドル３２が設けられている。クランクプレート３
１は円筒形の受容孔３３を有しており、その内方には球
形状に形成されたレバー３５の端部３４が支承されてい
る。レバー３５は、固定フランジ４３及びナット３６に
よって中ぐり盤１２に固定されている。

【００１４】図１及び図２に図示のレバー３５の中立位
置にあっては、クランクプレート３１の背面側に配置さ
れているピン３７ａが、カムディスク３９の切欠き３８
内に位置している。ピン３７ａは、クランクプレート３
１と一緒に切欠き３８から引き出されて同時に回転せし
められる。それによってピン３７ａが、カムディスク３
９の外周面４０に当接するようになる。このためレバー
３５及び中ぐり盤１２も傾斜し、その結果中ぐり工具１
５は、装置内に組み込まれた旋回軸受けによって、同じ
ように反対方向の傾斜を行うようになる。この傾斜は、
外装プレートに円筒形の中ぐり孔が製作された後に行わ
れる。レバー３５は、クランクプレートと一緒に回転す
ることによって、傾斜した状態で中心軸線を中心に円形
状に運動し、同時に同じように傾斜した中ぐり工具１５
によって、外装プレート内にアンダカット部が形成され
る。

【００１５】１回転の終了後、回転運動中カムディスク
３９の外周面４０に沿って滑っていたピン３７ａが再度
切欠き３８に係合し、ひいてはレバー３５が中立位置に
戻される。更に装置は昇降棒６を介して上方に向って運
動し、その結果、中ぐり工具１５は外装プレートの中ぐ
り孔から離れることができるようになる。カムディスク
３９は、支持プレート４１を介して装置のためのスタン
ドに結合されている。クランクプレート３１をカムディ
スク３９上で更に良好に案内するため、該ディスク３９
にはピン３７ａに向い合って位置している別のピン３７
ｂが設けられており、該ピン３７ｂは、クランクプレー
ト３１の係止が外れた後同じようにカムディスク３９の
外周面４０に当接するようになる。クランクプレートが
カムディスク上で移動しないようにこれを保護するた
め、ピン３７ａ，３７ｂは直角状に突出している舌状板
４２を有しており、該舌状板４２はカムディスク３９の
背面側に係止している。

【００１６】図３に図示されているクランクは、枢着形
軸受４５を介してレバー３５に結合されている引張棒４
４によって形成されている。引張棒４４は滑りスリーブ
４６内に螺入されており、該スリーブ４６はリングディ
スク４８の横方向孔４７内に案内されている。リングデ
ィスク４８は、カムディスク４９の上に載置されてお
り、かつカムディスク３９に対し旋回可能である。

【００１７】固定フランジ４３を介して中ぐり盤１２に
結合されているレバー３５の、図３に図示の中心位置を
安定化せしめるため、円錐面５１を有するセンタリング
スリーブ５０が、レバー３５の上に被せられている。こ
の円錐面５１は、カムディスク４９の孔５３の面取部５
２にセンタリングされて係合している。これに相応する
押付け力は圧縮ばね５４によって調達される。この位置
で中ぐり工具を交換して、外装プレートに円筒形の中ぐ
り孔を形成する。所定の中ぐり孔深さに到達した後、レ
バー３５のハンドル５５を後方に引張ることによって引
張棒４４を移動せしめる。移動を制限するため、リング
ディスク４８内にねじ５６が螺入されており、該ねじ５
６はその端面が長孔５７内に突き出ている。

【００１８】レバーの傾斜の際、ピン５８は切欠き５９
から離脱して同時に回転し、その結果ピン５８は、カム
ディスク４９の外周面６０に当接するようになる。回転
によりレバー３５は、傾斜した状態でその中心軸線を中
心に円形状に運動し、同時に同じように傾斜した中ぐり
工具で外装プレートにアンダカット部が形成される。１
回転後ピン５８は再び切欠き５９内に係合し、その結果
レバー３５の中立位置が再び調節可能になる。中ぐり工
具はこの位置で中ぐり孔から引き出される。

【図面の簡単な説明】

【図１】装置の全体構造図である。

【図２】強制的に傾斜せしめるための装置の平面図であ
る。

【図３】クランクの別の実施例の図である。

【符号の説明】

１ 装置 ２ 外装プレート ３ スタンド ４ ベースプレート ５ 締付装置 ６ レバー ７ 支持装置 ９ 軸受ブッシュ １０ スリーブ １２ 中ぐり盤 １５ 中ぐり工具 １６ ねじ １７ 中ぐり軸線 ２２ アダプタ ３１ クランクプレート ３２ ハンドル ３３ 受容孔 ３４ 端部 ３５ レバー ３６ ナット ３７ａ，３７ｂ ピン ３８ 切欠き ３９ カムディスク ４０ 外周面 ４１ 支持プレート ４２ 舌状板 ４３ 固定フランジ ４４ 引張棒 ４５ 枢着形軸受 ４６ 滑りスリーブ ４７ 横方向孔 ４８ リングディスク ４９ カムディスク ５０ センタリングスリーブ ５１ 円錐面 ５２ 面取部 ５３ 孔 ５４ 圧縮ばね ５５ ハンドル ５６ ねじ ５７ 長孔 ５８ ピン ５９ 切欠き ６０ 外周面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴィリー ハウグ ドイツ連邦共和国 フロイデンシュタット −ムスバッハメルツェンベルクシュトラー セ 37 (72)発明者 ステファン リント ドイツ連邦共和国 ヴァルダッハタル ３ トゥムリンゲン イム マルティンスキ ルヒレ 16 (56)参考文献 実開 昭64−16208（ＪＰ，Ｕ)

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンダカット部を備えた中ぐり孔を製作
   するための装置であって、中ぐり工具を受容しかつ回転
   モーメント伝達可能に中ぐり盤に結合されているアダプ
   タと、スタンドの保持部に固定されている軸受ブッシュ
   とから成り、該軸受ブッシュ内で中ぐり盤に不動に結合
   されたスリーブが、旋回軸受を介して回転及び旋回可能
   に受容されかつ支承されている形式のものにおいて、中
   ぐり盤（１２）にはその端部がクランクに結合されてい
   るレバー（３５）が付設されており、レバー（３５）は
   該クランクと一緒に傾斜可能であり、かつクランクに配
   置された少くとも１つのピン（３７ａ，５８）がスタン
   ド（３）に結合されたカムディスク（３９，４９）の外
   周面（４０，６０）において、当付けによってその中心
   軸線を中心に円形状に運動可能であることを特徴とす
   る、アンダカット部を備えた中ぐり孔を製作するための
   装置。
2. 【請求項２】 カムディスク(３９，４９)は、その外周
   面(４０，６０)に、ピン（３７ａ，５８）を受容してレ
   バー（３５）を中立位置にロックしている切欠き（３
   ８，５９）を有していることを特徴とする、請求項１記
   載の装置。
3. 【請求項３】 クランクプレート（３１）に配置された
   ピン（３７ａ，３７ｂ）は、直角状に突き出ている舌状
   板（４２）によってカムディスク（３９）の背面側に係
   合されていることを特徴とする、請求項１又は２記載の
   装置。
4. 【請求項４】 クランクプレート（３１）は、レバー端
   部を受容するための孔（３３）を有しており、かつ孔
   （３３）によって受容されるレバー端部（３４）が、球
   形状に形成されていることを特徴とする、請求項１から
   ３までのいづれか１項記載の装置。
5. 【請求項５】 クランクは、カムディスク（４９）の上
   に載置されているリングディスク（４８）と、レバー
   （３５）に結合されてリングディスク（４８）の横方向
   孔（４７）内に案内されている引張棒（４４）と、から
   構成されていることを特徴とする、請求項１記載の装
   置。
6. 【請求項６】 レバー（３５）には円錐面（５１）を備
   えたセンタリングスリーブ（５０）が配置されており、
   該円錐面（５１）は、圧縮ばね（５４）によって面取部
   （５２）を備えたカムディスク（４９）の孔（５３）に
   押し付けられていることを特徴とする、請求項１記載の
   装置。