JPH0753307A - 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法 - Google Patents

花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法

Info

Publication number
JPH0753307A
JPH0753307A JP22057793A JP22057793A JPH0753307A JP H0753307 A JPH0753307 A JP H0753307A JP 22057793 A JP22057793 A JP 22057793A JP 22057793 A JP22057793 A JP 22057793A JP H0753307 A JPH0753307 A JP H0753307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pollen
scattering
preventing
concentration
male flowers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22057793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2890162B2 (ja
Inventor
Yasuo Ota
保夫 太田
Shigekazu Aoyama
重和 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NORIN SUISAN KOKU KYOKAI
Original Assignee
NORIN SUISAN KOKU KYOKAI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NORIN SUISAN KOKU KYOKAI filed Critical NORIN SUISAN KOKU KYOKAI
Priority to JP22057793A priority Critical patent/JP2890162B2/ja
Publication of JPH0753307A publication Critical patent/JPH0753307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2890162B2 publication Critical patent/JP2890162B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 花粉症の原因となるスギの花の開花のみを止
め、雄花以外の枝葉等に影響を及ぼすことのない花粉飛
散防止剤と該花粉飛散防止剤による花粉の飛散防止方法
を提供する。 【構成】 オレイン酸ナトリウムを有効成分とする花粉
飛散防止剤を、濃度約5%の水和剤として、開花を止め
ようとする雄花に対して散布もしくは塗布することによ
って雄花を褐変させ、もって花粉が飛散することを防止
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、種子植物のやく
(葯)で作られる受精の働きのある花粉が飛散しないよ
うにするための花粉飛散防止剤と、この花粉飛散防止剤
を使用した花粉飛散防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物の花粉によって感作されるアレルギ
ー疾患、いわゆる花粉アレルギーとしては、ブタクサ花
粉症、スギ花粉症、牧草花粉症など多くの花粉花粉症が
知られている。その中でも、スギ花粉症は日本独特のも
のとして知られ、毎年スギの花粉が飛散する春(2月〜
6月)には全国的に大発症がみられ、スギの木のみられ
ない都会でも多発しているのが現状である。かゝる花粉
症の根本的な対策として、出願人等は先に花粉アレルギ
ーの原因となる花粉、特にスギの花の開花を止めること
によって花粉の飛散を防止することを目的として、オレ
イン酸又は/及びリノール酸を主成分とした植物油脂か
らなる花粉飛散防止剤と、この花粉飛散防止剤を用いた
花粉飛散防止方法について出願した。(特願平4−75
494号)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特願平4−754
94号による花粉飛散防止剤は、スギの針葉に影響を及
ぼすことなく雄花のみに選択的な飛散防止効果を発現す
る優れたもので、きわめて即効性を有するものである。
そこで、この出願の発明者等は、かゝる花粉飛散防止に
ついてさらに検討を進めた結果、スギの雄花に対して比
較的緩慢な花粉飛散防止機能を持ったこの発明の花粉飛
散防止剤と花粉飛散防止方法を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の花粉飛散防止
剤は、オレイン酸ナトリウムを有効成分としてなること
を特徴とするものである。
【0005】一方、この発明の花粉飛散防止方法は、所
定濃度のオレイン酸ナトリウム水和剤からなる花粉防止
剤を、花粉の飛散を防止せんとする雄しべに対して散布
もしくは塗布することを特徴とするものである。
【0006】この発明の花粉飛散防止剤の有効成分であ
るオレイン酸ナトリウムは、1個の二重接合を有する炭
素数18の不飽和脂肪酸であるオレイン酸から誘導して
得られるもので、かゝるオレイン酸ナトリウムは、水和
剤として所定の濃度、好ましくは5%前後の比較的低い
濃度に調整して使用するものである。濃度が20%前後
と高くなると、雄花の渇変が急速に行われ、かつ針葉に
若干の褪色がみられるのであまり好ましくない。
【0007】かゝるオレイン酸ナトリウムからなる花粉
飛散防止剤の散布時期は、雄花の花芽の分化後のいずれ
の時期に散布してもよいが、当該オレイン酸ナトリウム
による雄花の褐変が比較的ゆっくりと進行することか
ら、雄花が着生する毎年8月〜9月以降の花粉粒の生成
期に当たる10月〜11月頃に散布することが特に好ま
しく、これによって翌春の花粉の飛散開始時期までに雄
花がほゞ完全に枯殺されて有効な花粉の飛散防止を図る
ことができる。
【0008】
【作用】この発明の花粉飛散防止剤は、オレイン酸ナト
リウムを有効成分とし、これを所定濃度の水和剤として
花粉の飛散防止を目的とする雄花に散布もしくは塗布す
るもので、これによって液が雄花に接触して雄花の内部
に浸透し、花粉を褐変させて飛散を防止する。このとき
の花粉飛散防止は、オレイン酸ナトリウムの濃度によっ
て若干の差異はあるが、総じてその作用が緩慢であり、
針葉その他に対する悪影響を及ぼさずに雄花のみに選択
的に作用して花粉の飛散を防止することができる。
【0009】
【実施例】以下、実施例によりこの発明をさらに具体的
に説明する。実施例1 群馬県林木育種場に植生されている18年生のスギ「吾
妻1号」について、下記のとおり、花粉飛散防止試験を
実施した。すなわち、濃度20%のオレイン酸ナトリウ
ムの水和剤を原液とし、この原液と、これを4倍に希釈
した濃度5%の水和剤との2種類の花粉飛散防止剤を使
用した。これに対して比較のために、ナタネ油に界面活
性剤(花王株式会社製の界面活性剤の商品名「レオドー
ルAO−10」)を加え、スターラで攪拌して得た濃度
5%のナタネ油のエマルジョンからなる花粉飛散防止剤
を準備した。前記「吾妻1号」を8つに区分して、その
うちの各2区を前記濃度20%と濃度5%のオレイン酸
ナトリウムの処理区とし、他の2区を濃度5%のナタネ
油の処理区、残りの2区を未処理の対照区とした。対照
区を除く各処理区に対してスギの雄花が着生して花粉粒
が形成されている11月12日に、前記の各花粉飛散防
止剤をそれぞれハンドスプレーによって散布し、この散
布の3ヵ月後に外部観察によって雄花の状態を調査し
た。この調査においてオレイン酸ナトリウム濃度20%
および濃度5%の処理区では、いずれも雄花の生長が停
止し、先端部分の雄花に褐変が認められたが、濃度20
%の処理区では濃度5%の処理区に比べて雄花の褐変が
やゝ急速で、針葉に僅かに褪色が認められた。これに対
して濃度5%の処理区では雄花の褐変がゆっくりと進行
し、針葉には全く異常が認められなかった。また、ナタ
ネ油の処理区においては、オレイン酸ナトリウム濃度2
0%の処理区とほゞ同様の進行状態で雄花の褐変が見ら
れ、針葉は若干褪色した。各処理区および対照区につい
て、翌春の花粉の飛散が開始した頃に花粉の飛散状態を
観察によって調査すると共に、飛散開始の1週間後の4
月1日に雄花の重量を測定して飛散防止効果を調べた。
花粉飛散の観察によれば、オレイン酸ナトリウム濃度2
0%、濃度5%処理区およびナタネ油の処理区には花粉
の飛散は全く認められず、オレイン酸ナトリウム濃度2
0%および濃度5%の処理区においては雄花が脱粒し易
い傾向が認められた。各処理区および未処理区における
雄花の重量測定の結果は表1に示すとおりである。な
お、重量測定は雄花の35個を採取して測定した重量の
平均値±標準誤差をもって表示したものである。
【0010】
【表1】
【0011】これらの結果より、オレイン酸ナトリウム
の花粉飛散防止剤による花粉飛散防止は濃度20%、濃
度5%のいずれにおいても有効であった。特に表1で明
らかなように、オレイン酸ナトリウムの散布によっても
たらされる雄花の重量増加は、飛散性の低下に確実に関
与しているものと考えられるが、濃度5%の場合が雄花
に対して比較的緩慢に作用してスギに対して緩和された
条件下で花粉飛散防止をもたらす点において最も実用的
であると判断される。
【0012】
【発明の効果】この発明の花粉飛散防止剤は、オレイン
酸ナトリウムを有効成分としているもので、これを所定
の濃度の水和剤としてスギなどの雄花に散布もしくは塗
布することによって、針葉その他に影響を及ぼすことな
く、雄花のみに選択的に作用して雄花の飛散防止に優れ
た効果を発揮するものである。
【0013】また、この発明の花粉飛散防止方法は、前
記オレイン酸ナトリウムを有効成分とした比較的低い濃
度の水和剤としてスギの雄花などの花粉症の原因となる
雄花に散布もしくは塗布するという簡単な手段によって
花粉の飛散防止を達成することができる。この散布は、
大量の人工林から飛散するスギ花粉などに対してはヘリ
コプターによる空中散布等の大規模な手段によって、有
効な花粉飛散防止を図ることができるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレイン酸ナトリウムを有効成分として
    なることを特徴とする花粉飛散防止剤。
  2. 【請求項2】 前記花粉飛散防止剤は、オレイン酸ナト
    リウム濃度が5%の水和剤であることを特徴とする請求
    請1記載の花粉飛散防止剤。
  3. 【請求項3】 所定濃度のオレイン酸ナトリウム水和剤
    からなる花粉防止剤を、花粉の飛散を防止せんとする雄
    花に対して散布もしくは塗布することを特徴とする花粉
    飛散防止方法。
JP22057793A 1993-08-12 1993-08-12 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法 Expired - Lifetime JP2890162B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22057793A JP2890162B2 (ja) 1993-08-12 1993-08-12 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22057793A JP2890162B2 (ja) 1993-08-12 1993-08-12 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0753307A true JPH0753307A (ja) 1995-02-28
JP2890162B2 JP2890162B2 (ja) 1999-05-10

Family

ID=16753164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22057793A Expired - Lifetime JP2890162B2 (ja) 1993-08-12 1993-08-12 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2890162B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008024793A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Genome Soyaku Kenkyusho:Kk 花粉飛散防止剤、及び花粉飛散防止剤噴霧装置
WO2009099212A1 (ja) * 2008-02-08 2009-08-13 Nof Corporation 花粉飛散防止剤
JP2009184990A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Nof Corp 花粉飛散防止剤
JP2009184991A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Nof Corp 花粉飛散防止剤
JP2009191053A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Nof Corp 花粉飛散防止剤
JP2009191052A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Nof Corp 花粉飛散防止剤
JP2011037735A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Nof Corp 花粉飛散防止剤

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008024793A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Genome Soyaku Kenkyusho:Kk 花粉飛散防止剤、及び花粉飛散防止剤噴霧装置
WO2009099212A1 (ja) * 2008-02-08 2009-08-13 Nof Corporation 花粉飛散防止剤
JP2009184990A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Nof Corp 花粉飛散防止剤
JP2009184991A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Nof Corp 花粉飛散防止剤
US9282737B2 (en) 2008-02-08 2016-03-15 Nof Corporation Agent for preventing pollen dispersal
JP2009191053A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Nof Corp 花粉飛散防止剤
JP2009191052A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Nof Corp 花粉飛散防止剤
JP2011037735A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Nof Corp 花粉飛散防止剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2890162B2 (ja) 1999-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69214805T2 (de) Fungizide mittel auf basis von fettsäure, mit rückständiger wirkung
AU2002329024B2 (en) Multi-layer adjuvants for controlled delivery of agro-materials into plant tissues
DE2927994A1 (de) Fungizides mittel
AU2002329024A1 (en) Multi-layer adjuvants for controlled delivery of agro-materials into plant tissues
JPH10504796A (ja) 魚油を用いた植物保護方法
DE69427407T2 (de) Zusammensetzung zur hemmung von kartoffelkeimung und/oder pilzwuchs
JPH0753307A (ja) 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法
JP2000510438A (ja) 塩化メピクァートと組み合わせたアミノエトキシビニルグリシン
EP0089205B1 (en) New flower-thinning agent for fruit trees
JP3093702B2 (ja) 摘花剤および摘花方法
JP2023106461A (ja) 摘花方法
EP0200371A1 (en) Flower-thinning agent for fruit trees and method of thinning flowers
JPH05238902A (ja) 花粉飛散防止剤及び花粉飛散防止方法
DE69427899T2 (de) Baumschutz-überzugsmittel und baumschutzverfahren
US5424272A (en) Fatty alcohol composition and method for controlling axillary and terminal buds of agronomic, horticultural and forestry crops
JP3261455B2 (ja) イネ科植物の花粉飛散防止方法
JPS6033404B2 (ja) 農園芸用殺菌組成物
WO1999012419A1 (fr) Agents perturbant la communication et procede de perturbation de la communication
CN113994963B (zh) 一种含有乙酸二氢香芹酯的抑芽剂及其用途
JP2023174308A (ja) スギおよびヒノキ花粉飛散抑制剤および花粉飛散抑制方法
US6440901B1 (en) Calcium chloride fruit blossom thinning agent
Bartolini et al. Effects of different growth regulators on fruit-set in olive
JPH03279305A (ja) スギ科、ヒノキ科等の針葉樹の花粉形成阻害剤
JP3061174B2 (ja) 病害防除資材
US2210894A (en) Insecticidal emulsion composition