JPH03279305A - スギ科、ヒノキ科等の針葉樹の花粉形成阻害剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スギ科、ヒノキ科等の針葉樹の花粉形成阻害
剤および阻害方法に関する。詳しくは、本発明は、マレ
イン酸ヒドラジドまたはその塩を有効成分とするスギ科
、ヒノキ科等の針葉樹の花粉形成阻害剤に関する。　本
発明に係る薬剤をスギ科、ヒノキ科等の針葉樹の雄花の
花芽形成期に茎葉に施用することにより花粉形成を阻害
し、人に対するアレルギー性花粉症の発生を未然に防止
することができると共にスギ科、ヒノキ科等の針葉樹の
生殖器官形成に要するエネルギーの消耗を抑制すること
ができ樹木の成長の促進をはかることもでき、また開花
を防止することにより古木の花芽形成に要するエネルギ
ーの消耗を抑制し老化を防ぐこともできる。

〔従来の技術〕

従来、人に対するアレルギー性花粉症は主としてスギ科
、ヒノキ科等の針葉樹の花粉の飛散によると言われてお
り、これまでアレルギー性花粉症に対しては対症療法的
な手段が一般的に行われているのが現状であり、アレル
ギー性花粉症の原因となるスギ科、ヒノキ科等の針葉樹
の雄花の花芽形成を阻害する方法およびその阻害剤につ
いてはこれまで全く見当たらない。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、スギ科、ヒノキ科等の針葉樹の生殖器官であ
る雄花の花芽の形成を阻害し、花粉の飛散による人に与
えるアレルギー性花粉症を未然に防止し、花粉の発生原
因を根本的に解決することにある。併せて、スギ科、ヒ
ノキ科等の生殖器官の種子形成を阻害することにより樹
体エネルギーの消耗を防止し林木の成木化を促進する方
法をも提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、スギ科、ヒノキ科等の針葉樹の雄花の花
芽形成を阻害する薬剤および阻害方法につき、多角的な
面から種々の検討を重ねた結果、マレイン酸ヒドラジド
またはその塩が極めて効果があることが見出されこれに
基づいて本発明を為した。

すなわち、本発明はマレイン酸ヒドラジドまたはその塩
を有効成分とするスギ科、ヒノキ科等の針葉樹の花粉形
成阻害剤および阻害方法に関する。

ところで、本発明に使用されるマレイン酸ヒドラジドま
たはその塩（以下ＭＨまたはその塩ということがある）
は、たとえばタバコの腋芽の成長抑制、柑橘類、ぶどう
等の徒長枝の成長抑制、あるいは玉葱、馬鈴薯等の貯蔵
中の萌芽抑制等の目的に使用されてきている。しかしな
がらスギ科、ヒノキ科等の針葉樹の雄花の花芽形成を阻
害し、花粉の発生を抑制するのに有効な薬剤であること
については全く知られていない。

本発明について、さらに詳細に説明すると、スギ科、ヒ
ノキ科等の針葉樹の雄花の花芽形成を阻害し、花粉の形
成を防止するには、本発明に係るＭＨまたはその塩をス
ギ科、ヒノキ科等樹木の雄花の花芽分化期に茎葉に施用
することにより達成できる。花芽分化は一時に起こるの
でなく、成る期間の間に間断的におこり、通常その時期
は夏季６〜９月であるので、−船釣にはこの時期に施用
することにより所期の目的が達成される。

本発明に係るＭＨまたはその塩は葉に対しては格別な作
用をしないので樹木の成長を阻害したり、葉に対する薬
害の発生はない。雄花の形成期よりも早い時期、すなわ
ち６月より前に本発明に係る薬剤を施用してもその効果
は認められない。

一方、１０月〜１１月の花芽形成後に施用しても全く効
果が認められず、場合によっては葉の先端部が黄変する
薬害が発生する危険性があり不適当である。

本発明において、ＭＨまたはその塩は通常ＭＨとして４
００〜５０００ｐｐｍの濃度で施用するのが適当であり
、５００〜４０００ｐｐｍの濃度で施用するのが好まし
い。なおヒノキ科の樹木の場合は５０００ｐｐｍ以上の
濃度で施用しても葉に対する薬害は認められないが、ス
ギ科の樹木の場合は５００６　ｐｐｍの濃度では葉の先
端が黄変する薬害が発生することがあるので４０００ｐ
ｐｍよりも低い濃度での施用が好ましい。

施用方法は、一般には散布による方法で行われ、散布の
回数は６〜９月の雄花の花芽の分化期間に２〜３回行う
のが適当である。２〜３回の散布を行うのは、１回の散
布では上記したように雄花の花芽の分化期は一時でなく
一定の期間内に間断的に形成されるのでこの時期に施用
するのが効果的であるからである。

本発明におけるＭＨの塩類としては、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、等のアルカリ金属またはアルカリ土
類金属などの無機塩、あるいはコリン、アルキルアミン
、アルカノールアミンなどの有機塩類があげられる。こ
れらのうちコリン塩が移行性の点から特に好適である。

また、薬剤の剤型は液剤、粉剤、粒剤、などいずれの型
で製剤として使用することができるが、ＭＨの移行性の
点から粉剤としてよりも液剤、たとえば水で希釈した液
剤として散布するのが好適である。最も好適なものは安
全性の確認されている製品、たとえば日本ヒドラジン工
業■製「エルノー」　（商品名）が−例としてあげられ
る。また、水剤の使用に当たって通常の展着剤を添加す
ることも差しつかえない。

本発明における薬剤はスギ科、ヒノキ科等の針葉樹の生
殖器官である雄花の細胞内に容易に浸透し雄花内の花芽
分化直後の初期細胞すなわち雄花の朽中の胞原組織を破
壊し、花粉成形能力を阻害する作用を有するものである
。この作用は、スギ科、ヒノキ科等の針葉樹の雌雄同株
の中特異的に雄花のみに作用し、枯死させ花粉形成能力
を阻害する。

尚、本発明における薬剤はスギ科、ヒノキ科等の針葉樹
に限定されることなく、ハンノキ、コナラ、カモカ゛ヤ
、スイバ、ブタフサ、カナムグラ、ヨモギ、セイタカア
キノキリンソウなどの木本性植物、草木性植物の花芽形
成阻害にも有効であり、上記の植物にも適用できる。

〔発明の効果〕

上記に説明したようにＭＨまたはその塩類を有効成分と
する本発明における薬剤はスギ科、ヒノキ科等の針葉樹
の雄花の花芽形成を阻害する効果があり、これを所望の
濃度で花芽形成期に数回散布することにより、葉に対し
ては何らの損傷を与えることなく生殖器官である雄花の
細胞内に容易に浸透し雄花内の花芽分化直後の初期細胞
組織を破壊し花芽形成を阻止する結果、スギ科、ヒノキ
科等の針葉樹の花粉の飛来に伴なう人のアレルギー性花
粉症を未然に防止することができる。

さらに樹木の生殖器官の形成に消費されるエネルギーを
抑制するのでスギ科、ヒノキ科等の針葉樹の樹幹の肥大
成長を促進することができ樹木の老化、枯死を回避する
ことも可能となる。

以下に本発明の効果を実施例、および比較例により具体
的に示す。

実施例１ 薬剤としてＭＨ−ナトリウム塩、カリウム塩、コリン塩
、およびジェタノールアミン塩を表−１に示す各濃度で
茎葉に散布し、雄花の育成の状況および花粉形成の有無
を調べた。この結果を表−１に示す。

供試材料：８手生オキノヤマスギ 処理時期＝８月３０日、 ９月１０日、 ９月２１日 の３回 表−１ 表 １ （つづき） 実施例　２ 供試材料をヒノキとし、処理時期を変えた以外は実施例
１と同様に実施した。この結果を表−２に示す。

供試材料＝１５年生ヒソキ 処理時期＝７月１５日、８月５日、９月１０日の３回 表−２ （つづき） 表−２ （つづき）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）マレイン酸ヒドラジドまたはその塩を有効成分と
   するスギ科、ヒノキ科等の針葉樹の花粉形成阻害剤。
2. （２）マレイン酸ヒドラジドの塩がナトリウム、カリウ
   ム、カルシウム、コリン、アルキルアミンおよびアルカ
   ノールアミンである請求項第１項記載の花粉形成阻害剤
   。
3. （３）マレイン酸ヒドラジドまたはその塩の濃度が４０
   ０〜４０００ｐｐｍである請求項第１項記載の花粉形成
   阻害剤。
4. （４）マレイン酸ヒドラジドまたはその塩を有効成分と
   する薬剤をスギ科、ヒノキ科等の針葉樹の雄花の花芽形
   成期に茎葉に施用することを特徴とするスギ科、ヒノキ
   科等の針葉樹の花粉形成を阻害する方法。