JPH0752266A - 複合材料強化用繊維を使用した繊維強化合成樹脂製パイプ又はシャフトのワインディング成形方法とそのワインディング成形装置 - Google Patents

複合材料強化用繊維を使用した繊維強化合成樹脂製パイプ又はシャフトのワインディング成形方法とそのワインディング成形装置

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JPH0752266A
JPH0752266A JP5220647A JP22064793A JPH0752266A JP H0752266 A JPH0752266 A JP H0752266A JP 5220647 A JP5220647 A JP 5220647A JP 22064793 A JP22064793 A JP 22064793A JP H0752266 A JPH0752266 A JP H0752266A
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mandrel
fiber
winding
wound
resin
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Kusuo Sato
九州男 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィラメントワインディング法と、プリプレ
グワインディング法とを巧みに組み合わせたワインディ
ング成形方法及びその成形装置とすることによって、優
れた物性を有するパイプ又はシャフトの生産性の向上を
図る。 【構成】 熱硬化性樹脂を含浸してBステージ化した強
化用繊維を織成して、所定配列角度に裁断したシート状
基材を、シート同士配列角度の異なる方向に、軸方向
(0度方向)に重ねて貼り合わせて、回転チヤックで支
持されているマンドレル上に巻き付けて、上下方向から
上下両ローリングテーブルを同期回動させながら逆方向
にスライドさせて押圧して緊締し、次に、前記マンドレ
ルを回転させながら、 巻着したシートの上から、強化用
繊維を熱硬化性樹脂液層内を通して熱硬化性樹脂を含浸
した繊維を巻き付けて後、さらに、加熱した上下ローリ
ングテーブルで挟んで回動することにより、 樹脂を加熱
硬化せしめて圧締して補強を行う構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフクラブ、釣り竿
等のレジャー用品や自動車のプロペラシャフト等の工業
部品に使用されている、複合材料強化用繊維を使用した
繊維強化合成樹脂(FRP)製のパイプあるいはシャフ
トの成形において、フィラメントワインディング法と、
プリプレグワインディング法とを巧みに組み合わせた複
合材料強化用繊維を使用した繊維強化合成樹脂製パイプ
又はシャフトのワインディング成形方法及びその成形装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴルフクラブ、釣り竿等のレジャ
ー用品や自動車のプロペラシャフト等の工業部品に使用
されている、CFRP(炭素繊維強化合成樹脂)に代表
される複合材料強化用繊維を使用した繊維強化合成樹脂
(FRP)製のパイプあるいはシャフトの成形におい
て、図8,図9に示すフィラメントワインディング法
と、図5,図6,図7に示すプリプレグワインディング法
とがある。
【0003】これら成形方法の内、複合材料の母材とな
る樹脂原料で大別して、FRP(熱硬化性樹脂を母材と
した材料)と、FRTP(熱可塑性樹脂が母材となる材
料)との種類の相違により、マンドレル2に巻き付ける
巻き付け方が異なり、それらの方式に湿式のフィラメン
トワインディング法と、乾式のプリプレグワインディン
グ法との2通りの方式がある。
【0004】図8及び図9に示す、従来成形方法のフィ
ラメントワインディングの巻着工程及び前処理工程の説
明図において、前処理として、ガラス繊維、炭素繊維、
ボロン繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等の強化用繊
維の束(ロービング)5を、エポキシ樹脂、フェノール
レジン等の強化された熱硬化性樹脂1液の槽6内を通す
等して、樹脂1を含有させたCFRP(炭素繊維強化合
成樹脂)1’を回転チヤック7に両端を支持されたマン
ドレル(芯金)2に巻き付ける。必要に応じて、その上か
ら有機テープを更に巻き付けることにより、 樹脂1が流
れ出して、形状が崩れないように固定してから、 加熱炉
4内で加熱し、 樹脂1を硬化(Bステージ)させて後、そ
の後、マンドレルを引き抜き、所定のサイズに切断また
は外周を研磨して成形する工程からなるワインディング
成形方法である。
【0005】巻き付ける装置は、繊維送りガイド装置8
を備えたフィラメントワインダ装置と呼ばれて、マンド
レル2の一端に繊維送りガイド装置8から取り出された
樹脂含浸繊維1’の一端をテープ等でマンドレル2に固
定し、マンドレル2を回転用モータ9で回転させながら
回転軸2aに沿って、繊維送りガイド装置8を送り用モ
ータ10によって回動する送り装置で移動させるもの
で、回転数と送り速度をコンピュータ装置11で制御す
ることによって、繊維1’を巻き角度や巻き数を変えて
巻き付けることができ、配列角度の変化により円周方向
と、軸方向との強度比を自由に加減でき、異なった強度
や弾性率を有するパイプやシャフトが得られるという特
徴を有する。
【0006】したがって、このフィラメントワインディ
ング成形方法は、多段テーパ形状など特殊形状のパイプ
やシヤフトの成形が可能である。その後、マンドレル2
を引き抜き、所定の寸法に切断または外周を研磨して成
形する工程を経てフィラメントワインディング成形方法
は完了する。
【0007】他方の乾式のプリプレグワインデイング法
は、図5、図6及び図7に示す、従来成形方法のプリプ
レグワインディングの巻着工程、前処理工程、及びロー
リング工程のそれぞれ説明図において、前処理として、
強化用繊維5に予め熱硬化剤として熱硬化性樹脂21を
含浸加工して、Bステージ化した強化用繊維21’を織
成し適用なるシート状基材13を、所定の配列角度に裁
断し、配列角度の異なるシート同士を重ねて貼りあわせ
たものを、事前に準備工程で用意しておき、次に、一般
にローリングテーブル装置16と呼ばれる装置でマンド
レル2に巻き付ける。
【0008】該ローリングテーブル装置16は、固定の
下ローリングテーブル16bと、垂直方向並びに一つの
水平方向に移動する上ローリングテーブル16aとによ
り構成されており、巻き付け方法は、シート基材13の
一端をマンドレル2に沿って予め貼り付けて、所定位置
に固定した下ローリングテーブル16b上にマンドレル
2を載置し、次に、その上に上ローリングテーブル16
aが下降してマンドレル2を所定の圧力で挟む。そのま
ま上ローリングテーブル16aが水平に移動し、マンド
レル2もそれと同時にシート13を巻き付けながら転が
り移動し、巻き終わると上ローリングテーブル16aが
上昇して成形工程が終了するとマンドレル2にシート基
材13’が巻き付けられる。この際、マンドレル16
a,16bを加熱しておくと、巻き付け工程及び回転工
程において、前処理で加えた硬化剤21の加熱硬化処理
(Cステージ化)が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来の2種類の
ワインディング成形方法にはそれぞれに長所、短所があ
り、湿式のフィラメントワインディング法の場合は、耐
薬品性が優秀で、比強度(強度/比重)が高く、また、
繊維の巻き方、すなわち糸の交差する角度を目的に応じ
て変化することができ、円周方向と軸方向との強度比を
自由に加減できる利点がある。しかし、マンドレル2の
シャフト2aの軸方向(0度方向)に巻き付けることが
不可能であるので、軸2a方向の補強が困難であり、ま
た、乾式のプレプリグワインディング法は、シート基材
13を所定の角度に裁断したり、重ね合わせたりする準
備作業を必要とするとともに、高多段テーパ形状に巻き
付けられないという欠点と、前記の湿式のフィラメント
ワインディング法に比して生産性が劣るという欠点があ
る。
【0010】また、パイプ、シャフト等の成形は、用
途、形状、配列角度による強度、弾性率等の物性上の要
求があるにも拘わらず、どちらか一方の方法を選択して
成形を行っているので、生産コストの面から商品化に限
界があり、新しい分野での開発が遅れているという問題
があった。
【0011】そこで、本発明は、このような従来のワイ
ンディング法が有していた課題を解決するために、プリ
プレグワインディング法と、新規な機構を付加して改良
したフィラメントワインディング法とを巧みに組み合わ
せた成形方法及びその成形装置とすることによって、優
れた物性を有するパイプ又はシャフトの生産性の向上を
図ることを目的とする。
【0012】而して、本発明成形方法と成形装置は、以
上の手段により、従来の下ローリングテーブル16bを
固定し、上ローリングテーブル16aのみをスライドす
るローリングテーブルの装置と異なり、上下両ローリン
グテーブル16a,16bを同期させながら逆方向にス
ライドさせることにより、マンドレル2がチヤック7で
支持されているフィラメントワインディング装置上で、
プリプレグ方式の巻き付け作業を可能とし、フィラメン
トワインディング法の課題であるマンドレル2シャフト
軸方向(0度方向)の巻き付け、及びその補強を解決
し、生産性の向上を図るための成形方法及び成形装置に
関するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、熱硬化性
樹脂21を含浸してBステージ化した強化用繊維5を織
成して、所定配列角度に裁断したシート状基材13を、
シート同士配列角度の異なる方向に、軸2a方向(0度
方向)に重ねて貼り合わせて、回転チヤック7で支持さ
れているマンドレル2上に巻き付けて、上下方向から上
下両ローリングテーブル16a,16bを同期回動させ
ながら逆方向にスライドさせて押圧して緊締し、次に、
前記マンドレル2を回転させながら、 巻着したシート1
3’の上から、強化用繊維5を熱硬化性樹脂液層6内を
通して熱硬化性樹脂1を含浸した繊維1’を巻き付けて
後、さらに、加熱した上下ローリングテーブル16a,
16bで挟んで回動することにより、 樹脂を加熱硬化せ
しめて圧締して補強を行うことを特徴とする複合材料強
化用繊維を使用した繊維強化合成樹脂製パイプ又はシャ
フトのワインディング成形方法である。
【0014】又、本発明方法は、熱硬化性樹脂21を含
浸してBステージ化した強化用繊維21’を織成し、所
定配列角度に裁断したシート状基材13を、シート同士
配列角度の異なる方向に、軸2a方向(0度方向)に重
ねて貼り合わせて、回転チヤック7で支持されているマ
ンドレル2上に巻き付けて、上下方向から上下両ローリ
ングテーブル16a,16bを同期回動させながら逆方
向にスライドさせて押圧して緊締し、次に、前記マンド
レル2を回転させながら、 巻着したシート13’の上か
ら、熱硬化性樹脂のパウダを均一に散布、又はパウダの
層内を通して付着して、加熱してゲル化して流動化して
繊維の内部まで浸透した強化繊維を巻き付けて後、さら
に、加熱した上下ローリングテーブル16a,16bで
挟んで回動することにより、 樹脂を加熱硬化せしめて圧
締して補強を行うことを特徴とする複合材料強化用繊維
を使用した繊維強化合成樹脂製パイプ又はシャフトのワ
インディング成形方法である。
【0015】本発明成形装置は、チヤック7で支持され
て回転するマンドレル2と、その上下方向から加熱した
上下両ローリングテーブル16a,16bを同期させな
がら逆方向にスライドさせて、前記マンドレル2に巻着
した繊維シート13を挟圧して緊締するワインディング
装置と、 前記巻着したシート13の上から、マンドレル
2に、別の樹脂強化繊維1’を巻き付けるガイド装置8
を備えたワインディング装置と、その上下方向から加熱
した上下両ローリングテーブル16a,16bをマンド
レル2に接近、離脱させながら、逆方向にスライドさせ
て緊締する加熱処理作業を行うローリングテーブル装置
16、とから成る複合材料強化用繊維を使用した繊維強
化合成樹脂製パイプ又はシャフトのワインディング成形
装置である。
【0016】
【作用】本発明方法は、このような構成としたもので、
先ず、フィラメントワインディング法によりマンドレル
2にシャフト軸2a(0度)方向のシート基材13の巻
き付けを行い、その上から従来のフィラメントワインダ
装置に、プリプレグワインダ装置に使用した同一のマン
ドレル2とローリングテーブル装置16のローリングテ
ーブル16a,16bの機構を、付加的に配した新機構
のフィラメントワインダ装置を組み合わせて用いて、強
化用繊維5を巻き付けて後、加熱処理を施こして、樹脂
を加熱硬化することにより、前記した従来のプレプリグ
ワインディング成形法の欠点であるシャフト軸(0度)
方向の補強を行なうとともに、従来のプリプレグワイン
ディング法の課題である多段テーパ形状の巻き付けが可
能になる。このように、繊維5の配列各度の組み合わせ
が拡大し、強度や弾性率等の制御が細分化され、かつ生
産性の向上と、より広範囲での用途の拡大を図ることが
できる。本発明装置は、上記の成形方法を実施するのに
適用する成形装置である。
【0017】
【実施例】以下本発明成形方法及び成形装置の実施例に
ついて工程を示す図1〜図4に基づいて説明する。図1
は、本発明成形方法の第1段階のプリプレグワインディ
ングの巻着工程を示した説明図、図2は、本発明成形方
法の第1段階のプリプレグワインディングのローリング
工程を示した説明図、図3は、本発明成形方法の第2段
階のフィラメントワインディングの巻着工程を示した説
明図、図4は、本発明成形方法の第2段階のフィラメン
トワインディングのローリング工程を示した説明図であ
る。
【0018】本発明成形方法は、従来のプレプリグワイ
ンディング法と、新規な機構を付加して改良したフィラ
メントワインディング法を併用混合して両者の特徴を兼
ね備えたワインディング方法である。
【0019】すなわち、先ずエポキシ樹脂、フェノール
レジン樹脂等の強化用繊維5に熱硬化性樹脂21を含浸
して予熱を加えてBステージ化した繊維21’を編組し
て成形したシート基材13を所定配列角度に裁断してお
き、両端を回転式チヤック7で支持されているマンドレ
ル2上に、前記のシート状基材13を、シート同士の配
列角度がそれぞれ異なる方向に、軸2a方向(0度方
向)に重ねて貼り合わて巻き付けて、ローリングテーブ
ル装置16の上ローリングテーブル16aと、予め巻き
付ける強化用繊維のシート基材13を配置した下ローリ
ングテーブル16bがマンドレル2を挟んで、下層の巻
着を行い、次にクラッチ18を切り、マンドレル2が自
由に回転できる状態にして後、回転用モータ9に接続し
てマンドレル2を回転させながら強化繊維5を前記した
巻着して、マンドレル2に巻き付けるとともに、加熱し
た上下ローリングテーブル16a,16bで挟んで回動
することにより、 繊維に含浸したフェノールレジン樹脂
等の熱硬化性樹脂を硬化(Cステージ化)するプリプレ
グワインディング方式の巻き付け方法により巻着する。
【0020】次ぎに第2工程段階において、回転用モー
タ9に断続可能に連結したクラッチ18を介し、モータ
2に接続された回転式のチヤック7で、 マンドレル2の
両端が支持されている巻取装置と、前記マンドレル2に
向かって、送り用モータ10によって軸方向に左右移動
する繊維送りガイド装置8(巻き付け機)が備えられ
て、次に、ローリングテーブル装置16の上ローリング
テーブル16aと予め巻き付ける強化用繊維のシート基
材13を所定の位置に配置した下ローリングテーブル1
6bが、マンドレル2を挟む形で双方から前進し、次い
で昇降して、マンドレル2の上から巻着したシート基材
13’を圧着して、 緊締する。
【0021】そして、回転式のチヤック7で支持された
マンドレル2からローリングテーブル16が離脱して、
代わってフィラメントワインダ装置Fの送りガイド装置
8(巻き付け機)がマンドレル2に達して後、クラッチ
18が繊維送りガイド装置8を接続して回転用モータ9
に連結して、前記の繊維送りガイド装置8がマンドレル
2に到達して、 従来の方式で強化用繊維31を巻き付け
ることができる。
【0022】前記の本発明の成形方法及び成形装置によ
り実現できる、 これら一連の工程は、コンピュータ装置
11により自動制御されて、プレプリグワインディング
方式によるプレプリグシート基材13の配列角度と、 フ
ィラメントワインディング方式の巻き角度及び巻き数を
自在に組み合わせることにより、 繊維の配列角度のみ組
み合わせによる強度や弾性率の制御範囲が従来より拡大
して、 従来の乾式または湿式のいずれかによる成形に
比して、 従来にないガラス繊維含有量の高く、極めて強
度の高い優れた物性を有するパイプやシャフトを生産性
の上でも成形能率良く得られ、 新しい分野の商品開発が
期待できるワインディング方法及びその製造装置であ
る。
【0023】なお、 樹脂のBステージ化熱処理は、フィ
ラメントワインディング法においても、プリプレグワイ
ンディング法においても、樹脂含浸後直ちに行ってもよ
いし、また、マンドレルに巻着後加熱したローリングテ
ーブル等によって行ってもよい。すなわち、 本発明の成
形方法及び成形装置は、 後工程の繊維の樹脂を硬化させ
て緊締して補強を行うことを特徴とする複合材料強化用
繊維を使用した繊維強化合成樹脂製パイプ又はシャフト
のワインディグ成形方法であるといえる。
【0024】また、本発明と付加拡張的に、フィラメン
トワインダ装置の繊維の送りガイド装置8の供給部分
に、 有機テープの供給部分を付加することによって、 繊
維を有機テープに交換すると、後の工程のテープ巻き付
け装置(テーピングワインダ装置)としても利用出来、
プリプレグワインディング法において、ローリングテー
ブル装置16とテーピングワインダ装置が別々の作業で
あったのが、ローリングテーブル装置16、テープワイ
ンダ装置の3つの機能を1つの装置で行うことも可能と
なり、一つの装置として連続に行えるので、生産性の向
上が期待できるようになった。
【0025】さらに、本発明の実施応用例について説明
すると、強化用繊維5が帯状に巻回された原反ロールか
ら送り出された繊維に熱可塑性樹脂のパウダを均一に散
布、又はパウダの層内を通して繊維に十分付着される。
パウダを付着した繊維は続いて加熱炉等の加熱装置を通
り、その間に繊維に付着した樹脂はゲル化して流動化し
て繊維の内部まで浸透しFRTPの母材となる。この場
合、樹脂の散布と加熱の工程を繰り返して樹脂量を調整
することは当然技術的に可能である。繊維はそのまま金
型のセットされた(プリプレグ)ワインディング装置に送
られ、ヒータ等で加熱された金型でFRTP材を圧縮し
た後、金型に空気、水又は油等の冷媒で樹脂が硬化する
まで冷却し、圧縮が解放され、トリミングされた成形品
を取り出す工程を繰り返し連続して行うプリプレグ成形
方法として実施出来る。
【0026】
【発明の効果】本発明は、このような従来のワインディ
ング法が有していた課題を解決するために、プリプレグ
ワインディング法と、新規な機構を付加して改良したフ
ィラメントワインディング法とを巧みに組み合わせた製
造方法及びその製造装置とすることによって、本発明成
形方法並びに成形装置により生産されるパイプやシャフ
トは、両者の成形方法及び成形装置の長所を併せ有する
優れた物性を有し、いずれの成形方法、成形装置による
よりも顕著な生産性の向上を図ることができるものであ
る。
【0027】すなわち、以上の説明から既に明らかなよ
うに、本発明はプリプレグワインディング法によりマン
ドレル2にシャフト軸(0度)方向のシート基材13の
巻き付けを行って、その上から従来のフィラメントワイ
ンダ装置にローリングテーブル16の機構を付加した新
機構のフィラメントワインダ装置を用いて、部分的に強
化した繊維1を巻き付ける構成としたものであるから、
従来のプリプレグワインディング法の課題である多段テ
ーパ形状の巻き付けが可能になるとともに、従来のプリ
プレグワインディング成形法の欠点であるシャフト軸
(0度)方向の補強を行なうことが可能になり、さら
に、フィラメントワインディング法のマンドレル2のシ
ャフト2aの軸方向(0度方向)に巻き付けることが可
能になり、軸2a方向の補強が容易にできるようになっ
た。
【0028】また、乾式のプレプリグワインディング法
は、シート基材13を所定の角度に裁断したり、重ね合
わせたりする準備作業を必要とするとともに、高多段テ
ーパ形状に巻き付けられないという欠点と、前記の湿式
のフィラメントワインディング法に比して生産性が劣る
という欠点も完全に解消された。
【0029】また、パイプ、シャフト等の成形は、用
途、形状、配列角度による強度、弾性率等の物性上の要
求があるにも拘わらず、どちらか一方の方法を選択して
成形を行っているので、生産コストの面から商品化に限
界があり、新しい分野での開発が遅れているという問題
も、このように、繊維の配列各度の組み合わせが拡大
し、強度や弾性率等の制御が細分化され、従来にない均
等な強度や弾性率を有するという優れた物性を有するパ
イプやシャフトが得られるとともに、生産性の向上と、
より広範囲での用途の拡大を図ることができるという従
来のものには期待することが出来ない顕著な効果を有す
るに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明成形方法の第1段階のプリプレグワイン
ディングの巻着工程を示した説明図である。
【図2】本発明成形方法の第1段階のプリプレグワイン
ディングのローリング工程を示した説明図である。
【図3】本発明成形方法の第2段階のフィラメントワイ
ンディングの巻着工程を示した説明図である。
【図4】本発明成形方法の第2段階のフィラメントワイ
ンディングのローリング工程を示した説明図である。
【図5】従来成形方法のプリプレグワインディングの巻
着工程を示した説明図である。
【図6】従来成形方法のプリプレグワインディングの前
処理工程を示した説明図である。
【図7】従来成形方法のプリプレグワインディングのロ
ーリング工程を示した説明図である。
【図8】従来成形方法のフィラメントワインディングの
巻着工程を示した説明図である。
【図9】従来成形方法のフィラメントワインディングの
前処理工程を示した説明図である。
【符号の説明】
1 熱硬化性樹脂 1’ 熱硬化性樹脂を含浸した強化用繊維 1'' 巻き付けられた強化用繊維 2 マンドレル 2a 軸 3 有機テープ 4 加熱炉 5 強化繊維の束 6 熱硬化性樹脂の槽 7 回転チヤック 8 繊維送りガイド装置 9 回転用モータ 10 送りモータ 11 コンピュータ装置 13 シート状基材 13’ 巻き付けられたシート基材 16 ローリングテーブル(装置) 16a 上ローリングテーブル 16b 下ローリングテーブル 17 回転チヤック 18 クラッチ装置 21 熱硬化性樹脂 21’ 熱硬化性樹脂を含浸加工した強化用繊維 F フィラメントワインダ装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 23:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂21を含浸してBステージ
    化した強化用繊維5を織成して、所定配列角度に裁断し
    たシート状基材13を、シート同士配列角度の異なる方
    向に、軸2a方向(0度方向)に重ねて貼り合わせて、
    回転チヤック7で支持されているマンドレル2上に巻き
    付けて、上下方向から上下両ローリングテーブル16
    a,16bを同期回動させながら逆方向にスライドさせ
    て押圧して緊締し、次に、前記マンドレル2を回転させ
    ながら、 巻着したシート13’の上から、強化用繊維5
    を熱硬化性樹脂液層6内を通して熱硬化性樹脂1を含浸
    した繊維1’を巻き付けて後、さらに、加熱した上下ロ
    ーリングテーブル16a,16bで挟んで回動すること
    により、 樹脂を加熱硬化せしめて圧締して補強を行うこ
    とを特徴とする複合材料強化用繊維を使用した繊維強化
    合成樹脂製パイプ又はシャフトのワインディング成形方
    法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂21を含浸してBステージ
    化した強化用繊維21’を織成し、所定配列角度に裁断
    したシート状基材13を、シート同士配列角度の異なる
    方向に、軸2a方向(0度方向)に重ねて貼り合わせ
    て、回転チヤック7で支持されているマンドレル2上に
    巻き付けて、上下方向から上下両ローリングテーブル1
    6a,16bを同期回動させながら逆方向にスライドさ
    せて押圧して緊締し、次に、前記マンドレル2を回転さ
    せながら、 巻着したシート13’の上から、熱硬化性樹
    脂のパウダを均一に散布、又はパウダの層内を通して付
    着して、加熱してゲル化して流動化して繊維の内部まで
    浸透した強化繊維を巻き付けて後、さらに、加熱した上
    下ローリングテーブル16a,16bで挟んで回動する
    ことにより、 樹脂を加熱硬化せしめて圧締して補強を行
    うことを特徴とする複合材料強化用繊維を使用した繊維
    強化合成樹脂製パイプ又はシャフトのワインディング成
    形方法。
  3. 【請求項3】 チヤック7で支持されて回転するマンド
    レル2と、その上下方向から上下両ローリングテーブル
    16a,16bを同期させながら逆方向にスライドさせ
    て、前記マンドレル2に巻着した繊維シート13を挟圧
    して緊締するワインディング装置と、 前記巻着したシー
    ト13の上から、マンドレル2に、別の樹脂強化繊維
    1’を巻き付ける繊維送りガイド装置8を備えたフィラ
    メントワインディング装置Fと、その上下方向から加熱
    した上下両ローリングテーブル16a,16bをマンド
    レル2に接近、離脱させながら、逆方向にスライドさせ
    て緊締する加熱処理作業を行うローリングテーブル装置
    16、とから成る複合材料強化用繊維を使用した繊維強
    化合成樹脂製パイプ又はシャフトのワインディング成形
    装置。(符番は従来例と共通)
JP5220647A 1993-08-11 1993-08-11 複合材料強化用繊維を使用した繊維強化合成樹脂製パイプ又はシャフトのワインディング成形方法とそのワインディング成形装置 Pending JPH0752266A (ja)

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