JPH075220B2 - 連続延伸分繊方法及びその装置 - Google Patents

連続延伸分繊方法及びその装置

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JPH075220B2
JPH075220B2 JP1172729A JP17272989A JPH075220B2 JP H075220 B2 JPH075220 B2 JP H075220B2 JP 1172729 A JP1172729 A JP 1172729A JP 17272989 A JP17272989 A JP 17272989A JP H075220 B2 JPH075220 B2 JP H075220B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,合成繊維未延伸マルチフイラメント糸から延
伸モノフイラメント糸あるいはマルチフイラメント糸を
連続して製造することができる連続延伸分繊方法及びそ
の装置に関するものである。
(従来の技術) 従来から,ポリアミド,ポリエステル等の合成繊維を細
デニールモノフイラメント糸あるいはマルチフイラメン
ト糸を製造するに際し,未延伸マルチフイラメント糸を
延伸して一旦ボビンに巻取り,得られた延伸マルチフイ
ラメント糸を一連又は二連分繊装置を用いて分繊してモ
ノフイラメント糸あるいはマルチフイラメント糸とする
方法が採用されている。この方法は,延伸工程と分繊工
程が連続していないため,生産性の低いものである。こ
のため,生産性良く合成繊維を細デニールモノフイラメ
ント糸あるいはマルチフイラメント糸を製造することを
目的として,種々の方法が提案されている。
まず,特公昭41−6286号公報には,未延伸マルチフイラ
メント糸を無撚り状態で引出して延伸し,次いで得られ
た延伸マルチフイラメント糸をローラーガイドに移行さ
せローラーガイド上で分繊して複数本のモノフイラメン
ト糸とし,複数個の巻取り装置で巻取る方法で提案され
ている。この方法は,延伸マルチフイラメント糸を分繊
するにあたり,延伸マルチフイラメント糸からモノフイ
ラメント糸を逐次分離しようとするものであり,モノフ
イラメント糸が逐次分離されるにしたがい残余の延伸マ
ルチフイラメント糸が通過するガイドの数が逐次増加す
るため,分離されたモノフイラメント糸間に張力差が生
じ,その結果,糸質のバラツキが生じるという問題を有
している。また,分繊点でのフイラメント糸の走行張力
いわゆる分繊張力と巻取り張力とが連動しているため,
分繊張力の変動が巻取り張力に直接影響してパツケージ
の形態不良を生じたり,それによる後工程でのパツケー
ジの解舒不良を生じたり,あるいは巻取り張力を下げて
良好なパツケージ形態を得ようとすると分繊張力を上げ
ることができなくなるため,分繊点でフイラメント切れ
を生じたりするという問題を有している。
また,特開昭48−41018号公報には,延伸中の走行マル
チフイラメント糸を櫛分ガイドを用いて複数本のモノフ
イラメント糸に分離し,次いで一旦集束した後,複数個
の巻取り装置で巻取る方法が提案されている。この方法
は,延伸域で高張力(通常,1.5〜3.0g/d)条件下にある
マルチフイラメント糸に糸条擦過体である櫛分ガイド及
び集束ガイドを通過させるため,マルチフイラメント糸
にダメージを与え,得られるモノフイラメント糸の糸質
が低下したり,あるいはフイラメント切れを生じたりす
るという問題を有している。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記のような問題を解決し,高くかつ安定し
た分繊張力でマルチフイラメント糸を良好に分繊し,得
られたモノフイラメント糸あるいはマルチフイラメント
糸を最適な巻取り張力で安定して巻取ることができる方
法及びその装置を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は,次の構成を有するものである。
(1)実質的に無撚り状態で巻かれた未延伸マルチフイ
ラメント糸のパツケージから未延伸マルチフイラメント
糸を引出しローラにより無撚り状態で引出し,引出しロ
ーラと最終延伸ローラとの間で一段又は複数段で延伸し
て延伸マルチフイラメント糸とし,延伸マルチフイラメ
ント糸を一旦巻取ることなく連続してモノフイラメント
糸あるいはマルチフイラメント糸に分繊して巻取る連続
延伸分繊方法において,延伸マルチフイラメント糸を最
終延伸ローラと最終延伸ローラの下流に配設された分繊
点固定ローラとの間で複数本のモノフイラメント糸ある
いはマルチフイラメント糸に分繊し,分繊されたフイラ
メント糸を分繊点固定ローラの下流に等間隔かつ下記
(a)式を満足するように配設された複数個の引取りロ
ーラにより個別に引取った後,引取りローラに対応して
個別に配設された巻取り装置により巻取ることを特徴と
する連続延伸分繊方法。
〔H/L×(n−1)〕≧0.55 ……(a) 〔Lは複数個の引取りローラの各ローラ中心間距離(m
m),nは引取りローラの個数,Hは複数個の引取りローラ
の配設方向から分繊点固定ローラの中心までの距離(m
m)である。〕 (2)実質的に無撚り状態で巻かれた未延伸マルチフイ
ラメント糸のパツケージから未延伸マルチフイラメント
糸を無撚り状態で引出す引出しローラ,未延伸マルチフ
イラメント糸を引出しローラとの間で延伸する一段又は
複数段の延伸ローラ,最終延伸ローラの下流に配設され
最終延伸ローラとの間で延伸マルチフイラメント糸を複
数本のモノフイラメント糸あるいはマルチフイラメント
糸に分繊する分繊点固定ローラ,分繊点固定ローラの下
流に配設され分繊されたフイラメント糸を個別に引取る
複数個の引取りローラ,引取りローラに対応して個別に
配設され引取られたフイラメン糸を個別に巻取る複数個
の巻取り装置からなる連続延伸分繊装置であって, 分繊点固定ローラが下記(a)式を満足するように配
設され,かつ走行フイラメント糸の走行張力により走行
フイラメント糸に従動して回転するフリーローラからな
り, 引取りローラが等間隔かつ下記(a)式を満足するよ
うに配設され,かつ最終延伸ローラ及び巻取り装置の駆
動源と異なる駆動源を有していることを特徴とする連続
延伸分繊装置。
〔H/L×(n−1)≧0.55 ……(a) 〔Lは複数個の引取りローラの各ローラ中心間距離(m
m),nは引取りローラの個数,Hは複数個の引取りローラ
の配設方向から分繊点固定ローラの中心までの距離(m
m)である。〕 本発明の方法の特徴は,最終延伸ローラの下流に配設さ
れた分繊点固定ローラを介して,最終延伸ローラと分繊
点固定ローラの下流に等間隔かつ前記(a)式を満足す
るように配設された複数個の引取りローラとの間で最適
な分繊張力を設定して延伸マルチフイラメント糸を分繊
し,分繊された複数本のフイラメント糸を前記引取りロ
ーラにより個別に引取ることにあり,これにより,複数
個の引取りローラの周速度を単独で変更して分繊張力の
最適化を図ること,及び分繊点固定ローラ上の分繊点と
前記複数個の引取りローラとの間で分繊された複数本の
フイラメント糸間の分繊張力のバラツキが増大するのを
防止することが可能となる。
本発明の装置の特徴は,最終延伸ローラの下流にフリー
ローラからなる分繊点固定ローラを配設し,かつ分繊点
固定ローラの下流に等間隔かつ前記(a)式を満足する
ように複数個の引取りローラを配設し,引取りローラと
巻取り装置の各駆動源を各々独立させたことにある。本
発明の装置において,分繊点固定ローラは,走行フイラ
メント糸の走行張力により走行フイラメント糸に従動し
て回転するローラいわゆるフリーローラからなるもので
あり,通常の低トルク型ベアリング式あるいはエアーベ
アリング式ローラが用いられる。複数個の引取りローラ
は,分繊点固定ローラに関して前記(a)式を満足する
ように,かつ等間隔に配設され,引取りローラ間では共
通であるが最終延伸ローラや巻取り装置の駆動源とは異
なる駆動源を有し,最終延伸ローラの周速度や巻取り速
度にかかわらず最適な周速度に設定されるものである。
次に,図面に基づいて本発明の方法及び装置を具体的に
説明する。
第1図は,本発明の装置の一実施態様を示す図で,Yは未
延伸マルチフイラメント糸,yは延伸マルチフイラメント
糸,y1〜ynは延伸後分繊されたモノフイラメント糸ある
いはマルチフイラメント糸,1は実質的に無撚り状態で巻
かれた未延伸マルチフイラメント糸Yからなるパツケー
ジ,2はパツケージ1から未延伸マルチフイラメント糸Y
を無撚り状態で引出す引出しローラ,3は延伸ピン,4は未
延伸マルチフイラメント糸Yを引出しローラ2との間で
延伸する延伸ローラ,5は延伸ローラ4の下流に配設され
延伸マルチフイラメント糸yを延伸ローラ4との間で分
繊するためのフリーローラからなる分繊点固定ローラ,6
1〜6nは分繊点固定ローラ5に関して前記(a)式を満
足するように,かつ等間隔に配設され分繊されたモノフ
イラメント糸あるいはマルチフイラメント糸y1〜ynを個
別に引取る引取りローラ,7 1〜7nは引取りローラ6 1〜6
nに対応して個別に配設されフイラメント糸y1〜ynを個
別に巻取る巻取り装置である。なお,この装置では,第
1〜n番目まで横方向に等間隔に配設された複数個の引
取りローラ6 1〜6nの各ローラ中心間距離Lは,ローラ
径にもよるが,通常,150〜300mm,引取りローラの個数n
は2〜15程度とするのがよい。
本発明の方法は,第1図に示したような装置を用いるも
のであり,図において,未延伸マルチフイラメント糸Y
は,引出しローラ2によりパツケージ1から解舒され引
出されて無撚り状態のまま延伸域に供給され,引出しロ
ーラ2と延伸ローラ4との間で延伸ピン3を介して延伸
される。得られた延伸マルチフイラメント糸yは,延伸
ローラ4の下流に配設されたフリーローラからなる分繊
点固定ローラ5に供給され,分繊点固定ローラ5上で複
数本の延伸モノフイラメント糸あるいはマルチフイラメ
ント糸y1〜ynに分繊され,引取りローラ6 1〜6nにより
個別に引取られる。引取りローラ6 1〜6nの周速度は,
延伸ローラ4の周速度と同等又はそれより高く設定さ
れ,すなわち延伸ローラ4と引取りローラ6 1〜6nとの
間がストレツチ率0%以上のストレツチ状態とされ,分
繊張力が向上される。
本発明の方法では,分繊点固定ローラ5は,走行フイラ
メント糸y1〜ynの走行張力により走行フイラメントy1〜
ynに従動して回転するローラいわゆるフリーローラから
なり,走行張力の変動に応じて回転し,常に分繊点をロ
ーラ5上に固定して安定して分繊することを可能にす
る。さらに,本発明の方法では,分繊点固定ローラ5に
関して前記(a)式を満足するように引取りローラ6 1
〜6nが配設されているため,分繊点固定ローラ5上の分
繊点と引取りローラ6 1〜6nとの間のフイラメント糸y1
〜ynの走行張力差が小さくなり,分繊されたフイラメン
ト糸y1〜yn間の分繊張力のバラツキが増大することがな
い。
本発明においては,引取りローラは,分繊点固定ローラ
に関して前記(a)式を満足するように,かつ等間隔に
配設されることが必要であり,引取りローラと分繊点固
定ローラとの配設位置の関係が前記(a)式を満足しな
いと,分繊されたフイラメント糸間で分繊張力のバラツ
キが増大するため,糸間にバラツキのない均一な糸質の
フイラメント糸を得ることができない。
次いで,分繊点固定ローラ5上で分繊され引取りローラ
6 1〜6nにより引取られたフイラメント糸y1〜ynは,引
取りローラに対応して配設された巻取り装置7 1〜7nに
より個別に巻取られる。このとき,巻取り装置7 1〜7n
の巻取り速度は,引取りローラ6 1〜6nの周速度と同等
又はそれより低く設定され,すなわち引取りローラ6 1
〜6nと巻取り装置7 1〜7nとの間がリラツクス率0%以
上のリラツクス状態とされ,最適な巻取り張力が得られ
る。
本発明における未延伸マルチフイラメント糸とは,ポリ
アミド,ポリエステル等の重合体からなり,実質的に無
撚り状態のものである。
本発明においては,未延伸マルチフイラメント糸を延伸
するに際して,延伸段数を一段又は複数段とする。延伸
方法としては,通常の延伸ピンを用いた又は延伸ピンを
用いない冷延伸法,あるいは熱ピン,熱板,熱ローラ等
の接触式加熱手段,スリーブヒータやスチームジエツト
等の非接触式加熱手段を用いた熱延伸法を採用すること
ができ,必要に応じて熱ローラ等によりフイラメント糸
に熱処理を施すこともできる。
上記の説明では,第1図に示したように,1個の延伸ロー
ラ4から1個の分繊点固定ローラ5で分繊し,引取りロ
ーラ6 1〜6nにて引取る例を示したが,第2図に示すよ
うに,1個の延伸ローラ4から複数個の分繊点固定ローラ
5で分繊し,複数個の分繊点固定ローラ5 1〜5mに対応
して個別に配設された複数個の引取りローラ6 1〜6nに
て引取ることもできる。
以上に詳述したように,本発明においては,最終延伸ロ
ーラと巻取り装置との間に引取りローラが配設され,分
繊域と巻取り域とが完全に分離されているため,分繊域
における分繊張力のレベルと巻取り域における巻取り張
力のレベルをそれぞれ独立して最適値に設定することが
でき,したがって,高分繊張力でマルチフイラメント糸
を分繊し,得られたモノフイラメント糸あるいはマルチ
フイラメント糸を最適な巻取り張力で巻取り,巻き形態
の良好なパツケージを得ることが可能となる。しかも,
分繊時にガイド等を用いることがないため,フイラメン
ト切れを生じたりすることがない。そして,分繊点固定
ローラ上の分繊点と複数個の引取りローラとの間のフイ
ラメント糸の走行張力差が小さくなり,分繊された複数
本のフイラメント糸間の分繊張力のバラツキが増大する
ことがないため,得られるフイラメント糸は,糸質がバ
ラツキを有したり,そのレベルが低下したりすることが
ない。
(実施例) 以下,実施例により本発明を具体的に説明する。
なお,分繊操業性を,総巻取り錘数当たり満巻パツケー
ジを得ることができた錘数の総巻取り錘数に対する比率
(%)で評価した。パツケージの巻形態を,○:良好,
△:やや不良,×:不良の3段階で評価した。また,糸
斑(C%/U%)の測定を,日本計測器工業製イブネステ
スタKET-80を用い,糸速200m/分,ハーフイナートの条
件で実施した。強度,伸度及び熱水収縮率の測定をJIS
L1013の方法にしたがって実施した。さらに,分繊張
力,繊度,強度及び伸度の巻取り錘間のバラツキを各測
定値の変動率により評価した。
分繊張力,繊度,強度あるいは伸度の変動率 =〔(総巻取り錘に関する測定値の標準偏差)/ (総巻取り錘に関する測定値の平均値)〕×100(%) 実施例1 ナイロン6チツプを紡糸孔数7の紡糸口金から溶融紡糸
して実質的に無撚り状態で巻かれたナイロン6未延伸マ
ルチフイラメント糸を得,これを第1図に示した連続延
伸分繊装置(n=7)を用いて延伸分繊し,30dのモノフ
イラメント糸7本を得た。延伸分繊をするに際しては,
延伸ローラ数1に対し分繊点固定ローラ数を1,引取りロ
ーラ数を7(巻取り錘数7)とし,これを1ユニツトと
し計10ユニツト(総巻取り錘数70)を用いて延伸分繊を
実施した。
延伸するに際し,延伸方法を非加熱の延伸ピン3(実験
No.1)を用いた冷延伸法,表面温度が145〜155℃に加熱
された熱延伸ピン3(実験No.2〜4,7及び8)及び表面
温度が150℃に加熱された片面型あるいは両面型の熱板
(実験No.5及び6)を用いた熱延伸法の2方法とした。
延伸条件として,延伸ローラ4の周速度(すなわち延伸
速度)を300m/分,引出しローラ2の周速度と延伸ロー
ラ4の周速度間の比(すなわち延伸倍率)を4.60(実験
No.1〜8)とした。
分繊するに際し,第1〜7番目まで横方向に等間隔に配
設された引取りローラ6 1〜6 7の各ローラ中心間距離L
を190mm,引取りローラ6 1〜6 7の配設方向から分繊点固
定ローラ5までの距離Hを700mm,〔H/L×(n−1)〕
=0.61とした。
分繊条件として,延伸ローラ4と引取りローラ6 1〜6 7
との間のストレツチ率を0%(分繊張力約1.0g/d)(実
験No.1〜6),2.0%(分繊張力約1.5g/d)(実験No.7)
及び4.0%(分繊張力約1.9g/d)(実験No.8)とした。
巻取るに際し,トラベラを備えたリング式撚糸巻取り機
7 1〜7 7を用い,巻取り条件として引取りローラ6 1〜6
7と巻取り機7 1〜7 7との間の機械的リラツクス率を8.
0%(実験No.1〜8),パツケージの巻量を1.0kgとし
た。
実施例2 ナイロン6チツプを紡糸孔数12の紡糸口金から溶融紡糸
して実質的に無撚り状態で巻かれたナイロン6未延伸マ
ルチフイラメント糸を得,これを第1図に示した連続延
伸分繊装置(n=4)を用いて延伸分繊し,17d/3fのマ
ルチフイラメント糸4本を得た。ただし,延伸分繊をす
るに際しては,延伸ローラ数1に対し分繊点固定ローラ
数を1,引取りローラ数を4(巻取り錘数4)とし,これ
を1ユニツトとし計20ユニツト(総巻取り錘数80)を用
いて延伸分繊を実施した。
延伸するに際し,延伸方法を非加熱の延伸ピン3(実験
No.9)を用いた冷延伸法,表面温度が150℃に加熱され
た延伸ピン3(実験No.10)及び表面温度が150℃に加熱
された片面型あるいは両面型の熱板(実験No.11及び1
2)を用いた熱延伸法の2方法とした。
延伸速度,延伸倍率等の延伸条件は,実施例1と同一の
条件(実験No.9〜12)とした。
分繊条件として,延伸ローラ4と引取りローラ6 1〜6 4
との間のストレツチ率を0%(分繊張力約1.0g/d)(実
験No.9〜12)とした。
巻取るに際し,トラベラを備えたリング式撚糸巻取り機
7 1〜7 4を用い,巻取り条件として引取りローラ6 1〜6
4と巻取り機7 1〜7 4との間の機械的リラツクス率を8.
5%(実験No.9〜12),パツケージの巻量を1.0kgとし
た。
以上の結果を第1表に示す。
実験No.1〜12は,本発明の構成要件を満足し,分繊操業
性が良好で,巻形態の良好なパツケージを形成すること
ができた。そして,得られたフイラメント糸は巻取り錘
間で糸質のバラツキが小さいものであった。
比較実施例1 実施例1と同様にして,ナイロン6未延伸マルチフイラ
メント糸を延伸分繊し,30dのモノフイラメント糸7本を
得た。延伸分繊に際しては,延伸ローラ数1に対し分繊
点固定ローラ数を1,引取りローラ数を7(巻取り錘数を
7)とし,これを1ユニツトとし計10ユニツト(総巻取
り錘数70)を用いて延伸分繊を実施した。
延伸するに際し,延伸方法を非加熱の延伸ピン3(実験
No.13)を用いた冷延伸法,表面温度が150℃に加熱され
た熱延伸ピン3(実験No.14)を用いた熱延伸法の2方
法とした。
延伸速度,延伸倍率等の延伸条件は,実施例1と同一の
条件(実験No.13及び14)とした。
分繊するに際し,第1〜7番目まで横方向に等間隔に配
設された引取りローラ6 1〜6 7の各ローラ中心間距離L
を190mm,引取りローラ6 1〜6 7の配設方向から分繊点固
定ローラ5までの距離Hを600mm,〔H/L×(n−1)〕
=0.53,すなわち本発明の構成要件を満足しない条件と
した。
分繊条件として,延伸ローラ4と引取りローラ6 1〜6 7
との間のストレツチ率を0%(分繊張力約1.0g/d)(実
験No.13及び14)とした。
巻取るに際し,トラベラを備えたリング式撚糸巻取り機
7 1〜7 7を用い,巻取り条件として引取りローラ6 1〜6
7と巻取り機7 1〜7 7との間の機械的リラツクス率を8.
0%(実験No.13及び14),パツケージの巻量を1.0kgと
した。
以上の結果を第2表に示す。
本発明の構成要件を満足しない実験No.13及び14では,
分繊操業性は良好で,巻形態の良好なパツケージを形成
することができたが,得られたフイラメント糸は巻取り
錘間で糸質のバラツキが多いものであった。
比較例1 ナイロン6チツプを紡糸孔数7の紡糸口金から溶融紡糸
して実質的に無撚り状態で巻かれたナイロン6未延伸マ
ルチフイラメント糸を得,これを通常の供給ローラ(第
1図の引出しローラ2に相当する),延伸ピン,延伸ロ
ーラ(第1図の延伸ローラ4に相当する)からなる延伸
装置を用いて延伸した後,引続き分繊して30dのモノフ
イラメント糸7本を得た。
分繊するに際し,分繊方法を分繊点固定ローラ5を用い
ない方法,すなわち延伸マルチフイラメント糸yを1個
の延伸ローラから直接複数個の並設された誘導ローラ
(第1図の引取りローラ6 1〜6 7に相当する)に供給
し,前記誘導ローラ上で逐次モノフイラメント糸を分離
させ,トラベラを備えたリング式撚糸巻取り機(第1図
の巻取り装置7 1〜7 7に相当する)により巻取る方法を
採用した。延伸ローラ数1に対し誘導ローラ数を6(巻
取り錘数を7)とし,これを1ユニツトとし計10ユニツ
ト(総巻取り錘数70)を用いて延伸分繊を実施した。
延伸するに際し,延伸方法を非加熱の延伸ピン(実験N
o.15及び16)を用いた冷延伸法,表面温度が150℃に加
熱された熱延伸ピン(実験No.17)を用いた熱延伸法の
2方法とした。
延伸速度,延伸倍率等の延伸条件は,実施例1と同一の
条件(実験No.15〜17)とした。
分繊条件としての実施例1の延伸ローラ4と引取りロー
ラ6 1〜6 7との間のストレツチ率に相当するストレツチ
率は,引取りローラ6 1〜6 7に代わり全て延伸ローラを
用いているため機械的には0%(実験No.15〜17)であ
るが,延伸ローラ上でモノフイラメント糸が滑るため実
質的にはリラツクス状態となっている。したがって,こ
の方法では分繊張力が巻取り張力と連動するため,分繊
張力を設定するに際し,トラベラの重量を変更すること
により分繊張力を約0.2g/d(実験No.15),約1.0g/d
(実験No.16及び17)と設定した。
巻取り条件として,延伸ローラと撚糸機との間の機械的
リラツクス率を8.0%(実験No.15〜17),パツケージの
巻量を1.0kgとした。
以上の結果を第2表に示す。
実験No.15では,分繊張力を約1.0g/dに設定したとき,
分繊張力が巻取り張力と連動するため巻取り張力が高く
なりすぎてパツケージの巻締まりが生じ,連続して巻取
りを行うことができなかった。また,実験No.16及び17
では,トラベラを軽重量のものに変更して巻取り張力を
低下させパツケージの巻形態を向上させたが,分繊張力
が約0.2g/dと低くなり,分繊域においてフイラメント糸
が切断したり,あるいはフイラメント糸が隣りの錘へ渡
りローラに巻付く等のトラブルが生じ,分繊操業性が低
下した。
(発明の効果) 本発明の方法及び装置によれば,合成繊維未延伸マルチ
フイラメント糸から延伸モノフイラメント糸あるいはマ
ルチフイラメント糸を連続して製造するに際し,高くか
つ安定した分繊張力でマルチフイラメント糸を良好に分
繊し,得られたモノフイラメント糸あるいはマルチフイ
ラメント糸を最適な巻取り張力で安定して巻取ることが
できる。
そして,得られるフイラメント糸は,巻取り錘間で糸質
のバラツキが小さいものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の装置の一実施態様を示す図,第2図
は,本発明の装置の他の実施態様を示す図である。 Y:未延伸マルチフイラメント糸,y:延伸マルチフイラメ
ント糸,y1〜yn:分繊されたモノフイラメント糸あるいは
マルチフイラメント糸,1:パツケージ,2:引出しローラ,
3:延伸ピン,4:延伸ローラ,5及び5 1〜5m:分繊点固定ロ
ーラ,6 1〜6n:引取りローラ,7 1〜7n:巻取り装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に無撚り状態で巻かれた未延伸マル
    チフィラメント糸のパッケージから未延伸マルチフィラ
    メント糸を引出しローラにより無撚り状態で引出し,引
    出しローラと最終延伸ローラとの間で一段又は複数段で
    延伸して延伸マルチフィラメント糸とし,延伸マルチフ
    ィラメント糸を一旦巻取ることなく連続してモノフィラ
    メント糸あるいはマルチフィラメント糸に分繊して巻取
    る連続延伸分繊方法において,延伸マルチフィラメント
    糸を最終延伸ローラと最終延伸ローラの下流に配設され
    た分繊点固定ローラとの間で複数本のモノフィラメント
    糸あるいはマルチフィラメント糸に分繊し,分繊された
    フィラメント糸を分繊点固定ローラの下流に等間隔かつ
    下記(a)式を満足するように配設された複数個の引取
    りローラにより個別に引取った後,引取りローラに対応
    して個別に配設された巻取り装置により巻取ることを特
    徴とする連続延伸分繊方法。 〔H/L×(n−1)≧0.55 ……(a) 〔Lは複数個の引取りローラの各ローラ中心間距離(m
    m),nは引取りローラの個数,Hは複数個の引取りローラ
    の配設方向から分繊点固定ローラの中心までの距離(m
    m)である。〕
  2. 【請求項2】実質的に無撚り状態で巻かれた未延伸マル
    チフィラメント糸のパッケージから未延伸マルチフィラ
    メント糸を無撚り状態で引出す引出しローラ,未延伸マ
    ルチフィラメント糸を引出しローラとの間で延伸する一
    段又は複数段の延伸ローラ,最終延伸ローラの下流に配
    設され最終延伸ローラとの間で延伸マルチフィラメント
    糸を複数本のモノフィラメント糸あるいはマルチフィラ
    メント糸に分繊する分繊点固定ローラ,分繊点固定ロー
    ラの下流に配設され分繊されたフィラメント糸を個別に
    引取る複数個の引取りローラ,引取りローラに対応して
    個別に配設され引取られたフィラメント糸を個別に巻取
    る複数個の巻取り装置からなる連続延伸分繊装置であっ
    て, 分繊点固定ローラが下記(a)式を満足するように配
    設され,かつ走行フィラメント糸の走行張力により走行
    フィラメント糸に従動して回転するフリーローラからな
    り, 引取りローラが等間隔かつ下記(a)式を満足するよ
    うに配設され,かつ最終延伸ローラ及び巻取り装置の駆
    動源と異なる駆動源を有していることを特徴とする連続
    延伸分繊装置。 〔H/L×(n−1)≧0.55 ……(a) 〔Lは複数個の引取りローラの各ローラ中心間距離(m
    m),nは引取りローラの個数,Hは複数個の引取りローラ
    の配設方向から分繊点固定ローラの中心までの距離(m
    m)である。〕
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