JPH075147B2 - 容 器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は容器に関し、更に詳しくはグリップベルトを設
け、上部に柔かい具材を載せた食品（例えば、ピザ、タ
ルト等）用として適した容器に関する。

〔従来の技術〕

従来、上部に柔かい具材が載せられたピザ、タルト等の
食品を収納するための容器としては、皿状容器或いは袋
状容器が使用されている。これらの皿状容器は、食品を
載置するための容器として好ましい。しかし、食品を喫
食する際には、該容器は直接喫食用として役立たない。
つまり、食品を直接手で掴むか或いはスプーン、フォー
ク等を用いる必要がある。一方、袋状容器も上記の食品
に使用するための容器としては不適である。即ち、食品
を容器内から取り出す操作は手で食品を掴むことによっ
て行なわれ、この場合は手が汚れ、また食品と容器内面
とが接触して上部の柔かい具材が崩れてしまう等の問題
がある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

そこで本発明の目的は、ピザ、タルト等の食品の上部の
柔かい具材を崩すことなく、かつこれら食品を安定に保
持しつつ喫食することができる袋状容器を提供すること
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、柔軟材から構成される袋状容器であって、該
容器の側壁の一部が該容器の開口端部から凹状に切除さ
れており、かつ該容器に該容器の周方向に沿って弾力性
を有する比較的硬質の材料から構成される帯状のグリッ
プベルトを設けたことを特徴とする容器に関する。

本発明の容器は、柔軟材から構成される袋状容器１であ
って、該容器１の側壁５の一部が該容器１の開口端部３
から凹状に切除されている。さらに該容器１には該容器
１の周方向に沿って弾力性を有する比較的硬質の材料か
ら構成される帯状のグリップベルト４が設けられてい
る。

本発明において、袋状容器１を構成するための材料とし
ては柔軟性を有する材料であれば特に制限なく使用でき
る。該材料としては例えば各種合成樹脂、これらの発泡
材、紙材、不織布及びこれらの積層物等を挙げることが
できる。特に本発明においては、袋状容器１は断熱性シ
ートから構成することが、熱い食品を保持する場合に好
ましい。断熱性シートとしては、合成樹脂の発泡材（例
えば発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等）、紙材
（例えば厚手の和紙、柔軟な紙材の積層物）、不織布及
びこれらの積層物を挙げることができる。さらに袋状容
器１の内面を耐水性又は耐油性の材料で被覆することが
好ましい。

また袋状容器１の形状は、封筒状（角柱の底面が面では
なく線）、角柱状（立方体、直方体（四角柱、六角柱、
八角柱等））（第３図）、円柱（楕円柱も含む）又は錘
体状（円錐、角錐）等であることができる。

本発明において、袋状容器１は、側壁（周壁）５の一部
を、該容器１の開口端部３から凹状に切除されている。
凹状の切除部２の形状は略Ｕ字形（第１図）又は略Ｖ字
形（第２図）とすることができる。切除部２の大きさ
は、該容器１を適用する食品の種類に応じて種々選択す
ることができる。例えば袋状容器１の長さ方向で、開口
端部３から容器１の中央部（第1,3図）乃至容器底面付
近（第２図）まで切除することが好ましい。

グリップベルト４は、弾力性を有する比較的硬質の材料
から構成する。そのような材料の例としては、各種合成
樹脂、これらの発泡材、厚紙及びこれらの積層物等を挙
げることができる。グリップベルト４は、袋状容器１の
周方向に沿って設ける。好ましくは、周方向に沿い、か
つ、袋状容器１の長さ（高さ）方向のほぼ中央部に設け
る。該グリップベルト４は袋状容器１の内側（第４図）
または外側（第５図）に設けることも、容器１を形成す
るシート内に積層されて設ける（第６図）こともでき
る。

本発明の容器は、以下のようにして使用することができ
る。

本発明の容器の凹状切除部２を上にし、ピザパイ等の食
品６を収納する（第７図）。この状態で本発明の容器は
凹状切除部２を有するために食品６の上面の具材等と容
器とが接触することがなく、従って具材を崩すことがな
い。第７図をＢ−Ｂで切断した断面図を第８図に示す。
第８図（ａ）は第７図の食品６を収納した状態を示し、
喫食時に容器のグリップベルト４の部分を手で握ること
によって（第８図（ｂ））、グリップベルト４を介して
容器中の食品６を安定に保持することができ、食品６を
より食べ易くできる。次に食品をある程度喫食した後
に、グリップベルト４を握る力を弱めると、グリップベ
ルト４の弾力性によって容器が復元し、容器と食品６と
の間に隙間ができる（第８図（ｃ））。そこで容器の底
を押すことによって食品６を容器内でスライドさせるこ
とができ（第８図（ｄ））、食品を喫食し易い状態とし
て再度グリップベルト４を握ることによって、第８図
（ｂ）と同様にグリップベルト４を介して容器中の食品
６を安定に保持することができる。

本発明においてグリップベルトは比較的硬質であるため
に、食品を保持する際に従来の袋状容器を介して、食品
を手で握るよりも該袋状容器の周方向に沿って全体的に
広い面で食品を保持することができるために、食品をよ
り安定に保持することができる。さらに、グリップベル
トが比較的硬質であるために、第９図に示すように、容
器の開口端部３に近い部分を外側に折り曲げる支点とす
ることができ、それによって、食品を露出させ、より食
べ易い状態をつくることができる。

〔発明の効果〕

本発明の容器は、側壁を凹状に切除した袋状容器である
ことから、ピザ、タルト等の食品の上部の柔かい具材を
崩さずに収容することができる。また、該袋状容器は柔
軟材によって形成され、該袋状容器には弾力性及び保形
性のあるグリップベルトが設けられる。したがって、食
品を喫食する際には、該グリップベルトを握ることによ
って容器を安定に保持することができ、グリップベルト
を持つ力に強弱を付ける操作と袋状容器を手指で撓める
操作とによって、容器内の食品を順次袋状容器の開口部
に移動させて安定・容易に喫食することができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図及び第７図は、本発明の容器の一態様を示す
説明図である。第４〜６図は第１図のＡ−Ａでの断面斜
視図である。第８図は第７図のＢ−Ｂでの断面図であ
り、第９図は本発明の容器の使用態様の説明図である。 １……袋状容器,2……凹状の切除部,3……開口端部,4…
…グリップベルト,5……側壁,6……食品。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加守田 保 大阪府東大阪市御厨栄町１丁目５番７号 ハウス食品工業株式会社内 (72)発明者 中野 満樹 大阪府東大阪市御厨栄町１丁目５番７号 ハウス食品工業株式会社内

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】柔軟材から構成される袋状容器であって、
   該容器の側壁の一部が該容器の開口端部から凹状に切除
   されており、かつ該容器に該容器の周方向に沿って弾力
   性を有する比較的硬質の材料から構成される帯状のグリ
   ップベルトを設けたことを特徴とする容器。
2. 【請求項２】グリップベルトが袋状容器の長さ方向のほ
   ぼ中央部に設けられている特許請求の範囲第１項記載の
   容器。
3. 【請求項３】袋状容器の側壁の一部が該容器の開口端部
   から略Ｕ字形又は略Ｖ字形に切除されている特許請求の
   範囲第１項又は第２項記載の容器。
4. 【請求項４】グリップベルトが袋状容器の内側または外
   側に設けられている特許請求の範囲第１項又は第２項記
   載の容器。
5. 【請求項５】グリップベルトが容器を形成するシート内
   に積層されて設けられている特許請求の範囲第１項又は
   第２項記載の容器。
6. 【請求項６】袋状容器が断熱性シートからなる特許請求
   の範囲第１項又は第２項記載の容器。
7. 【請求項７】断熱性シートが合成樹脂の発泡材、紙材、
   不織布又はこれらの積層物である特許請求の範囲第６項
   記載の容器。
8. 【請求項８】合成樹脂の発泡材が発泡ポリエチレン又は
   発泡ポリウレタンである特許請求の範囲第７項記載の容
   器。
9. 【請求項９】紙材が厚手の和紙又は柔軟な紙材の積層物
   である特許請求の範囲第７項記載の容器。
10. 【請求項１０】グリップベルトを構成する弾力性を有す
    る比較的硬質の材料が合成樹脂、合成樹脂の発泡物、厚
    紙又はこれらの積層物である特許請求の範囲第１項又は
    第２項記載の容器。
11. 【請求項１１】袋状容器の内面が耐水性又は耐油性の材
    料で被覆されている特許請求の範囲第１項又は第２項記
    載の容器。