JPH0750968B2

JPH0750968B2 - 電線・ケ−ブルの貫通方法

Info

Publication number: JPH0750968B2
Application number: JP20658086A
Authority: JP
Inventors: 清之堀井; 滋松井; 賀郎飯島
Original assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1986-09-02
Filing date: 1986-09-02
Publication date: 1995-05-31
Anticipated expiration: 2010-05-31
Also published as: JPS6364512A

Description

【発明の詳細な説明】（技術分野）この発明は、電線又はケーブルの管路内貫通方法に関す
る。さらに詳しくは、管路内への非圧縮状態の気流の送
入によって生成させたスパイラル流を利用して電線又は
ケーブルを管路内貫通させる方法に関する。

（背景技術）従来、50m〜200m、またはそれ以上の長さの金属、プラ
スチック等からなる管路に電線又はケーブルを貫通させ
るために、強制的に管路内に紐状物又は細径のプラスチ
ックパイプ等を押し込んで、これにリード線を結びつけ
て管路内にリードを通していたが、この方法は、屈曲す
る管路の場合には極めて困難であった。

また、この強制的な方法に代えて、空気等によって、電
線又はケーブルを貫通させるためのリード線を輸送貫通
させる方法が提案されているが、この方法においては、
送入される空気等の流体が乱流状態にあるため、リード
線と管内壁との激しい衝突による磨耗、破損が避けられ
ない。しかもさらに重大な問題は、リード線が乱流攪乱
によってリニアフローとならずに集塊してしまうという
重大な問題があった。さらに圧搾空気を使用しての作業
であるため、作業の安全上も問題があった。

もちろん、リード線による電線・ケーブルの貫通につい
ては、磁力による吸引など様々試みられているが、100
〜200m、もしくはそれ以上の長尺、長距離の管内貫通に
ついては、効率的でかつ電線・ケーブルさらには管路の
損傷のない方法、そのための装置は実現されてきていな
い。

（発明の目的）この発明は、このような事情を鑑みてなされたものであ
り、長尺、長距離の管路内を効率的に、かつ損傷なく電
線又はケーブルを貫通させるための方法を提供すること
を目的としている。

（発明の開示）この発明は、上記の目的を実現するために、コーン体に
よって連結した管路と該管路の径よりも大きい径の筒状
体から管路に向けて送入した管路の長軸方向のベクトル
のみを与えた非圧縮流気流によりスパイラル流を生成さ
せ、該スパイラル流によって電線・ケーブルの貫通のた
めのリード線又は電線・ケーブル自体を管路内に搬送
し、電線・ケーブルを管路内貫通させることを特徴とし
ている。

この発明の方法において管路の長軸方向のベクトルのみ
を与えた気流を管路に送入するということは、意図的に
回転運動を促すようなベクトルを一切与えることなく、
また管路入口で急激な膨張又は収縮を生じさせることも
なく、いばわ管路の長軸方向にピストンフローのような
状態で気流が滑らかに流線を乱さずに送入されるように
することを意味している。それゆえ、送入気流に脈動が
あることも好ましくない。また、軸方向に渦を巻くよう
な現象もなくすために、気流を管路に送入する部分は管
径が急激に変化するような構造は避けるのが好ましい。

このような方法の実施にあたっては、たとえば次のよう
な装置を用いることができる。

添付した図面に沿って説明する。

第１図はこの方法の実施のための装置例を示したもので
あり、管路径より大きい径の筒状体（１）は、底板
（２）を有している。ガス送入管（３）は、筒状体
（１）の側面に、筒状体の軸心に向け、かつ底板（２）
方向にやや傾けた送入角度で取り付けてある。またコー
ン体（４）は筒状体（１）の先端部に次第に径をせばめ
て管路（６）の径に等しくなるようにしてある。電線・
ケーブルのリード線又は電線・ケーブル自体は、導入管
（５）より筒状体（１）に導入する。

この装置では、筒状体（１）の底板付近にはガスのたま
りができる。送入ガスはこのたまりにあたる。この際に
ガスのたまりはクッションのような作用をし、ガス流の
乱れを防止する。すなわち、このたまりは、圧力差のな
い均圧状態でガスをコーン体の方へ押し戻す。

また、ガスを軸心に向けて送入するのは、旋回ベクトル
が生じるのを避けるためである。

筒状体（１）を移送してきた気流は、コーン体（４）で
速度が増加し、スパイラル気流を生成するのに必要な気
流平均速度を与えられる。

コーン体（４）における大きい径の部分と管路（６）の
径にしぼったコーン先端の部分との面積の比は適宜なも
のとすることができるが、たとえば４対１以上とする場
合にはガス気流速度を5m/秒とすることができる。気流
平均速度としては、20m/秒程度となる。もちろん、100m
/秒またはそれ以上とすることも自在である。

筒状体（１）の均圧域におけるガス速度は10m/秒とする
のが好ましい。

コーン体（４）の形状は、図に示した裁頭円錐状でもよ
いし、あるいはさらに滑らかな流線を与える一葉双曲線
回転体のようなものであるならば一層好ましい。

また、筒状体（１）の形状も限定的なものではない。円
筒状、角柱状いずれのものでもよい。要はガスが非圧縮
状態で均圧の滑らかな流れになってコーン体の方へ移動
する形状であればよい。

ガス送入管（２）の取付位置と角度も適宜に選択するこ
とができる。その取付数も１本に限られることなく複数
とすることができる。この複数の場合には、送入がバラ
ンスよく行われるようにする。

送入するガスは、高圧を必要としない。このため、供給
源としては往復運動のコンプレッサーよりも、ブロワー
の方が好ましい。必要に応じてサージタンクを設けて脈
動を消去する。

送入するガスとしては、空気が一般的である。ただ、他
の不活性ガスを用いてもよい。

導入管（５）は、管路軸心に向けて設けるのが好まし
い。その管径は、ガス送入量、筒状体の大きさ、搬送速
度等の観点から適宜に選択することができる。

リード線又は電線・ケーブルの管路内搬送にあたって
は、これらリード線等の先端部に、球体、好ましくは軽
量の中空球体を取り付けることによって行なってもよ
い。

リード線としては、電線・ケーブルを引張る際の張力に
耐えるだけの剛性と、スパイラル流に適したねじれに対
する強さと軽量さが望まれる。

リード線を貫通させた後に、リード線の後端に連結した
電線又はケーブルを引寄せる。また、電線又はケーブル
が軽量の場合には、リード線の代わりに、そのもの自体
を搬送することができる。

貫通作業の終了後、筒状体（１）およびコーン体（４）
は管路（６）の端面からとりはずす。

以上の方法による場合には、管路内壁、リード線等の損
傷はなく、しかも高速でリード線等を搬送貫通させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】第１図は、この発明の方法に用いる装置の一例を示す断
面図である。図中の番号は次のものを示している。１……筒状体、２……底板、３……ガス送入管４……コーン体、５……導入管、６……管路７……リード線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者飯島賀郎神奈川県横浜市戸塚区田谷町１番地住友電気工業株式会社横浜製作所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コーン体によって連結した管路と該管路の
径よりも大きい径の筒状体から管路に向けて送入した管
路の長軸方向のベクトルのみを与えた非圧縮気流により
スパイラル流を生成させ、該スパイラル流によって電線
・ケーブルの貫通のためのリード線又は電線・ケーブル
自体を管路内に搬送し、電線・ケーブルの管路内貫通さ
せることを特徴とする電線・ケーブルの貫通方法。
【請求項２】リード線又は電線・ケーブルの先端に球体
を設ける特許請求の範囲第１項記載の電線・ケーブルの
貫通方法。