JPH0750512A - 静止衛星追尾用移動体アンテナ装置 - Google Patents

静止衛星追尾用移動体アンテナ装置

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JPH0750512A
JPH0750512A JP21210693A JP21210693A JPH0750512A JP H0750512 A JPH0750512 A JP H0750512A JP 21210693 A JP21210693 A JP 21210693A JP 21210693 A JP21210693 A JP 21210693A JP H0750512 A JPH0750512 A JP H0750512A
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JP
Japan
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antenna
range
azimuth
angle
target value
Prior art date
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Application number
JP21210693A
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English (en)
Inventor
Yukichi Sekiguchi
祐吉 関口
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Sanwa Seiki Ltd
Original Assignee
Sanwa Seiki Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンテナの指向方向と静止衛星の方角とを迅速
に一致させ、一致後はこれらを高精度で一致させたまま
の状態に保持する。 【構成】電源をONした後、サーチモードで一応の受信
状態を得られる方位角を決定する。次いで、第一追尾モ
ードで、アンテナの指向方向を変える周回動作を行な
い、周回範囲を次第に狭めつつ、上記指向方向と静止衛
星の方角とを一致させる。周回範囲が狭まった後は、第
二追尾モードに移り、周回範囲を狭めたまま、上記指向
方向と静止衛星の方角とを一致させる動作を継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る静止衛星追尾用移
動体アンテナ装置は、地震、台風等の災害時に出動する
無線車に組み込み、上空に存在する静止衛星を利用して
各種連絡を行なうものである。
【0002】
【従来の技術】地震や台風等の災害時に於いて現場と対
策本部等との間の連絡を行なう手段として、無線が使用
されるが、近年、上空に打ち上げられた静止衛星を利用
し、遠く離れた場所同士で、明瞭な通信を行なえる様に
する事が多くなっている。
【0003】この様な静止衛星を利用した無線通信を行
なう場合、アンテナを所定の静止衛星に正しく向ける必
要がある。何となれば、現在上空には多くの静止衛星が
打ち上げられており、アンテナの向きが僅か(5度程
度)にずれた場合でも、アンテナが本来向いていなけれ
ばならない静止衛星の隣の静止衛星に向いてしまい、無
線通信を行なえなくなる為である。
【0004】一方、移動体アンテナ装置である車載アン
テナ装置の場合、無線車の向きが頻繁に変わる他、道路
の状態等に応じて無線車の傾斜方向及び傾斜角度が変化
する。この為、無線車の走行中にも通信を行なえる様に
する為には、無線車に対するアンテナの向きを頻繁に調
節し、このアンテナを常に上記静止衛星に向けておく必
要がある。
【0005】この様な目的で使用される静止衛星追尾用
移動体アンテナ装置として、図4に示す様な構造のアン
テナ装置が考えられている。このアンテナ装置を構成す
る支持台1は、無線車の車体の屋根面等に固定される。
この支持台1の上面にはターンテーブル2が、垂直軸で
ある鉛直軸3を中心とする回転自在に設けられており、
このターンテーブル2は、上記鉛直軸3の周囲に設けら
れた方位角変更用モータ4への通電に基づき、上記鉛直
軸3を中心に旋回する。
【0006】又、上記ターンテーブル2の上面には、間
隔をあけて1対の支持脚5、5を固定している。そし
て、両支持脚5、5の上端部にアンテナ6の水平方向両
端部を枢支している。上記アンテナ6の一端部(図4の
右端部)とこの一端部が対向する支持脚5の上端部との
間には仰角変更用モータ7を設けて、上記アンテナ6の
仰角を変更自在としている。
【0007】上述の様に構成される静止衛星追尾用移動
体アンテナ装置は、例えば上記ターンテーブル2の上面
に設けた制御器8により、上記方位角変更用モータ4と
仰角変更用モータ7とへの通電を制御して、上記アンテ
ナ6の向きを調節し、車両の進行方向の変化に拘らず、
アンテナ6を静止衛星に向ける(アンテナ6の指向方向
と静止衛星の方角とを一致させる)。
【0008】この様に、アンテナ6の指向方向と静止衛
星の方角とを一致させる為に従来は、図5に示す様なス
テップトラック方式と呼ばれる制御方法を採用してい
た。先ず、この従来の制御方法に就いて簡単に説明す
る。最初に、基準点を設定する。この基準点の設定
は、車両の位置(緯度並びに経度)と通信を行なおうと
する静止衛星の位置とから定める。
【0009】基準点を設定したならば、上記方位角変
更用モータ4に少しだけ通電して、上記アンテナ6の指
向方向の内の方位角を少し(1ステップ分)だけ上記基
準点から変位させ、変位の前後での上記アンテナ6の
受信レベル(静止衛星からアンテナ6に達する電波の強
さ)を求める。そして、上記変位に伴って受信レベルが
増加した場合には、変位後の点を新たな基準点として
設定する。又、上記変位に伴って受信レベルが減少した
場合には、上記変位の方向とは逆方向に1ステップ分だ
け変位させた点を、新たな基準点として設定する。更
に、上記変位に伴って受信レベルが増減しなかった場合
には、上記基準点をそのまま新たな基準点とする。
【0010】新たな基準点が設定されたならば、上記
仰角変更用モータ7に少しだけ通電して、上記アンテナ
6の指向方向の内の仰角を少し(1ステップ分)だけ上
記基準点から変位させ、変位の前後での上記アンテナ
6の受信レベルを求める。そして、上記変位に伴って受
信レベルが増加した場合には、変位後の点を新たな基準
点として設定する。又、上記変位に伴って受信レベル
が減少した場合には、上記変位の方向とは逆方向に1ス
テップ分だけ変位させた点を、新たな基準点として設
定する。更に、上記変位に伴って受信レベルが増減しな
かった場合には、上記基準点をそのまま新たな基準点
とする。
【0011】以下、上記新たな基準点を最初の基準点
にする更新動作を行なう事で、上述の動作を繰り返
し、アンテナ6の指向方向を静止衛星の方角に近づけ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成される従来の静止衛星追尾用移動体アンテナ装置の
場合には、アンテナ6の指向方向と静止衛星の方角とを
一致させる為に長い時間を要したり、或はこれら指向方
向と方角とを一致させておく精度が必ずしも十分ではな
かった。
【0013】即ち、上記指向方向を上記方角に一致させ
る作業は、方位角方向及び仰角方向の何れの方向も、互
いの方向を独立させた状態で1ステップ分ずつ行なわれ
る。そして、これらが一致した後も、この1ステップ分
ずつの変位は絶えず行なわれる。従って、上記指向方向
を上記方角に一致させた後、アンテナ6の受信レベルが
大きく変化しない様にする為には、上記1ステップ分の
幅(角度)を小さくする必要がある。これに対して、こ
の1ステップ分の幅を小さくすると、上記指向方向を上
記方角に一致させる迄の間に多数回の変位を行なわなけ
ればならなくなり、一致させる為に長い時間を要する事
になる。
【0014】本発明の静止衛星追尾用移動体アンテナ装
置は、この様な事情に鑑みて発明されたものである。
【0015】
【課題を解決する為の手段】本発明の静止衛星追尾用移
動体アンテナ装置は、支持台と、ターンテーブルと、こ
のターンテーブルを上記支持台の上面に、軸受を介して
回転自在に支持する垂直軸と、上記ターンテーブルの上
側に、水平軸を中心とする揺動自在に枢支されたアンテ
ナと、上記ターンテーブルを上記垂直軸を中心に回転駆
動させて上記アンテナの方位角を変更する方位角変更用
モータと、上記アンテナを上記水平軸を中心に揺動させ
て上記アンテナの仰角を変更する仰角変更用モータと、
この仰角変更用モータ及び上記方位角変更用モータへの
通電を制御する制御器とを備える。
【0016】そして、本発明の静止衛星追尾用移動体ア
ンテナ装置に於いては、上記制御器が下記の(a)〜
(e)の要件を満たす動作をする。 (a)サーチモードと追尾モードとを切り換え自在であ
る。 (b)上記(a)のサーチモードでは、静止衛星からの
電波を上記アンテナが捕らえる強さである受信レベルが
所定値以上に達する場合に於ける方位角と仰角とを、上
記アンテナの指向方向の目標値として設定すると共に、
この目標値を基準に指向方向を変化させる角度範囲であ
る周回範囲を初期化して、この周回範囲を最大値とす
る。 (c)上記(a)の追尾モードは、周回範囲を次第に狭
くする第一追尾モードと、この第一追尾モードで周回範
囲が十分に狭まった場合に移行する第二追尾モードとか
ら成る。 (d)上記(c)の第一追尾モードでは、上記方位角変
更用モータ及び仰角変更用モータへの通電に基づき、上
記(b)で設定された目標値を基準にアンテナの指向方
向を変更する周回動作を行ない、この周回動作に基づい
て、より高い受信レベルを得られると考えられる方位角
及び仰角を求め、求めた方位角及び仰角を新たな目標値
として設定する、目標値の更新を行なうと共に、周回範
囲を狭めた後、更新された目標値と狭められた周回範囲
とに基づく周回動作を行なう動作を繰り返し、周回範囲
が十分に狭まった場合に、上記(c)の第二追尾モード
に移る。 (e)上記(c)の第二追尾モードでは、上記方位角変
更用モータ及び仰角変更用モータへの通電に基づき、上
記(d)で更新された最新の目標値を基準にアンテナの
指向方向を変更する周回動作を行ない、この周回動作に
基づいて、より高い受信レベルを得られると考えられる
方位角及び仰角を求め、求めた方位角及び仰角を新たな
目標値として設定する、目標値の更新を行ない、この更
新された目標値に基づく周回動作を、周回範囲を狭いま
ま行なう。
【0017】
【作用】上述の様に構成される本発明の静止衛星追尾用
移動体アンテナ装置の場合、制御器がアンテナの指向方
向を、初めは大きく変化させて静止衛星の方角に急速に
近づけ、近づいた後は、上記指向方向の変化量を少なく
する。従って、上記指向方向と上記方角とを短時間の間
に一致させ、しかも一致させた後は、これらのずれを少
なく抑える事ができる。
【0018】
【実施例】図1〜2は、本発明の静止衛星追尾用移動体
アンテナ装置の動作と構成とを表わしている。尚、本発
明の静止衛星追尾用移動体アンテナ装置の特徴は、アン
テナの指向方向と静止衛星の方角とを迅速に一致させ、
一致した後はこれらを高精度に一致させたままの状態に
保持する点に特徴があり、アンテナ装置の基本構造自体
は、前述の図4に示したアンテナ装置と同様である。従
って、同等部分に関する説明は省略し、以下、本発明の
特徴部分に就いて説明する。
【0019】先ず、図2のブロック図により、制御部の
構成に就いて説明する。アンテナ6と共に鉛直軸3(図
4)を中心として旋回するアンテナ慣性系9には、この
旋回の対地角速度を検出する方位角ジャイロセンサ10
を付設している。この方位角ジャイロセンサ10から送
り出される、上記アンテナ慣性系9部分の方位角方向に
亙る対地角速度を表わす速度電圧は、AD変換器11
a、積分器12aを介し、上記アンテナ6の指向方向の
内の方位角を表わす信号xとして、加算器13aに送り
込まれる。
【0020】この加算器13aには、上記方位角を表わ
す信号xの他、設定器14から方位角の目標値を表わす
信号xtが送り込まれる。そしてこの加算器13aは、
これら両信号x、xtから、アンテナ6の指向方向の内
の方位角が目標値(xt)に対してずれている大きさ及
び方向を求める。そして、このずれを表わす信号ex
を、方位角変更用モータ4への通電量を求める為の演算
部15aに送る。
【0021】この演算部15aには、上記信号exの
他、上記アンテナ慣性系9部分の方位角方向に亙る角速
度を表わす信号dxが、上記AD変換器11aから送り
込まれる。上記演算部15aは、これら両信号ex、d
xに基づき、上記信号xで表わされる方位角を信号xt
で表わされる目標値に一致させるべく、上記方位角変更
用モータ4への通電量と通電方向とを求め、この方位角
変更用モータ4に通電する。この通電に基づき、上記ア
ンテナ慣性系9部分が上記鉛直軸3を中心に回転して、
上記方位角(x)が目標値(xt)に一致する。
【0022】又、上記アンテナ慣性系9部分には、水平
軸を中心とする揺動に伴う対地角速度を検出する仰角ジ
ャイロセンサ16を設けている。この仰角ジャイロセン
サ16から送り出される、上記アンテナ慣性系9部分の
仰角方向に亙る対地角速度を表わす速度電圧は、AD変
換器11b、積分器12bを介し、アンテナ6の指向方
向の内の仰角を表わす信号yとして、加算器13bに送
り込まれる。
【0023】この加算器13bには、上記仰角を表わす
信号yの他、上記設定器14から仰角の目標値を表わす
信号ytが送り込まれる。そしてこの加算器13bは、
これら両信号y、ytから、アンテナ6の指向方向の内
の仰角が目標値(yt)に対してずれている大きさ及び
方向を求める。そして、このずれを表わす信号eyを、
仰角変更用モータ7への通電量を求める為の演算部15
bに送る。
【0024】この演算部15bには、上記信号eyの
他、上記アンテナ慣性系9部分の仰角方向に亙る角速度
を表わす信号dyが、上記AD変換器11bから送り込
まれる。上記演算部15bは、これら両信号ey、dy
に基づき、上記信号yで表わされる仰角を信号ytで表
わされる目標値に一致させるべく、上記仰角変更用モー
タ7への通電量と通電方向とを求め、この仰角変更用モ
ータ7に通電する。この通電に基づき、上記アンテナ慣
性系9部分が上記鉛直軸3を中心に回転して、上記仰角
(y)が目標値(yt)に一致する。
【0025】一方、アンテナ6が静止衛星から受ける電
波の強さである受信レベルを表わす信号Eは、AD変換
器17を介して、判定器18に送り込まれる。この判定
器18には、上記受信レベルを表わす信号Eの他、上記
アンテナ6の指向方向と目標値とのずれを表わす前記信
号ex、eyが送り込まれる。上記判定器18は、これ
ら各信号E、ex、eyに基き、受信レベルが大きくな
る方向を、上記目標値(xt、yt)に対して求め、上
記設定器14に送る。そしてこの設定器14は、上記判
定器18が求めた方向に基づき、前記アンテナ6の指向
方向と静止衛星の方角とをより近づける事が可能な方位
角並びに仰角を求め、これら求めた方位角及び仰角を、
新たな目標値として更新し、この更新された目標値に基
づいて前記信号xt、ytを出力する。
【0026】上記設定器14は、アンテナ装置の置かれ
た状況に従って、サーチモードと追尾モードとを自動的
に切り換え、上記目標値を更新しつつ、アンテナ6の指
向方向と静止衛星の方角とを迅速に一致させ、一致した
後はこれらを高精度に一致させたままの状態に保持す
る。以下、この際の作用に就いて、図1のフローチャー
トを参照しつつ説明する。
【0027】それまで使用を休止していた静止衛星追尾
用移動体アンテナ装置を使用すべく、電源スイッチをO
Nすると、先ず制御器8がサーチモードで働く。このサ
ーチモードでは、前記アンテナ6の仰角を不動としたま
ま、方位角変更用モータ4に通電してこのアンテナ6を
鉛直軸3を中心に旋回させる。尚、この様なサーチモー
ドに於いてアンテナ6を不動に保持する最初の仰角の大
きさは、車両が位置する緯度と赤道上空の静止衛星の高
さ(約3万6千km)との関係で定まる。従って、制御器
8には、上記アンテナ装置を使用する地域の緯度に合わ
せて、上記保持すべき仰角を記憶させておく。この仰角
は、例えば根室で29度、鹿児島で47度である。
【0028】上述の様にアンテナ6を、仰角を固定した
まま鉛直軸3を中心に回転させたならば、(旋回に伴っ
て変化する)上記アンテナ6の方位角と前記受信レベル
との関係を求める。そして、1回の旋回でこの受信レベ
ル(E)が予め決定された所定値(L1 )に達しなかっ
た(E<L1 )場合には、上記仰角を一定量変化させた
後、再びこの仰角を固定したまま鉛直軸3を中心に回転
させ、上記関係を求める。この作動は受信レベル(E)
が所定値(L1 )以上に達する迄、旋回毎に行なう。受
信レベル(E)が所定値(L1 )以上に達した(E>L
1 )場合、この場合に於ける方位角と仰角とを、上記指
向方向の目標値として設定する。この様に前記設定器1
4で目標値を設定すると共に周回範囲を初期化して、こ
の周回範囲を最大値とする。周回とは、上記アンテナ6
の指向方向を振る(変化させる)動作を言い、周回範囲
とは、上記指向方向を変化させる角度範囲である。指向
方向を変化させる動作は、前記方位角変更用モータ4と
仰角変更用モータ7とを適宜関連させつつ往復回転させ
る事で行なう。この周回範囲が大きい程、アンテナ6の
指向方向を静止衛星の方角に一致させる動作が速くなる
反面、周回に伴う上記受信レベルの変動が大きくなる。
【0029】尚、上記周回範囲の最大値は、上記アンテ
ナ6の指向特性に基づいて定める。図3は、本発明装置
に組み込まれる一般的なアンテナの指向特性を示してい
る。アンテナ6の指向方向と静止衛星の方角とのずれ角
度が大きくなるほど受信レベルが低くなるが、或る程度
以上受信レベルが低くなった場合には、衛星からの電波
とノイズとの区別がつかなくなる。そこで、衛星からの
電波がノイズのピーク値よりも高くなる様に安全率(ノ
イズマージン)を持たせた状態で、上記最大値を定め
る。即ち、図3でノイズのピーク値よりも十分に高いス
レッシュホールドレベルを確保できる範囲r0 を、上記
最大値として採用する。一般的にこの範囲r0 は、一応
通信が行なえるとされる半値幅よりも広い。
【0030】上記目標値が求められたならば、上記アン
テナ6の指向方向をこの目標値に一致させる。この動作
は、上記方位角変更用モータ4と仰角変更用モータ7と
への通電に基づいて行なう。そして、上記指向方向と目
標値とが一致したならば、次述する追尾モードに移る。
【0031】この追尾モードは、周回範囲を次第に狭く
する第一追尾モードと、この第一追尾モードで最小値に
迄狭められた周回範囲をそのまま維持する第二追尾モー
ドとから成る。上記第一追尾モードは、上記アンテナ6
の指向方向と静止衛星の方角とを迅速に一致させる為の
ものである。この第一追尾モードでは、初めに、上記方
位角変更用モータ4及び仰角変更用モータ7への通電に
基づき、上記サーチモードで設定された目標値を基準と
して、アンテナ6の指向方向を変更する周回を行なう。
【0032】この周回の結果、上記アンテナ6の受信状
態が良好(受信レベルE>所定値L1 )である場合に
は、周回に伴って変化する方位角及び仰角と受信レベル
との関係から、より高い受信レベルを得られると考えら
れる方位角及び仰角を推定する。そして、この推定した
方位角及び仰角を新たな目標値として設定する、目標値
の更新を行なう。尚、この推定は、方位角及び仰角と受
信レベルとの関係から、受信レベルが高くなる方位角及
び仰角を求める事で行なう。例えば最も単純な推定方法
として、周回に伴って受信レベルが最高値となった場合
の方位角と仰角とを、上記新たな目標値とする事が考え
られる。
【0033】上述の様にして、より高い受信レベルを得
られると考えられる方位角及び仰角を推定したならば、
推定した方位角及び仰角の値を新たな目標値として設定
すると共に、周回範囲を狭めた後、更新された目標値と
狭められた周回範囲とに基づく周回を行なう。この様
に、目標値を更新すると共に周回範囲を狭める動作は、
この周回範囲が十分に狭くなる迄繰り返し行なう。そし
て、周回範囲が十分に狭まり、例えば予め設定した最小
値に達した場合(或は最小値よりは大きいが十分に小さ
い値になった場合)には、後述する第二追尾モードに移
って、上記アンテナ6の指向方向と静止衛星の方角とを
高精度で一致させたままの状態に保持する。
【0034】一方、上記周回の結果、上記アンテナ6の
受信状態が不良(受信レベルE<所定値L1 )である場
合には、周回範囲を拡大して周回を継続すると共に、連
続して受信回数が不良であった周回の回数を数える。そ
して、この回数が所定回数を越えた場合には、前述した
サーチモードに戻る。この様に、サーチモードから第一
追尾モードに切り換わった後、受信不良となる事態は、
アンテナ装置を設けた車両が動く等による外的要因に基
づいて上記アンテナ6の方向が変化し、前記方位角ジャ
イロセンサ10又は仰角ジャイロセンサ16が、この変
化を検知できなかった場合等に生じる。
【0035】更に、上述した第一追尾モードで周回範囲
を十分に狭めた後に行なわれる第二追尾モードでは、上
記方位角変更用モータ4及び仰角変更用モータ7への通
電に基づき、上記第一追尾モードで更新された最新(最
終)の目標値を基準に、アンテナ6の指向方向を変更す
る周回を行なう。尚、周回範囲が最小値になる以前に第
二追尾モードに移る制御を行なった場合には、この第二
追尾モードでも、最小値となる迄の間は、周回の度に周
回範囲を狭くする。
【0036】この周回の結果、上記アンテナ6の受信状
態が良好である場合には、周回に伴って変化する方位角
及び仰角と受信レベルとの関係から、より高い受信レベ
ルを得られると考えられる方位角及び仰角を推定し、こ
の推定した方位角及び仰角を新たな目標値として設定す
る、目標値の更新を行ない、この更新された目標値に基
づく周回を、周回範囲を最小値としたまま行なう。従っ
て、上記アンテナ6の指向方向と静止衛星の方角とが、
周回を重ねる毎に近づき、アンテナ6の受信レベルが向
上して、より良好な通信を行なえる様になる。しかも、
周回範囲が狭い為、周回に伴う上記受信レベルの変化量
も少ない。
【0037】一方、上記周回の結果、上記アンテナ6の
受信状態が不良である場合には、目標値をそのままに
し、周回範囲をそのまま又は拡大して周回を継続すると
共に、連続して受信状態が不良となった周回の回数を数
える。そして、この回数が所定回数を越えた場合には、
前述した第一追尾モードに戻る。この様に、第二追尾モ
ードに移った後、受信状態が不良になる事態は、車両が
トンネルに入ったり、或は車両の近くに障害物(ビルデ
ィング、他の大型車両等)が存在する様になった場合等
に発生する。
【0038】
【発明の効果】本発明の静止衛星追尾用移動体アンテナ
装置は、以上に述べた通り構成され作用するが、アンテ
ナの指向方向と静止衛星の方角とを迅速に一致させ、一
致した後はこれらを高精度に一致させたままの状態に保
持できる為、災害時等、緊急時に於ける通信確保に大き
く寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すフローチャート。
【図2】同じくブロック図。
【図3】アンテナの指向特性を示す線図。
【図4】本発明の対象となる静止衛星追尾用移動体アン
テナ装置の基本構造の1例を示す斜視図。
【図5】従来装置の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 支持台 2 ターンテーブル 3 鉛直軸 4 方位角変更用モータ 5 支持脚 6 アンテナ 7 仰角変更用モータ 8 制御器 9 アンテナ慣性系 10 方位角ジャイロセンサ 11a、11b AD変換器 12a、12b 積分器 13a、13b 加算器 14 設定器 15a、15b 演算部 16 仰角ジャイロセンサ 17 AD変換器 18 判定器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持台と、ターンテーブルと、このター
    ンテーブルを上記支持台の上面に、軸受を介して回転自
    在に支持する垂直軸と、上記ターンテーブルの上側に、
    水平軸を中心とする揺動自在に枢支されたアンテナと、
    上記ターンテーブルを上記垂直軸を中心に回転駆動させ
    て上記アンテナの方位角を変更する方位角変更用モータ
    と、上記アンテナを上記水平軸を中心に揺動させて上記
    アンテナの仰角を変更する仰角変更用モータと、この仰
    角変更用モータ及び上記方位角変更用モータへの通電を
    制御する制御器とを備えた静止衛星追尾用移動体アンテ
    ナ装置であって、上記制御器が下記の(a)〜(e)の
    要件を満たす動作をするものである、静止衛星追尾用移
    動体アンテナ装置。 (a)サーチモードと追尾モードとを切り換え自在であ
    る。 (b)上記(a)のサーチモードでは、静止衛星からの
    電波を上記アンテナが捕らえる強さである受信レベルが
    所定値以上に達する場合に於ける方位角と仰角とを、上
    記アンテナの指向方向の目標値として設定すると共に、
    この目標値を基準に指向方向を変化させる角度範囲であ
    る周回範囲を初期化して、この周回範囲を最大値とす
    る。 (c)上記(a)の追尾モードは、周回範囲を次第に狭
    くする第一追尾モードと、この第一追尾モードで周回範
    囲が十分に狭まった場合に移行する第二追尾モードとか
    ら成る。 (d)上記(c)の第一追尾モードでは、上記方位角変
    更用モータ及び仰角変更用モータへの通電に基づき、上
    記(b)で設定された目標値を基準にアンテナの指向方
    向を変更する周回動作を行ない、この周回動作に基づい
    て、より高い受信レベルを得られると考えられる方位角
    及び仰角を求め、求めた方位角及び仰角を新たな目標値
    として設定する、目標値の更新を行なうと共に、周回範
    囲を狭めた後、更新された目標値と狭められた周回範囲
    とに基づく周回動作を行なう動作を繰り返し、周回範囲
    が十分に狭まった場合に、上記(c)の第二追尾モード
    に移る。 (e)上記(c)の第二追尾モードでは、上記方位角変
    更用モータ及び仰角変更用モータへの通電に基づき、上
    記(d)で更新された最新の目標値を基準にアンテナの
    指向方向を変更する周回動作を行ない、この周回動作に
    基づいて、より高い受信レベルを得られると考えられる
    方位角及び仰角を求め、求めた方位角及び仰角を新たな
    目標値として設定する、目標値の更新を行ない、この更
    新された目標値に基づく周回動作を、周回範囲を狭いま
    ま行なう。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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