JPH0750206B2 - 位相格子 - Google Patents

位相格子

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JPH0750206B2
JPH0750206B2 JP3870387A JP3870387A JPH0750206B2 JP H0750206 B2 JPH0750206 B2 JP H0750206B2 JP 3870387 A JP3870387 A JP 3870387A JP 3870387 A JP3870387 A JP 3870387A JP H0750206 B2 JPH0750206 B2 JP H0750206B2
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    • G02B27/42Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect
    • G02B27/46Systems using spatial filters
    • GPHYSICS
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    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1866Transmission gratings characterised by their structure, e.g. step profile, contours of substrate or grooves, pitch variations, materials
    • G02B5/1871Transmissive phase gratings

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、位相格子の側壁傾斜率と屈折率を制御する
ことによって、不要な回折光光の強度を著しく低減した
新規な位相格子に関する。
〔従来の技術〕
近年、光ディスクプレーヤやコンパクトディスクプレー
ヤをはじめとするオプトエレレクトロニクス製品の急激
な発展に伴なって、レーザビームを所定の割合で分割す
るための位相格子(回折格子)が随所に使用されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、従来の位相格子では必要な回折光(通常は矩形
波状位相格子を用いて零次と±1次の回折光を使用す
る。)以外に不要な高次の回折光が発生し、レーザ光の
利用効率を低下させると同時に迷光の主因となってい
る。この発明の目的は、従来の位相格子におけるこのよ
うな問題点を著しく改善し、所望の回折光のみを選択的
に増強することがきる位相格子を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
一般に、位相格子は、格子の断面構造によって第2図に
示す矩形波状位相格子と第3図に示す三角波(ブレー
ズ)状位相格子とに大別される。従来多用されている位
相格子は形態変調型のものであり、第2図において凸部
aの屈折率Naと凹部bの屈折率Nbとは等しく、また、第
3図において傾斜部1の屈折率N1と傾斜部2の屈折率N2
とが等しいのが通例である。溝の深さdが0である場合
には平板であり、第2図においてNa≠Nb、第3図におい
てN1≠N2ならば平板状屈折率変調型の位相格子となる。
さらに、第2図においてNa≠Nb、第3図においてN1≠N2
とすることにより、それぞれ矩形波状屈折率変調型位相
格子と三角波(ブレーズ)状屈折率変調型位相格子とに
なる。
ところで、これらの位相格子はいずれも第1図に示す台
形波状位相格子の特殊例とみみなされるが、台形波状屈
折率変調型位相格子の公知例は未だ見当らない。本発明
者はこの台形波状屈折率変調型位相格子の傾斜率と屈折
率に着目して、不要な回折光を極小化することによって
必要な回折光を選択的に増強する条件を研究してきた。
〔台形波状屈折率変調型位相格子の回折効率〕
台形波状屈折率変調型位相格子の格子面に対して垂直に
入射する光波のm(=0,±1,±2,……)次回折効率η
は、第1図に示す要素格子の幅l,l,l1,l2、格子の
厚さD、溝の深さd,要素格子の屈折率N,N,N1,N2,
周囲(通常は空気)の屈折率N0および光波の波長λの関
数で表わされる。この関数は煩雑であるが、第1図にお
いてl=l=l,l1=l2=ltおよびN=N1=N2
=Nの関係が成立する場合の対称台形波状屈折率変調
型位相格子の0次と±1次の回折効率は、それぞれ次の
(1)式と(2)式によって示すように、比較的簡明な
関数で与えられると共に本発明の本質を損わない。
η={(1−α)cosδ +(α/δ)(1−α)sinδ ・{cos(2δ)+cosδ} +{(α/δ)sinδ} ……(1) η=η-1 ={(2/π)cosγsinδ +(2/π)(α/ξ)cosγ ・{sin(2δ)+sinδ} ・(γcosγsinδ−δcosδsinγ)+(1/2){α/
ξ)(γsinγ ・cosδ−δsinδcosγ)} ……(2) ここでα=l/(l+lt)格子の側壁傾斜率を示
し、γ=πα/2、ξ=(γ−δ)・(γ−δ)、δ=π
(d/λ)(N−μNo)、δ=π(D/λ){(N
Nb+(d/D)(N−μNo)}、δ=π(D/λ)(1
−d/D)(N−Nb)+δ/2、μ=〔1−{mλ/(No
l)}−1/2、l=2(l+l)の関係がある。
上記(1)式と(2)式は、α=0の場合には対称矩形
波状屈折率変調型位相格子の回折効率、α=1の場合に
は対称三角波状位相格子の回折効率、N=Nbの場合に
は屈折率が変調されていない対称台形波状位相格子の回
折効率、またd=0の場合には平板状屈折率変調型位相
格子の回折効率を与える。
対称台形波状屈折率変調型位相格子において、例えば0
次と±1次の回折光を ηo=φη =φη-1 すなわち η1/(η+η)=1/(1+φ) ……(4) の条件で使用する際に、|m|>1の高次回折光の総強度 は、α=0の場合には また、α=1の場合にはφ=(8/π)(ζ/δ)2tan
2δとζ=π2/4−δの関係が成立し、 となる。
従って、いずれの場合にも はφのみの関数である。0<α<1の台形波状屈折率変
調型位相格子 を上記(5)式または(6)式で与えられる値よりも小
さく、且つ極小化できるαの最適値が0と1の間の存在
することを、実施例に関する項で具体的に説明する。
〔台形波状屈折率変調型位相格子の作製方法〕 先ず、メチルメタクリレート、エチルメタクリートなど
のアルキルメタクリレート類と、アリルメタクリレー
ト、クロチルメタクリレートなどのメタクリル酸の不飽
和エステル類から成る共重合体を合成する。次いで、こ
の共重合体にベンゾフェノン、3−ベンゾイルベンゾフ
ェノンなどの芳香族ケトン類を加えて所定濃度のベンゼ
ン溶液またはトルエン溶液を調製し、ポリメチルメタク
リレート、ポリカーボネートなどから成る透明なプラス
チック基板上にこの溶液をスピンコートして、感光性透
明膜を形成する。位相格子のパターンを有するフォトマ
スクを介して、超高圧水銀灯の紫外線を感光性透明膜に
照射すると、露光量に比例して芳香族ケトン類がメタク
リル酸の不飽和エステル成分と結合する。この時、フォ
トマスクを感光性透明膜の表面から所定距離だけ離して
装着すると、フォトマスクの裏面から紫外線が広がりな
がら出射するので、感光性透明膜内において紫外線の強
度は台形波状に分布する。このような露光方法はプロキ
シミティ露光と呼ばれている。最後に、試料を減圧加熱
すると、未反応の芳香族ケトン類が昇華して遮光部の膜
厚が減少する。その結果、露光部に台形波状の凸構造が
生成すると同時に、凸部の屈折率が芳香族ケトン中のπ
電子の効果によって凹部の屈折率より高くなり、台形波
状屈折率変調型位相格子が作製される。プロキシミティ
露光の代りに、紫外線吸収剤と用いて紫外線の透過量に
台形波状の分布を付与したフォトマスクを感光性透明膜
上に密着させて露光することによっても、台形波状屈折
率変調型位相格子を作製できる。
〔実施例〕
例えば、コンパクトディスプレーヤの3ビーム型光ピッ
クアップでは、単一のレーザ光源を用いて光ディスクの
信号面におけるレーザビームの合焦、ピット信号の読み
取り、トラッキングなどを実施するためのビーム分割素
子が必要である。この機能を担う素子として、0次と±
1次の回折光の強度比が約5対1になるように格子形態
を設計し、真空蒸着とフォトリソグラフィを併用して作
製した無機ガラス系の矩形波状位相格子(形態変調型)
が多用されている。そこで、(3)式においてφ=5と
おくと、(4)式からη1/(η+η)=0.1667が得
られると共に、α=0の場合には(5)式から となり、α=1の場合には(6)式から となるので、従来の矩形波状位相格子では回折光の6.26
%、また三角波状位相格子では回折光の98.83%が迷光
となって失なわれることがわる。
実用的な条件として、N0=1.00、N=1.50、D/λ=1.
00およびλ=0.78μmの場合における回折効率{η1/
(η+η)および と側壁傾斜率(α)の関係を第4図から第8図に示す。
第4図と第5図は、それぞれN=1.50および1.55の時
の回折効率と側壁傾斜率の関係のd/Dによる変化を示
す。これらの図から、d/DとNの特定領域内でのみη1
/(η+η)の曲線上にφ=5を満足する点が存在
し、この点はαが増大すると右方向へ移動すること、φ
=5に対応する の値は、αが0に近い領域ではαが増大すると減少する
のに対してαが1に近い領域ではα1と共に増大し、0
<α<1の領域に極小値を有すること、従って|m|>1
の高次回折光の総強度を極小化するにはd/D、Nおよ
びαの全ての最適化が必要であり、矩形波状位相格子と
三角波状位相格子のいずれよりも台形波状屈折率変調型
位相格子が有利であることなどが示唆される。このよう
な現象を更に詳しく観測するために、d/D=0.30,0.40お
よび0.50の時の回折効率と側壁傾斜率の関係のNによ
る変化を、それぞれ第6図,第7図および第8図に示
す。これらの図から、φ=5である場合にはd/D=0.4
0、N≠1.53およびα=0.50の時に、|m|>1の高次回
折光の総強度は極小値 を取り、従来の矩形波状位相格子の値 の約1/5まで低下することがわかる。
この台形波状屈折率変調型位相格子を以下の手順で作製
した。
先ず、メチルメタクリレートとクロチルメタクリレート
の等モル共重合体を合成した。この共重合体中のクロチ
ルメタクリート成分と等モルのベンゾフェノンを加えて
4重量%ベンゼン溶液を調製し、厚さ1mmのポリメチル
メタクリレート基板上にこの溶液をスピンコートして、
感光性透明膜を形成した。次いで、出力500Wの超高圧水
銀灯から発生した紫外線を用いて感光性透明膜を3分間
プロキシミティ露光することにより、ベンゾフェノンを
クロチルメタクリレート成分に結合させた。最後に、0.
2mmHg、100℃の条件で試料を1時間減圧加熱して未反応
のベンゾフェノンを昇華させ、台形波状屈折率変調型位
相格子を作製した。
触針式表面粗さ計、干渉顕微鏡、レーザダイオード、フ
ォトダイオードなどを用いて、格子の断面形態、屈折
率、回折効率などを測定し、いずれも設計値とよく一致
することを確認した。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明による台形波状屈折率変調
型位相格子では回折光の強度を回折次数によって選択的
に制御できるため、不要光が少なく光の利用効率が高い
光学系の構成に役立つ。例えば、従来の矩形波状位相格
子に比べて、高次の回折光に由来する迷光が著しく少な
い状態で0次と±1次の回折光を活用できるので、高品
位の3ビーム型光ピックアップを作製できる。このよう
な台形波状屈折率変調型相格子は、CCDカメラの光学的
ローパスフィルタのように、特定次数の回折光のみを使
用するための光学素子としても有用である。。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例を示す台形波状屈折率変調
型相格子の断面図、 第2図は、矩形波状屈折率変調型相格子の断面図、 第3図は、三角波状屈折率変調型相格子の断面図、 第4図は、第1図に示す台形波状変調型位相格子におい
て、l=l,l1=l2,N0=1.00,N=N=N1=N2
1.50,N=1.50,D/λ=1.00,λ=0.78μmのときの回折
効率と側壁率αの関係のd/Dの変化を示すグラフ、 第5図は、第1図に示す台形波状変調型位相格子におい
て、l=l,l1=l2,N0=1.00,N=N=N1=N2
1.55,N=1.50,D/λ=1.00,λ=0.78μmのときの回折
効率と側壁率αの関係のd/Dの変化を示すグラフ、 第6図は、第1図に示す台形波状屈折率変調型相格子に
おいて、l=l,l1=l2,N0=1.00,N=1.50,d/D=
0.30,D/λ=1.00,λ=0.78μmのときの回折効率と側壁
傾斜率αの関係のN(=N=N1=N2)による変化を
示すグラフ、 第7図は、第1図に示す台形波状屈折率変調型相格子に
おいて、l=l,l1=l2,N0=1.00,N=1.50,d/D=
0.40,D/λ=1.00,λ=0.78μmのときの回折効率と側壁
傾斜率αの関係のN(=N=N1=N2)による変化を
示すグラフ、 第8図は、第1図に示す台形波状屈折率変調型相格子に
おいて、l=l,l1=l2,N0=1.00,N=1.50,d/D=
0.50,D/λ=1.00,λ=0.78μmのときの回折効率と側壁
傾斜率αの関係のN(=N=N1=N2)による変化を
示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期的に厚さが変化している凹凸構造をも
    つ薄膜層の凸部および凹部からなる格子要素の各々を屈
    折率の異なる材料で構成し、かつ格子要素の凸部を形成
    する側壁が傾斜していることを特徴とする位相格子。
  2. 【請求項2】格子要素の凸部を形成する材料の屈折率が
    凹部を形成する材料の屈折率よりも高いことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の位相格子。
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