JPH07500812A - 純粋なフルオキセチンのs(+)異性体を用いる方法および組成物 - Google Patents

純粋なフルオキセチンのs(+)異性体を用いる方法および組成物

Info

Publication number
JPH07500812A
JPH07500812A JP4506297A JP50629792A JPH07500812A JP H07500812 A JPH07500812 A JP H07500812A JP 4506297 A JP4506297 A JP 4506297A JP 50629792 A JP50629792 A JP 50629792A JP H07500812 A JPH07500812 A JP H07500812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
fluoxetine
amount
pharmaceutically acceptable
administered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4506297A
Other languages
English (en)
Inventor
ダブリュ. ヤング,ジェームス
ジェイ. バーベリック,ティモシー
Original Assignee
セプラコア,インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セプラコア,インコーポレーテッド filed Critical セプラコア,インコーポレーテッド
Publication of JPH07500812A publication Critical patent/JPH07500812A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/135Amines having aromatic rings, e.g. ketamine, nortriptyline
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/06Antimigraine agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/18Antipsychotics, i.e. neuroleptics; Drugs for mania or schizophrenia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/20Hypnotics; Sedatives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/24Antidepressants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/26Psychostimulants, e.g. nicotine, cocaine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/30Drugs for disorders of the nervous system for treating abuse or dependence
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/04Anorexiants; Antiobesity agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Child & Adolescent Psychology (AREA)
  • Addiction (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 純粋なフルオキセチンのS(+)異性体を用いる方法および組成物 ■、 発明の背景 本発明は、セロトニン取込みの阻害剤として強力な抗うっ作用を有するが、この 薬剤の投与に伴って起こる一般的な有害要因、不必要な作用、および有害な毒性 作用または心理的作用を回避する新規な組成物に関する。また、このような組成 物を用いて、この薬剤に伴う一般的な有害要因、不必要な作用および副作用を防 止しつつ、うつ病を治療する方法も開示する。
本発明は、さらに、体重低下剤としての活性を有する光学的に純粋なS(+)フ ルオキセチン(fluoxetine)を含有するが、フルオキセチンのラセミ 混合物に伴う一般的な有害要因、不必要な作用、および有害な毒性作用または心 理的作用を回避する新規な組成物に関する。さらに、これらの組成物は片頭痛、 疼痛、および強迫神経症障害の治療に強い活性を有するが、フルオキセチンのラ セミ混合物に伴う一般的な有害要因、不必要な作用、および有害な毒性作用また は心理的作用を回避する。また、純粋なS(+)フルオキセチンを投与すること によりヒトの片頭痛、疼痛、強迫神経症障害、および肥満や体重増加を治療する ためのこれら新規な組成物の使用方法も開示する。これらの方法はフルオキセチ ンのラセミ混合物の投与に伴う一般的な有害要因、不必要な作用、および有害な 毒性作用または心理的作用を防止する。
本発明の組成物および方法で用いる活性化合物は、モロイ(Molloy)らに よる米国特許第4.018.895号および同第4.194.009号に記載さ れる化合物、フルオキセチンの光学異性体である。化学的には、この異性体は( +)N−メチル−3−フェニル−3−〔(α、α、α−トリフルオローp−トリ ル)−オキシ〕−プロピルアミンであり、以後ここではS(+)フルオキセチン と呼ぶことにする。
多くの有機化合物は光学的に活性な形態で存在し、つまりそれらは偏光面を回転 させる能力がある。光学活性化合物を記載するには、そのキラル中心のまわりの 分子の絶対配置を表すために大文字のDやLまたはRやSが用いられる。化合物 による偏光面の回転方向を表すには記号(+)や(−)または亘や土が用いられ 、において、これらの化合物は立体異性体と呼ばれ、互いの鏡像であること以外 は全く同一である。特定の立体異性体は対掌体と呼ばれることもあり、このよう な異性体の混合物はしばしば対掌体混合物あるいはラセミ混合物と呼ばれている 。
医薬の分野では立体化学純度が重要となり、処方される薬剤20種のうち12種 はキラリティーを示すものである。適切な例はプロプラノロール(propra noiol)のL体であり、これは0体よりも100倍以上の効力があることが 知られている。
さらに、ある種の異性体は単に不活性というよりは実際に有害であるために、光 学純度が重要となる。例えば、サリドマイドの0体は、妊娠中のつわり防止のた めに処方されるとき、安全で有効な鎮静剤である。ところが、そのL−サリドマ イドは非常に強い催奇形物質であることが見いだされた。
本発明の対象であるフルオキセチン〔プロザック(Prozac■)〕はラセミ 混合物としてのみ入手可能である。すなわち、それは対掌体と呼ばれる光学異性 体の混合物である。
抗うつ薬としてのその用途のほかに、フルオキセチンのラセミ混合物は次のよう な広範な実際的または潜在的活性スペクトルを有するニ ー 糖尿病の治療(EPA 88303930.7)−体重減少の促進、つまり 食欲減退 (米国特許第4.895.845号) −アルコール乱用の治療(米国特許第4.777、173号)−鎮痛−痛みのコ ントロール (米国特許第4.698.342号、同第4.594.358号)−アテローム 硬化症の治療(米国特許第4.444.778号)−記憶の改善(米国特許第4 .647.591号)−不安の治療(米国特許第4.590.213号)−高血 圧症の治療(米国特許第4.329.356号)− ハンチントン舞踏病および 精神分裂病の治療(Scrip’s New Product Review  No、7. ”Fluoxetine” 。
PJB Pub!1cations [、td、 1986)前記のモロイ(M olloy)らの特許、さらに上記のヨー口・ソック特許出願や米国特許は、フ ルオキセチンのような化合物が光学的に活性な形態をもつことを認めているが、 光学活性体の例をまったく示していない。さらに、フルオキセチンの対掌体を用 いる従来の研究は、フルオキセチン対掌体の効力が等しく、純粋なS対掌体を使 用する利益は何もないと結論づけている。Robertson et al、。
J、 Med、 Chem、、 31: 1412−1417 (1988)を 参照されたい。しかしながら、今回、フルオキセチンの純粋なS対掌体を使用す ることには実際に予測し得ない利点の存在することが判明した。
数人の研究者がフルオキセチンの対掌体に関する十分でない量の薬理データを提 示している。Fuller et al、、 Pharm、 Biochem。
Behav、、 Vol、 24. pg、 281−284 (1986);  Robertson et al、、 J。
Med、 Chem、、 Vol、 31. pg、1412−1417 (1 988); Wong et al、。
Drug Devel、 Res、 Vol、 6. pg、 397−403  (1985); Wong et al、。
Pharm、 Biochem、 Behav、、 Vol、 31. pg、  475−479 (1988)を参照されたい。これらの文献は完全な用量− 反応または薬物速度論的分析を提示できなかったために十分なものとは言えず、 ある種の物質に対する定性的な印象を提示したにすぎない。
フルオキセチンの主な用途はうつ病の治療にあり、これは跪病とともに情動障害 の見出しに分類される。繰病とうつ病は主な症状として気分の変化に特徴がある 。これら2つの極端な気分のどちらも混乱した思考や妄想を伴う精神病に付随し て起こることがある。精神病は二次的症状として気分の変化を伴い、これがうつ 病と重複する点で、診断の際に多くの混乱を引き起こす。うつ病では精神異常を 伴わない重症の気分の変化が頻繁に起こり、しばしば不安を伴う。うつ病は強度 の悲しみの感情、悲観的な心配、興奮、自己軽視、身体の変化(不眠、食欲不振 、および欲求、感激、性欲の低下を含む)、それに精神的衰弱に特徴がある。う つ病の一般的治療は三環系抗うつ剤を投与することである。
フルオキセチンは三環系抗うつ剤として知られる種類の薬剤ではない。その抗う つ作用は脳中のセロトニンニューロンおよび血小板でのセロトニン取込みの高度 に特異的な阻害によるものと思われる。また、それは四環系または他の利用可能 な抗うつ剤とも化学的に無関係である。
さらに、フルオキセチンは、シード(Seed)の米国特許第4、895.84 5号に記載されるように、体重を減らすためにも用いることができる。体重超過 および/または肥満の原因は複雑である。
しかし、太り過ぎの人の食事に共通した特徴はその人の体の消費量を上回るカロ リーの摂取にある。太り過ぎおよび/または肥満の人を治療する1つの方法は、 運動療法と共に、その人のカロリー摂取を制限することである。この方法はその 有効性に限りがある。なぜなら、多くの太り過ぎや肥満の人達が体重減少の目的 達成を妨げるような食事と活動のパターンを展開しているからである。太り過ぎ や肥満の患者を治療するためのもう1つの方法は、体重を減らすプログラムと共 に、食欲減退薬を投与することである。この方法の欠点は、多くの食欲減退薬が その有用性を制限する副作用(例えば、重度の食欲減退をもたらす長い作用持続 期間)を生じることである。
(本頁以下余白) フルオキセチンは、付随的な視覚及び胃腸障害を伴う、または伴わない頭痛の周 期的な発作によって特徴づけられる激烈な発作性の疾患である片頭痛の治療にも 使用し得る、と示唆されている。
片頭痛の原因は不明であるが、この原因として遺伝的に伝えられた脳循環系の機 能障害を提唱する証拠がある。前駆症状は脳内血管収縮によるものらしく、また 頭痛は頭皮動脈の拡延によるものらしい。片頭痛はいかなる年齢でも起こるが、 普通は10〜30才の間に始り、男性より女性の方に多く起こる。片頭痛に先立 って、短期間のうつ状態、怒りっぽさ、落ち着きのなさ、または無食欲、そしで ある患者においては視野暗点のちらつき、視野欠損、知覚異状、または(まれに )片側不全麻痺が起こる。これらの症状は頭痛が現れる少し前に消えるか、また は頭痛と合併する。痛みは身体の片側だけに起こるか、または全身性である。通 常、片側の頭痛がいつも同じ側で起こるとは限らないことを除いて、症状は各患 者において一定のパターンを取る。患者は毎日発作を起こす者もあるし、数か月 に一度の者もある。
更に、フルオキセチンは痛み、特に慢性痛の治療にも使用し得ると示唆されてい る。痛みは複雑で主観的な現象であり、現実の、または潜在的な組織損傷を示す 感覚と、これが引起こす感情的な応答からなる。痛みは急性痛か、または慢性痛 に分類される。急性痛は、損傷の可能性または程度を示す不可欠な生物学的信号 である。これは普通一時的なもので、交感神経系の極度に活発な活動を伴なう。
例えば、頻脈、呼吸数及び血圧の上昇、発汗、及び瞳孔拡大である。同時発生的 情態は不安である。治療は、可能であれば根底にある原因の除去と鎮痛剤の使用 を含む。慢性痛は、6ケ月以上持続する痛みと定義されている。これだけ持続す る痛みには、適用される生物学的役目はない。不活発な徴候が徐々に進行する。
例えば、疲労、睡眠障害、食欲減退、食物の味覚喪失、体重減、リビドーの低下 、及び便秘である。意気消沈した情態が優勢を占める。多くの患者において、器 質性疾患は痛みの程度を説明するのに不十分であったり、または全く存在しなか ったりする。これらの患者及び器質性疾患をもつ患者においては、心理的因子が 悪化への第一の寄与者となる。治療はしばしば困難で、予後は簡単に云々できな い。
更に、フルオキセチンは強迫神経症障害の治療に効果的であると主張されている 。これは、患者が病的だと認識していて、それに対して強い内的抵抗を感じてい る、周期的に現れる考えや幻想(強迫観念)と繰り返し起こる衝動または行動( 強制)の存在によって特徴づけられる神経障害である。不安が中心的特色である が、恐怖症(そこでは患者は自分がそれの受動的被害者だと感じている外部の危 険に直面して不安を覚えている)とは対照的に、ここでの不安は患者が自分の希 望に反して自分が積極的に実行するかもしれないことを恐れている、内面からの 考えや衝動に応答して生じる。強迫神経症の患者は、神経症を患う患者の5%未 満と全人口の約0.05%を占めるこの神経症は、男性女性を等しく襲い、社会 経済的に上層出身でより高い知性をもつ人々に多く見出だされる傾向がある。
フルオキセチンは他の抗うつ剤よりも有利であることが示されている。ムスカリ ン受容体、ヒスタミン作動性受容体、及びα1アドレナリン受容体の拮抗作用は 、古典的な三環系抗うつ剤の種々の抗コリン作動性作用及び心臓血管への影響と 結びついていると仮定されている。フルオキセチンは、これら及びその他の脳組 織からの膜受容体に上記の三環系抗うっ剤よりもずっと弱く結合する。従って、 フルオキセチンはぼやけた視覚、渇いた口、便秘及び深閑などの抗コリン作動性 の副作用を与えることが少ない。
また、血圧の低下、頻脈及び不整脈もより少い。
フルオキセチンは有利な点をもっているが、不利な点もある。
これらの不利な点には、不必要な作用、及び有害な毒性作用または心理的作用で ある副作用が含まれる。フルオキセチンのラセミ体に付随して最も頻繁に報告さ れる副作用は、頭痛、神経過敏、不安及び不眠である。これらはフルオキセチン で治療された患者のto−15%によって報告されている。これらの症状が、こ の薬剤で治療された患者の5%を薬剤中止に導いた。また、ある患者においては フルオキセチンの使用は重度の不安と結び付き、強烈な激しい自殺思考及び自ら の身体を傷付けることに帰着することが知られている。Te1cher ら、A m、J、Psychiatry、147(2):20?−210(1990)。
別の患者では、フルオキセチンで治療した後に繰病的挙動が続く。フルオキセチ ンに付随するその他の副作用には、吐き気、神経過敏、震え、疲労、口の渇き、 消化不良、便秘、過剰発汗、上部呼吸器感染、インフルエンザに似た症候群、下 痢及び嗜眠が含まれる。
フルオキセチンラセミ体の別の不利な点は、長い半減期とそれに付随する遅延さ れた作用開始である。フルオキセチンラセミ体の半減期は約2〜3日である。定 常状態の血漿濃度は、数週間の継続投与の後に始めて得られる。
フルオキセチンラセミ体の更に不利な点は、応答率が低いということである。全 体としては、フルオキセチンで治療された患者の44%が抗うつ作用を示した。
他の抗うつ療法にこれまで応答しなかった患者におけるフルオキセチンへの応答 は43%であった。更に、抗うつ剤による治療を受けたことがない患者、または 以前の治療に良好な応答を示した患者におけるフルオキセチンへの応答は56% であった。(Scrip’s New Product Review、“N0 17F l uOXe L ine”、pp、1.3−14.1986)。
フルオキセチンラセミ体の別の不利な点は、抗うつ剤としての作用に加えて、そ れが重度の食欲不振、嗜眠、無痛覚症、及び低血圧症等を引起こすことである。
これら他の作用は、うつ状態にある患者を治療する場合、または肥満や体重増加 に対する治療をする場合ですら、つまり、短期間のほんの適度な食欲抑制が望ま れる場合において、不必要な作用であろう。
従って、フルオキセチンの利点を有する化合物であって、上述の不利な点をもた ないものが望ましい。
2、発明の要約 フルオキセチンのS(+)異性体には、神経過敏、不安、不眠、及び有害な心理 的作用を引き起こすことを含むある種の副作用がないこと、そして作用の開始が 速く、応答率が増大していること、が発見された。また、フルオキセチンのS( +)異性体を使用することによって、うつ状態にある患者を治療する場合には不 必要であろうラセミ化合物の他の作用を回避できることが発見された。
従って、フルオキセチンのS(+)異性体はこれら有害な作用が回避され得るよ うなうつ状態の治療方法及びそれに使われる組成物として有用である。
また、フルオキセチンのS(+)異性体の使用により、フルオキセチンのラセミ 混合物の投与に付随した不必要な作用、例えば重度の食欲抑制及び有害な毒性作 用または心理的作用を回避しながら、適度な食欲抑制による体重減少を達成する ことが可能であることが発見された。また、光学的に純粋な5(−j〜)フルオ キセチンを使用する本発明の方法と組成物は、増加した応答率を与える。
更に、フルオキセチンのS(+)異性体は片頭痛の治療、痛み、特に慢性痛の治 療、および強迫神経症障害の治療に役立つことが発見された。フルオキセチンの S(+)異性体の投与によって回避されるまたは減少する不必要な作用及び有害 な毒性作用または心理的作用は、以下のものを含むがこれらだけに限定されるも のではない:頭痛、神経過敏、不安、吐き気、下痢、無食欲、不眠、重度の食欲 不振、内的落ち着きのなさ[アカシンア(akathisia)]、自殺思考、 及び自分の体を傷付けること。
食欲抑制作用をもちながら、同時にフルオキセチンのラセミ混合物に付随する上 述の不必要な作用及び有害な毒性作用または心理的作用を回避する、光学的に純 粋なS(+)フルオキセチンを含有する物質の新しい組成も本発明には開示され ている。
本発明には更に、片頭痛の治療、痛み、特に慢性痛の治療、および強迫神経症障 害の治療に役立つ光学的に純粋なS(+)フルオキセチンを含有する新規な組成 物も開示されている。これらの新規な組成物も、フルオキセチンのラセミ混合物 に付随する上述の不必要な、有害な毒性作用または心理的作用を回避する。
3、発明の詳細な説明 本発明は、抗うつ作用を引き出すと同時に、フルオキセチンのラセミ混合物に付 随する有害な毒性作用または心理的作用、遅延された作用開始、及び低い応答率 という不利な点を回避する方法を包含する。この方法は、抗うつ療法を必要とす る患者に、ヒトのうつ状態を軽減するのに十分な量だが、有害な毒性作用または 心理的作用、遅延された作用開始、及び低い応答率を引き起こすには不十分な量 の、実質的にR(−)立体異性体を含まないS(+)フルオキセチンまたはその 薬学的に許容される塩を投与することからなる。
本発明はまた、ヒトにおける肥満または体重増加を治療し、同時にフルオキセチ ンのラセミ混合物に付随する不必要な作用、有害な毒性作用または心理的作用、 遅延された作用開始、及び低い応答率という不利な点を回避する方法を包含する 。この方法は、肥満または体重増加に対する治療を必要とするヒトに、実質的に R(−)立体異性体を含まないある量のS(+)フルオキセチンまたはその薬学 的に許容される塩を投与することからなり、そのある量とは該ヒトの肥満または 体重増加を軽減するのに十分な量だが、フルオキセチンラセミ体の投与に付随す る該不必要な、有害な毒性作用または心理的作用を引き起こすには不十分な量で ある。
更に、本発明は片頭痛、痛み、または強迫神経症障害を治療し、同時にフルオキ セチンのラセミ混合物に付随する不必要な作用、有害な毒性作用または心理的作 用、または低い応答率という不利な点を回避する方法を包含する。この方法は、 片頭痛、痛みまたは強迫神経障害の治療を必要とする患者に、実質的にR(−) 立体異性体を含まないある量のS(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容 される塩を投与することからなり、ある量とは該患者の片頭痛、痛みまたは強迫 神経障害を治療するのに十分な量だが、フルオキセチンラセミ体の投与に付随す る該不必要な、有害な毒性作用または心理的作用、または低い応答率を引き起こ すには不十分な量である。
本発明は更に、抗うつ作用を引き出すと同時に不必要な作用を回避する方法を包 含する。この方法は、抗うつ療法を必要とする患者にヒトのうつ状態を軽減する のに十分な量だが、該不必要な作用を引き起こすには不十分な量の、実質的にR (−)立体異性体を含まないS(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容さ れる塩を投与することからなる。
本発明はまた抗うつ療法を必要とする患者を治療するための抗うつ剤組成物を包 含する。この組成物は、うつ状態を軽減するのに十分な量だが、有害な毒性作用 または心理的作用、遅延した作用開始、及び低応答率を引き起こすには不十分な 量の、実質的にR(−)立体異性体を含まないS(+)フルオキセチンまたはそ の薬学的に許容される塩からなる。
また、本発明には抗うつ療法を必要とする患者の治療に適する抗うつ剤組成物が 包含される。この組成物は、うつ状態を軽減するのに十分な量だが、不必要な作 用を引き起こすには不十分な量の、実質的にR(−)立体異性体を含まないS( +)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩を含有する。
更に、本発明にはヒトの肥満または体重増加の治療に有用な組成物が包含される 。この組成物は、実質的にR(−)立体異性体を含まないある量のS(+)フル オキセチンまたはその薬学的に許容される塩を含有し、ある量とは体重減少を達 成または体重増加を防止するのに十分な量で、同時にフルオキセチンのラセミ混 合物に付随する不必要な作用、有害な毒性作用または心理的作用、または低応答 率を回避する量である。
更に本発明は、片頭痛、痛み、または強迫神経障害の治療に適する組成物を包含 する。この組成物は、実質的にR(−)立体異性体を含まないある量のS(+) フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩を含有し、ある量とは上述の病 気を軽減するのに十分な量だが、フルオキセチンのラセミ混合物の不必要な作用 、有害な毒性作用または心理的作用、または低応答率を引き起こすには不十分な 量である。
更に、純粋なS(+)フルオキセチンはまた、片頭痛の治療、痛み、特に慢性病 の治療、及び強迫神経症障害の治療により効果的である。何故なら、先に論じた ように、フルオキセチンのラセミ混合物は作用開始が遅く、また応答率が低いが 、フルオキセチンのS(+)異性体は不必要な作用、または有害な毒性作用また は心理的作用を引き起こさず、かつ高い応答性を有するからである。従って、フ ルオキセチンのS(+)異性体を使用することがより望ましい。特に片頭痛につ いては、フルオキセチンのS(+)異性体による有害な毒性作用または心理的作 用の減少が、先に記述した有害副作用または合併症なしに、急性の症状を治療し たり、予防したりするすることを可能としている。
更に本発明は、ヒトのセロトニンニューロン及び血小板におけるセロトニン取込 みを阻害することによって軽減または改善される症状を治療し、同時にフルオキ セチンのラセミ混合体に付随する不必要で有害な毒性作用または心理的作用を回 避する方法を包含する。この方法は、そのような療法を必要とするヒトに実質的 にR(−)立体異性体を含まないある量のS(+)フルオキセチンまたはその薬 学的に許容される塩を投与することからなり、ある量とは該症状を軽減するのに 十分な量だが該有害作用を引き起こすには不十分な量である。セロトニンニュー ロン及び血小板におけるセロトニン取込みを阻害することによって軽減または改 善されるであろう症状には以下のものが含まれるが、それらだけに限定されるも のではない:アルコールの濫用、不安、記憶障害、ハンチントン(Huntin gton)舞踏病及び精神分裂症。
本発明には更に、ヒトのセロトニンニューロン及び血小板におけるセロトニン取 込みを阻害することによって軽減または改善される症状を治療するための組成物 を包含する。この組成物は、実質的にR(−)立体異性体を含まないある量のS (+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩からなり、ある量とは該 症状を軽減するのに十分な量だが、フルオキセチンラセミ体の投与に付随する不 必要で有害な毒性作用または心理的作用を引き起こすには不十分な量である。
フルオキセチンのラセミ混合物(つまりR及びS立体異性体の混合物)は抗うつ 作用を有する。しかし、このラセミ混合物は、有害な毒性作用または心理的作用 を引き起し、作用開始は遅く、かつ応答性は低い。フルオキセチンのS(+)異 性体はこのような有害な毒性作用または心理的作用を引き起こさず、作用開始は 速く、また応答率も高い。従って、フルオキセチンのS(+)異性体を使用する 方がはるかに望ましい。
更に、患者によっていくらかの変動性があるが、効果的な量のフルオキセチンS (+)異性体のみを投与することによって、より「対象を絞った」療法が達成さ れることが一般に観察されている。より「対象を絞った」療法とは、フルオキセ チンのS(+)異性体を使用することによって、不必要な作用は受けることなく 、この化合物の広範囲な活性が利用できるという意味である。すべての患者にと って、このように複雑で多岐にわたる活動範囲を有する化合物を投与されること が望ましい訳ではないので、このことは重要である。「不必要な作用」という用 語は、以下のものを含むがそれらだけに限定されるものではない= (1)重度 の食欲不振; (2)嗜眠または無痛覚症;及び(3)低血圧。従って、患者に フルオキセチンのS(+)異性体を投与することによって、トに同定したフルオ キセチンのラセミ混合物に付随する不必要な作用がない状態で、有意義な抗うつ 活性が得られる。
「有害な毒性作用または心理的作用」という用語は、以下のものを含むがそれら だけに限定されるものではない;頭痛、神経過敏、不安、不眠、吐き気、下痢、 嗜眠、口の渇き、震え、無食欲、消化不良、過剰発汗、上部呼吸器感染、インフ ルエンザに似た症候群、強烈で激しい自殺思考及び繰病的挙動。
ここで使用している「副作用」という用語は、望ましくない作用、または組成物 の意図された有益な作用に反する作用を意味する。「副作用」という用語は、有 害な毒性作用または有害な心理的作用を包含する。
ここで使用している「実質的にR(−)立体異性体を含まないJという用語は、 本発明の組成物がフルオキセチンR(−)立体異性体に対してより大きい比率の フルオキセチンS(+)異性体を含有することを意味する。好ましい態様におい ては、[実質的にR(−)立体異性体を含まない]という用語は、組成物が、存 在するフルオキセチンの全量に対して少なくとも90重量%のS(+)フルオキ セチンと10重量%以下のR(−)フルオキセチンを含有することを意味する。
最も好ましい態様においては、「実質的にR(−)立体異性体を含まない」とい う用語は、組成物が少なくとも99重量%のS(+)フルオキセチンと1重量% 以下のR(−)フルオキセチンを含有することを意味する。別の好ましい態様に おいては、ここに使用されている[実質的にR(−)立体異性体を含まないjと いう用語は、組成物が100重量%のS(+)フルオキセチンを含有することを 意味する。ここでも百分率は存在するフルオキセチンの全量に基づいている。「 実質的に光学上純粋なS(+)フルオキセチン」及び「光学的に純粋なフルオキ セチンのS(+)異性体」という用語は、上述の量に包含される。
[抗うつ作用を引き出す」という用語は、うつ状態に付随する症状からの救助を 意味する。この症状は、強烈な悲しい感情または悲観的な心配、自己非難、身体 的変化(不眠、無食欲、心理的動因、熱中及びリビドーの喪失、を含む)及び心 的活動の衰弱を含むが、これらだけに限定されない。
ここで使用している「片頭痛、痛み、または強迫神経症障害の治療方法」という 表現は、上述の病気に付随する症状及び/または作用からの救助を意味する。
ここで使用している[肥満または体重増加に対する治療」という表現は、食物消 費が非重度の食欲抑制によって減少するように、ヒトの食欲を短期間の間重度に ではなく抑制する方法を意味する。
ここで使用している「セロトニンニューロン及び血小板におけるセロトニン取込 みを阻害することによって軽減または改善される症状を治療する方法」という表 現は、これらの障害に付随する病状及び/または作用からの救助を意味する。
フルオキセチンのS(+)異性体の合成は、以下に述べる2つの方法によって行 なうことができる: 方法1 この方法は、Gaoら1.J、 Org、 Chem、 Vol、53. No 、17. pp、4081−4084(1988)に開示されている。二の方法 は、主要中間体である1−フェニル−1,3−プロパンジオールの使用を含む。
■−フェニルー1,3−プロパンジオールは、シンナミルエポキシアルコールか らRed−Al■還元によって調製する。キラルなシンナミルエポキシアルコー ルは、Gaoらの開示に従い、シンナミルアルコールの不斉エポキシ化によって 調製する。
(S)−(+)−フルオキセチン塩酸塩は、Gaoらに開示されている不斉エポ キシ化により(−)−DIPTを用いて得た(2R,3R)−エポキシソンナミ ルアルコールから調製する。
反応式は以下の通りである。
(S)・(+)・フルオキセチン塩酸塩(R)−(−)−フルオキセチン塩酸塩 は、Gaoらに開示されている不斉エポキシ化により(+)−DIPTを用いて 得た(2S、3S)−エポキシシンナミルアルコールから調製する。
方法2 この方法は、H,C,Brownの米国特許第4.868.344号に開示され ている、キラルポラン試薬を用いたケトンの不斉還元に基づいて反応式は以下の 通りである: S(+)フルオキセチンの予防的または治療的投与量は、治療しようとしている 症状の性質と重篤度、及び投与経路により当然変わるであろう。それはまた各患 者の年齢、体重、及び応答性によっても変わるであろう。一般に、抗うつ病剤と しての使用のためには、1日の投与量は1回のみの投与または数回に分けた投与 で、約1mgから約100mg/日、好ましくは約20mgから約80mg/日 、そして最も好ましくは約40mgから約80mgZ日の範囲内にある。他方、 ある場合にはこれらの限界外の投与量を用いる必要があるかもしれない。上述の 量に包含される表現には以下のものが含まれる: 「該ヒトのうつ状態を軽減す るのに十分な量だが、有害な毒性作用または心理的作用、遅延した作用開始、及 び低い応答率を引き起こすには不十分な量」、「ある量とは片頭痛、痛みまたは 強迫神経障害を治療するのに十分な量だが、不必要で有害な毒性作用または心理 的作用を引き起こすには不十分な量」、「ある量とは該ヒトの肥満または体重増 加を軽減するのに十分な量だが、該不必要で有害な毒性作用または心理的作用を 引き起こすには不十分な量」、[ある量とは体重減少を達成するのに十分な量だ が、該不必要で有害な毒性作用または心理的作用を引き起こすには不十分な量」 、「ある量とは該症状を軽減するのに十分な量だが、該不必要で有害な毒性作用 または心理的作用を引き起こすには不十分な量」ここで該症状とはアルコールの 濫用、不安、記憶障害、ハンチントン(Hungington)舞踏病、または 精神分裂症をいう。
S(+)フルオキセチンの効果的な投与量を患者に与えるにあたっては、任意の 適切な投与経路を使うことができる。例えば、経口、直腸、腸管外、経皮、皮下 、筋肉内、吸入、等の経路を採用することができる。投与形態には、錠剤、トロ ーチ、分散体、懸濁液、溶液、カプセル、パッチ等が含まれる。
本発明の医薬組成物は、有効成分としてのS(+)フルオキセチンまたはその薬 学的に許容される塩からなり、さらに調剤上許容し得る担体及び随意に選択した その他の治療成分を含有してもよい。「薬学的に許容される塩」という用語は、 無機酸及び有機酸を含む薬学的に許容される非毒性の酸から調製した塩をいう。
本発明の化合物は塩基性なので、塩は無機酸及び有機酸を含む薬学的に許容され る非毒性の酸から調製することができる。このような酸には、酢酸、ベンゼンス ルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、フ マル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、 マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモイ ン酸(pamoic acid)、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒 石酸、p−トルエンスルホン酸、等が含まれる。
特に好ましいのは、臭化水素酸、塩酸、リン酸、及び硫酸である。
与えられたいかなる症例においても最も適切な投与経路は治療を受ける症状の性 質と重篤度によって変るが、本発明の組成物は、経口、直腸、及び非経口(皮下 、筋肉内、及び静脈内を含む)投与に適した組成物を含む。本発明における最も 好ましい投与経路は経口である。組成物は単位剤形として都合よく提供すること ができ、また製剤の技術分野で周知の任意の方法に従って調製できる。
経口組成物を用いる場合は、使用に適した用量範囲は、例えば1日あたりフルオ キセチン約1mgから約LOOmg、好ましくは約20mgから約80mg、最 も好ましくは40mgから80mgである。
実際の使用法では、S(+)フルオキセチンを有効成分として従来の調剤混合技 術によってよく混ぜた混合物として調剤上の担体と組み合わせることができる。
担体は、投与のために所望された剤形に、例えば経口か非経口投与(静脈内を含 む)かにより、広範囲で多様な剤形をとり得る。経口投与形態の組成物を調製す る時は、通常の調剤媒体の任意の物、例えば懸濁液、エリキシル剤、及び溶液な との経口液体製剤の場合は、水、グリコール、油、アルコール、香料、防腐剤、 着色剤等;また粉剤、カプセル、錠剤などの経口固形製剤の場合は、澱粉、砂糖 、微結晶質セルロース、希釈剤、粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を使うこと ができ、液体製剤に比べると固形経口製剤のほうが好ましい。最も好ましい固形 経口製剤はカプセルである。投与の容易さにより、錠剤とカプセルは最も有利な 経口単位剤形を代表し、この場合調剤上の固形担体が明らかに使用される。所望 であれば、標準的水性または非水性技術によって、錠剤を被覆してもよい。
上述の普通の剤形に加え、本発明の化合物は例えば米国特許第3、845.77 0号:第3.916.899号;第3.536.809号;第3.589.12 3号;第3.630.200号及び第4.008.719号、に開示されている ような制御された放出手段及び/またはデリバリ−器具によって投与することも 可能である。これら特許の開示は参考として本明細書に組み入れるものとする。
フルオキセチンのラセミ混合物を持続的放出製剤に使用する方法が米国特許第4 .797.286号及び同第4゜847、092号に開示及び/または特許請求 されている。
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、それぞれあらかじめ定められた量の有 効成分を含有するカプセル、カシェ剤、または錠剤等のような個々の単位として 提供してもよいし、粉剤または粒剤として、または水性液体、非水性液体、水中 油滴型エマルジョン、または油中水滴型エマルジョンの中の溶液または懸濁液と して提供してもよい。このような組成物は製剤学の任意の方法によって調製して よいが、あらゆる方法は有効成分を、■またはそれ以上の必要成分を構成する担 体と結合するという段階を包含する。一般的に、組成物は有効成分と液体担体ま たは細かく粉砕した固体担体またはその両方を均一にかつ直接的に混合し、次に 、必要であればこうして得た混合物を所望の提示形態に成形する。
例えば、錠剤は希望であれば1種またはそれ以上の補助成分と一緒に圧縮または 成形によって調製される。圧縮錠剤は、適切な機械で、随意選択により結合剤、 滑沢剤、不活性希釈剤、及び/または界面活性剤または分散剤と混合した粉末ま たは粒剤などの自由流動形の有効成分を圧縮して調製する。成形錠剤は、不活性 液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形して調製する。望 ましくは、各錠剤が約5mgから約100mgの有効成分を含有し、各カシェ剤 またはカプセルが約5mgから約100mgの有効成分を含有することである。
最も好ましくは、錠剤、カシェ剤またはカプセルが20mgの有効成分を含有す ることである。
化合物の調製と本発明の化合物について詳細に記述している以下の実施例を参照 しながら、本発明を更に明らかにする。当業者には、材料と方法への多くの変更 が、本発明の目的と対象から逸脱することなくなされ得ることが明白であろう。
すべての温度は摂氏で表しである。
(本頁以下余白) 4、実施例 &匹二と互支瑳旦匹土ムヱ火±土!天ヱ犯套惑Red−AIを用いたエポキシシ ンナミルアルコールの還元とフルオキセチンの合成 (R)−3−フェニル−1,3−ジヒドロキシプロパン(−)−(2S、3S) −エポキシシンナミルアルコール(1)(1,5g、10.0ミリモル)(ガオ (G a o)ら、J、Org、Chem、 、第53巻、第17号、第408 14084頁(1988)に開示された方法によって合成したもの)のジメトキ ンエタン(50mL)溶液に、Red−AI■の3.4Ml−ルエン溶液(3, 1mL、10.5ミリモル)を、窒素雰囲気中てOoCにて滴下して加えた。室 温で3時間にわたってかきまぜてから、該溶液をエーテルで希釈し、5%HCI で反応停止させた0室温で30分間かきまぜてから、生じた白色の沈殿物を濾過 し、酢酸エチルとともに煮沸し、再度濾過した。得られた有機溶液をまとめ、硫 酸マグネシウム上で乾燥した。濃縮の結果、(R)−3−フェニル−1,3−ジ ヒドロキシプロパン(2)が淡黄色の油として得られ、このものをさらに精製す ることなく使用した(1.5g、98%)。
’ HNMR(CDC13)67.2−7.3 (m、5H)、4、 88−4 . 98 (m、IH) 、3. 78−3. 86 (t、 J=7.5Hz 、2)、3.3−3.4 (br、s、IH)、2゜85−2.95 (br、 s、IH)、1. 84−2.08 (m。
2H)。
ジアセテート誘導体を’HNMRで分析したところ、l、3−ジオール:I、2 −ジオールの比は20・1であった。
(S)−3−フェニル−1,3−ジヒドロキシプロパンを、出発物質として30 0mgの(+)−エポキシシンナミルアルコールを用いて上記の手順にしたがっ て生成したところ、300mgの(S)−3−フェニル−1,3−ジヒドロキシ プロパン(1゜3−ジオール:l、2−ジオール=21 : 1)が得られた。
その2 (S)−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピル−1−メタン(S)−3−フェ ニル−1,3−ジヒドロキシプロパン(3)(2,71g、17.8ミリモル) ならびにトリエチルアミン(2,60g、25.6ミリモル)のエーテル(90 mL)溶液に、MsCl (1,45mL、18.7ミリモル)を、窒素雰囲気 中で−lO°Cにて滴下して加えた。−1H°Cから0°Cで3時間かきまぜて から、混合物を氷水(30mL)に注ぎ、20%Ht Sot 、NaHCO3 飽和水溶液、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。得られた粗生成 物を、クロマトグラフィーで、酢酸エチルのヘキサンへの45%溶液を溶離液と して精製したところ、標記の化合物(4)が油として得られた(3゜50g、8 5%)。
’ HNMR(CD C13)67.3−7.4 (m、5H)、4.85−4 .91 (t、J=7.7Hz、IH)、4.42−4.52 (m、LH)、 4.22−4.32 (m、LH)、3゜0 (s、3H) 、2. 3 (s 、LH) 、2. 1−2. 2 (q、 J=7.7Hz、2H)。
(R)−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピル−】−メタンスルホネートが、 (R)−3−フェニル−1,3−ジヒドロキシプロパンから、上記の手順によっ て74%の収率で得られた。
得られた2種の化合物は、OoCで貯蔵、あるいは製造後ただちに使用した。
(本頁以下余白) その3 (S)−N−メチル−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピル(S)−3−フェ ニル−3−ヒドロキシプロピル−1−メタンスルホネート(5)(690mg、 3.0ミリモル)ならびにメチルアミン(10mL、40%水溶液)のTHF  (10mL)溶液を、656Cで3時間にわたって加熱した。冷却後、この溶液 をエーテルで希釈し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、食塩水で洗浄し、無水炭酸 カリウムを用いて乾燥した。乾燥するまで濃縮したところ、標記の化合物(6) が得られた(476mg、96%)。
’ HNMR(CD C13)67、 2−7. 4 (m、5H)、4、 9 4 (dd、J =3. 8. 7. 2Hz、LH)、3. 4−3、 9  (br、s、IH)、2. 84−2. 92 (m、2H)、2.45 (s 、3H)、1. 68−1. 92 (m、3H)。
上記と同様の手順によって、1.15gの(R)−3−フェニル−3−ヒドロキ シプロピル−1−メタンスルホネートから、837mgの(R)−N−メチル− 3−フェニル−3−ヒドロキシプロピルアミンが得られた。
その4 (R)−N−メチル−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピルアミン(7)(1 ,23g、7.45ミリモル)のジメチルアセトアミド(7mL)溶液に、水素 化ナトリウムを冷却しながら加えた。得られた混合物を90°Cで1.5時間に わたって加熱したところ、橙色の溶液が生じた。次に、この溶液に、4−クロロ ペンゾトリフルオリド(3,23g、2.40mL、17.9ミリモル)を加え 、得られた混合物を100−105°Cで2.5時間にわたって加熱(7た。冷 却し、トルエンで希釈してから、混合物を水洗し、水層を分離し、トルエンで抽 出した。トルエン溶液をまとめ、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、食塩水で洗浄し 、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濃縮の結果、(R)−フルオキセチンが橙色 の油として得られた(1.97g、86%)。この油をエーテルに溶解し、塩化 水素ガスで酸性(pH=3−4)としたところ、酸性のエーテル溶液が生じた( 沈殿生成せず)。この溶液を室温で濃縮したところ、黄色の固形物か得られ、こ の固形物をエーテルで洗浄して橙色の大半をとり除いた。得られた淡黄色の固形 物を、アセトニトリルから一20°Cにて再結晶させた〇固形物を集め、エーテ ルで洗浄したところ、(R)−フルオキセチン塩酸塩(8)が白色粉末として得 られた(1. 90g、75%)。
融点、140−142°C(文献上の融点、140−141゜5°C)。
(α)”D−2,16° (c 1.62.MeOH)(文献上の[α〕23D −1,97° Cc 1.OO,MeOH))。
[α) 23D+7.08° CC1,30,H20)(文献上の〔a〕”D+ lO,32° Cc 1. OO,H20〕)。
IR(KBr、CDCl3 2950.2640,2450゜1620.159 5,1520.1360,1250,1180.1170,1130.1114 ,1070.840cm−’。
’ HNMR(CD Cl 3 )69. 72 (br、s、2H)、7、  40−7. 43 (d、J=8. 7Hz、2H)、7. 25−7、 33  (m、、5H) 、6. 88−6. 92 (d、 J=8. 7Hz、2 H) 、5.45−5.50 (dd、J=4.6.7.9Hz、IH)、3. 12 (br、s、2H)、2.55−2.62(br、s、3H) 、2.4 2−2.52 (m、2H)。
C1+ Hl 9 C] F 3N O(7) 元素分析、理論値:C,59, 05;H,5,54,N、4.05;F、16.48.CI、10.25゜実測 値:C,58,84;H,5,55;N、3. 94 ;F、16.28;C1 ,10,50゜ 上述の手順を用いることにより、(S)−N−メチル−3−フェニル−3−ヒド ロキシプロピルアミンから、(S)−フルオキセチン塩酸塩を製造した。
融点、140−142°C(文献上の融点、135−137゜C)。
〔α) ”D−7,12° (cl、53.Hg O)(文献上の〔aJ ”D −10,85° Cc 1.00.Hl 0))。
C,、Hl、CI F3 Noの元素分析、理論値:C,59,os;H,5, 54、N、4. 05゜実測値:C,59,19;H,5、42;N、3. 8 9゜ 処方 1錠あたりの量(mg) A旦 活性成分(S (+)フルオ キセチン塩酸塩) 10.00 20.00ラクトース 62.75 52.7 5 コーンスターチ 3. 0 3. 0 水(1000錠あたりの量) 30.0ml 30,0mlコーンスターチ 1 8.75 18.75ステアリン酸マグネシウム 0.5 0.5125.00  125.00 活性成分であるS(+)フルオキセチン塩酸塩とラクトースを、均一になるまで ブレンドする。少量の方のコーンスターチを水とブレンドし、得られたコーンス ターチのペーストを加え、均一な湿った塊が形成するまで混線を行う。この湿っ た塊に、残りのコーンスターチを加え、均一な顆粒が生じるまで混練する。この 顆粒を、1/4インチのステンレス鋼のスクリーンを使用して、適当な粉砕機を 通すことにより篩分けする。粉砕した顆粒を、所望の水分含量となるまで適当な 乾燥炉で乾燥する。乾燥した顆粒を、1/4インチのステンレス鋼のスクリーン を使用して、適当な粉砕機を通すことにより粉砕する。ステアリン酸マグネシウ ムをブレンドし、得られた混合物を圧縮して、所望の形状、厚さ、硬さ、崩壊性 の錠剤とする。
処方 1カプセルあたりの量(m ) Δ旦 活性成分 10.00 20.00 ラクトース 65.75 55.75 コーンスターチ 18.75 18.75ステアリン酸マグネシウム 0.50  0.50125.00 125.00 活性成分であるS(+)フルオキセチン塩酸塩、ラクトース、およびコーンスタ ーチを、均一になるまでブレンドする。得られた粉末にステアリン酸マグネシウ ムをブレンドする。得られた混合物を、適当な寸法の2ピースの硬質ゼラチンカ プセルに充填する。
国際調査報告 フロントページの続き (51) Int、 C1,6識別記号 庁内整理番号A61K 31/135  AAH (81)指定国 EP(AT、BE、CH,DE。
DK、ES、FR,GB、GR,IT、LU、MC,NL、SE)、0A(BF 、BJ、CF、CG、CI、CM、GA、GN、ML、MR,SN、TD、TG )、AU、 BB、 BG、 BR,CA、 C3,FI、 HU、JP。
KR,LK、MG、MN、MW、No、PL、R○、RU、SD I

Claims (94)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.付随的に起こりうる有害な毒性作用または心理的作用、遅い作用開始または 低い応答率を回避しつつ抗うつ作用を引き出す方法であって、抗うつ治療を必要 とする患者に、実質的にR(−)立体異性体を含まない、ある量のS(+)フル オキセチンまたはその薬学的に許容される塩を投与することからなり、該量がヒ トのうつ病を軽減するのに十分な量であるが、フルオキセチンのラセミ体の投与 に伴う有害な毒性作用または心理的作用、遅い作用開始または低い応答率を引き 起こすには不十分な量である、上記方法。
  2. 2.S(+)フルオキセチンを静脈内注入により、経皮的デリバリーにより、あ るいは錠剤またはカプセル剤として経口的に投与する、請求項1記載の方法。
  3. 3.投与量が1日あたり1〜100mgである、請求項1記載の方法。
  4. 4.投与量が1日あたり20〜80mgである、請求項3記載の方法。
  5. 5.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフルオ キセチンの全量の約99重量%より多い、請求項1記載の方法。
  6. 6.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたはそ の薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項1記載 の方法。
  7. 7.S(+)フルオキセチンを塩酸塩として投与する、請求項2記載の方法。
  8. 8.抗うつ治療を必要とする患者の治療に適する抗うつ剤組成物であって、実質 的にR(−)立体異性体を含まない、ある量のS(+)フルオキセチンまたはそ の薬学的に許容される塩を含有し、該量がうつ病を軽減するのに十分な量である が、フルオキセチンのラセミ体の投与に伴う有害な毒性作用または心理的作用、 遅い作用開始または低い応答率を引き起こすには不十分な量である、上記組成物 。
  9. 9.前記の量が1〜20mgである、請求項8記載の組成物。
  10. 10.前記の組成物を1日に1〜4回投与する、請求項9記載の組成物。
  11. 11.前記の組成物を1日に2回投与する、請求項9記載の組成物。
  12. 12.前記の組成物を1日に1回投与する、請求項9記載の組成物。
  13. 13.S(+)フルオキセチン塩酸塩を含有する、請求項9記載の組成物。
  14. 14.経口投与に適する、請求項13記載の組成物。
  15. 15.静脈内デリバリーに適する、請求項13記載の組成物。
  16. 16.経皮的デリバリーに適する、請求項13記載の組成物。
  17. 17.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項8記 載の組成物。
  18. 18.フルオキセチンのラセミ体の不必要な作用を回避しつつ抗うつ作用を引き 出す方法であって、抗うつ治療を必要とする患者に、実質的にR(−)立体異性 体を含まない、ある量のS(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される 塩を投与することからなり、該量がヒトのうつ病を軽減するのに十分な量である が、上記の不必要な作用を引き起こすには不十分な量である、上記方法。
  19. 19.S(+)フルオキセチンを静脈内注入により、経皮的デリバリーにより、 あるいは錠剤またはカプセル剤として経口的に投与する、請求項18記載の方法 。
  20. 20.前記の不必要な作用が重症の食欲不振、嗜眠状態、痛覚消失または低血圧 である、請求項18記載の方法。
  21. 21.投与量が1日あたり1〜100mgである、請求項19記載の方法。
  22. 22.投与量が1日あたり20〜80mgである、請求項21記載の方法。
  23. 23.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフル オキセチンの全量の約99重量%より多い、請求項18記載の方法。
  24. 24.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項18 記載の方法。
  25. 25.S(+)フルオキセチンを塩酸塩として投与する、請求項21記載の方法 。
  26. 26.抗うつ治療を必要とする患者の治療に適する抗うつ剤組成物であって、実 質的にR(−)立体異性体を含まない、ある量のS(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を含有し、該量がうつ病を軽減するのに十分な量であ るが、不必要な作用を引き起こすには不十分な量である、上記組成物。
  27. 27.前記の不必要な作用が重症の食欲不振、嗜眠状態、痛覚消失または低血圧 である、請求項26記載の組成物。
  28. 28.前記の量が1〜20mgである、請求項26記載の組成物。
  29. 29.前記の組成物を1日に1〜4回投与する、請求項28記載の組成物。
  30. 30.前記の組成物を1日に2回投与する、請求項29記載の組成物。
  31. 31.前記の組成物を1日に1回投与する、請求項30記載の組成物。
  32. 32.S(+)フルオキセチン塩酸塩を含有する、請求項28記載の組成物。
  33. 33.経口投与に適する、請求項32記載の組成物。
  34. 34.静脈内デリバリーに適する、請求項32記載の組成物。
  35. 35.経皮的デリバリーに適する、請求項32記載の組成物。
  36. 36.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項26 記載の組成物。
  37. 37.不必要で有害な毒性作用または心理的作用を回避しつつヒトの片頭痛、疼 痛または強迫神経症障害を治療する方法であって、片頭痛、疼痛または強迫神経 症障害の治療を必要とするヒトに、実質的にR(−)立体異性体を含まない、あ る量のS(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩を投与すること からなり、該量がヒトの片頭痛、疼痛または強迫神経症障害を軽減するのに十分 な量であるが、フルオキセチンのラセミ体の投与に伴う上記の不必要で有害な毒 性作用または心理的作用を引き起こすには不十分な量である、上記方法。
  38. 38.S(+)フルオキセチンを静脈内注入により、経皮的デリバリーにより、 あるいは錠剤またはカプセル剤として経口的に投与する、請求項37記載の方法 。
  39. 39.投与量が1日あたり約1〜100mgである、請求項37記載の方法。
  40. 40.投与量が1日あたり約20〜80mgである、請求項39記載の方法。
  41. 41.投与量が約25〜75mgである、請求項40記載の方法。
  42. 42.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフル オキセチンの全量の約90重量%より多い、請求項37記載の方法。
  43. 43.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフル オキセチンの全量の約99重量%より多い、請求項37記載の方法。
  44. 44.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項37 記載の方法。
  45. 45.S(+)フルオキセチンをその塩酸塩として投与する、請求項40記載の 方法。
  46. 46.片頭痛、疼痛または強迫神経症障害を有するヒトの治療に適する組成物で あって、実質的にR(−)立体異性体を含まない、ある量のS(+)フルオキセ チンまたはその薬学的に許容される塩を含有し、該量が片頭痛、疼痛または強迫 神経症障害を軽減するのに十分な量であるが、フルオキセチンのラセミ体の投与 に伴う不必要で有害な毒性作用または心理的作用を引き起こすには不十分な量で ある、上記組成物。
  47. 47.前記の量が約1〜20mgである、請求項46記載の組成物。
  48. 48.前記の組成物を1日に1〜4回投与する、請求項47記載の組成物。
  49. 49.前記の組成物を1日に2回投与する、請求項47記載の組成物。
  50. 50.前記の組成物を1日に1回投与する、請求項47記載の組成物。
  51. 51.R(−)フルオキセチンをその塩酸塩の形で含有する、請求項47記載の 組成物。
  52. 52.経口投与に適する、請求項51記載の組成物。
  53. 53.静脈内デリバリーに適する、請求項51記載の組成物。
  54. 54.経皮的デリバリーに適する、請求項51記載の組成物。
  55. 55.非経口投与で用いるのに適する、請求項51記載の組成物。
  56. 56.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフル オキセチンの全量の約90重量%より多い、請求項46記載の組成物。
  57. 57.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフル オキセチンの全量の約99重量%より多い、請求項46記載の組成物。
  58. 58.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項46 記載の組成物。
  59. 59.不必要で有害な毒性作用または心理的作用を回避しつつヒトにおける肥満 または体重増加を治療する方法であって、肥満または体重増加の治療を必要とす るヒトに、実質的にR(−)立体異性体を含まない、ある量のS(+)フルオキ セチンまたはその薬学的に許容される塩を投与することからなり、該量がヒトの 肥満または体重増加を軽減するのに十分な量であるが、フルオキセチンのラセミ 体の投与に伴う上記の不必要で有害な毒性作用または心理的作用を引き起こすに は不十分な量である、上記方法。
  60. 60.投与量が1日あたり約1〜100mgである、請求項59記載の方法。
  61. 61.投与量が1日あたり約20〜80mgである、請求項60記載の方法。
  62. 62.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフル オキセチンの全量の約90重量%より多い、請求項59記載の方法。
  63. 63.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフル オキセチンの全量の約99重量%より多い、請求項59記載の方法。
  64. 64.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項59 記載の方法。
  65. 65.S(+)フルオキセチンを静脈内注入により、経皮的デリバリーにより、 あるいは錠剤またはカプセル剤として経口的に投与する、請求項59記載の方法 。
  66. 66.S(+)フルオキセチンをその塩酸塩として投与する、請求項59記載の 方法。
  67. 67.ヒトの肥満または体重増加の治療に適する組成物であって、実質的にR( −)立体異性体を含まない、ある量のS(+)フルオキセチンを含有し、該量が 肥満または体重増加を軽減するのに十分な量であるが、フルオキセチンのラセミ 体の投与に伴う不必要で有害な毒性作用または心理的作用を引き起こすには不十 分な量である、上記組成物。
  68. 68.前記の量が約1〜20mgである、請求項67記載の組成物。
  69. 69.前記の組成物を1日に1〜4回投与する、請求項68記載の組成物。
  70. 70.前記の組成物を1日に2回投与する、請求項69記載の組成物。
  71. 71.前記の組成物を1日に1回投与する、請求項70記載の組成物。
  72. 72.R(−)フルオキセチンを塩酸塩として含有する、請求項68記載の組成 物。
  73. 73.経口投与に適する、請求項72記載の組成物。
  74. 74.静脈内デリバリーに適する、請求項72記載の組成物。
  75. 75.経皮的デリバリーに適する、請求項72記載の組成物。
  76. 76.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項67 記載の組成物。
  77. 77.フルオキセチンのラセミ混合物に伴う不必要で有害な毒性作用または心理 的作用を回避しつつ、セロトニンニューロンおよび血小板でのセロトニン取込み の阻害により軽減または改善されるヒトの症状を治療する方法であって、このよ うな治療を必要とするヒトに、実質的にR(−)立体異性体を含まない、ある量 のS(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩を投与することから なり、該量が上記の症状を軽減するのに十分な量であるが、上記の不必要で有害 な毒性作用または心理的作用を引き起こすには不十分な量である、上記方法。
  78. 78.セロトニンニューロンおよび血小板でのセロトニン取込みの阻害により軽 減または改善される前記症状がアルコール濫用、不安、記憶障害、ハンチントン 舞踏病および精神分裂病より成る群から選ばれる、請求項77記載の方法。
  79. 79.S(+)フルオキセチンを静脈内注入により、経皮的デリバリーにより、 あるいは錠剤またはカプセル剤として経口的に投与する、請求項77記載の方法 。
  80. 80.投与量が約1〜100mgである、請求項77記載の方法。
  81. 81.投与量が約20〜80mgである、請求項80記載の方法。
  82. 82.S(+)フルオキセチンまたはその薬学的に許容される塩の前記量がフル オキセチンの全量の約90重量%より多い、請求項77記載の方法。
  83. 83.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項77 記載の方法。
  84. 84.S(+)フルオキセチンをその塩酸塩として投与する、請求項80記載の 方法。
  85. 85.セロトニンニューロンおよび血小板でのセロトニン取込みの阻害により軽 減または改善されるヒトの症状を治療するための組成物であって、実質的にR( −)立体異性体を含まない、ある量のS(+)フルオキセチンまたはその薬学的 に許容される塩を含有し、該量が上記の症状を軽減するのに十分な量であるが、 不必要で有害な毒性作用または心理的作用を引き起こすには不十分な量である、 上記組成物。
  86. 86.セロトニンニューロンおよび血小板でのセロトニン取込みの阻害により軽 減または改善される前記症状がアルコール濫用、不安、記憶障害、ハンチントン 舞踏病および精神分裂病より成る群から選ばれる、請求項85記載の組成物。
  87. 87.前記の量が約1〜100mgである、請求項85記載の組成物。
  88. 88.前記の組成物を1日に1〜4回投与する、請求項87記載の組成物。
  89. 89.前記の組成物を1日に1回投与する、請求項88記載の組成物。
  90. 90.S(+)フルオキセチン塩酸塩を含有する、請求項87記載の組成物。
  91. 91.経口投与に適する、請求項90記載の組成物。
  92. 92.静脈内デリバリーに適する、請求項90記載の組成物。
  93. 93.経皮的デリバリーに適する、請求項90記載の組成物。
  94. 94.実質的にR(−)立体異性体を含まない、S(+)フルオキセチンまたは その薬学的に許容される塩を製剤上許容される担体と共に投与する、請求項85 記載の組成物。
JP4506297A 1991-11-15 1992-02-05 純粋なフルオキセチンのs(+)異性体を用いる方法および組成物 Pending JPH07500812A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US79303691A 1991-11-15 1991-11-15
US793,036 1991-11-15
PCT/US1992/000888 WO1993009769A1 (en) 1991-11-15 1992-02-05 Methods and compositions utilizing pure s(+) isomer fluoxetine

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003304079A Division JP2004002474A (ja) 1991-11-15 2003-08-28 純粋なフルオキセチンのs(+)異性体を用いる組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07500812A true JPH07500812A (ja) 1995-01-26

Family

ID=25158891

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4506297A Pending JPH07500812A (ja) 1991-11-15 1992-02-05 純粋なフルオキセチンのs(+)異性体を用いる方法および組成物
JP2003304079A Pending JP2004002474A (ja) 1991-11-15 2003-08-28 純粋なフルオキセチンのs(+)異性体を用いる組成物

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003304079A Pending JP2004002474A (ja) 1991-11-15 2003-08-28 純粋なフルオキセチンのs(+)異性体を用いる組成物

Country Status (9)

Country Link
EP (2) EP1208838A3 (ja)
JP (2) JPH07500812A (ja)
AT (1) ATE244563T1 (ja)
AU (2) AU1373692A (ja)
CA (1) CA2123704C (ja)
DE (1) DE69233124T2 (ja)
DK (1) DK0612242T3 (ja)
ES (1) ES2197144T3 (ja)
WO (1) WO1993009769A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2174864T3 (es) * 1993-06-28 2002-11-16 Wyeth Corp Nuevos tratamientos que utilizan derivados de fenetilo.
ES2082723B1 (es) * 1994-07-20 1996-10-01 Lilly Sa Formulacion farmaceutica de fluoxetina en forma dispersable.
US6548084B2 (en) 1995-07-20 2003-04-15 Smithkline Beecham Plc Controlled release compositions
ES2103682B1 (es) * 1995-09-20 1998-04-01 Lilly Sa Composicion farmaceutica oral de fluoxetina, solida y con caracteristicas organolepticas mejoradas.
AR021155A1 (es) 1999-07-08 2002-06-12 Lundbeck & Co As H Tratamiento de desordenes neuroticos
US6846957B2 (en) 2002-11-22 2005-01-25 Board Of Regents, The University Of Texas System Synthesis of 3-aminomethyl-1-propanol, a fluoxetine precursor
CN111643475A (zh) * 2020-07-20 2020-09-11 华益药业科技(安徽)有限公司 一种氟西汀胶囊生产工艺

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ZA817863B (en) * 1980-11-14 1983-06-29 Lilly Co Eli (-)n-methyl-3-(2-methylphenoxy)-3-phenylpropylamnie,antidepressant

Also Published As

Publication number Publication date
DE69233124T2 (de) 2004-02-19
EP0612242B1 (en) 2003-07-09
EP0612242A4 (en) 1997-01-15
EP1208838A2 (en) 2002-05-29
DK0612242T3 (da) 2003-10-20
ATE244563T1 (de) 2003-07-15
AU1891797A (en) 1997-06-19
CA2123704A1 (en) 1993-05-27
CA2123704C (en) 2003-01-21
EP1208838A3 (en) 2003-07-09
AU1373692A (en) 1993-06-15
DE69233124D1 (de) 2003-08-14
ES2197144T3 (es) 2004-01-01
EP0612242A1 (en) 1994-08-31
WO1993009769A1 (en) 1993-05-27
JP2004002474A (ja) 2004-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5589511A (en) Method for treating migraine headaches using optically pure S(+) fluoxetine
US5104899A (en) Methods and compositions for treating depression using optically pure fluoxetine
US5708035A (en) Methods of use and compositions of R(-) fluoxetine
DE60029139T3 (de) Bupropion metabolite und verfahren zur deren synthese und verwendung
JP4664505B2 (ja) ビュープロピオン代謝物質ならびにその合成方法および使用
US6110973A (en) Methods for treating obesity and weight gain using optically pure (-)-bupropion
JP2011093924A (ja) (−)−ベンラファキシン誘導体並びにその製造方法および使用方法
JP2003501344A (ja) (+)−ベンラファキシン誘導体並びにその製造方法および使用方法
JP2001503737A (ja) 糖尿病の発生を防止するためのシブトラミン類似体の利用
JPH05503102A (ja) 喘息の治療のための光学的純粋r(−)アルブテロール
JPH07508281A (ja) 光学的に純粋な(+)シブトラミンを用いるうつ病およびその他の障害を治療する方法ならびに組成物
JPH07500812A (ja) 純粋なフルオキセチンのs(+)異性体を用いる方法および組成物
TW200835477A (en) Methods for treating depression
WO1999038502A1 (en) Pharmaceutical uses of optically pure (+)-bupropion
WO1992013452A1 (en) Methods of use and compositions of r(-) fluoxetine
AU6172699A (en) Methods and compositions utilizing pure S()isomer fluoxetine
TW320562B (ja)
CA2647048A1 (en) Methods for treating cognitive and other disorders