JPH0749115B2 - 浄水器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この本発明は、少ない回転角度で
確実な水流切替が可能であり且つ源水と浄水とを完全に
セパレートして供給する事の出来るロータリ式浄水器に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、各地の河川は生活排水の流入によ
る汚濁が進行しており、『あおこ』などのプランクトン
の大量発生が初夏から盛夏によく報告されている。これ
らプランクトンの大量発生は家庭排水などが水源に流入
して栄養富化を招いた事が１つの原因であり、これらプ
ランクトンの大量発生は水源の水質低下を招き、『かび
臭さ』など水道水の悪臭の原因になっている。また、水
源の水質低下のために消毒用の塩素の使用量も次第に大
量になり、これも水道水の水質低下を招いている。加え
て、都会のビルやマンションでは、屋上の給水タンクに
貯水し、これを使用しているため、都市周辺の家庭用水
道水より更に水質が低下しており、悪臭のためそのまま
飲むことが出来ない場合がある。そこで、蛇口に浄水器
を設置し、飲用水は十分濾過した浄水を使用し、食器の
洗浄や手を洗う場合には、浄化していない通常の水道水
を使用するようにしている。

【０００３】従来、この種の浄水器にあっては、実開昭
６１−１７５２９３号に記載されているように、出水孔
とシャワー出水孔とが設けられており、浄水と源水とが
出水孔から流出するというような形式のものが多く、出
口において源水と浄水との区別が出来ないという問題が
あった。その他、シャワー出水の場合と非シャワー出水
の場合との水密性が不十分であって一方の使用時に他方
から漏水が生じるという問題や、構造が非常に複雑であ
るために金型構造、成形、組み立てなどに時間がかかる
と言う問題や、形状が非常に大きいと言うような問題な
どが指摘された。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来例
の欠点に鑑みてなされたもので、本発明の解決しようと
する課題は、浄水器における、浄水と源水の完全セパ
レート、高い封水性、構造の簡素化、省スペース
などである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、『通水を浄化
する浄水部(1)と、通水を浄水部(1)に給水するか又はそ
のまま出水するかを選択的に切り替える通水切替部(2)
と、通水切替部(2)に収納された回転切替弁(3)を回転さ
せる切替レバー(4)とで構成された浄水器(A)において、
通水切替部(2)に穿設された回転弁保持孔(6)と、回転弁
保持孔(6)内に間隙(5)を設けて回転自在に保持され、前
記切替レバー(4)が取り付けられた回転切替弁(3)と、通
水切替部(2)に穿設された給水孔(7)並びに源水出水孔
(8)、浄水出水孔(18)及びシャワー孔(9)と、前記給水孔
(7)に一致する位置に形成され且つ回転切替弁(3)の内部
孔(10)に連通する連通孔(11)と、連通孔(11)の周囲に配
設され且つ回転弁保持孔(6)の内周面に摺接する連通孔
用リング(12)と、回転切替弁(3)の両端に配設され、回
転切替弁(3)の両端から漏水しないようにする主リング
(13)と、前記主リング(13)の内側に配設され且つ回転切
替弁(3)の外周に取り付けられた源水閉塞部材(14)と、
前記主リング(13)の内側に配設され且つ前記源水閉塞部
材(14)に対して取付位置が角度的に相違する位置におい
て回転切替弁(3)の外周に取り付けられたシャワー孔閉
塞部材(15)と、前記回転切替弁(3)の内部孔(10)と浄水
部(1)とを接続する給水管路(16)と、浄水を浄水部(1)か
ら浄水出水孔(18)に接続する浄水管路(17)と、前記浄水
管路(17)に接続され、浄水を出水する浄水出水孔(18)と
で構成された』事を特徴とする。

【０００６】これにより、浄水は回転切替弁(3)の内部
孔(10)と浄水部(1)とを接続する給水管路(16)、浄水部
(1)、浄水を浄水部(1)から浄水出水孔(18)に接続する浄
水管路(17)、浄水出水孔(18)を通って出水されることに
なり、源水と完全にセパレートされた管路を通って出水
される事になる。また、主リング(13)の内側に配設され
た源水閉塞部材(14)と、前記源水閉塞部材(14)に対して
取付位置が角度的に相違するように取り付けられたシャ
ワー孔閉塞部材(15)とが個別に回転切替弁(3)の外周に
取り付けられているので、回転切替弁(3)と回転弁保持
孔(6)との間に形成される通水用間隙(5)を流れる源水の
水圧によって源水閉塞部材(14)並びにシャワー孔閉塞部
材(15)がそれぞれの出水時に回転弁保持孔(6)の内周面
に強く押圧される事になって高い封水性が得られる事に
なる。その他、構造も簡単であって省スペース化も達成
出来る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳述す
る。本発明ににかかる浄水器(A)は、通水を浄化する浄
水部(1)と、通水を浄水部(1)に給水するか又はそのまま
出水するかを選択的に切り替える通水切替部(2)と、通
水切替部(2)に収納された回転切替弁(3)を回転させる切
替レバー(4)とで構成されている。

【０００８】通水切替部(2)は図３及び図６から図１１
に詳細に示されている。通水切替部(2)は大別して、上
から順に蛇口取付部(19)、切替機構部(20)並びに出水部
(21)とで構成されている。蛇口取付部(19)は、蛇口に浄
水器(A)を取り付けるための部署で、ねじ止めその他適
宜の公知方法で蛇口に浄水器(A)が取り付けられるよう
になっている。

【０００９】切替機構部(20)には、円筒状の回転弁保持
孔(6)が穿設されており、前記蛇口取付部(19)と回転弁
保持孔(6)とを連通する給水孔(7)が切替機構部(20)の天
井部に穿設されている。回転弁保持孔(6)内には間隙(5)
を設けて回転自在に円筒状の回転切替弁(3)が収納保持
されており、回転切替弁(3)の中心部分には内部孔(10)
が穿設されており、前記給水孔(7)に一致する位置に回
転切替弁(3)の内部孔(10)に連通する連通孔(11)が形成
されている。前記内部孔(10)は、一端が開孔しており、
他端が切替レバー(4)に接続している。

【００１０】回転切替弁(3)の外周において、連通孔(1
1)の周囲には回転弁保持孔(6)の内周面に摺接する連通
孔用リング(12)が配設されており、前記給水孔(7)と連
通孔(11)とが一致する場合、蛇口から供給された水道水
が内部孔(10)にのみ流入するようになっている。更に、
回転切替弁(3)の両端には主リング(13)が、回転弁保持
孔(6)の内周面に摺接するように嵌め込まれており、回
転切替弁(3)の両端から漏水しないようになっている。
回転切替弁(3)の外周面には、その他、源水閉塞部材(1
4)とシャワー孔閉塞部材(15)とが装着されている。両者
は、後述する源水出水孔(8)とシャワー孔(9)とを閉塞す
るためのものである。本実施例では、連通孔(11)、源水
閉塞部材(14)並びにシャワー孔閉塞部材(15)は、角度的
に言えば互いに４５°の角度をもって設置されている。
また、軸方向について言えば、図７．９，１１から分か
るように、連通孔(11)が中央に、源水閉塞部材(14)が右
端に、シャワー孔閉塞部材(15)が左端に設置されてい
る。これら連通孔(11)、源水閉塞部材(14)並びにシャワ
ー孔閉塞部材(15)は、いずれも主リング(13)の内側に配
設されている。源水閉塞部材(14)並びにシャワー孔閉塞
部材(15)の形状は、同一のブロック状のもので、回転切
替弁(3)の外周に形成された凹所に嵌め込まれており、
その外面に回転弁保持孔(6)の内周面に摺接する閉塞用
０リング(22)が嵌め込まれている。

【００１１】出水部(21)は、源水出水孔(8)、浄水出水
孔(18)、シャワー孔(9)の３種類が独立して設けられて
いる。(23)は上面開孔のシャワーブロックで、切替機構
部(20)の底部に装着され、シャワー室(24)を構成してい
る。切替機構部(20)の底部にはシャワー室送水孔(25)と
源水用給水筒部とが並んで形成されており、シャワー室
送水孔(25)によってシャワー室(24)と回転弁保持孔(6)
と回転切替弁(3)との間の通水用間隙(5)とが連通してい
る。シャワー室(24)の底部には多数の小孔が同一円周上
に穿設されており、源水がシャワー状に出水されるよう
になっている。

【００１２】(26)は源水用出水筒で、通水用間隙(5)に
連通しており、シャワーブロック(23)の中央部に形成さ
れた源水出水孔(8)に接続されている。

【００１３】次に、浄水部(1)に付いて説明する。浄水
部(1)は濾過部材収納孔(27)と、収納孔閉塞蓋(28)と、
回転切替弁(3)の内部孔(10)と濾過部材収納孔(27)とを
接続する給水管路(16)並びに浄水を濾過部材収納孔(27)
から浄水出水孔(18)に接続する浄水管路(17)とで構成さ
れている。濾過部材収納孔(27)は、浄水部(1)の側面に
開口しており、図５に示すように濾過部材収納孔(27)の
内部側壁の中央に給水管路(16)の出口が接続されてお
り、その下方に浄水管路(17)の入り口が接続されてい
る。収納孔閉塞蓋(28)は、濾過部材収納孔(27)の開口端
に螺着されるようになっている。

【００１４】濾過部材(29)は、筒状部材(30)と、筒状部
材(30)内に収納された濾材(31)とで構成されている。濾
材(31)は活性炭や極細繊維束などである。筒状部材(30)
の底部には前記給水管路(16)の出口並びに浄水管路(17)
の入り口に接続する源水側接続筒部(32)と浄水側接続筒
部(33)が形成されている。源水側接続筒部(32)は筒状部
材(30)の中央に貫通して配設されており、筒状部材(30)
の一側面側に形成されている空間部(34)に接続されてお
り、この空間部(34)から濾材(31)側に水道水が供給され
るようになっている。濾材(31)は一定期間使用されると
劣化するので、筒状部材(30)と共に交換されるようにな
っている。

【００１５】次に、本発明にかかる浄水器(A)の使用方
法に付いて説明する。浄水を使用する場合には、切替レ
バー(4)を斜め下４５°にすると給水孔(7)と回転切替弁
(3)の連通孔(11)とが一致し、水道水は給水孔(7)から連
通孔(11)を通って内部孔(10)を流れ、続いて給水管路(1
6)を通って濾過部材(29)の接続筒部を通って空間部に入
り、ここから濾材(31)に流れ込み、水道水中の悪臭成分
や異物が除去され、無臭の清純な浄水になる。浄水は、
浄水管路(17)から浄水出水孔(18)に向かって流れ、浄水
出水孔(18)から流出する。

【００１６】源水を非シャワー状態で使用する場合は、
切替レバー(4)を水平にする。すると、給水孔(7)の位置
から連通孔(11)が外れ、源水が回転切替弁(3)の外周面
と回転弁保持孔(6)との間に形成されている通水間隙(5)
を流れ、源水出水孔(8)から源水が流出する事になる。
尚、この場合、シャワー室送水孔(25)はシャワー孔閉塞
部材(15)で閉塞されているので、シャワー室(24)に源水
が流入せず、シャワー状態で出水することがない。（こ
の場合、通水用間隙(5)に源水が流れているため源水の
水圧が回転切替弁(3)のシャワー孔閉塞部材(15)にかか
る事になり、閉塞用０リング(22)がシャワー室送水孔(2
5)の周囲を高い水密性を持って封圧することになる。）

【００１７】源水をシャワー状態で使用する場合は、切
替レバー(4)を斜め上にする。すると、給水孔(7)の位置
から連通孔(11)が更に外れた状態になり、前述同様源水
が回転切替弁(3)の外周面と回転弁保持孔(6)との間に形
成されている通水間隙(5)を流れ、シャワー室送水孔(2
5)を通って源水がシャワー室(24)に流入し、シャワー孔
(9)を通ってシャワー状態で出水する事になる。この場
合、源水用出水筒(26)は源水閉塞部材(14)で閉塞されて
いるので、源水用出水筒(26)に源水が流入せず、非シャ
ワー状態で源水出水孔(8)から出水することがない。
（この場合も前述同様、通水用間隙(5)に源水が流れて
いるため源水の水圧が回転切替弁(3)の源水閉塞部材(1
4)にかかる事になり、０リング(22)が源水用出水筒(26)
の周囲を高い水密性を持って封圧することになる。）

【００１８】

【発明の効果】本発明の浄水器は、請求項に記載の構成
であるから、 浄水は回転切替弁の内部孔、給水管路、浄水部、浄水
管路、浄水出水孔を通って出水されることになり、源水
と完全にセパレートされた管路を通って出水され、浄水
に源水が混入すると言うような事が完全に防止されると
言う利点がある。 連通孔、源水閉塞部材並びに源水閉塞部材の形成位置
が、それぞれ角度的に相違する位置に形成されているの
で、切替レバーの角度を少し変えるだけで簡単にシャワ
ー状態、非シャワー状態並びに浄水と切替える事が出来
る。 回転切替弁と回転弁保持孔との間に形成される通水用
間隙を流れる源水の水圧によって源水閉塞部材並びにシ
ャワー孔閉塞部材が回転弁保持孔の内周面に強く押圧さ
れる事になって高い封水性が得られる事になるという利
点かある。 その他、構造も簡単であって省スペース化も達成出来
るという利点持ってある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浄水器の第１実施例の側面図

【図２】図１の底面図

【図３】図５のＸ−Ｘ断面図

【図４】図５のＹ−Ｙ断面図

【図５】図４のＺ−Ｚ断面図

【図６】本発明の浄水器の切替機構部の浄水出水時の側
断面図

【図７】本発明の浄水器の切替機構部の浄水出水時の正
断面図

【図８】本発明の浄水器の切替機構部の非シャワー出水
時の側断面図

【図９】本発明の浄水器の切替機構部の非シャワー出水
時の正断面図

【図１０】本発明の浄水器の切替機構部のシャワー出水
時の側断面図

【図１１】本発明の浄水器の切替機構部のシャワー出水
時の側正面図

【符号の説明】

(A)…浄水器 (1)…浄水部 (2)…通水切替部 (3)…回転切替弁 (4)…切替レバー (5)…通水用間隙 (6)…回転弁保持孔 (7)…給水孔 (8)…源水出水孔 (9)…シャワー孔 (10)…内部孔 (11)…連通孔 (12)…連通孔孔用リ
ング (13)…主リング (14)…出水孔閉塞部
材 (15)…シャワー孔閉塞部材 (16)…給水管路 (17)…浄水管路 (18)…浄水出水孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通水を浄化する浄水部と、通水を
   浄水部に給水するか又はそのまま出水するかを選択的に
   切り替える通水切替部と、通水切替部に収納された回転
   切替弁を回転させる切替レバーとで構成された浄水器に
   おいて、 通水切替部に穿設された回転弁保持孔と、回転弁保持孔
   内に通水用間隙を設けて回転自在に保持され、前記切替
   レバーが取り付けられた回転切替弁と、通水切替部に穿
   設された給水孔並びに源水出水孔、浄水出水孔及びシャ
   ワー孔と、前記給水孔に一致する位置に形成され且つ回
   転切替弁の内部孔に連通する連通孔と、連通孔の周囲に
   配設され且つ回転弁保持孔の内周面に摺接する連通孔用
   リングと、回転切替弁の両端に配設され、回転切替弁の
   両端から漏水しないようにする主リングと、前記主リン
   グの内側に配設され且つ回転切替弁の外周に取り付けら
   れた源水閉塞部材と、前記主リングの内側に配設され且
   つ前記源水閉塞部材に対して取付位置が角度的に相違す
   る位置において回転切替弁の外周に取り付けられたシャ
   ワー孔閉塞部材と、前記回転切替弁の内部孔と浄水部と
   を接続する給水管路と、浄水を浄水部から浄水出水孔に
   接続する浄水管路と、浄水を出水する浄水出水孔とで構
   成された事を特徴とする浄水器。