JPH0748964B2 - バイオリアクタ - Google Patents

バイオリアクタ

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JPH0748964B2
JPH0748964B2 JP4322862A JP32286292A JPH0748964B2 JP H0748964 B2 JPH0748964 B2 JP H0748964B2 JP 4322862 A JP4322862 A JP 4322862A JP 32286292 A JP32286292 A JP 32286292A JP H0748964 B2 JPH0748964 B2 JP H0748964B2
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container
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物等の植物体を培養
るためのバイオリアクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、植物体の培養方法は、例えば、植
物の一部を切り取ったものを培養する場合で説明する
と、図5(a)に示すように、容器1に養分を含有させ
た寒天等の固体培地2を形成し、この培地2上に植物体
Sを置き、蓋3をして、適温適湿条件で放置する。これ
により、植物体Sが増殖し、所謂カルスを形成する。次
に、このカルスを分けて、図5(b)に示すように、発
芽用の植物ホルモンを混入した培地4を設けた別の容器
1に植え替える。発芽培地4で発芽したならば、図5
(c)に示すように、発根用の植物ホルモンを混入した
培地5を設けた別の容器1に植え替える。そして、この
発根培地5で発根させ生長させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の植物体の培養方法にあっては、植物体の生長が遅い
という問題があった。その原因は、 組織培養される植物体は比較的養分の吸収能力が充分
に発達していないことから、寒天等の固相への接触では
養分の吸収が遅くなる。 培地が固相になっていることから植物体の周囲の養分
が消費されていくと新たな養分の供給が不十分になり、
養分不足を生ずる。 植物体の根等から出される老廃物が培地中に蓄積さ
れ、この老廃物が植物体の生長を阻害する。 培地中の溶存酸素が限られてしまい、植物体に充分な
酸素が供給されない。 植物体の生長過程に合わせて、培地の種類を変更しな
ければならないので、その都度植物体を植え替えなけれ
ばならないが、その植え替えの際に植物体の根等を痛め
てしまい、この損傷により植物体の生長が阻害される。 等の理由からである。
【0004】また、上述した従来の植物体の培養方法に
あっては、植物体の発育ステージに合わせて、培地の種
類を変更しなければならないので、その都度植物体を植
え替えなければならないことから、それだけ、植物体を
生長させるための手間が煩雑になっているという問題も
あった。
【0005】そこで、本発明の課題は、養分の吸収効率
を向上させるとともに、溶存酸素を増加させ、植物体の
生長を早めることができるようにし、しかも、植物体の
植え替え等の煩雑な作業を行なうことなく培養できるよ
うにしたバイオリアクタを提供することにある。
【0006】
【0007】
【課題を解決するための手段】 このような課題を解決す
るための本発明の バイオリアクタは、植物体が入れられ
る密封された培養容器と、培養容器の下万に配設され植
物体を培養するための培養液が入れられる密封されたタ
ンクと、一端がタンク内に開放し他端が培養容器内に開
放するとともに培養容器内の開放他端に至る径路が培養
容器内上方に延びてから折れ曲がり下方に延びるサイホ
ン管と、タンク内の培養液を吸引吐出するポンプと、ポ
ンプから吐出される培養液を培養容器内に供給する吐出
管と、培養容器内上部とタンク内上部とを連通する連通
管とを備えたものである。
【0008】そして、タンク内の培養液を攪拌してタン
ク内の空気を培養液内に溶存させる攪拌装置を備えたこ
とが有効である。
【0009】そしてまた、培養容器上部に通気性の多孔
質体を備えたことが有効である。
【0010】
【0011】
【作用】 記の構成からなるバイオリアクタによれば、
培養容器内に植物体を入れ、この状態でポンプを駆動す
ると、タンク内の培養液が吸引され、吐出管を介して培
養容器上部から供給され、培養容器内に溜っていく。そ
して、液位がサイホン管の上端に至ると、培養容器の内
気圧とタンクの内気圧に差が生じることから培養容器内
の培養液がサイホン管を伝わってタンク内に一気に流下
する。そして、培養容器上部から培養液が供給されるこ
とから、再び、培養容器内に培養液が溜っていく。この
過程においては、植物体は、培養液が培養容器内に溜る
と培養液に浸漬され、培養液が培養容器内から排出され
ると培養容器の内気に露出させられる。そして、この浸
漬及び露出が繰り返し行なわれる。また、培養液が循環
することから、培養液内に空気が混入し易くなり、溶存
酸素が増加させられる。更に、植物体の生長過程に合わ
せて培養液を交換しあるいは改変でき、培養液は液体で
あることから、その交換あるいは改変が容易に行なわれ
る。
【0012】そして、タンク内の培養液を攪拌する攪拌
装置を備えた場合には、培養液が攪拌されるので、培養
液の循環に加えて、空気の混入が促進され、培養液内の
溶存酸素量が増加させられる。
【0013】そしてまた、培養容器上部に通気性の多孔
質体を備えた場合には、新鮮空気が培養容器内に供給さ
れるとともに、培養容器内の温度調整が行なわれる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例に
るバイオリアクタを説明する。図1には実施例に係る
バイオリアクタを示している。
【0015】図1において、10は植物体Sが入れられ
る密封された培養容器である。この培養容器10は、ガ
ラス管を垂直にし、その上下開口を栓で封止したもので
ある。培養容器10上部の上栓11は、通気性を有しか
つ雑菌の侵入が不能な細孔を有した多孔質体、例えば、
スポンジ状のシリコン栓で構成されている。培養容器1
0下部の下栓12は、非通気性のゴム栓で構成されてい
る。
【0016】15は培養容器10の下方に配設され植物
体Sを培養するための培養液Wが入れられる密封された
タンクである。このタンク15は、ガラス製の容器状タ
ンク本体の開口を非通気性のゴム栓16で封止したもの
である。タンク15本体の側部には内部に連通し栓で封
止された第一及び第二の挿通孔17,18が突出形成さ
れている。
【0017】20はタンク15のゴム栓16及び培養容
器10の下栓12を貫通したサイホン管であって、一端
21がタンク15内上部に開放し他端22が培養容器1
0内下部に開放するとともに培養容器10内の開放他端
22に至る径路が培養容器10内上方に延びてから折れ
曲がり下方に延びている。開放他端22と底面(下栓1
2の上面)との間隔L(図2)は適宜に定める。
【0018】23はタンク15内の培養液Wを吸引吐出
するポンプである。24はポンプ23に接続された吸引
管であって、タンク15のゴム栓16を貫通しており、
吸引口がタンク15内下部に至っている。25はポンプ
23に接続された吐出管であって、培養容器10の上栓
11を貫通しており、吐出口26が培養容器10内上部
あり、ポンプ23から吐出される培養液Wを培養容器1
0内に上から供給するものである。27はポンプ23の
駆動制御部であって、培養液Wの吸引吐出量を調整する
とともに、プログラムされてポンプ23の駆動停止時間
を適宜に調整する。
【0019】28は培養容器10内上部とタンク15内
上部とを連通する連通管であり、タンク15のゴム栓1
6及び培養容器10の上栓11を貫通している。
【0020】30はタンク15内の培養液Wを攪拌して
タンク15内の空気を培養液W内に溶存させる攪拌装置
である。この攪拌装置30は、タンク15内に設けられ
た攪拌子31と、タンク15が載置され攪拌子31を磁
気的に回転させるスターラ台32とから構成されてい
る。
【0021】33はタンク15内に培養液Wを供給する
供給装置であり、フラスコ34内の培養液Wをポンプ3
5により吸引し上記タンク15の第一の挿通孔17の栓
を貫通した吐出管35aを介してタンク15内に吐出す
る。36はタンク15内の培養液Wを排出する排出装置
36であって、上記タンク15の第一の挿通孔17の栓
を貫通した吸引管36aを介してタンク15内の培養液
Wをポンプ37により吸引しフラスコ38に排出する。
各フラスコ34,38には、フラスコ34,38内の空
気を流通させる流通管39が設けられている。39aは
流通管39に介装されたエアフィルタである。
【0022】また、タンク15の第二の挿通孔18に
は、タンク15内の培養液Wの養分濃度を測定するため
の電気電導度計(ECメータ)40や、溶存酸素量を測
定する溶存酸素測定装置(DOメータ)41や、PH計
42等が取付けられている。43は各計器の計測値を表
示する表示部43である。
【0023】次に、このバイオリアクタを用いて、植物
体Sを培養する場合について説明する。植物体Sとし
て、例えば「アスパラガス」の一部を切り取ったものを
培養する。図2に示すように、予め、植物体Sをその保
持体44とともに培養容器10に入れる。保持体44と
しては、例えば、アルギン酸ナトリウムを塩化カルシウ
ムに滴下して生成したゼリー状でビーズ状のものが多数
用いられる。この保持体44は、比重が培養液Wより大
きく、通常粒径が1mm〜4mmであり、サイホン管2
0の内径より大きい。また、予め、タンク15内には、
例えば、カルス生成のための植物ホルモン(例えばオー
キシンとしてα−ナフタレン酢酸)を混入した培養液W
を適宜量入れておく。更に、供給装置33のフラスコ3
4内にも同様の培養液Wを入れておく。
【0024】この状態で、駆動制御部27によりポンプ
23を駆動し、また、攪拌装置30を駆動する。これに
より、タンク15内の培養液Wが吸引管24を介して吸
引され、吐出管25を介して培養容器10上部から供給
され、培養容器10内にその底面から溜っていく。そし
て、図3に示すように、液位がサイホン管20の上端に
至ると、培養容器10の内気圧とタンク15の内気圧に
差が生じ、培養容器10とタンク15とは連通管28で
連通されていることから、培養容器10内の培養液Wが
サイホン管20を伝わってタンク15内に一気に流下す
る。そして、再び、培養容器10上部から培養液Wが供
給されていることから、図2に示すように、培養容器1
0底面から培養液Wが溜っていく。この過程において
は、植物体Sは、培養液Wが培養容器10内に溜ると培
養液Wに浸漬され、培養液Wが培養容器10内から排出
されると培養容器10の内気に露出させられる。そし
て、この浸漬及び露出が繰り返し行なわれる。
【0025】この過程においては、攪拌装置30が駆動
しているので、培養液Wが攪拌され、また、サイホン管
20からの流下時にも攪拌される。これにより、タンク
15内及び培養容器10内の空気が培養液Wに混入さ
れ、そのため、培養液Wの溶存酸素量が略飽和状態に保
たれる。また、培養容器10上部には、通気性の上栓1
1が設けられているので、新鮮な空気の供給が確保され
ている。そのため、温度,湿度調整が行なわれ、高温多
湿になって植物体Sに悪影響を与える事態が防止され
る。また、このバイオリアクタは閉鎖系であり、培養容
器10上部の上栓11は通気性ではあるが孔が極めて細
かいことから、外部から雑菌が侵入する事態が防止さ
れ、植物体Sの環境が良好に保たれる。
【0026】そして、この過程で、植物体Sは培養液W
中の養分やホルモンを吸収して、カルスを形成する。こ
の場合、植物体Sは、培養液Wという液体に接している
ので、養分への接触が良く、しかも、溶存酸素量が略飽
和状態になっているので、酸素量も充分確保されること
から、養分の吸収効率が良くなり、それだけ、生長が早
く行なわれる。特に、植物体Sは、周期的に培養液Wに
浸漬と露出を繰り返すことになり、これが刺激となっ
て、生長が促進される。また、培養液Wが循環するの
で、植物体S周囲の養分供給が十分に行なわれ、養分不
足を生ずる事態が防止される。
【0027】また、この過程では、タンク15内の培養
液Wの養分濃度、溶存酸素量やPHが各計器に測定され
て、その測定値が表示部43に表示される。そのため、
養分の消費状態等の培養液Wの変化を見ることができ
る。そして、この表示部43に表示された計測値によっ
て、培養液W中の養分が消費されてきたと判断されたな
らば、排出装置36のポンプ37を駆動してある程度培
養液Wを排出し、供給装置33のポンプ35を駆動して
新たな培養液Wを供給すれば良い。これにより、養分や
ホルモンの供給が十分になり、この点でも、生長を早く
することができる。この場合、タンク15や培養容器1
0を閉鎖したまま、養分やホルモンを供給でき、培養液
Wを一定の状態にすることができるので、植物体Sを傷
めることが防止される。尚、培養液Wの排出及び供給を
することなく、第一の挿通孔17から養分やホルモンだ
けを供給するようにしても良い。
【0028】次に、カルスが形成されたならば、ポンプ
23を停止して、苗状形成ホルモンの入った培養液Wに
交換する。この場合、先ず、排出装置36のポンプ37
を駆動して培養液Wを排出し、供給装置33のフラスコ
34に植物ホルモン(例えばサイトカイニンとしてカイ
ネチン)の入った培養液Wを入れてポンプ35を駆動し
て新たな培養液Wを供給すれば良い。また、培養液Wを
排出することなく、第一の挿通孔17から今まで使用し
た培養液Wに植物ホルモンを加えるようにしても良い。
この場合、タンク15や培養容器10を閉鎖したまま、
培養液Wを交換もしくは改変することができるので、植
物体Sを傷めることが防止される。また、この場合、植
物体Sを植え替えなくても培養液Wを交換もしくは改変
することができるので、作業が簡易に行なわれる。
【0029】そして、再びポンプ23を駆動する。これ
により、植物体Sは、別の培養液Wへ浸漬され、培養容
器10の内気へ露出させられ、この浸漬及び露出が繰り
返し行なわれる。この過程においては、植物体Sは培養
液W中の養分や植物ホルモンを吸収して、苗状を形成し
ていく。この場合も、植物体Sは、培養液Wという液体
に接しているので、養分への接触が良く、しかも、溶存
酸素量が略飽和状態になっているので、酸素量も充分確
保されることから、養分の吸収効率が良くなり、それだ
け、生長が早く行なわれる。また、培養液W中の養分や
植物ホルモン等が消費されてきたならば、上記と同様
に、排出装置36のポンプ37を駆動してある程度培養
液Wを排出し、供給装置33のポンプ35を駆動して新
たな培養液Wを供給すれば良い。
【0030】次に、苗状を形成したならば、ポンプ23
を停止して、発根用の培養液W、例えば、オーキシン濃
度の低いものに交換する。この場合、先ず、排出装置3
6のポンプ37を駆動して培養液Wを排出し、供給装置
33のフラスコ34に発根用の培養液Wを入れてポンプ
35を駆動して新たな培養液Wを供給すれば良い。この
場合においても、タンク15や培養容器10を閉鎖した
まま、培養液Wを交換もしくは改変することができるの
で、植物体Sを傷めることが防止される。また、植物体
Sを植え替えなくても培養液Wを交換もしくは改変する
ことができるので、作業が簡易に行なわれる。
【0031】そして、再びポンプ23を駆動する。これ
により、植物体Sは、発根用の培養液Wへ浸漬され、培
養容器10の内気へ露出させられ、この浸漬及び露出が
繰り返し行なわれる。この過程においては、図4に示す
ように、植物体Sは培養液W中の養分を吸収して、発根
し生長していく。この場合、根は、保持体44間に伸び
ていくので、その保持が確実になり、地上部が安定して
上に生長できるようになる。また、植物体Sは、培養液
Wという液体に接しているので、養分への接触が良く、
しかも、溶存酸素量が略飽和状態になっているので、酸
素量も充分確保されることから、養分の吸収効率が良く
なり、それだけ、生長が早く行なわれる。特に、植物体
Sは、周期的に培養液Wの浸漬されると、湿潤と乾燥を
繰り返すことになり、これが刺激となって、植物の維管
束(導管、篩管)の成長が促進される。そのため、根の
養分の吸収能力が充分に発達し、養分の吸収が早くな
る。また、培養液Wが循環するので、植物体S周囲の養
分供給が十分に行なわれ、養分不足を生ずる事態が防止
される。
【0032】そしてまた、この段階になると、植物体
S、特に根から出される老廃物や生育阻害物質が多くな
っていくが、培養液Wが循環するので、この老廃物や生
育阻害物質が拡散され、そのため、根の生長を阻害する
事態が防止され、この点においても、生長が早められ
る。また、培養液W中の養分が消費されてきたならば、
上記と同様に、排出装置36及び供給装置33を用いて
新たな培養液Wを供給すれば良い。
【0033】尚、上記実施例において、培養容器10内
には、植物体Sの保持体44を入れたが必ずしも保持体
44を入れなくても培養することができる。また、培養
容器10やタンク15の形状や大きさは上述したものに
限られるものではなく適宜変更して差し支えない。更
に、上記実施例では、植物体Sとして、「アスパラガ
ス」を用いたが、必ずしもこれに限らず、あらゆる種類
の植物体Sに適用して良いことは勿論である。また、培
養液Wの成分も上述したものに限られず適宜変更して良
い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のバイオリ
アクタによれば、植物体を培養液に浸漬することと植物
体を内気に露出させることとを繰り返し行なって培養す
るので、植物体は、培養液という液体に接することか
ら、養分への接触が良くなり、また、周期的に培養液へ
の浸漬と露出を繰り返すことから、これが刺激となって
生長が促進される。しかも、培養液の相対的移動によっ
て培養液に空気が混入し易くなり、培養液の溶存酸素量
を充分に確保でき、植物体を活性化できる。そのため、
植物体の養分の吸収効率を向上させることができ、生長
を早く行なわせることができる。
【0035】また、培養液は相対的に移動することか
ら、植物体周囲の養分供給が十分に行なわれ、養分不足
が生ずる事態を防止することができるとともに、植物体
から出される老廃物や生育阻害物質が拡散していくの
で、それだけ、植物体の生長を阻害する事態を防止で
き、この点においても、生長を早く行なわせることがで
きる。
【0036】更に、植物体の生長過程に合わせて培養液
を交換しあるいは改変でき、培養液は液体であることか
ら、その交換あるいは改変を容易に行なうことができ、
そのため、従来のように、植物体の植え替えを行なわな
くても良いので、それだけ煩雑さがなくなり、作業性や
管理を容易にできるという効果がある。
【0037】また、本発明のバイオリアクタによれば、
サイホンの原理を用いた閉鎖系になっているので、雑菌
の侵入が防止され、植物体を雑菌の影響から保護でき
る。
【0038】更にまた、タンク内の培養液を攪拌する攪
拌装置を備えた場合には、培養液を攪拌して、空気の混
入を促進でき、そのため、培養液の循環による空気の混
入に加えて、培養液内の溶存酸素量を増加させることが
できる。
【0039】そしてまた、培養容器上部に通気性の多孔
質体を備えた場合には、新鮮空気が培養容器内に緩やか
に供給され、また、水蒸気の出入りも可能になるので、
培養容器内の温度,湿度調整が行なわれ、高温多湿にな
って植物体に悪影響を与える事態を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るバイオリアクタを示す斜
視図である。
【図2】本発明の実施例に係るバイオリアクタをその培
養液の供給状態とともに示す断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るバイオリアクタをその培
養液の別の供給状態とともに示す断面図である。
【図4】本発明の実施例に係るバイオリアクタを植物体
の生育状態とともに示す断面図である。
【図5】従来の植物体の培養方法を示す図である。
【符号の説明】
S 植物体 W 培養液 10 培養容器 11 上栓 12 下栓 15 タンク 16 ゴム栓 17 第一の挿通孔 18 第二の挿通孔 20 サイホン管 21 一端 22 他端 23 ポンプ 24 吸引管 25 吐出管 26 吐出口 27 駆動制御部 28 連通管 30 攪拌装置 33 供給装置 36 排出装置 40 電気電導度計(ECメータ) 41 溶存酸素測定装置(DOメータ) 42 PH計 43 表示部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物体が入れられる密封された培養容器
    と、培養容器の下方に配設され植物体を培養するための
    培養液が入れられる密封されたタンクと、一端がタンク
    内に開放し他端が培養容器内に開放するとともに培養容
    器内の開放他端に至る径路が培養容器内上方に延びてか
    ら折れ曲がり下方に延びるサイホン管と、タンク内の培
    養液を吸引吐出するポンプと、ポンプから吐出される培
    養液を培養容器内に供給する吐出管と、培養容器内上部
    とタンク内上部とを連通する連通管とを備えたことを特
    徴とするバイオリアクタ。
  2. 【請求項2】 タンク内の培養液を撹拌してタンク内の
    空気を培養液内に溶存させる撹拌装置を備えたことを特
    徴とする請求項1記載のバイオリアクタ。
  3. 【請求項3】 培養容器上部に通気性の多孔質体を備え
    たことを特徴とする請求項1または2記載のバイオリア
    クタ。
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