JPH03160983A - 培養装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 １ （産業上の利用分野） 本発明は培養液を用いて植物細胞を大量に増殖させる培
養装置に関する。

（従来の技術） 植物体の細胞を脱分化させてカルスを誘導する一般手法
として、例えばペトリ皿内に栄養分とホルモンとを含ん
だ寒天培地を置き、この寒天培地上に植物細胞を載せて
脱分化、増殖させてカルスを誘導する方法が知られてい
る。

この場合、植物細胞を効率良く脱分化、増崩させるため
に、栄養分を含んだ寒天培地を頻繁に交換している。

また、植物体の細胞が寒天培地上で脱分化してカルスに
なった時点で、カルスを培養容器内の培養液中に移して
培養する液体培養手法も知られている。

この場合、例えば２〜３週間の周期で寒天培地を交換し
、かつ培養液中に移した後においても、培養液中の溶融
酸素濃度を高めるために振ったり、撹拌したりして培養
液への通気を行なっている。

ク また、培養液中へ直接通気を行ない、溶存酸素を高める
方法も知られている。

この場合、培養容器の底壁近傍に多孔質部材を設け、こ
の多孔質部材を介して培養液へ通気して培養液中に小さ
な気泡を発生させるとともに、これを水面まで上昇させ
、この気泡の動きによって培養液に流れを発生させ培養
液を撹拌させるとともに、培養液中の溶存酸素量を増加
させて培養液中の細胞に酸素と栄養とを効率良く与える
。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら上述した従来の直接通気方法においては、
空気と培養液との接触面積を大きくし、更に培養液に流
れを発生させる関係上、小さな気泡を使用しているが、
このような小さな気泡は剪断力が小さいため、植物細胞
の集団が塊状に大きくなり、これを取り出しても元の植
物に再分化させることが難しくなってしまうという問題
があった。

本発明は上記の事情に鑑み、小気泡による通気撹拌を行
ないながら、培養液中の植物細胞へ適度な剪断力を与え
、これによって植物細胞が塊状に大きく生長するのを抑
制することができる培養装置を提供することを目的とし
ている。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために本発明による培養装置は、
培養液を用いて細胞を培養増舶させる培養容器内部に筒
状のエアーリフト管を設け、前記培養容器の底部から気
泡を発生させて前記培養容器内にある培養液に酸素を与
えつつこの培養液を循環させる培養装置において、前記
エアーリフト管の上方に阻止板を設け、この阻止板によ
って循環中の培養液の流れを乱すようにしたことを特徴
としている。

（作用） 上記の構戊において、培養容器の底部からの気泡によっ
て移動させられている培養液の流れを阻止板によって乱
して剪断力を発生させ、この剪断力によって培養液中に
ある植物細胞の塊状化を抑制する。

（実施例） 第１図は本発明による培養装置の一実施例を示す構成図
である。

この図に示す培養装置は培養装置本体１と、空気供給装
置２と、培養液供給装置３とを備えており、培養液供給
装置３によって適宜、培養液を補充しながら空気供給装
置２によって培養装置本体１内の培養液４中に気泡１６
を発生させて培養液４中の植物細胞を生長させる。

空気供給装置２は空気を取り込むエアーポンブ５とこの
エアーポンプ５によって取り込まれた空気中の雑菌を取
り除く除菌フィルタ６と、この除菌フィルタ６によって
除菌された空気を無菌水７によって加湿して前記培養装
置本体１に供給する加湿器８とを備えており、大気中の
空気を取り込んでこれを除菌、加湿した後、前記培養装
置本体１に供給する。

また、培養液供給装置３は培養液９が満たされた培養液
供給タンク１０と、除菌フィルタ１１を介して前記培養
液供給タンク１０を大気と連通させる通気パイプ１２と
、前記培養液供給タンク１０内の培養液９を取り込んで
前記培養装置本体１に供給するローラーポンプ１３とを
備えており、培養液供給指令が供給されたとき、ローラ
ーポンプ１３によって培養液供給タンク１０内の培養液
９を取り込んで前記培養装置本体１に供給する。

培養装置本体１はガラス等によって構成される有底円筒
状の培養容器１５と、この培養容器１５の底部壁に設け
られ弁２０が開かれたとき前記培養容器１５内の培養液
４やカルスを排出させる抽出パイプ２１と、前記培養容
器１５の底部に形成され前記空気供給装置２から供給さ
れる空気を取り込む凹部１６と、この凹部１６にセ・ソ
トされ前記空気供給装置２から供給される空気によって
培養容器１５内の培養液４中に小さな気泡１６を発生さ
せる多孔質体１７とを備えている。

更に、この培養装置本体１は前記多孔質体１７の上方に
その軸心が上下方向と一致するように配置される筒状の
エアーリフト管１８と、このエアリフト管１８の上方に
配置される板状の阻止板６ １つと、前記培養液供給装置３から供給された培養液を
前記阻止板１つに形成された筒状の開口部１４に導くパ
イプ２２と、前記培養容器１５の上部を閉じる板状の蓋
２３と、この蓋２３に設けられる植付口２４と、除菌フ
ィルタ２５を介して前記培養容器１５の上部を大気と連
通させる通気パイプ２６とを備えている。

そして、培養液供給装置３によって適宜、培養液が補充
されるとともに、空気供給装置２から供給される空気に
よって培養装置本体１内の培養液４中に気泡１６を発生
させ培養液４中の植物細胞を生長させる。

次に、第１図を参照しながらこの実施例の動作を説明す
る。

この培養装置を用いて植物細胞を増殖させる場合、まず
最初に、ローラーポンプ１３を駆動して培養液供給タン
ク１０内の培養液９を取り込むとともに、これをパイプ
２２を介して阻止板１つの開口部１４内に供給し、培養
容器１５内の培養液４の液面が阻止板１９に当たるまで
培養液４の量を増加させる。

次いで、植付口２４から増殖対象となっている植物細胞
を投入してこれを開口部１４から培養液４中に入れた後
、エアーポンプ５を駆動させて、外部の空気を取り込ま
せるとともに、これを除菌、加湿して培養容器１５の四
部１６に供給する。

これによって、多孔質体１７から小さな気泡１６が出て
これがエアーリフト管１８の内側を通って上昇するとと
もに、この気泡１６の移動によって培養容器１５の底部
側にある培養液４が上方に移動され、水面付近で阻止板
１つに首たり、流れが乱された後、エアーリフト管１８
の外側を通り培養容器１５の底部側に戻される。

以後、空気供給装置２から空気が供給されている間、上
述した培養液４の循環動作が繰り返されて、培養液が撹
拌されるとももに、培養液４に酸素が与えられて培養液
４中の細胞が効率よく生長する。

そして、培養液４中の植物細胞が所望の生育度になった
とき、空気供給装置２の空気供給動作が停止させられた
後、弁２０が開かれて排出パイプ２１によって培養液４
とともに植物細胞が排出される。

このようにこの実施例においては、気泡１６の上昇によ
って移動させられている培養液４の流れを阻１Ｌ板］９
によって乱して植物細胞に剪断力を与えるようにしてい
るので、小さな気泡１６による通気撹拌を行ないながら
、培養液４中の植物細胞へ適度な剪断力を与えることが
でき、これによって植物細胞が塊状に大きく生長するの
を抑制することができる。

また、上述した実施例においては、中央部に筒状の開口
部１４が形成された板状の阻止板１つを用いるようにし
ているが、第２図にに示す如くカップ状の阻止板３０を
使用し、これを支持部材３１を用いてエアーリフト管１
８の真上に取り付け、上昇している培養液４を阻止板３
０に直接衝突させるようにしても、水面付近で培養液４
の流れを乱して植物細胞へ適度な剪断力を与えることが
でき、これによって植物細胞が塊状に大きく生長す９ るのを抑制することができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、小気泡による通気
撹拌を行ないながら、培養液中の植物細胞へ適度な剪断
力を与え、これによって植物細胞が塊状に大きく生長す
るのを抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による培養装置の一実施例を示す構戒図
、第２図は本発明による培養装置の他の実施例を示す構
成図である。 ４・・・培養液 １４・・・開口部 １５・・・培養容器 １６・・・気泡 １８・・・エアーリフト管 １９・・・阻止板 ３０・・・阻止板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）培養液を用いて細胞を培養増殖させる培養容器内
   部に筒状のエアーリフト管を設け、前記培養容器の底部
   から気泡を発生させて前記培養容器内にある培養液に酸
   素を与えつつこの培養液を循環させる培養装置において
   、 前記エアーリフト管の上方に阻止板を設け、この阻止板
   によって循環中の培養液の流れを乱すようにしたことを
   特徴とする培養装置。
2. （２）前記阻止板は中心に開口部を有し前記培養液の上
   面を覆うように形成された板状部材によって構成されて
   いる請求項１記載の培養装置。
3. （３）前記阻止板は前記培養液の上面中心付近を覆う板
   状部材によって構成されている請求項１記載の培養装置
   。