JPH0748923B2 - 電線・ケ−ブルの貫通方法 - Google Patents

電線・ケ−ブルの貫通方法

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JPH0748923B2
JPH0748923B2 JP20657886A JP20657886A JPH0748923B2 JP H0748923 B2 JPH0748923 B2 JP H0748923B2 JP 20657886 A JP20657886 A JP 20657886A JP 20657886 A JP20657886 A JP 20657886A JP H0748923 B2 JPH0748923 B2 JP H0748923B2
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清之 堀井
滋 松井
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術の分野) この発明は、電線またはケーブルを管路内に貫通させる
ための方法に関する。さらに詳しくは、電線またはケー
ブルを長尺、長距離の管路内に貫通させるために、電線
またはケーブル貫通のためのリード線又は電線・ケーブ
ル自体をコアンダスパイラルフローによって管路内搬送
する方法に関する。
(技術の背景) 従来、100m〜200m、またはそれ以上の長さの金属、プラ
スチック等からなる管路に電線またはケーブルを貫通さ
せるために、強制的に管路内に紐状物体又は細径のプラ
スチックパイプ等を押し込んでこれにリード線を結びつ
けて管路内にリードを通していたが、この方法は、屈曲
する管路の場合には、極めて困難であった。
また、この強制的な方法に代えて、空気等によって、電
線またはケーブルを貫通させるためのリード線を輸送貫
通させる方法が提案されているが、この方法において
は、送入される空気等の流体が乱流状態にあるため、リ
ード線と管内壁との激しい衝突による磨耗、破損が避け
られない。しかもさらに重大な問題は、リード線が乱流
撹乱によってリニアフローとならずに集塊してしまうと
いう重大な問題があった。さらに圧搾空気を使用しての
作業であるため、作業の安全上も問題があった。
もちろんリード線による電線、ケーブルの貫通について
は、磁力による吸引など様々試みられているが、100m〜
200m、もしくはそれ以上の長尺、長距離の管内貫通につ
いては、効率的でかつ電線、ケーブルさらには管路の損
傷のない方法、そのための装置は実現されてきていな
い。
(発明の目的) この発明はこのような事情を鑑みてなされたものであ
り、長尺、長距離の管路内を効率的にかつ損傷なく電線
またはケーブルを貫通させるための方法を提供すること
を目的としている。
(発明の構成) この発明は、上記の目的を実現するために、管路入口で
の加圧流体、たとえば空気の圧縮流の高速送入によって
生成させたコアンダスパイラルフローによって電線、ケ
ーブル等の貫通のためのリード線又は電線・ケーブル自
体を管路内に搬送し、電線、ケーブルを管路内貫通させ
るにあたり、管路入口でのコアンダスパイラルフローの
生成とともに、(1)管路出口においてコアンダスパイ
ラルフローを生成させて、該スパイラルフローの生成に
ともなう負圧によって管路出口方向へ搬送されているリ
ード線又は電線・ケーブルを吸引する。または、(2)
管路途中にブースターを設け、該ブースターにおいても
コアンダスパイラルフローを生成させる。もしくは、 (3)この(1)および(2)を組合せることを特徴と
している。
このコアンダスパイラルフローの産業的利用はこの発明
の発明者によってはじめて見出されたものである。すな
わち、管路方向の流体のベクトルに管半径方向のベクト
ルを加えると流体が旋回し、この旋回流に基き管軸に高
速、かつ低圧部が形成され、流体はスパイラル(螺旋)
を描きつつ、管路方向に高速で進行するという事実を見
出した。このスパイラルフローに固体の粒子、または線
状物を導入すると、それらはスパイラルを描きつつ管路
方向に進行し、しかも管路内面壁近傍に形成された動的
境界層によって管内壁との接触は抑制されるのである。
また、スパイラルフロー生成域の進行方向の反対側には
強い吸引力の負圧が形成される。
この発明は、このようなコアンダ効果を利用するもので
ある。
コアンダスパイラルフローを生成させるためには、たと
えば、リード線の流れ方向に対して横方向から加圧流体
を送入する。より具体的には、たとえば、円筒管に環状
に形成した細隙から加圧流体を管内に送入し、細隙から
管内の流体の移動方向に滑らかに湾曲した壁面に沿って
該加圧流体が流れるようにする。こうすることによって
生成させたスパイラルフローを用い、リード線の高速移
動とスパイラルモーションとを実現する。
添付した図面の第1図は、すでにこの発明の発明者によ
って提案された貫通のためのコアンダスパイラルフロー
の生成部を例示したものである。
この第1図に示した例においては、たとえば、内径約6
〜200mm、約200m長程度の管路(1)の端面に管路径と
等しくなるように主筒(2)を接続する。この主筒
(2)は、この接続面と反対方向に向って相似的に次第
に径が大きくなっている。
この主筒(2)には横方向から加圧流体を送入するため
の環状の細隙(3)を形成する。また、この細隙(3)
から管路に向って滑らかに湾曲した壁面(5)を設け
る。主筒(2)の管路(1)と反対の端面には補助筒
(4)を設け、リード線等の導入口(6)を形成する。
さらに、細隙への加圧流体の供給手段(7)とを設け
る。
細隙(3)の壁面(5)の反対の側では、補助筒(4)
の壁面(8)を直角もしくは鋭角状に折り曲げる。
細隙(3)は、その間隔が調整できる構造とするのが好
ましい。
この細隙(3)に加圧流体を供給する手段(7)として
は適宜な構造ものを採用できるが、主筒(2)を囲むよ
うに分配室(21)を設け、この分配室と細隙(3)とを
連通させることができる。
加圧流体として空気を用いる場合には、主筒(2)の傾
斜角θは、tanθが1/4〜1/8程度となるようにするのが
好ましい。また管路(1)と主筒(2)との内径の比率
は1/2〜1/5程度とするのが好ましい。こうすることによ
り、空気の管路内の流速は主筒内の流速の4〜25倍に増
速される。
すなわち、たとえば2〜10kg/cm2Gの加圧空気は高速で
細隙(3)から主筒(2)内に送入され、細隙(3)の
出口で空気は空力学的作用(コアンダ効果)により、主
筒(2)から管路(1)側に傾いた流線(α)を描き、
その結果、反対側には負圧域を生じる。その負圧域に流
体、たとえば空気と、リード線とが流入する(矢印
β)。
細隙(3)からの空気流の運動ベクトルが矢印βで示さ
れる流体、たとえば空気の流れの運動ベクトルとは合成
され、管路(1)側へ進行する空気流が形成される。空
気流は、次第に径をせばめられ、その際に半径方向のベ
クトルを与えられる。この半径方向のベクトルが旋回ベ
クトルに転換し、直進ベクトルと合わせてスパイラルモ
ーションを生ずるに至る。
この発明は、以上のスパイラルモーションによるリード
線または電線・ケーブルの管内搬送と管内貫通をさらに
効果的に行うための方法、特に、管路が150〜200m程
度、もしくはそれ以上の長距離な場合に有利なものであ
る。
すなわち、以上の管路入口でのコアンダスパイラルフロ
ーの生成とともに、長距離搬送にともなうフローエネル
ギー損失を補うために、管路出口にコアンダスパイラル
フローの生成域を設け、フローの進行方向と反対側に形
成される負圧域の吸引力によってリード線または電線・
ケーブルを吸引する。また、管路途中においてブースタ
ーを設け、このブースターにおいてコアンダスパイラル
フローを生成させる。
第2図、第3図および第4図は、この発明の方法の具体
例を装置として示したものである。
第2図は、管路出口でスパイラルフローを生成させる場
合のもので、細隙(3)から加圧流体、たとえば圧縮空
気を送入する。主筒(2)の出口方向の端面(9)は開
放されている。第1図の場合とは逆に、補助筒(4)
は、管路(1)の出口に接続する。
細隙(3)からの加圧流体は、流線αに沿って出口へと
進行し、すでにスパイラルフローとして進行してくる流
体のフロー(流線γ)と会合する。
この場合、補助筒(4)側に強い吸引力の負圧が形成さ
れる。この吸引力によって、管路(1)の出口近傍にま
で到達しているリード線または電線・ケーブルを吸引
し、出口端面(9)から放出するように加速する。
第3図および第4図のものは、管路の途中に設けたブー
スターを示している。このブースターは管路(1),
(1′)に着脱自在に介在させる。第3図に示したよう
に、主筒(10)および補助筒(11)によって構成しても
よいし、あるいは第4図に示したように主筒(12)が補
助筒と一体になった形状のものとすることもできる。
主筒(10)または主筒(12)の傾斜角θ、管路(1)ま
たは管路(1′)と主筒(10)または(12)との内径の
比率は、第1図、および第2図の場合と同様に適宜に選
択することができる。また、いずれの場合も細隙(3)
はその間隔を調節できるようにしてもよい。
このブースターと管路との接合は、強制的な挿入嵌合、
あるいはフランジ部でのねじ止めとしてもよい。その他
の任意の手段を用いることができる。
以上の方法の実施にあたっては、スパイラルモーション
による移送を容易とするためにリード線の先端部に、球
体、好ましくは軽量の中空球体をとり付けることによっ
て移送してもよい。
リード線の材質としては、電線、ケーブルを引張る際の
張力に耐えるだけの剛性と、スパイラルモーションに適
したねじれに対する強さと軽量さが望まれる。
リード線を貫通させた後に、リード線の後端に電線また
はケーブルを連結し、管路出口側でリード線を引寄せる
ことにより、電線またはケーブルを管路内に貫通させる
ことができる。
また、電線又はケーブルが軽量の場合には、リード線の
代わりに、そのもの自体を搬送してもよい。
貫通作業の終了後、スパイラルフロー・ジェネレーター
は、管路の出口端面または管路の途中からとりはずす。
ジェネレーターの管路接続面の大きさを調整できるよう
にして、内径、形状の異なる管路に対しても使用できる
ようにすることもできる。
管路途中に設けたスパイラルフロー・ジェネレーターの
ブースターを管路から着脱自在とするためには、ブース
ターを2分割して使用時に組立て固定することができ
る。
以上の方法、装置による場合には、管路内壁、リード線
等の損傷はなく、しかも、たとえば100〜200m/秒の高速
でリード線を搬送貫通させることもできる。
(発明の効果) この発明により、以上のとおり、効率的で、安全な、損
傷のないリード線等の搬送が可能となり、このことによ
って、電線およびケーブルの効率的な管内貫通が実現さ
れる。
これまでの技術からは、このような優れた効果は、全く
予期することができない。
【図面の簡単な説明】
第1図は管路入口部のコアンダスパイラルフロー・ジェ
ネレーターを示す。第2図、第3図および第4図は、こ
の発明の方法に用いる装置の一例を、その要部について
示したものである。 図中の番号は次のものを示している。 1……管路、2……主筒、3……細隙 4……補助筒、5……湾曲壁面、6……導入口 9……出口端面、10……主筒、11……補助筒 12……主筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 賀郎 神奈川県横浜市戸塚区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管路入口での加圧流体の高速送入によって
    生成させたコアンダスパイラルフローによって電線・ケ
    ーブルの貫通のためのリード線、又は電線・ケーブル自
    体を管路内に搬送し、電線・ケーブルを管路内貫通させ
    るにあたり、管路出口においてコアンダスパイラルフロ
    ーの生成による負圧によって管路出口方向へ搬送されて
    いるリード線又は電線・ケーブルを吸引することを特徴
    とする電線・ケーブルの貫通方法。
  2. 【請求項2】管路入口での加圧流体の高速送入によって
    生成させたコアンダスパイラルフローによって電線・ケ
    ーブルの貫通のためのリード線又は電線・ケーブル自体
    を管路内に搬送し、電線・ケーブルを管路内貫通させる
    にあたり、管路途中にブースターを設け、該ブースター
    においてもコアンダスパイラルフローを生成させること
    を特徴とする電線・ケーブルの貫通方法。
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