JPH0748555Y2 - 軟質コンテナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、粉粒体を輸送のために収容するコンテナ、
特にゴム引布などの軟質素材で作られたコンテナに関す
る。

〈従来の技術〉 一般に、軟質コンテナは上部に充填筒を、下部に排出筒
を有し、これらの充填筒や排出筒は、紐で緊縛すること
によつて閉鎖される。内容物の充填に際しては、排出筒
を閉鎖した状態にして充填ホツパの下方に位置させ、充
填筒をホツパの排出口の外側に固定してから、ホツパ・
ゲートを開いて充填を開始する。充填筒のホツパ排出口
への固定は、充填筒に設けられている環をホツパ側の鉤
に引掛けたり、充填筒に取付けられている紐によつてホ
ツパ排出口の周囲に緊縛したりするのが普通である。

〈考案が解決しようとする課題〉 上述のように、充填の度にコンテナの充填筒をホツパの
排出口に固定する作業は、人手によらざるを得ないのが
現状であるが、この作業は作業員がホツパの排出物を浴
びる危険を伴うため、危険防止と省力化の両面から機械
化が望まれていた。しかし、開閉及びホツパ排出口への
固定を機械化するのに適した充填筒が開発されていなか
つた。

〈課題を解決するための手段〉 この考案は、上述のような問題に鑑み、開閉とホツパ排
出口への取付けとを機械化するのに適した構造の充填筒
を実現しようとするもので、充填筒の口縁内に、１対の
直線状弾性体を包蔵させたものであり、この弾性体とし
ては、断面が円弧状の、いわゆるコンベックス弾性金属
帯を、その凸曲面を外側方向に向けて使用する。閉鎖の
ための適切な弾力を得るために、必要に応じてこの金属
帯を複数枚重ねて使用する。

〈作用〉 コンベックス弾性金属帯よりなる直線状弾性体を包蔵し
た充填筒の口縁は、弾性体の弾力によつて、直線状に押
潰したような形で閉鎖する。適当な機械装置によりこの
閉鎖した口縁の両端を把握させて、コンテナを充填ホツ
パの下方へ持込み、口縁の両端に互に接近する方向の押
圧力を加えると、口縁は弾性体の弾力に逆らつて開く。
そこで、ホツパの排出口を開いた充填筒内に下降させ、
上記の押圧力を解除すると、口縁を閉じようとする弾性
体の弾力によつて、充填筒はホツパ排出口に固定され
る。そこでホツパゲートを開いてコンテナ内に充填を行
う。充填が完了したら、ホツパ排出口を上昇させて充填
筒から引抜くと、充填筒の口縁は再び閉鎖する。

〈実施例〉 第１図及び第２図において、コンテナ本体１の上部には
充填筒２が、下部には排出筒３がそれぞれ設けられてお
り、これらの部分は何れも合成ゴム引布で作られてい
る。

充填筒２の上端の口縁４は第３図に示すように環状の筒
形に形成され、その内部に直線状の弾性体５、５′を包
蔵しており、これら弾性体の長さは、充填筒２の周長の
約半分、即ち直径の約1.5倍である。

弾性体５、５′としては、第４図に示すように巻尺にし
ばしば利用される弧状断面の弾性金属帯（コンベツクス
弾性金属帯）６が特に適している。コンベツクス金属帯
６は、直線状を維持しようとする力が平板状の金属帯よ
りも大きく、かつ第４図に矢印で示す凹曲面方向へは比
較的容易に撓曲するが、その反対の凸曲面方向へは撓曲
し難い特性を有する。充填筒口縁４内には、このような
コンベツクス弾性金属帯６をその凸曲面を外側方向へ向
けて複数枚重ねたものが、弾性体５、５′として包蔵さ
れている。

充填筒口縁４は、上述のような弾性体５、５′が直線状
態を維持しようとする作用によつて、第１図及び第２図
に示すように直線状になつて閉鎖される。

内容物を充填しようとする際は、予め適当な手段によつ
て排出筒３を閉鎖しておいた上で、充填筒口縁４の両端
部７、７′を適当な機械装置に把持させて充填ホツパの
下方へ持込み、第５図に示す矢印方向に押圧すると、口
縁４は弾性体５、５′の撓曲を伴つて開口する。そこ
で、ホツパの排出口８をこの開口内に下降させ、矢印方
向の押圧を解除すると、口縁４は弾性体５、５′の復原
力によつてホツパ排出口８に固定されるので、ホツパゲ
ートを開いて充填動作を行う。

充填動作を終つてホツパ排出口８を上昇させ、充填筒２
から引抜くと、口縁４は弾性体５、５′の復原力により
自動的に閉鎖する。

なお、充填筒２をホツパ排出口４に固定した際の固定力
や、充填筒口縁４が閉鎖した際の閉鎖力は、口縁４内は
包蔵されるコンベツクス弾性金属帯６の枚数によつて調
節することができる。

〈考案の効果〉 以上のようにこの考案によるときは、直線状に閉じた充
填筒の口縁を、その両端を押圧したり釈放したりするだ
けで開閉させることかでき、或いはその閉鎖力によつて
充填筒を充填ホツパ排出口に固定することができるの
で、コンテナに対する内容物の充填を自動化することが
でき、しかもその構造はコンベックス金属弾性帯を利用
した２本の直線状弾性体を使用するだけの簡単なもので
あるために、高い実用的効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の平面図、第２図は同実施例
の正面図、第３図は第１図におけるＡ−Ａ線に沿う拡大
断面図、第４図はコンベツクス弾性金属帯の見取図、第
５図は上記実施例における充填筒の開口状態を示す平面
図である。 １……コンテナ本体、２……充填筒、４……口縁、５及
び５′……直線状弾性体、６……コンベツクス弾性金属
帯。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軟質素材よりなるコンテナ本体の上部に同
   様な軟質素材により充填筒を形成し、この充填筒の口縁
   を環状筒形に形成し、その内部にこの充填筒の周長の約
   半分の長さの１対の直線状弾性体を包蔵させてなり、上
   記直線状弾性体はその凸曲面を外側方向へ向けたコンベ
   ックス弾性金属帯よりなることを特徴とする軟質コンテ
   ナ。
2. 【請求項２】上記直線状弾性体はコンベックス弾性金属
   帯を複数枚重ねたものであることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の軟質コンテナ。