JPH074739A - 液体加熱装置 - Google Patents

液体加熱装置

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Publication number
JPH074739A
JPH074739A JP5169524A JP16952493A JPH074739A JP H074739 A JPH074739 A JP H074739A JP 5169524 A JP5169524 A JP 5169524A JP 16952493 A JP16952493 A JP 16952493A JP H074739 A JPH074739 A JP H074739A
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JP
Japan
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quartz glass
glass tube
liquid
heated
bobbin
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JP5169524A
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English (en)
Inventor
Masanori Kawaguchi
将徳 川口
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH074739A publication Critical patent/JPH074739A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L53/00Heating of pipes or pipe systems; Cooling of pipes or pipe systems
    • F16L53/30Heating of pipes or pipe systems
    • F16L53/35Ohmic-resistance heating
    • F16L53/38Ohmic-resistance heating using elongate electric heating elements, e.g. wires or ribbons

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)
  • Pipe Accessories (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】被加熱液体が汚れず、連続加熱ができ、高加熱
容量でコンパクトな液体加熱装置を提供する。 【構成】石英ガラス管1に設けたらせん溝4に抵抗発熱
線5を巻き、石英ガラス管1の外側に石英ガラス管2と
石英ガラス管3を同心円状に設け、石英ガラス管1の内
側と石英ガラス管2と石英ガラス管3の間に被加熱液体
の流路9、11を設け、シール材7で封じた石英ガラス
管1と石英ガラス管2の間の空間9にヘリウムガスを封
入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は純水などの被加熱液体を
全く汚すことなく、効率良く連続的に加熱でき、かつ高
負荷でもコンパクトな液体加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気抵抗加熱式の液体加熱装置と
しては、液体槽の内部に棒状のヒータや板状のヒータあ
るいはコイル状のヒータを投入するものや、液体槽の壁
にヒータを組み込んだものなどが知られている。いわゆ
る投げ込みヒータとしては、石英ガラス管の内部に抵抗
発熱線が封入されたものも知られている。
【0003】特開昭57−204744には、円筒状の
セラミックスの表面に抵抗発熱体を蒸着し、さらにこの
抵抗発熱体の上を薄い絶縁性のセラミックスのシートで
被覆した円筒状の発熱体とし、その内外両面を加熱面に
利用するとともに、その外側を流れる液体を旋回させて
熱伝達を促進する液体加熱装置が提案されている。
【0004】また、特開平1−98554には、同軸状
に配置された3重管により内側から第1、第2および第
3の空間を形成し、円筒状の形状を有する第2の空間内
にアークプラズマを発生せしめ、アークプラズマの熱を
第1と第3の空間を流れる被加熱液体に伝える瞬間湯沸
かし器が提案されている。この湯沸かし器の管の材質に
ついての説明は見あたらないが、導電性を必要としてい
ることから、少なくとも内側の管は導電性のある材質で
構成されていると思われる。
【0005】被加熱液体を流路の壁から溶け出す不純物
や塵によって汚すことなく熱効率よく加熱でき、高負荷
でもコンパクトでかつ安価な液体を加熱する装置が産業
上の多くの分野で求められている。特に、半導体製品を
洗浄するフロンの代わりに、80℃程度に加熱された純
水で半導体関連製品を洗浄する方法が採用され始めてお
り、純水を汚すことのない安価でコンパクト、かつ使い
やすい液体加熱装置に対するニーズが高まっている。
【0006】しかしながら、棒状や線状のヒータが組み
込まれた液体加熱装置では、ヒータの表面積を大きく取
りにくいので、ヒータの温度を低く保持して発熱容量を
大きくするにはヒータの寸法を大きくして電熱面積を大
きくしなけらばならず、装置が大型になってしまうとい
う問題がある。また、被加熱液体の流路を構成する材料
としては、純度の高い材料が入手しやすく、結晶材料と
比べて塵が出にくいことにより被加熱液体を汚さず、流
路が汚れた場合には酸による洗浄が可能であるので、熱
伝導性が小さい欠点があるが、石英ガラスは優れた流路
材料である。
【0007】本発明者らは先に特開平5−79695に
おいて、被加熱液体を汚さない石英ガラスを被加熱液体
の流路に採用した図3の断面図に示すような液体加熱装
置を提案している。この液体加熱装置は、内側から第1
石英ガラス管1、第2石英ガラス管2、第3石英ガラス
管3の3重構造とされ、第1石英ガラス管1の内側が第
1の流路10とされ、第2と第3石英ガラス管の間が被
加熱液体の第2の流路11とされていて、両方の流路が
接続管12によって直列に連結され、第1石英ガラス管
と第2石英ガラス管の間に輻射率が大きい筒状のセラミ
ックスヒータ16が配置してある。また、セラミックス
ヒータ16の両端には、図示されていない電源と接続さ
れたリード線6が取り付けられ、被加熱液体は出入り口
13から出入りする。
【0008】石英ガラスを被加熱液体の流路材とした上
述の液体加熱装置では、700℃以上に加熱されたヒー
タと石英ガラス管が接触すると石英ガラスが失透(結晶
化)を起こして石英ガラス管が変質し、熱破損の原因と
なる他、被加熱液体が結晶化した微粒子によって汚され
る原因となるので、特開平5−79695の液体加熱装
置ではセラミックスヒータ16と石英ガラス管1、2が
直接接触しないように石英ガラス管とセラミックスヒー
タの間にスペーサを挟み込み(図示されていない)、線
材と比べて顕著に大きい伝熱表面を有するセラミックス
ヒータから空気層と石英ガラス(いずれも熱伝導率が小
さい)を経由する伝熱と、セラミックスヒータからの熱
輻射による伝熱の両方によって被加熱液体に熱がよく伝
わるように構成されている。
【0009】しかしながら、セラミックスヒータの発熱
量を小さくしないで小型化しようとすると、大電流とな
る場合が多いので電源装置がコスト高になる他、部分的
に石英ガラス管の温度が700℃を超える危険性があ
り、石英ガラス管が部分的に失透して石英ガラス管の破
損や被加熱液体の汚染の原因になる怖れがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流路の材料
に石英ガラスを使用して被加熱液体が汚されず、所要の
温度の液体を得るまでの待ち時間が短く、連続加熱がで
き、高性能、かつコンパクトで使いやすい液体加熱装置
を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を達
成すべくなされたものであり、本発明の液体加熱装置
は、外周にらせん溝が設けられた第1石英ガラス管の溝
内に抵抗発熱線が巻き付けられ、第1石英ガラス管の外
周に近接して同軸状に第2石英ガラス管が配置され、さ
らに第2石英ガラス管の外側に第3石英ガラス管が同軸
状に配置され、第1石英ガラス管の内側に被加熱液体の
第1の流路が、また第2石英ガラス管と第3石英ガラス
管の間に被加熱液体の第2の流路が設けられ、第1石英
ガラス管と第2石英ガラス管との間の空間が両方の管の
両端付近でシール材によりシールされ、この空間内にヘ
リウムガスが封入されていることを特徴とする。
【0012】本発明において、石英ガラスというのは、
純度の高い石英の結晶を溶融してガラス化したもの、ま
たは4塩化珪素などの化合物を加水分解して合成された
シリカから作られるシリカガラスのことをいう。
【0013】本発明の液体加熱装置では、抵抗発熱線の
ヒータで発生した熱がほとんどすべて被加熱液体に伝わ
るように、らせん状に巻かれた抵抗発熱線のヒータの内
外に被加熱液体の流路が設けられ、ヒータの熱が熱輻射
と熱伝導の両方の機構によって被加熱液体に伝わりやす
いように構成されている他、ヒータの発生熱が石英ガラ
ス管にさらに伝わりやすいように、ヒータが収容されて
いる空間内にヘリウムガスが封入されている。
【0014】ヘリウムガスは不活性なガスであるため抵
抗発熱線の酸化による消耗が避けられ、分子量が小さい
ことによって空気の3倍以上の熱伝導性を備えているの
で、抵抗発熱線で発生した熱が被加熱液体の流路を構成
している石英ガラス管に非常によく伝えられる。石英ガ
ラス管の熱伝導性はそれほど良好であるとはいえない
が、従来の液体加熱装置の熱伝導の律速が抵抗発熱線ま
たはセラミックスヒータから石英ガラス管の壁への熱伝
達にあるため、ヘリウムガスを封入したことによる熱伝
導の改善効果は非常に顕著である。
【0015】ヘリウムガスを封入して抵抗発熱線と石英
ガラス管の壁との間の熱伝導を高めたことは、一定流量
の被加熱液体を同じ温度に加熱するときの抵抗発熱線の
温度を低くすることになり、700℃以上の高温に加熱
された抵抗発熱線が石英ガラスと接触したりすると石英
ガラスの失透(結晶化)の原因となって石英ガラス管が
熱応力で損傷したり、塵を発生するようになって液体加
熱装置の寿命を縮めることになるが、本発明の液体加熱
装置では、抵抗発熱線の温度を600℃以下の温度に維
持でき、液体加熱装置の耐久性がさらに向上する。
【0016】ヒータの周囲をヘリウムガス雰囲気として
伝熱を促進する一つの方法として、液体加熱装置をケー
スに納めてケースの内部をヘリウムガスで置換する方法
もあるが、液体加熱装置の外側はその熱効率を高く保つ
ため断熱しておくのがよいが、この方法では液体加熱装
置の外側に設けられた断熱材の断熱性が阻害され、液体
加熱装置の熱効率を低減させることになるので好ましく
ない。
【0017】らせん状の溝は抵抗発熱線が位置ずれする
のを防ぐためのものであり、そのピッチを変えることに
よってヒータの温度分布を所望の分布に調整すること
や、溝のパターン変えることによって抵抗発熱線の端子
を片側に集めることも可能である。また、らせん状の溝
は砥石による研削加工やエッチングによって形成するこ
とができ、らせん溝の断面形状は、石英ガラス管やボビ
ンの折損を避けるため、少なくとも底の部分については
丸みのある角のないもとするのが好ましい。
【0018】シール材としては、耐熱性のあるパッキン
を石英ガラスの間に挟み込んでもよいが、多くの場合完
全なシールが困難であり、ヘリウムガスのリークを避け
られない。この場合には、ある期間液体加熱装置を使用
したらヘリウムガスを再注入するメインテナンスを行う
とよい。パッキンを使用する構成の長所は、抵抗発熱線
が消耗したときにその交換が容易なことである。パッキ
ンには、シリコーンゴムやフッ素ゴムあるいはこれらに
フィラーを混入したゴム状弾性を有する材料が使いやす
い。
【0019】シール材のさらに好ましい構成は、温度が
高くならない箇所に抵抗発熱線の端子を設けてリング状
の石英ガラスの蓋をあて、石英ガラスを溶接する構成で
ある。このようなシール材構成によれば、ヘリウムガス
のリークを非常に少なくでき液体加熱装置を繰り返し使
用できることである。しかしこの場合には、断線した抵
抗発熱線の交換は困難となる。
【0020】封入されるヘリウムガスの圧力は、温度が
上がるとヘリウムガスの圧力が高くなるので、温度が上
がっても石英ガラス管とシール材が許容する圧力以下に
留めておく必要がある。ヘリウムガスの伝熱性のみを考
慮すれば、ヘリウムガスの圧力は高い方が好ましい。こ
の意味で、封入されるヘリウムガスの好ましい圧力は使
用時の絶対圧力で0.5気圧以上2気圧以下、より好ま
しくは0.9気圧以上、1.5気圧以下とする。液体加
熱装置が使用されていない冷たい状態では、このヘリウ
ムガスの圧力は使用時の1/2(ヒータ温度250℃)
〜1/3(ヒータ温度600℃)程度である。
【0021】抵抗発熱線をヒータとする液体加熱装置で
は、ヒータの熱容量が小さいので、被加熱液体の供給が
止まるようなトラブルがあった場合に、直ちに電源を切
るようにすれば被加熱液体が沸騰して外部に漏れる事故
を避けることができるという利点がある。
【0022】本発明の他の液体加熱装置では、窒化アル
ミニウムの焼結体からなる外周にらせん溝のある円筒状
のボビンに抵抗発熱線が巻き付けられ、円筒状のボビン
の内側に近接して被加熱液体の第1の流路を内側に有す
る第1石英ガラス管が同軸状に配置され、円筒状のボビ
ンの外側に近接して第2石英ガラス管が同軸状に配置さ
れ、さらに第2石英ガラス管の外側に第3石英ガラス管
が同軸状に配置され、第2石英ガラス管と第3石英ガラ
ス管の間に被加熱液体の第2の流路が設けられているこ
とを特徴とする。
【0023】窒化アルミニウムの焼結体は電気の絶縁体
であると同時に熱伝導率が非常に良好であるという特徴
を有しており、抵抗発熱線で発生した熱の大部分は、先
ず抵抗発熱線と近接している窒化アルミニウムのボビン
に伝えられる。また、窒化アルミニウムの焼結体は輻射
伝熱に好適な長い波長域の輻射率が金属製の抵抗発熱線
と比べて大きく、円筒状のボビンの表面積は抵抗発熱線
の表面積と比べて遥かに大きいので、熱伝導による伝熱
が大きいとともに、熱輻射による伝熱への寄与も大き
い。
【0024】窒化アルミニウムのボビンにらせん溝が設
けられていることによって、抵抗発熱線の位置ずれを防
いでおり、抵抗発熱線で発生した熱を速やかにボビンに
伝えることができる。かくして、窒化アルミニウムのボ
ビンは抵抗発熱線で発生した熱を被加熱液体に伝える仲
立ちをして液体加熱装置の伝熱特性を顕著に向上せしめ
ることになるので、一定量の被加熱液体を同じ温度に加
熱するときの抵抗発熱線の温度を顕著に低くでき、抵抗
発熱線の耐久性を確保することができるとともに、ボビ
ンの温度を均等化して最高温度を顕著に低くできるの
で、たとえボビンと石英ガラス管が接触することがあっ
も石英ガラス管が失透して液体加熱装置の寿命を縮める
のを避けることができる。
【0025】本発明の好ましい他の液体加熱装置では、
窒化アルミニウムのボビンと第2石英ガラス管の両端付
近の間にシール材が配置され、抵抗発熱線が巻かれてい
る空間にヘリウムガスが封入されているので、抵抗発熱
線で発生した熱は熱伝導率の良好なヘリウムガスを介し
て窒化アルミニウムのボビンおよび第2石英ガラス管へ
の伝熱がさらに促進されることになる。
【0026】シール材は、窒化アルミニウムと石英ガラ
スの間の熱膨張率に差があるので、接合による完全な封
止は難しい。この場合、互いに少々ずれてもシールが可
能なパッキンやベローズを組み合わせる構成を採用する
とよい。また、ヘリウムガスのリークを完全に止められ
ない場合には、ヘリウムガスの再充填を一定の期間液体
加熱装置を使用する都度行うとよい。
【0027】本発明の他の好ましい他の液体加熱装置で
は、ボビンの内側および外側の空間が、第1石英ガラス
管と第2石英ガラス管の間に配置されたシール材また
は、ボビンと第1石英ガラス管の間に配置されたシール
材およびボビンと第2石英ガラス管の間に配置されたシ
ール材によって石英ガラス管の両端部付近でシールさ
れ、この空間内にヘリウムガスが封入されされている。
【0028】すなわち、この構成の液体加熱装置では第
1石英ガラス管と窒化アルミニウムのボビンとの間にも
ヘリウムガスが封入された構成となっているので、ボビ
ンと第1石英ガラス管との間の熱伝達が良好である。こ
の構成とする場合のシール材は、ボビンと第1石英ガラ
ス管およびボビンと第2石英ガラス管の間の両方の合計
4箇所に設けるか、第1石英ガラス管と第2石英ガラス
管との間にのみ設けて、ボビンをヘリウムガスが封入さ
れた空間中に封入するかのいずれかの構成が採用され
る。
【0029】第1石英ガラス管と第2石英ガラス管の間
の空間をシールする場合には、リング状の石英ガラス板
を両者の間を橋渡しするように配置して溶接すると完全
なシールが形成できる。この場合、片端のシールはボビ
ンを装着する前に形成しておき、ボビンを差し込んでか
らもう一方の端にシールを設けるようにするとよい。ま
た、リード線の端子は両側のシール部に設けてもよい
が、ボビンに巻かれた抵抗発熱線のリードをボビンの片
側に集めることもできる。端子のシール部の構造は、た
とえば石英ガラスのハロゲンランプの管球の端子で採用
されているシール構造が使用できる。
【0030】ボビンと石英ガラス管の間は、両者が直接
接触しないようにスペーサなどを挟んで離しておき、高
温になったボビンと石英ガラス管が接触して石英ガラス
管の一部分が高温に加熱されて結晶化が促進され、液体
加熱装置の寿命が縮まるのを避けるのが好ましい。しか
し、ボビンと石英ガラス管の間の隙間は狭い方が熱伝導
は良好なので、隙間は狭い方が好ましい。
【0031】らせん溝のピッチは、石英ガラス管の中央
部で密とし、端の近くで疎とすることにより、シール材
が取り付けられる部分、あるいは抵抗発熱線の端子部分
の温度を低めに維持することができ、液体加熱装置の耐
久性が確保される。
【0032】本発明の他の好ましい液体加熱装置では、
第3石英ガラス管の外側に熱輻射を反射する反射コート
または反射体が設けられている。コーティングとしては
熱複写を反射しやすい金メッキ、銀メッキなどが使用で
き、反射体としてはアルミニウムのフォイルを巻つけた
ものが使用できる。この種の断熱構造は、断熱材を周り
に取りつける通常の断熱手段と比較して必要とされる容
積の割りに効果が大きいという長所がある。もちろん、
反射コートされたあるいはアルミニウムのフォイルが巻
かれた石英ガラス管の外側に通常の断熱材を施工しても
支障はない。
【0033】第1と第2の液体流路を石英ガラスの連結
管で直列に接続することによって、液体加熱装置に流さ
れる被加熱液体の流速を大きくできるので、液体側の伝
熱性を高めることができ、1つの液体加熱装置で被加熱
液体をより高い温度まで加熱することが可能である。本
発明の液体加熱装置を複数台直列に接続して被加熱液体
をさらに高温に加熱することもでき、半導体装置の洗浄
に使用される液体加熱装置では、純水を80℃程度に加
熱する必要があるが、本発明の液体加熱装置はこの目的
にも適したものである。
【0034】半導体産業では、製造される半導体装置
(LSI)の集積度がますます大きくなっていて、洗浄
用の純水や薬液中の塵や汚れの存在が製造される半導体
装置の歩留りに大きい影響を及ぼすことが分かっている
ので、塵や汚れが混入することのない液体加熱装置が必
要とされ、高度のクリーンルーム内のスペースのコスト
が高いことからコンパクトな装置が求められている。従
って、本発明によりこの種の目的に好適な液体加熱装置
が提供されることになる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例によってなんら限定され
るものではない。
【0036】図1は本発明による液体加熱装置の一実施
例を示す一部分が断面とされた正面図である。図におい
て、1は第1石英ガラス管、2は第2石英ガラス管、3
は第3石英ガラス管、4はらせん溝、5は抵抗発熱線、
6はリード線、7はガラス板のシール材、8は端子線の
シール部、9は常温で0.4気圧のヘリウムガスが封入
されている空間、10は被加熱液体の第1の流路、11
は被加熱液体の第2の流路、12は石英ガラスの接続
管、13は被加熱流体の出入り口、14は端子線であ
る。
【0037】第1石英ガラス管1の寸法は外径20m
m、肉厚3mmとされ、その外周に0.5mmの曲率の
ある底を有する深さ約1mmのらせん溝4が440mm
の幅に渡って形成されている。溝のピッチは、中央部で
7mmとされ、端子線14の付近でピッチが大きくな
り、端付近では石英ガラス管1の軸に平行な溝とされて
いる。溝4はNC旋盤により研削加工されたものであ
る。また、端子線14はシール部8(石英ガラスの肉盛
り)によって封着されている。
【0038】この溝には、外径0.9mmの抵抗発熱線
(ニクロム線)5が巻付けられ、その全長は200Vの
電圧をかけたときに6kWの出力となるよう調整されて
いる。第2石英ガラス管2の寸法は内径20.5mm、
長さ450mm、肉厚約2mm、第3石英ガラス管3の
寸法は外径30mm、長さ450mm、肉厚約2mmと
され、これらの管の両端には厚さ3mmの石英ガラス板
が溶接され、被加熱液体の第2の流路を構成している。
【0039】試験例として、この構成の液体加熱装置に
よって純水の連続加熱を試みた。すなわち、ニクロム線
5に200Vの交流電圧をかけたときの最大出力は6k
Wであり、被加熱液体出入り口13の一方から20℃の
純水を毎分10リットル流したところ、他方の被加熱液
体出入り口13から流れ出る純水の温度が28.3℃と
なった。
【0040】このときの有効熱効率は97%以上であ
り、特開平5−79695に開示されているセラミック
ヒータを発熱体として組み込んだヘリウムガスが封入さ
れていない同じ加熱容量を有する液体加熱装置と比べる
と、長さで約150mm、外径で約30mm小型にでき
る上、熱効率についても遜色がなく、発熱体のある部分
にヘリウムガスを封入することによって、安価で使いや
すいニクロム線を発熱体に使用して実用性の優れたコン
パクトな液体加熱装置を提供できることが分かった。
【0041】ニクロム線は安価で正の温度抵抗係数を有
していて使いやすい発熱体であり、ニクロム線が巻かれ
た部分にヘリウムガスが封入してあることにより、ニク
ロム線が酸化されず、液体加熱装置を繰り返し使用して
も液体加熱装置にその都度ヘリウムガスを追加注入する
必要もない。また、流出する純水(被加熱液体)の温度
が90℃になった時に液体加熱装置への通電と通水を同
時に遮断したところ、セラミックスヒータが組み込まれ
た液体加熱装置では装置の内部に残留している水が強く
沸騰したが、本発明のニクロム線の発熱体を採用した液
体加熱装置では、発熱体の熱容量が小さいために水が沸
騰する現象は認められなかった。
【0042】図2は本発明の他の液体加熱装置の一実施
例を示す一部分が断面とされた正面図であり、この例で
は抵抗発熱線5が電気絶縁体であって熱伝導率が良好な
窒化アルミニウム製のボビン15に巻き付けられてお
り、ボビン15は第1石英ガラス管と第2石英ガラス管
の間のヘリウムガスが封入された空間内に配置されてい
る(図2の各部分で図1の例と同じ名称の部分には同じ
符号が付けてある)。
【0043】この液体加熱装置では、ボビン15に巻か
れた抵抗発熱線5で発生した熱は熱伝導率が良好なヘリ
ウムガスを介し、またはボビンと直接接触している部分
では直接熱伝導率が大きい窒化アルミニウム製のボビン
15と石英ガラス管2に伝えられ、ボビンに伝わった熱
はボビンの抵抗発熱線よりはるかに大きい伝熱表面から
ヘリウムガスと石英ガラス管1、2を経ての伝熱と、ボ
ビン15の熱輻射により被加熱液体への伝熱がなされる
ことにより伝熱特性がさらに良好なので、コンパクトで
高容量の液体加熱装置を構成できる。
【0044】
【発明の効果】石英ガラスを被加熱液体の流路とする従
来の液体加熱装置と比べ、本発明の液体加熱装置では、
熱伝導率が大きいヘリウムガスが発熱体の設けられてい
る空間に封入されているので、発熱体の温度を低く保持
することができ、発熱体として使いやすく安価なニクロ
ム線などの抵抗発熱線を使用してコンパクトで加熱容量
が大きい液体加熱装置が提供できる。
【0045】またヘリウムガスは、抵抗発熱線を酸化し
ないので、石英ガラス管が失透しないように使用すれ
ば、その耐用も良好である。
【0046】本発明の他の液体加熱装置では、抵抗発熱
線を巻くボビンに熱伝導率が大きい窒化アルミニウムが
使用されているので、抵抗発熱線で発生した熱が窒化ア
ルミニウムのボビンに伝えられて発熱体の温度が均等化
する他、ボビンの大きい伝熱表面からの伝熱と、熱輻射
による伝熱への寄与によって被加熱液体への伝熱がさら
に促進され、コンパクトで高性能の液体加熱装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体加熱装置の一実施例を示す一部分
が断面とされた正面図
【図2】本発明の他の液体加熱装置の一実施例を示す一
部分が断面とされた正面図
【図3】従来の石英ガラス管を流路に採用した液体加熱
装置の断面の正面図
【符号の説明】
1:第1石英ガラス管 2:第2石英ガラス管 3:第3石英ガラス管 4:らせん溝 5:抵抗発熱線 6:リード線 7:ガラス板のシール材 8:端子線のシール部 9:ヘリウムガスが封入されている空間 10:第1の流路 11:第2の流路 12:石英ガラスの接続管 13:被加熱流体の出入り口 14:端子線 15:窒化アルミニウムのボビン 16:セラミックスヒータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周にらせん溝が設けられた第1石英ガラ
    ス管の溝内に抵抗発熱線が巻き付けられ、第1石英ガラ
    ス管の外周に近接して同軸状に第2石英ガラス管が配置
    され、さらに第2石英ガラス管の外側に第3石英ガラス
    管が同軸状に配置され、第1石英ガラス管の内側に被加
    熱液体の第1の流路が、また第2石英ガラス管と第3石
    英ガラス管の間に被加熱液体の第2の流路が設けられ、
    第1石英ガラス管と第2石英ガラス管との間の空間が両
    方の管の両端付近でシール材によりシールされ、この空
    間内にヘリウムガスが封入されていることを特徴とする
    液体加熱装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、封入されているヘリウ
    ムガスの圧力が使用時に0.5気圧以上2気圧以下であ
    る液体加熱装置。
  3. 【請求項3】窒化アルミニウムの焼結体からなる外周に
    らせん溝のある円筒状のボビンに抵抗発熱線が巻き付け
    られ、円筒状のボビンの内側に近接して、内側に被加熱
    液体の第1の流路を有する第1石英ガラス管が同軸状に
    配置され、円筒状のボビンの外側に近接して第2石英ガ
    ラス管が同軸状に配置され、さらに第2石英ガラス管の
    外側に第3石英ガラス管が同軸状に配置され、第2石英
    ガラス管と第3石英ガラス管の間に被加熱液体の第2の
    流路が設けられていることを特徴とする液体加熱装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、ボビンの外側の空間
    が、ボビンと第2石英ガラス管の間に配置されたシール
    材によって石英ガラス管の両側の端部付近でシールさ
    れ、この空間内にヘリウムガスが封入されている液体加
    熱装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、ボビンの内側および外
    側の空間が、第1石英ガラス管と第2石英ガラス管の間
    に配置されたシール材または、ボビンと第1石英ガラス
    管の間に配置されたシール材およびボビンと第2石英ガ
    ラス管の間に配置されたシール材によって石英ガラス管
    の両端部付近でシールされ、この空間内にヘリウムガス
    が封入されされている液体加熱装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つにおいて、ら
    せん溝のピッチが管の中央部において密であり、管の端
    近くで疎とされている液体加熱装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1つにおいて、第
    3石英ガラス管の外側に熱線を反射する反射コートまた
    は反射体が配置されている液体加熱装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1つにおいて、被
    加熱液体の第1の流路と被加熱液体の第2の流路が石英
    ガラスの接続管で直列に接続されている液体加熱装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1つにおいて、被
    加熱液体が半導体製造工程で使用される純水または薬液
    である液体加熱装置。
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