JPH0747072B2 - 洗濯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は使用時における騒音低下を図る洗濯機に関する
ものである。

従来の技術 従来の洗濯機は、例えば実公昭49−30710号公報に示さ
れるように、第３図のような構造になっていた。すなわ
ち、図において、１は脱水洗濯機の本体で底部は開口し
ている。２は内周壁に複数個の脱水孔３を形成した洗濯
兼脱水槽、４は洗濯兼脱水槽２を内部に回転自在に設置
した洗濯受槽、５は洗濯兼脱水槽２の中央底部に設けた
攪拌翼、６は伝達機構部で内部に洗濯時の減速ギアおよ
び洗濯・脱水の切換クラッチ、脱水時のブレーキを内蔵
している。７は前記洗濯受槽４の底部に取付けられたモ
ータで、このモータ７の動力はモータプーリ８、ベルト
９、インペラプーリ10を介して伝達される。11は本体１
より吊り下げられた防振機構で、洗濯受槽４を本体１か
ら懸垂防振支持している。12は脚で、本体１の底部の４
隅に固定されている。13は移送金具で、洗濯受槽４の底
部に取付けられており、洗濯機を輸送する場合に、本体
１と洗濯受槽４が衝突するのをなくすために、梱包時に
洗濯兼脱水槽２内面の上部を保持し、下部は移送金具Ｂ
の底部を保持することにより洗濯受槽４を固定してい
る。14は設置面である。

以上のように構成された洗濯機について、以下その動作
について説明する。洗濯は、洗濯兼脱水槽２に洗濯物と
洗濯水を入れ、伝達機構部６の切換クラッチを洗濯側に
し、モータ７の回転を攪拌翼５に伝達機構部６を介して
伝達することにより行う。また、脱水は、洗濯物を洗濯
兼脱水槽２に入れ、伝達機構部６の切換クラッチを脱水
側にし、モータ７の回転を洗濯兼脱水槽２に伝達機構部
６を介して伝達することにより行う。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、洗濯時や脱水時等
にモータ７や伝達機構部６等の駆動関係部品から発生す
る音や洗濯受槽４の振動によって発生する音等の本体１
の内部音が、本体１底部の開口および脚12の隙間、つま
り本体底部と設置面の間を通って本体１の外部に伝播
し、騒音レベルを著しく増大させる欠点を有していた。
そこで、これを解決する手段としては、単に本体１を延
長し、脚12を短かくして本体底部と設置面の隙間を小さ
くすることにより、本体１の内部音を遮音し、騒音レベ
ルを低下させることが考えられるが、この構成では、本
体１の設置面に凹凸がある場合設置ができない問題や、
洗濯移動作業をする時に本体１の脚12の間に作業者の爪
先が入らないことによって作業性が悪くなり有効な手段
とはならない。また、本体底部の開口を無くして遮音す
る方法もあるが、前記したように、洗濯機を輸送する場
合に、移送金具13により洗濯受槽４を梱包材に固定する
ので、開口を無くすることはできないという問題もあっ
た。

本発明は上記従来の問題点を解決するもので、洗濯およ
び脱水時の騒音レベルを低下させるとともに、設置や操
作性に悪影響を与えない洗濯機を提供することを目的と
する。

問題点を解決するための手段 この目的を達成するために本発明の洗濯機は、内外を連
通する開口を底部に形成した本体と、この本体内に防振
機構を介して懸垂支持された洗濯受槽と、この洗濯受槽
内に配置され、攪拌翼を有する洗濯兼脱水槽と、これら
洗濯兼脱水槽および攪拌翼を駆動するモータと、本体の
底部に設けられ、同底部と設置面の間に間隔を設定する
脚とを具備し、本体の底部外周部分にそって、設置面と
の間の間隔を実質的に塞ぐとともに、前記開口を囲むよ
うに周方向に複数分割された弾性遮音部材を設けたもの
である。

作用 この構成によって、洗濯時や脱水時等にモータ等の駆動
部品から発生する音や洗濯受槽の振動から発生する音等
の本体内部で発生する音を本体底部に設けられた遮音板
によって遮音するため、騒音レベルを著しく低下させる
ことになる。また、設置面が凹凸であっても遮音板が弾
性を有しているため、従来の洗濯機と同様の設置性が得
られ、また、この遮音板の弾性によって本体と設置面と
の間に作業者の爪先を入れることができ、移動時の操作
性も従来に比べ低下しない。

実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。

第１図は本発明の第一の実施例における洗濯機の断面
図、第２図は同要部斜視図を示すものである。図面にお
いて、１〜14は第３図に示した従来例の部材と同一であ
るのでその説明を省略する。15は本体１の底部に取付け
られた弾性を有する遮音板で、例えば、ゴムや軟質塩化
ビニール等で成形されている。また遮音板15は図に示す
ように、先端が若干本体１の内側になるようにやや傾斜
ぎみに取付けられている。そしてこの遮音板15は本体１
の外周部分で、しかも４つの脚12間に４枚設けており、
本体１の底部と設置面14間を遮蔽している。

以上のように構成された洗濯機について、以下その動作
について説明する。

洗濯および脱水の動作は、従来例と同様に、モータ７の
回転を攪拌翼５あるいは洗濯兼脱水槽２に伝達機構部６
を介して伝達して行う。この時、モータ７や伝達機構部
６等の駆動部品関係から発生する音や洗濯受槽４等の振
動から発生する音等の本体１内部音が、本体１の底部の
開口部および脚12の隙間から外部へ空気伝播することが
騒音レベルを上げる要因となっているが、本実施例で
は、本体１の底部に設けられた遮音板15によって、これ
らの内部音を遮音して騒音レベルを著しく低下させてい
る。また、設置面14に多少の凹凸があっても遮音板15の
弾性によって設置できるとともに、遮音板15が設置面に
合わせて撓むため、遮音特性は余り低下しない。特に、
遮音板15は４枚分割して設けてあるため、設置面の凹凸
のよってその１枚が撓んでもその撓みは他の遮音板に影
響を及ぼすことがなく、その結果、一層遮音特性を高め
ることができる。遮音板15の先端が若干本体１の内側に
なるように取付けられているため、洗濯作業中に作業者
の爪先を遮音板15を押しながら入れやすく、また爪先を
ぬいても遮音板15が元にもどり、遮音性を損うことがな
い。また、洗濯機の輸送する場合に、本体１と洗濯受槽
とが衝突するのをなくすために、梱包時に上部を洗濯兼
脱水槽２内面で保持し、下部を移送金具13の底部で保持
することにより洗濯受槽４を固定することを従来より行
っているが、本実施例では、本体１底部には従来と同様
に開口部があり、上記従来方式をそのまま利用すること
ができる。すなわち、移送のための梱包は、従来の設計
をほとんど変更する必要がない。

なお、本実施例においては、遮音板15の下端が設置面14
に接触しているが、設置面14と遮音板15の下端との間に
若干の間隙があってもよい。

発明の効果 以上のように本発明は、洗濯機の本体と設置面との間を
遮蔽して本体から弾性を有する遮音板を取付け、遮音板
によって本体内部と外部との連通をなくすことにより、
洗濯時や脱水時等にモータ等の駆動部品から発生する音
や外槽等の振動から発生する音等の本体内部の音を遮音
するため、騒音レベルを著しく低下することができ、さ
らに、設置面に多少の凹凸があっても設置が可能で、特
に、遮音板は周方向に複数分割して設けてあるため、設
置面の凹凸によってその１枚が撓んでもその撓みは他の
遮音板に影響を及ぼすことがないもので、その結果、高
い遮音特性を得ることができる。加えて、本体の底部外
周が遮音板で覆われているところから、設置面との間で
間隙が見えず、その分外観性を向上することもできる。
また、本体と設置面との間に作業者が爪先を入れること
ができるため、操作性も従来と変わりがない。さらに、
構成に要する部品も少なく、安価で量産性もよい上、従
来の梱包方法を変更する必要もなく、その実用的効果は
大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における洗濯機の断面図、第
２図は同要部斜視図、第３図は従来の洗濯機の断面図で
ある。 １……本体、２……洗濯兼脱水槽、４……洗濯受槽、５
……攪拌翼、７……モータ、11……防振機構、12……
脚、15……遮音板。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内外を連通する開口を底部に形成した本体
   と、この本体内に防振機構を介して懸垂支持された洗濯
   受槽と、この洗濯受槽内に配置され、攪拌翼を有する洗
   濯兼脱水槽と、これら洗濯兼脱水槽および攪拌翼を駆動
   するモータと、本体の底部に設けられ、同底部と設置面
   の間に間隔を設定する脚とを具備し、本体の底部外周部
   分にそって、設置面との間の間隔を実質的に塞ぐととも
   に、前記開口を囲むように周方向に複数分割された弾性
   遮音部材を設けた洗濯機。
2. 【請求項２】弾性遮音部材の下部が上部よりも内側にな
   るように傾斜あるいは湾曲させた特許請求の範囲第１項
   記載の洗濯機。