JPH0747021B2 - 電子血圧計 - Google Patents

電子血圧計

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JPH0747021B2
JPH0747021B2 JP62148831A JP14883187A JPH0747021B2 JP H0747021 B2 JPH0747021 B2 JP H0747021B2 JP 62148831 A JP62148831 A JP 62148831A JP 14883187 A JP14883187 A JP 14883187A JP H0747021 B2 JPH0747021 B2 JP H0747021B2
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、段階(ステップ)的減圧及び振動法を採用
した電子血圧計の血圧測定精度向上に関する。
(ロ)従来の技術 いわゆる振動法は、カフの減圧過程で生じる血管の脈波
を抽出し、脈波一拍ごとの脈波振幅値を算出し、この脈
波振幅値の変化から血圧値を決定するものである。
従来、カフの減圧は、メカニカル排気弁を用いた連続的
微速排気であった。このメカニカル排気弁の流量は、カ
フ圧と外圧との差により決まるものであり、被験者の腕
の太さやカフの巻き方の違いによりこのカフの容量が変
化するため、カフの減圧速度が大きく変化してしまう。
減圧速度が小さくなると測定時間が長くなり、被験者に
鬱血や圧迫による苦痛が生じる。また、減圧速度が大き
くなると、一拍ごとの減圧量が大きくなり、測定精度が
低下する場合が生じ、測定精度が不均一となる。
そこで、減圧を段階(ステップ)的に行なうよう構成し
た電子血圧計が知られている。この電子血圧計は、第4
図に示すよう、所定のカフ圧まで加圧した後、ステップ
状にカフ圧Pを減圧するものである。ステップ減圧は、
減圧速度を一定に制御することができるため、カフの容
量の相違等に起因する測定時間のばらつきを解消するこ
とができる。また、一拍ごとの減圧量を一定に制御で
き、測定精度の低下が防止される。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 上記スナップ減圧を採用した電子血圧計においては、減
圧直後のカフ圧Pが変動し、血圧測定精度が低下する問
題点があった。
これを詳細に説明すると、減圧過程の初期においては、
カフ圧Pが減少する傾向がある。これに対し、減圧過程
の末期においては、カフ圧Pが上昇する傾向がある(第
4図参照)。脈波振幅値の抽出は、脈波波形の極大点と
極小点における圧力差をとっているので、カフ圧Pが減
少する場合には、第5図(a)に示すように、測定され
る脈波振幅値Amが、真の脈波振幅値Agより小さくなって
しまう。
また、カフ圧Pが上昇する場合には、第5図(b)に示
すように、測定される脈波振幅値Amが、真の脈波振幅値
Agより大きくなってしまう。さらに減圧過程末期におい
ては、脈波振幅自体小さいため、波形に極大、極小が現
れず、脈波振幅値抽出が困難となる。
従って、第6図に示すように、測定される脈波振幅値Am
(実線で示す)は、真の脈波振幅値Ag(破線で示す)よ
り、ずれて変化する傾向を有し、血圧決定に誤差が生じ
る。
この減圧直後の圧力変動は、被験者の腕の太さ、カフの
容量等種々の要因により異なるため、測定した脈波振幅
値を補正することは困難である。また、減圧直後のカフ
圧変動が安定するまで待機することは、測定時間が長く
なり、被験者の鬱血や苦痛の増大という問題を生じる。
この発明は、上記に鑑みなされたものであり、減圧直後
のカフ圧の変動に左右されず、精度よく血圧測定を行う
ことができる電子血圧計の提供を目的としている。
(ニ)問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、この発明の電子血圧計は、
カフと、このカフ内の流体を加圧する加圧手段と、前記
カフ内の流体を段階的に減圧する減圧手段と、前記カフ
内の流体圧を検出する圧力検出手段と、この圧力検出手
段で検出されたカフ内の流体圧より脈波成分を検出する
脈波成分検出手段と、この脈波成分検出手段で検出され
た脈波成分と、前記圧力検出手段で検出されたカフ内の
流体圧とより血圧値を決定する血圧値決定手段とを備え
てなるものにおいて、前記脈波成分検出手段で検出され
た脈波成分の時間微分を算出する脈波微分算出手段と、
この脈波微分算出手段で算出された脈波微分の振幅値を
抽出する脈波微分振幅値抽出手段とを備え、前記血圧値
決定手段は、前記脈波微分振幅値抽出手段で抽出された
脈波微分振幅値と、前記圧力検出手段で検出されたカフ
内の流体圧に基づいて室力を決定することを特徴とする
ものである。
(ホ)作用 この発明の電子血圧計では、脈波の振幅値に代えて、一
拍ごとの脈波微分振幅値を抽出している。この脈波微分
の波形が、カフ圧が減少する場合と上昇する場合のそれ
ぞれについて、第5図に示されている。今、第5図
(a)のカフ圧が減少する場合を考えれば、カフ圧の減
少は先ず直線的であるとみなしてもよく、この減少は、
脈波微分波形において、基線が−d1となる形で現われて
いる(第5図(b)参照)。
カフ圧の減少変動が、カフの容積等により変化するとし
ても、前記−d1の値が変化するだけであり、脈波微分の
振幅値、具体点には、立ち上り点とピーク点との差Dp
ピーク点とピーク点との差Dq等は変動しないと見ること
ができる。このことは、第5図(d)に示す、カフ圧が
上昇する場合でも同様であり、脈波微分の波形の基線の
値+d2は変化しても、振幅値Dp、Dqは変化しないと見る
ことができる。従って、脈波微分振幅値は、被験者の腕
の太さや、カフの容積の相違などの外的要件の変動を受
けにくい値であると言える。
一方、脈波微分振幅値のカフ圧Pに対する変化は、真の
脈波振幅値の時間変化と略類似の形状となる(第6図参
照)。また、上述したように、脈波微分振幅値の変動は
少ないから、脈波微分振幅値と真の脈波振幅値との間に
は一定の関係があると認めることができる。従って、脈
波微分振幅値により精度よく血圧値を決定することが可
能となる。
(ヘ)実施例 この発明の一実施例を第1図乃至第3図に基づいて以下
に説明する。
第2図は、この実施例に係る電子血圧計の空気系及び回
路構成を説明するためのブロック図である。2は周知の
カフであり、ゴム袋2aを備えている。ゴム袋2aは、チュ
ーブ3及び配管4を介して、静電容量式圧力センサ(圧
力検出手段)5、ポンプ(加圧手段)6、及び電磁弁
(減圧手段)7に接続している。
静電容量式圧力センサ5は、カフ圧に応じて静電容量が
変化するものである。発振回路8は、圧力センサ5の静
電容量に応じた周波数のパルス信号を出力する。このパ
ルス信号は、後述のCPU11に含まれるカウンタでカウン
トされる。
ポンプ6、電磁弁7は、それぞれポンプ駆動回路9、電
磁弁駆動回路10により駆動される。ポンプ駆動回路9及
び電磁弁駆動回路10は、CPU11の指令に基づいて作動す
る。
CPU11は、カフ圧を微分して脈波微分波形を算出する機
能、脈波微分波形より振幅値を抽出する機能、脈波微分
振幅値とカフ圧に基づいて血圧値(最高血圧値、最低血
圧値)を決定する機能等を含んでいる。
CPU11には、液晶表示器(LCD)12が接続されており、CP
U11で決定された最高血圧値、最低血圧値等が表示され
る。また、CPU11にはブザー13が接続されている。この
ブザー13は、測定中エラー(例えば、カフ2の装着不良
の場合、あるいは被験者が測定中に腕を動かした場合
等)が生じたこと等を報知するためのものである。
さらに、CPU11には、スタートスイッチ(SW)15及び加
圧設定SW16が接続されている。スタートスイッチSW15
は、測定を開始させるためのものであり、加圧設定SW16
は、カフの加圧目標値を被験者に応じて設定するための
ものである。
電源回路14には、パワーSW17が接続されている。この電
源回路14は、CPU11にオン/オフを制御されると共に、
電池14aの起電力が落ちた場合に、CPU11にバッテリーロ
ウ信号を送り、LCD12にバッテリーロウ表示を行なわせ
る。
次に、この実施例電子血圧計1の動作を説明する。
最初に、パワーSW17がオンされると、CPU11の初期化
(イニシャライズ)処理が行なわれる〔ステップ(以下
STという)1、第1図参照〕次にST2では、スタートSW1
5がオンされたか否かを判定し、スタートSW15オンされ
るまで、ここで待機する。
被験者の腕にカフ2が巻かれると共に、被験者に適した
加圧目標値が加圧設定SW16により設定されて、スタート
SW15がオンされると、CPU11の指令により、ポンプ6が
カフ2の加圧を開始する(ST3)。
CPU11は、発振回路8よりのパルスを一定時間カウント
し、これをサンプリングして、カフ圧Pを監視し、これ
が加圧目標値に達したか否かを判定する(ST4)。この
判定がNOの場合には、カフ2の加圧を続ける。この判定
がYESの場合には、CPU11の指令により、ポンプ6が停止
し、加圧を終了する(ST5)。
ST6よりST9の処理は、脈波一拍について脈波微分振幅値
を抽出する処理である。この間CPU11に含まれるカウン
タは、時間Taの間の発振回路8のパルスをカウントし、
これに続く時間Tbはカウントを停止し、カウント値をサ
ンプリングする。このサンプリングにより得られるカフ
圧データは、時間Taにおけるカフ圧平均値に比例したも
のであり、これをカウント停止時のカフ圧瞬時値Pnとす
る。この実施例では、時間TaTbは、それぞれ20msec、2m
secとされ、22(=Ta+Tb)msecごとにカフ圧瞬時値Pi
が得られる。
ST6では、CPU11は、カフ圧瞬時値Pnを取り込む。ST7で
は、時刻tnにおける時間微分値Dnを以下の(1)式に基
づいて算出する。
Dn=2(Pn+2−Pn-2)+(Pn+1−Pn-1) ……(1) なお、第3図に排気過程初期のそれぞれカフ圧瞬時値P
と時間微分値Dの変化の模様を示している。
次のST8では、脈波微分振幅値Dpが抽出される。この抽
出処理は、ピーク点D*と立ち上がり点D+を抽出し、この
差をとることにより行なわれる。ピーク点は、微分値Dn
が4mmHg/SECを越えた後、2回連続で減少した時の最大
値をピーク点D*とする。また、このピーク点D*よりさか
のぼり、時間的に隣合う微分値の差が、前記最大値の1/
4を初めて下回った点を立ち上がり点D*とする。ピーク
点D*と立ち上がり点D*との差を脈波微分振幅値Dpとす
る。
また、脈波微分値Dnが4mmHg/SECを越える手前の点に対
応するカフ圧瞬時値Pjがこの脈波に対するカフ圧Pwとさ
れる。
次にST9では、微分振幅値Dpが抽出されているか否かが
判定される。この判定がYESの場合には、後述の血圧値
決定処理(ST10)へ進む。この判定がNOの場合、すなわ
ち圧力瞬時値Pnのデータ数が少なく、ピーク点D*を抽出
できない時にはST6へ戻る。
ST10では、微分振幅値Dp列より、最高血圧値SYS及び最
低血圧値DIAを決定する。先ず、微分振幅値Dp列の包絡
線より、最大値Dpmaxを抽出する。そして最大値Dpmax
現前で以下の(2)式を満たす微分振幅値Dpsを算出す
る。
Dps=0.67Dpmax+1.4〔mmHg/SEC〕 ……(2) また、最大値Dpmax出現後で以下の(3)式を満たす微
分振幅値Dpdも算出される。
Dpd=0.69Dpmax+3.7〔mmHg/SEC〕 ……(3) 微分振幅値Dps、Dpdは、それぞれSYS、DIA決定のための
スレッショルドレベルである。
次に、微分振幅値Dps、Dpdに対応するカフ圧がそれぞれ
Pws、Pwdとされる。このPws、Pwdより、最高血圧値SYS
と最低血圧値DIAが以下の(4)式、(5)式より算出
される。
SYS=1.121・Pws−5.7〔mmHg〕 ……(4) DIA=1.036・Pwd−1.9〔mmHg〕 ……(5) ST11では、血圧値SYS、DIAが決定されたか否かが判定さ
れる。微分振幅値Dpのデータ数が少なく、血圧値決定に
まで至らない時は、この判定はNOとなり、ST12へ進む。
ST12では、CPU11の指令により、所定時間電磁弁7が開
き、ステップ排気が行われる。そして、ST6へ戻り次の
微分振幅値Dpの抽出を行う。
一方、ST11の判定がYESとなった場合には、CPU11はSYS
及びDIAをLCD12に表示させる(ST13)。そして、CPU11
の指令により電磁弁7が開放され、急速排気が行われ
(ST14)、測定を終了する。
なお、上記実施例では、脈波微分振幅値Dpを脈波微分波
形の立ち上がり点D*はピーク点D*との差としているが、
これに限定されるものではなく、例えばピーク点D*とピ
ーク点D**との差をとるなど適宜変更可能である(第3
図参照)。
また、脈波微分振幅値Dpのデータ列より血圧値SYS、DIA
を決定する手法は、上記実施例のものに限らず、特に上
記(2)乃至(5)式の係数、定数の値は、これに限定
されるものではない。
(ト)発明の効果 以上説明したように、この発明の電子血圧計は、脈波微
分波形の振幅値に基づいて血圧値を決定するものである
から、減圧直後のカフ圧変動の影響を少なくでき、精度
のよい血圧測定を行なえる利点を奏する。また、これに
よりステップ減圧の利点が十分に引き出すことができ、
測定時間及び測定精度の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る電子血圧計の動作
を説明するフロー図、第2図は、同電子血圧計の空気系
及び回路構成を説明するためのブロック図、第3図は、
同電子血圧計の脈波微分振幅値抽出処理を説明するため
の図、第4図乃至第6図は、従来の電子血圧計の問題点
及びこの発明の作用を説明する図であり、第4図は、ス
テップ減圧を説明する図、第5図(a)は、ステップ減
圧初期の脈波波形の一つを示す図、第5図(b)は、こ
の脈波波形の時間微分を示す図、第5図(c)は、ステ
ップ減圧末期の脈波波形の1つを示す図、第5図(d)
は、この脈波波形の時間微分を示す図、第6図は、脈波
振幅値の変化と脈波微分振幅値との変化を比較して説明
する図である。 2:カフ、5:静電容量式圧力センサ、6:ポンプ、7:電磁
弁、11:CPU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾浜 昇 京都府京都市右京区花園中御門町3番地 株式会社立石ライフサイエンス研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−170225(JP,A) 特開 昭62−170224(JP,A) 特開 昭62−137034(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カフと、このカフ内の流体を加圧する加圧
    手段と、前記カフ内の流体を段階的に減圧する減圧手段
    と、前記カフ内の流体圧を検出する圧力検出手段と、こ
    の圧力検出手段で検出されたカフ内の流体圧より脈波成
    分を検出する脈波成分検出手段と、この脈波成分検出手
    段で検出された脈波成分と、前記圧力検出手段で検出さ
    れたカフ内の流体圧とより血圧値を決定する血圧値決定
    手段とを備えてなる電子血圧計において、 前記脈波成分検出手段で検出された脈波成分の時間微分
    を算出する脈波微分算出手段と、この脈波微分算出手段
    で算出された脈波微分の振幅値を抽出する脈波微分振幅
    値抽出手段とを備え、前記血圧値決定手段は、前記脈波
    微分振幅値抽出手段で抽出された脈波微分振幅値と前記
    圧力検出手段で検出されたカフ内の流体圧に基づいて血
    圧値を決定することを特徴とする電子血圧計。
  2. 【請求項2】前記脈波微分振幅値抽出手段は、前記脈波
    微分算出手段で算出された脈波微分の立ち上り点とピー
    ク点との差を、脈波微分振幅値として抽出する特許請求
    の範囲第1項記載の電子血圧計。
  3. 【請求項3】前記脈波微分振幅値抽出手段は、前記脈波
    微分算出手段で算出された脈波微分のピーク点と、ピー
    ク点との差を、脈波微分振幅値として抽出する特許請求
    の範囲第1項記載の電子血圧計。
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