JPH0746295Y2 - バケット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本案はバケットに関するもので、
例えばメダル等を使用する遊技場において、遊技客が投
入するメダル計数機からのメダル及びスロットマシンか
ら回収されるメダルを島端に設けた磨き装置で磨き上部
に上昇させてスロットマシンと台間メダル貸機にメダル
を補給するメダル、コイン等の搬送装置に用いられるバ
ケットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】直線状に配置された搬送箇所、例えば遊
技場で複数のスロットマシンとその間に設置されたメダ
ル貸機にメダルを補給する場合、一定の枚数のメダルを
一度に補給するバケットがある。また、スロットマシン
やメダル貸機へのメダルの補給は背面から補給する構造
のものが多く、また両島の場合は同一位置に配置される
場合が多い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の前者のような一
定量のメダルを一度にバケットから受けホッパーに落下
すると、受けホッパーの出口、すなわち補給ジヤバラへ
の導入口においてメダルがブリッジして落下しない。そ
のため受けホッパーに駆動源を有する加振機等のブリッ
ジ解消機構を設ける必要があった。更に一回で搬送する
枚数を多くすることができるバケット搬送において、受
けホッパーの出口及び補給ジヤバラ内でメダルのブリッ
ジが生じることが大きな欠点であった。その対策として
生じたブリッジを解消するために受けホッパーにソレノ
イドを用いた加振機を取り付けたり、スクリュー羽根等
を挿入して回転させたりしていたが、いずれも補給先一
箇所毎にそれらの装置を付加することは、島内に配線す
ることやコストの面でも困難である。また、従来の後者
の場合、メダルの補給口が同位置になり、補給ジヤバラ
が重なる遊技場では効率を高めるため島幅は最小限にす
ることが望まれる。しかるに補給ジヤバラの外径は極力
小さくしたい。したがって本案はメダル等がブリッジす
ることなく、スムースに補給ジヤバラを経て補給先に補
給でき、かつ補給ジヤバラの外径を太くする必要のない
バケットをうることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本案は以上のような目的
を達成するため次のようなバケットを提供するものであ
る。すなわちメダル等の被搬送物を直線状に配置された
複数箇所に必要に応じて搬送するバケットにおいて、バ
ケットの内部に上方部を除き、バケットを複数に分割す
る仕切板を設け、その仕切板で分割された各室のメダル
が一室分ずつ受けホッパーに落下するように開く蓋をバ
ケットの底面に設けたことを特徴とするバケットであ
る。

【０００５】

【作用】ある搬送手段によつてバケットが呼び出されメ
ダル補給先の受けホッパーの上部まで搬送され停止す
る。ある開閉手段によってバケットの蓋が開く。この場
合蓋が開く早さはバケットの各室のメダルが一室分ずつ
受けホッパーに落下するように設定する。その結果メダ
ル受けホッパーの出口にメダルがブリッジすることな
く、更に補給ジヤバラ内をも詰まることなくスロットマ
シンやメダル貸機の補給先まで落下する。

【０００６】

【実施例】先ずメダル等の被搬送物を複数個直線搬送す
る搬送装置から説明する。図５において、１はスロット
マシンやメダル貸機等、補給先が必要とする任意の枚数
のメダルが収容できるバケットであって、補給先のメダ
ル要求信号によつて走行し、予め設定された複数の補給
先の移動距離の中から要求信号を発信した補給先で停止
してメダルを補給するもので、補給先で停止後バケット
内のメダルをメダル受けホッパー２に落とすための開閉
自在な蓋体３が図８に示すごとくバケット１の底部にあ
る。バケット１と蓋体３はそれぞれ別の駆動手段によっ
て同時に同速度で移動し、補給先で停止後蓋体３は開く
ようになっている。バケット１の駆動手段として図６の
如くタイミングベルト４が用いられ、バケット１は図９
に示すようにタイミングベルト４の継ぎ目近傍に設けた
穴７に、スタットボルト８を取付金具６に溶接し、この
スタットボルト８に対してベルト４は座金９とバネ座金
１０を介してナット１１で固定される。蓋体３は取付金
具１２を介してバケット１のタイミングベルト４に対す
る取付と同様な構造によってタイミングベルト５に締結
する。

【０００７】タイミングベルト４、５は図５、６の如く
正確な位置制御をなしうるステッピングモータを設けた
駆動部ａと従動プーリーをフレームに設けた従動部ｂと
の間に張架されている。タイミングベルト４の駆動部ａ
は図５の如くモータ１３から減速機１４を介して駆動さ
れるプーリー１５からなり、タイミングベルト４はプー
リー１５と従動プーリー１６との間に張架されている。
タイミングベルト５の駆動部は図５の如くモータ１７か
ら減速機１８を介して駆動されるプーリー１９からな
り、タイミングベルト５はプーリー１９と従動プーリー
２０との間に張架されている。タイミングベルト５は、
また駆動部ａ、従動部ｂにタイミングベルト４との間隔
を保つため間隔調整プーリー２１、２２を設ける。

【０００８】図８に示す２３は枠体であって、これにタ
イミングベルト４、５を収納するレール２４、２６を設
ける。また、枠体２３にバケット１の自重を保持して走
行させるレール２７を取付け、バケット１の側面の枠体
２３側に前記走行レール２７に嵌合してバケット１を走
行させる直線スライド２８を取付ける。更にバケット１
の底面に設ける蓋体は、バケット１の両側面に設けた蓋
スライドレール２９、３０に沿ってスライドする。前述
した如く取付金具１２を介してタイミングベルト５に取
付けられる蓋体３は、図８の如く側断面形状が中央３ａ
の高い山形形状をなしている。前述したメダル受けホッ
パー２には補給用ジャバラ２ａが取付けられており、枠
体２３にメダル受けホッパー２が取付けられている。枠
体２３の図５の駆動側の走行原点部ｃの下方には、セン
サー取付板３２が取付けられ、これにバケット１と蓋体
３の両方の減速位置センサー３４、バケット１の停止位
置センサー３３及び蓋体３の停止位置センサー３５が取
付けられている。以上のセンサーは走行原点部ｃにおい
てバケット１及び蓋体３の減速及び停止位置を検出する
ものである。３８は以上のようなセンサー３４、３３に
対応して設けられた検出板であって、バケットの側面に
図８の如く設けられている。蓋体３の停止位置センサー
３５は蓋体３自体で作動される。なお、駆動部ａと従動
部ｂを取付けた枠体２３に図６に示す如くバケット１が
枠体２３を越えて駆動部ａと従動部ｂに衝突するのを防
止するオーバランリミツトスイチ３６、３７をそれぞれ
取付けてある。

【０００９】さて、常時バケット１内には、多量のメダ
ルを入れて待機する。次に補給先のメダルの要求信号に
よってバケット１はモータ１３、減速機１４を介してプ
ーリー１５で駆動されるタイミングベルト４で走行レー
ル２７と直線スライド２８の嵌合でレール２７に沿って
走行する。また、蓋体３もモータ１７、減速機１８を介
してプーリー１９で駆動されるタイミングベルト５でバ
ケット１と同速度で移動する。そして、予め設定された
複数の補給先の移動距離の中から要求信号を発信した補
給先で停止する。すなわち、予め設定された周波数で設
定された距離移動して停止する。補給先で停止後蓋体の
駆動部は設定された時間稼動して蓋体３を開き、バケッ
ト１内のメダルをメダル受けホッパー２に落とす。その
際、蓋体３の中央が高い山形形状をなしているのでメダ
ルは円滑に落下する。

【００１０】メダル落下後バケット１と蓋体３はそれぞ
れ別の駆動部１３、１４、１５及び１７、１８、１９と
タイミングベルト４、５により同時に同速度で駆動部ａ
側走行原点部ｃに戻る。バケット１の減速位置センサー
３４を検出板３８が通過した時点でバケット１と蓋体３
の両方が減速し、バケット１の停止位置センサー３３で
バケット１は停止する。蓋体３は走行原点部方向に開い
たまま走行原点部ｃにバケットと共に戻り、蓋体３の停
止位置センサー３５に達した時点で蓋体３はバケット１
より先に停止する。結果としてバケット１の蓋スライド
レール２９、３０内を蓋体３がスライドして閉じる。す
なわち、蓋体３がその停止位置センサー３５で先に停止
し、続いてバケット１がその停止位置センサー３３で停
止することにより蓋体３が閉じることになる。

【００１１】なお、バケット１と蓋体３が枠体２３を越
えて停止しない場合は、図６に示すオバーランリミット
スイチ３６、３７の検出片に触れて停止する。従動部ｂ
には張力調整装置３９を設けてある。ここで張力調整装
置３９とは従動部ｂ側のプーリー１６、２０に設けられ
た図５に示すタイミングベルト４、５のテンションを調
整する装置である。

【００１２】本案は以上のようなメダル等の被搬送物を
直線状に配置された複数箇所に必要に応じて搬送する搬
送装置のバケットの改良に関するものである。図２にお
いて、１は前記実施例のバケットに相当するもので、そ
のバケットを上面と底面とを有しない筐体とし、該筐体
内部に複数枚の仕切板４０を均等に分割する如く設け
る。仕切板４０はバケットの進行方向と直角な方向に設
けられるもので、その仕切板４０の高さは筐体内部の上
方部を除き、定量のメダルが各室に均等に入り、更に仕
切板４０の上部にメダルが少し盛り上がる程度の高さが
望ましい。なぜなら、メダルがバケットの各室１に均等
に入らず一方に片寄った場合、上方は仕切板がないため
メダルが自由に移動する。とくに、バケットの走行時の
振動で均等化が促進されるからである。なお、バケット
の仕切板は上記の実施例に限定しない。高さに高低の差
をつけるか又は各仕切板の上部を山形に形成し、その山
形の位置を交互にずれるように配設することによって、
メダルが傘状に積もって底蓋を開いても落下しないこと
のないようにできる。また、筐体底面の両側には、バケ
ット底面を閉塞する蓋３がスライドする蓋スライドレー
ル２９、３０を設ける。バケット１と蓋３の作動は前述
した実施例のものと同様に行われるが、かかる実施例に
とらわれるものでなく任意の構造で走行、開閉するもの
であればよい。すなわち、ある搬送手段で搬送されたバ
ケットの蓋を開いてバケット内のメダルを受けホッパー
２内に落し、補給ジヤバラ２ａを介してスロットマシン
やメダル貸機に補給できるものであればよい。

【００１３】さて、図１において一時保留タンク４３の
底蓋４４が閉じていることを確認後、タンク４１からメ
ダルを排出しシュート４２を介して一時保留タンク４３
にメダルを貯める。枚数を精度よくコントーロールする
場合はタンク４１の排出部に計数センサーを設ける。お
よその枚数でよい場合はタンク４１の排出部の稼動時間
をコントロールする。バケット１が空で一時保留タンク
４３の下部に位置し、蓋体３が閉じていることを確認
後、一時保留タンク４３の底蓋４４をある開閉手段で開
く。この底蓋４４を開く速さはバケット１の仕切板４０
で区切られた各室にメダルが均等に納まるように設定す
る。前述したようなある搬送手段によってバケット１が
呼び出されたメダル補給先の受けホッパー２の上部まで
搬送されて停止する。次に前述したようなある搬送手段
によってバケットの蓋体３が開く。この場合蓋体３が開
く早さはバケットの各室のメダルが一室分ずつ受けホッ
パー２に落下するように設定する。その結果メダルは受
けホッパー２の出口にブリッジすることなく更に補給ジ
ヤバラ２ａ内をも詰まることがなく、スロットマシンや
メダル貸機の補給先に落下する。図４はスロットマシン
への補給構造例を示すもので、図中４５はスロットマシ
ンを示す。なお、図１において搬送手段が図示されてな
いが図５以降に示されたような搬送手段によってバケッ
ト１は走行し、蓋体３は開閉するものである。したがっ
て、走行原点部ｃは一時保留タンク４３の下方に位置す
ることになるし搬送レール２７等によって往復動する。

【００１４】

【考案の効果】本案のものによればバケットを仕切板に
よって複数の室に分割し一室ごと受けホッパーにメダル
を落下させることによってメダルはブリッジすることな
く、スムースに補給ジヤバラを経てスロットマシンやメ
ダル貸し機のメダル補給先に補給される。したがって、
ブリッジ解消のための装置をそれぞれの受けホッパーに
設ける必要がないし、補給ジヤバラの外径を太くする必
要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】タンクから排出されたメダルをバケットに補給
する装置の概略図である。

【図２】バケットの正面図である。

【図３】同上の側面図である。

【図４】スロットマシンへの補給構造例を示す説明図で
ある。

【図５】メダル等の搬送装置の概略平面図である。

【図６】同上の正面図である。

【図７】タイミングベルトとバケット及び蓋体の取付構
造と直線スライドとを示す部分正面図である。

【図８】同上の断面図である。

【図９】バケットのベルト取付装置の詳細図である。

【符号の説明】 １ バケット ２ 受けホッパー ２ａ 補給ジヤバラ ３ 蓋体 ４０ 仕切板 ４１ タンク ４２ シュート ４３ 一時保留タンク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メダル等の被搬送物を直線状に配置され
   た複数箇所に必要に応じて搬送するバケットにおいて、
   バケットの内部に上方部を除き、バケットを複数に分割
   する仕切板を設け、その仕切板で分割された各室のメダ
   ルが一室分ずつ受けホッパーに落下するように開く蓋を
   バケットの底面に設けたことを特徴とするバケット。