JPH0746233Y2 - 浴槽エプロンの収納部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、浴槽のエプロンの構造に関し、さらに詳しく
は、入浴用具などを収納できるように凹部を有し、該凹
部に接続配管のメンテナンスなどを行えるように点検用
の開口を有するエプロンの構造に関する。

〈従来の技術〉 第３図は、一般的な浴槽ユニットの横断平面図である。

洗い場１に面して浴槽２と、ろ過装置や気泡発生装置な
どの循環装置３とが左右に配置された状態で、カウンタ
４および浴槽エプロン５が装着されている。この浴槽ユ
ニットでは、混合カラン６が取り付けられている側の浴
槽エプロン５およびカウンタ４が、洗い場１側に斜めに
張り出しており、この部分のエプロン５の一部は、浴槽
２側にくぼんで凹部７を形成している。

この凹部７の内奥部には、循環装置３と接続配管のメン
テナンスなどを行えるように点検用の開口８が、第４図
の拡大斜視図に示されるように形成されており、この開
口８を隠蔽するとともに、凹部７を入浴用具などの収納
部として使用できるように、棚板部９および蓋部10を有
する蓋体11がビス12によって取り付けられている。入浴
用具などの収納品が載置される水平な棚板部９は、排水
口13の排水に支障のない間隙をもって取り付けられてい
る。

なお、第１図において、14はドア、15は浴室の壁であ
る。

〈考案が解決しようとする課題〉 浴槽エプロン５の凹部７の断面形状、したがって、凹部
７に取り付けられる蓋体11の棚板部９の平面形状は、左
右非対称であり、したがって、上述の第３図に示される
ように、浴槽２の右側に収納部を配置した仕様に用いら
れる蓋体11を、第５図のように、浴槽２の左側に収納部
を配置した仕様に用いることはできず、したがって、右
側仕様と左側仕様との２種類の蓋体が必要となり、生産
管理がその分繁雑であるとともに、金型費などのコスト
の上昇を招くといった難点がある。

本考案は、上述の点に鑑みて為されたものであって、１
種類の蓋体で右側および左側のいずれの仕様にも対応で
きるようにすることを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 本考案では、上述の目的を達成するために、次のように
構成している。

すなわち、本考案は、洗い場に面して浴槽に取り付けら
れる浴槽エプロンには、浴室の壁面に近接して浴槽側に
くぼんだ凹部が設けられ、該凹部の内奥部に配管接続な
どの点検用の開口が形成され、蓋部および棚板部を有す
る蓋体を前記凹部に取り付けることにより、前記開口を
前記蓋部で隠蔽するとともに、該蓋部から水平方向に延
びる前記棚板部に収納品を載置可能にして前記凹部を収
納部とする浴槽エプロンの収納部構造であって、前記棚
板部は、前記蓋部の上下から互いに対向するように延び
て一対形成されており、各棚板部は、前記凹部の断面形
状に対応した同一の平面形状を有し、かつ、前記蓋部に
沿う辺の両端の内、浴室の前記壁面側の角度がほぼ直角
とされ、他方の角度が鈍角とされている。

〈作用〉 上記構成によれば、左右非対称の平面形状を有する棚板
部を、上下一対形成して蓋体を構成しているので、この
蓋体の上下を逆にして浴槽エプロンの凹部に取り付ける
ことにより、第３図および第５図にそれぞれ示される右
側仕様および左側仕様のいずれにも対応できることにな
る。

〈実施例〉 以下、図面によって本考案の実施例について、詳細に説
明する。

第１図は、本考案の一実施例の第４図に対応する斜視図
であり、従来例に対応する部分には、同一の参照符を付
す。

この実施例においても、浴槽ユニットの全体構成は、第
３図と同様であり、洗い場１に面して浴槽２と、ろ過装
置や気泡発生装置などの循環装置３とが左右に配置され
た状態で、カウンタ４および浴槽エプロン５が装着され
ている。この浴槽ユニットでは、混合カラン６が取り付
けられている側の浴槽エプロン５およびカウンタ４が、
洗い場１側に斜めに張り出しており、この部分の浴槽エ
プロン５には、浴槽２側にくぼんで凹部７が形成されて
いる。

この凹部７の内奥部には、循環装置と接続配管のメンテ
ナンスなどを行えるように点検用の開口８が、第１図に
示されるように形成されており、この開口８を隠蔽する
とともに、凹部７を入浴用具などの収納部として使用で
きるように、本考案に係る蓋体11₀がビス12によって取
り付けられている。

この実施例の蓋体11₀は、第３図および第５図にそれぞ
れ示される右側仕様および左側仕様のいずれにも対応で
きるようにするために、点検用の開口８を隠蔽する矩形
の蓋部10の上下からそれぞれ水平方向に対向して延びる
棚板部9a,9aを一対有している。

上下の各棚板部9a,9aは、浴槽エプロン５の凹部７の断
面形状に対応した同一の平面形状、すなわち、蓋部10に
沿う辺16a,16bの両端の内、浴室の壁面15側の角度θ₁が
ほぼ直角とされ、他方の角度θ₂が鈍角とされており、
かかる平面形状は、従来例の棚板部９と同様である。

このように左右非対称な平面形状を有する棚板部9a,9a
を、上下に一対形成して蓋体11₀を構成しているので、
第１図の右側仕様の場合には、第１図の状態で蓋体11₀
を浴槽エプロン５の凹部７に取り付けることにより、点
検用の開口８を隠蔽できるとともに、入浴用具などの収
納が可能となり、また、第５図に示される左側仕様の場
合には、第２図の仮想線で示されるように、蓋体11₀の
上下を逆にして浴槽エプロン５の凹部７に取り付けるこ
とにより、同様に点検用の開口８を隠蔽できるととも
に、入浴用具などの収納が可能となる。

すなわち、１種類の蓋体11₀によって右側仕様および左
側仕様のいずれにも対応できることになり、これによっ
て、２種類の蓋体を必要とする従来例に比べて、生産管
理の効率化を図れるとともに、金型費などのコストの低
減を図ることができる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によれば、左右非対称の同一の平面
形状を有する棚板部を、上下一対形成して蓋体を構成し
ているので、この蓋体の上下を逆にして浴槽エプロンの
凹部に取り付けることにより、右側仕様および左側仕様
のいずれにも対応できることになり、２種類の蓋体を必
要とする従来例に比べて、生産管理の効率化を図れると
ともに、金型費などのコストの低減を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部の斜視図、第２図は第
１図の蓋体の取り付け状態を示す斜視図、第３図は右側
仕様の浴槽ユニットの横断平面図、第４図は従来例の斜
視図、第５図は左側仕様の浴槽ユニットの横断平面図で
ある。 １……洗い場、２……浴槽、５……浴槽エプロン、７…
…凹部、８……点検用の開口、9,9a,9b……棚板部、10
……蓋部、11……蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗い場に面して浴槽に取り付けられる浴槽
   エプロンには、浴室の壁面に近接して浴槽側にくぼんだ
   凹部が設けられ、該凹部の内奥部に配管接続などの点検
   用の開口が形成され、蓋部および棚板部を有する蓋体を
   前記凹部に取り付けることにより、前記開口を前記蓋部
   で隠蔽するとともに、該蓋部から水平方向に延びる前記
   棚板部に収納品を載置可能にして前記凹部を収納部とす
   る浴槽エプロンの収納部構造であって、 前記棚板部は、前記蓋部の上下から互いに対向するよう
   に延びて一対形成されており、各棚板部は、前記凹部の
   断面形状に対応した同一の平面形状を有し、かつ、前記
   蓋部に沿う辺の両端の内、浴室の前記壁面側の角度がほ
   ぼ直角とされ、他方の角度が鈍角とされることを特徴と
   する浴槽エプロンの収納部構造。