JPH0745922B2 - ガス化燃焼方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は石炭や石油コークス、あるいは産業廃棄物、家
庭のゴミなどの固形物を燃料として燃焼させる方法に関
するものである。

〔従来の技術〕 回転火格子等を使用して石炭等の固形燃料をガス化する
固定床式ガス化装置（西独ルルギ社，添付資料に示す米
国モルガンタウン・エネ研等を含め）は、戦前から開発
され実用化に致つている。このガス化装置を第５図によ
つて説明する。

中塊状の石炭05は、ガス化炉01内において、空気比＝0.
3〜0.4程度の空気04不足の条件で部分ガス化燃焼され、
発生した原ガス06中の未燃分・飛散灰等は、サイクロン
02で除去され清浄化される。清浄化した燃料ガス07は、
空気比＝1.1〜1.3程度の空気08過剰の条件で主燃焼炉03
のバーナ09で完全燃焼される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

（１）原ガス06を清浄化するサイクロン02の大きさは、
ガス化炉01本体程度の大きさであるため、狭い敷地には
設置できない。

（２）サイクロン02及びサイクロン02前後の煙道からの
熱放出も少なくないので、原ガス06が冷却されタール分
の析出付着が生じる。

（３）石炭等の固形燃料05のＮ分含有量が多い時には、
NOx発生量が多くなるので、バーナ09を低NOxバーナにす
る必要がある。しかし低NOxバーナは長炎なので小形の
燃焼室03には使用できない。

（４）ガス化炉01に供給される空気の温度が低いと、固
形燃料05のガス化が促進されず、未燃分が多く発生す
る。。

〔発明の目的〕

本発明は上記従来法の不具合を解消しうるガス化燃焼方
法を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、 ガス化炉内に空気比0.3〜0.4となるような量の一次空気
を導入し、固形燃料と一次空気とを反応させて上記固形
燃料を部分ガス化燃焼させ、ここで発生した600〜800℃
のガスを上記ガス化炉と主燃焼炉とを連通する煙道内に
おいて空気比0.5〜0.7となる量の二次空気を供給して低
NOx燃焼させ、さらに主燃焼炉において空気比1.1〜1.2
の量の三次空気を供給して完全燃焼させることを特徴と
するガス化燃焼方法 である。

〔作用〕

本発明の方法によれば、ガス化炉で発生したガスは、煙
道内においても、いわゆる空気不足の状態で低NOx燃焼
が行われ、煙道内に飛散して来た未燃固形分も燃焼し、
更に煙道内での燃焼によりガス温度が上昇しタール分の
折出もない。

〔実施例〕

以下、本発明の方法を、第１図に示す燃焼装置により説
明する。

１は氷冷壁又は耐火壁からなる公知の固定床式ガス化炉
で、内部に公知の回転火格子２を有する。固形燃料９は
供給ライン６により回転火格子２上に供給され、灰分10
は回転火格子２の下方に堆積し、ライン８から排出され
る。ガス化炉１と後述する主燃焼炉５とを連通する煙道
３は耐火材で充分保温してあり、煙道３の入口付近にダ
クト燃焼器13が設けられている。煙道３の出口は主燃焼
炉５のガスバーナ４に接続している。

一次空気７は回転火格子２を介してガス化炉１に供給さ
れる。また二次空気12はダクト燃焼器13を介して煙道３
内に供給され、三次空気15はガスバーナ４を介して主燃
焼炉に供給される。

３〜30mm程度の塊状石炭を固形燃料の一例として使用す
る時には、回転火格子２上の固形燃料９が回転火格子２
を通過して供給される空気比が0.3〜0.4程度の一次空気
７で部分ガス化燃焼し、燃焼灰10の90％〜95％は炉底か
らライン８を通り排出される。

部分ガス化燃焼で発生した原ガス11は発熱量が1000〜20
00kcal/Nm³程度、温度が600〜800℃程度であり未燃分や
若干の灰を含んでいる。

煙道３を耐火材で保温し、空気比が0.5〜0.7程度の二次
空気12で原ガス11を燃焼すると、煙道３内は約1000℃以
上の高温還元雰囲気となり、燃焼用ガス14はガス温度、
滞留時間に応じ50〜85％程度NOxが減少する。通常、ガ
ス温度が高く、滞留時間が長い程、NOx量が減少する。
又同時に原ガス11中の未燃分も燃焼するので煤塵量を減
少する。従つてサイクロンを使用しなくても、実用上耐
える程度の煤塵量の燃焼ガス14となる。

なお、原ガス11は600℃以下でタール分を析出するが、
本発明方法では原ガス11の温度低下はないのでタール分
は析出しない。

燃焼ガス14は通常のガスバーナ４を使用し、空気比が1.
1〜1.2程度の三次空気15で主燃焼炉５中で完全燃焼され
る。

従来の方法では、原ガスの温度がサイクロン等を通る間
に下がつてしまい、温度の低いガスを主燃焼炉で燃焼さ
せることになつて長炎化していたのに対し、本発明方法
では高温の燃焼ガス14を主燃焼炉５で燃焼させるので短
炎化が図れる。

次に、本発明の方法をさらに効果的に実施するための装
置を、第２図ないし第４図に示す一実施例に基づき説明
する。第２図は実施例の装置全体の概略図、第３図は同
装置のガス化炉、第４図は同装置の煙道の構成を夫々示
したものである。以下、該装置の説明は、第１図のもの
と異なる点についてのみ説明する。

第３図に示すように、ガス化炉１を構成する壁は２重構
造になつており、内側に耐火材1Aが貼られており、外側
に一次空気７の通路1Bが形成されている。一次空気７は
入口1Cより通路1B内に入り、100〜300℃に予熱された
後、出口1Dから火格子２を介してガス化炉１内に供給さ
れる。

同様に第４図に示すように、煙道３を構成する壁も２重
構造になつており、内側に耐火材3A、外側に通路3Bが形
成される。この第４図ではダクト燃焼器13の一例も示さ
れているが、円環状の保炎板13Aと上記通路3Bと連通し
た空気ノズル13Bを具備するものである。二次空気12は
煙道３の出口寄りの入口3Cから通路3B内に入り、100〜2
00℃に予熱された後、空気ノズル13Bを通り煙道３内に
供給される。

この装置でも、本発明の方法が実施されガス化燃焼が行
われる。しかし、この実施例の装置では、第１図に関し
て説明した装置で得られる効果に加えて、次のような効
果も得ることができる。

固形燃料９のガス化に供される一次空気７の温度が高い
ので、ガス化の促進が行われ未燃分の量を減少させるこ
とができる。

また、煙道３内の燃焼には予熱された二次空気を用いる
ので、燃焼温度も上昇し、煙道３内により好ましい高温
還元雰囲気を形成することができる。

更に、煙道からの熱損失を防止するためには、断熱用に
耐火材を厚く貼らなければならないが、二次空気の予熱
にその熱を利用するので、耐火材の厚さは薄くて済み煙
道も軽くなる。

なお、上記実施例では、ガス化炉１に形成した通路1Bで
予熱した一次空気７をガス化炉１に全て供給するように
したが、これの一部を煙道３へ二次空気として供給する
ようにしても良い。これにより二次空気の温度が上昇す
れば煙道３内での燃焼温度も上昇し、低NOx燃焼の効果
も更に向上する。

〔発明の効果〕

本発明の方法によれば、固形燃料の低NOx燃焼が可能と
なり、産業上極て有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を説明するためのガス化装置の概
略図、第２図ないし第４図は本発明の方法の実施に好適
な装置の例であつて、第２図は装置全体の概略図、第３
図は同装置のガス化炉、第４図は同装置の煙道の構成を
示す図、第５図は従来のこの種装置の概略図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガス化炉内に空気比0.3〜0.4となるような
   量の一次空気を導入し、固形燃料と一次空気とを反応さ
   せて上記固形燃料を部分ガス化燃焼させ、ここで発生し
   た600〜800℃のガスを上記ガス化炉と主燃焼炉とを連通
   する煙道内において空気比0.5〜0.7となる量の二次空気
   を供給して低NOx燃焼させ、さらに主燃焼炉において空
   気比1.1〜1.2の量の三次空気を供給して完全燃焼させる
   ことを特徴とするガス化燃焼方法。