JPH0745196Y2 - 千切大根散布装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】千切大根の生産工程に於ける干し
掛け作業の自動化に用いる散布装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】千切大根を干し棚上に広げ、切り干し大
根を作成する工程に於いて、それら千切大根を干し棚上
に自動的に散布する装置には、実公平２−４６７１３や
実公平４−３７４３７などがある。これらの装置を軽ト
ラック上に乗せ、１．５ｍ幅程度に並べられた干し棚の
前面を運行して散布すると、一応所期の目的を達成でき
るが、その散布範囲が５０cm程度と狭く、干し棚前面を
繰り返し運行させて散布する必要があった。また、この
繰り返し行う散布によって、前に散布した千切大根片と
次に散布した千切大根片が重なり、或いは離れ過ぎるな
どして乾燥にムラを生じ、品質低下を招き易い結果を生
じていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】干し棚前面を１回の走
行によって、干し棚上に均一に散布できる散布装置を提
供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】千切大根を切削する切削
刃の設置位置に対応して設けた受け羽根について、その
受け羽根毎に形状を変えて千切大根を分別収容し、受け
羽根毎に放出位置をずらして放出できるようになし、広
範囲に散布出来るようにして解決した。その内容を実施
例に基づいて詳述すると次の如くである。

【０００５】

【実施例】図１は本考案に係る千切大根散布装置の一例
で、(Ａ)図は(Ｂ)図のＡ−Ａ断面で示す正面図、(Ｂ)図
は右側面図、図２は図１のＢ−Ｂ断面図である。図に於
いて、千切大根散布装置は、回転円板１の裏面側に複数
枚の切削刃２・２'・２"が取着してあり、回転円板の前面
側には、断面形状の異なるＶ字状の受け羽根３・３'・３"
が各切削刃間に装着してある。図３はそれら受け羽根を
図１の(Ａ)図のＣ−Ｃ、Ｅ−Ｅ、Ｄ−Ｄ断面で示す拡大
断面図で、(Ｃ)図は３の受け羽根、(Ｄ)図は３' の受け
羽根、(Ｅ)図は３" の受け羽根の形状を表してある。４
は、カバー５に穿設した放出口、６・６'・６"は放出端
で、カバー５はパネル７に固定してある。

【０００６】

【作用】切削された千切大根片は、図２の大根片８' に
見られる如く、回転円板の回転に基づく遠心力によっ
て、Ｖ字状の受け羽根の円周方向のコーナー部分に集ま
る。このコーナー部分に集まった千切大根片８・８'・８"
が放出端６・６'・６"に達すると、それらの千切大根片
は、図１(Ａ)中の矢印で示すＭ・Ｍ'・Ｍ"方向に放出され
る。図１の(Ａ)図は、受け羽根３" が放出端６" に達し
た時の状態で示してあり、切削された千切大根片がＭ"
方向に飛散して行くことを表してある。

【０００７】

【考案の効果】図に示す構造の散布装置を試作して軽ト
ラックに乗せ、１．５ｍ幅に見立てた干し棚の前面を通
行させて、散布効果を調べた。その結果、所期の散布成
果を得る事が出来、次の効果を確認する事が出来た。 干し棚の前面を１回の運行で均一に散布でき、散布作
業の一層の効率化を図る事が出来る。 千切大根の干し掛け作業は、天候との関係によって大
きく左右される。その天候との関係に於いて、僅かに得
られた好条件下で短時間に処理できるので、製品の一層
の品質向上が期待される。 厳寒期に手作業で行う干し掛け作業に比べ、作業能率
の向上はもとよりであるが、暖かい車内での運行と、散
布装置への大根の投入だけで作業を済ませる事が出来、
作業農夫の健康管理とその向上を図る事が出来る。 農作業の一端を機械化する事が出来、若者の農業離れ
の防止に寄与できるものと期待されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る千切大根散布装置の一例で、(Ａ)
図は(Ｂ)図のＡ−Ａ断面で示す正面図、(Ｂ)図は右側面
図である。

【図２】図１の(Ａ)図のＢ−Ｂ断面図である。

【図３】図１の(Ａ)図のＣ−Ｃ、Ｄ−Ｄ、Ｅ−Ｅ、断面
図である。

【符号の説明】

１ 回転円板 ２・２'・２" 切削刃 ３・３'・３" 受け羽根 ４ 放出口 ５ カバー ６・６'・６" 放出端 ７ パネル ８・８'・８" 千切大根片 Ｍ・Ｍ'・Ｍ" 千切大根の飛散方向

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 裏面に複数の切削刃を取着した回転円板
   の前面に、断面Ｖ字状の異なる形状をした複数の受け羽
   根を装着させ、該受け羽根毎に放出方向を設定した放出
   端を有する放出口を設けたカバーで覆ってなる千切大根
   散布装置。