JPH0745131B2 - 樹脂混合物の定形体を製造する方法 - Google Patents

樹脂混合物の定形体を製造する方法

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JPH0745131B2
JPH0745131B2 JP2180153A JP18015390A JPH0745131B2 JP H0745131 B2 JPH0745131 B2 JP H0745131B2 JP 2180153 A JP2180153 A JP 2180153A JP 18015390 A JP18015390 A JP 18015390A JP H0745131 B2 JPH0745131 B2 JP H0745131B2
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靖和 稲森
武司 小林
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株式会社イナックス
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、浴槽等の成形素材である不飽和ポリエステル
樹脂,ガラス繊維等よりなる樹脂混合物の定形体を製造
する技術に関する。
ここで言う定形体とは、例えば、バルク状,シート状を
問わず、所定の形状及び体積をもった単位体をいう。
〔従来の技術〕
一般に、浴槽,防水パン等は、FRPで成形さされている
ものが、多数販売されている。これらの製品の成形法と
して、BMC成形法やSMC成形法等が用いられている。その
一例をあげれば、次の成形方法がある。まず、不飽和ポ
リエステル樹脂,ガラス繊維等の未硬化の樹脂混合物を
定形体に形成する。つぎに、未硬化の樹脂混合物の定形
体を予備硬化させる。つぎに、予備硬化された定形体を
上型及び下型等によりなる成形型のキャビティ内に充填
する。そして、加圧及び加熱して浴槽等の製品を成形す
る。
その未硬化の樹脂混合物の定形体を製造するには、第9
図に示す方法が用いられている。
まず、コンベヤー1にポリプロピレン1のフィルム2を
供給する。そのフィルム2上に、樹脂混合物3を供給す
る。その樹脂混合物3上にフィルム4を供給する。そし
て、ピストンロッド5aの先端に設けられたロール6をシ
リンダー5により所定間隔ごとに突出させて、フィルム
2,4の対向面側を線状又は帯状に接合して、樹脂混合物
3を区画する。最後に、切断装置7によりその区画した
箇所を切り離して、定形体8を製造をしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の製造方法では、同図に示す如く、定形体8の搬送
方向における先端側の端部9が盛り上がった状態にな
る。これは、次の理由によるものである。樹脂混合物3
はコンベヤー1に搬送されてくるのに対して、ロール6
は、樹脂混合物3の搬送方向に対して静止した状態にあ
る。従って、シリンダー5によりロール6を突出させて
樹脂混合物3を区画すれば、ロール6に対して先端側の
端部9側の樹脂混合物3は、ロール6により堰き止めら
れるようになり樹脂混合物3が溜まるからである。一方
ロール6に対して後端側の端部10は、ロール6を通過し
た後なので溜まることがない。
また、定形体8を平面視すると、第10図に示す如く、略
台形状になる。これは、次の理由によるものである。ロ
ール6で樹脂混合物3を区画する際に、ロール6が樹脂
混合物3を堰き止めるようになり、その堰き止められた
一部の樹脂混合物3が搬送方向の両側に広がろうとす
る。しかも、上下のフィルム4,2の両端側4a,2aはシール
されてなく解放状態にあるので、樹脂混合物3はそのま
ま両側に広がってしまう。その後、ロール6が定形体8
の厚み分だけ退入して、樹脂混合物3をならす工程に入
る。該ならし工程の初期においては、堰き止められた多
量の樹脂混合物3が余分に存在するので、その広がり幅
は大きい。また、ならし工程の終期にあっては、樹脂混
合物の量が少なくなり、その広がり幅は次第に減少す
る。そのため、定形体8の平面視形状が台形状となるも
のである。
このような端部9が盛り上がったり,平面視すると台形
状である等の歪な定形体8であれば、予備硬化する場合
に、均一な予備硬化ができない。また、形状が歪である
ために、予備硬化する収納室での納まりが悪く、一度に
多数の定形体を収納することができず、硬化工程の能率
を低下させる。更にまた、形状が歪であり且つ均一な予
備硬化がなされていない定形体を成形型のキャビティ内
に充填して加圧及び加熱して製品を製造すれば、キャビ
ティ内における樹脂混合物の流動性が悪く、品質の低い
製品を成形することになる。従って、製品の歩留まりを
低下させることになる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、前記従来の課題に鑑みて創案されたものであ
る。
而して、本発明が採用した手段は、樹脂混合物の上下面
にフィルムを配設し、該上下のフィルムの搬送方向の少
なくとも一端側を溶着シールして樹脂混合物入りチュー
ブを形成し、この状態で、外周面上に径方向へ突出し且
つ軸方向へ樹脂混合物の幅以上の連続した押圧体が設け
られたロールの外周面を前記樹脂混合物入りチューブに
接触させた状態でロールを回転させ、該ロールの外周面
で樹脂混合物を所定厚みに形成すると共に、ロールの回
転に伴う前記押圧体によりチューブの内周面側を線状又
は帯状に接合し、該接合箇所を切断するところにある。
〔作用〕
本発明に係る製造方法によれば、樹脂混合物をフィルム
で被覆して樹脂混合物入りチューブを形成した後、押圧
体により樹脂混合物を所定間隔ごとに区画する。従っ
て、押圧体により区画する際には、樹脂混合物はチュー
ブ状フィルムに充填された状態にあり、樹脂混合物の広
がる領域はチューブ内部に限定されることになる。ま
た、ローラーはその外周面を樹脂混合物入りチューブに
接触した状態で回転し、その回転に伴う押圧体によりチ
ューブの内周面を線状又は帯状に接合することにより、
樹脂混合物を区画する。従って、樹脂混合物入りチュー
ブは常にロールの外周面に接触した状態で区画されるこ
とになり、端部が盛り上がることもない。
〔実施例〕
以下に、図面を用いて実施例の説明をする。第1図乃至
第3図(a)乃至(c)は、第1実施例を示すものであ
る。まず、コンベヤー11にポリプロピレン等のフィルム
12を供給する。該フィルム12上に樹脂混合物13を供給す
る。該樹脂混合物13上にポリプロピレンのフィルム14を
供給する。つぎに、インパルスシール等のシール手段15
により、上下のフィルム14,12の両端側14a,12aを溶着シ
ールしてシール部19を形成して、樹脂混合物入りチュー
ブ20を形成する。つぎに、厚みロール16により樹脂混合
物入りチューブ20の厚みをある程度ならし、且つチュー
ブ状フィルム20aの両側のシール部19の方まで樹脂混合
物13を展延させる。つぎに、コンベヤー11の搬送速度に
同調回転するロール17により、樹脂混合物入りチューブ
20を所定間隔及び所定厚みに区画する工程に入る。この
区画工程を第3図を用いて説明する。同図(a)に示す
状態は、押圧体17aによりチューブ状フィルム20aの内周
面側を線状又は帯状に接合して樹脂混合物13を区画して
いる状態である。この接合は、樹脂混合物の保形性が低
い場合には、該接合部分を同時にシールするようにすれ
ばよい。この状態から、同図(b)及び(c)に示す如
く、ロール17は回転し、その外周面17bを樹脂混合物入
りチューブ20の表面に接触した状態で回転する。そし
て、ロール17が一回転するごとに、押圧体17aにより、
樹脂混合物13が所定間隔で区画されることになる。ま
た、ロール17には、凹部17cが設けられているので、樹
脂混合物13の搬送方向における先端側の端部を整った形
状にすることができる。最後に、その区画された箇所で
ある,チューブ状フィルム20aが線状又は帯状に接合さ
れている位置で、樹脂混合物入りチューブ20を切断装置
18により切り離して、樹脂混合物の定形体21を形成す
る。
この実施例の場合は、チューブ状フィルム20aのなかに
樹脂混合物13が充填されている状態で、樹脂混合物13が
ロール17により区画されるので、樹脂混合物13は、チュ
ーブ状フィルム20aのシール部19より広がることは決し
てない。また、ロール17の外周面17aは、常に樹脂混合
物入りチューブ20の表面に接触している状態で且つ押圧
体17aが回転しながら、樹脂混合物13が区画されること
になるので、樹脂混合物13を堰き止めることはなく、定
形体21の端部21aが盛りがるようなことはない。従っ
て、製造される定形体21は、第1図及び第2図に示す如
く、形の整った定形体21が製造される。
つぎに、第4図及び第5図を用いて樹脂混合物入りチュ
ーブの形成方法の実施例を説明する。
第4図に示す方法は、コンベヤー(図示せず)に幅広の
フィルム31を供給する。そのフィルム31の中央部31aに
樹脂混合物32を供給する。つぎに、フィルム31の両脇部
31bを二点鎖線の状態から実線で示す如く包み込んで、
フィルム31の両側縁部31cをシール手段33によりシール
する。
第5図に示す方法は、幅広のフィルム41の片側41aに樹
脂混合物42を供給する。つぎに、供給されていない片側
41bを樹脂混合物42に被せ、フィルム41の両側縁部41cを
シール手段43によりシールする。
第4図及び第5図に示す何れの方法も、シール手段は一
箇所設ければよいので、定形体の製造装置の小型化を図
ることができる。
つぎに、第6図及び第7図を用いて、他のロールの実施
例を説明する。
ロール51は、ロール本体52と突出長さの異なる押圧体53
及び54からなる。ロール本体52には、押圧体53及び54を
取り付けるための着脱凹部52aが設けられている。この
着脱凹部52aに突出長さの異なる押圧体53や54を取り付
けることにより、同図に示す如く、厚さや寸法の異なる
樹脂混合物55や56が形成される。
この実施例の場合、浴槽等の製品の形状,寸法等により
必要とされる樹脂混合物の定形体を製造することができ
る。
つぎに、第8図を用いて更に他のロールの実施例を説明
する。
ロール61は、ロール本体62と押圧体63とロール本体62に
被覆されている防滑部材64からなる。防滑部材64は、軟
質ゴム材料等からなり、樹脂混合物入りチューブ(図示
せず)の表面に接触させる際に、チューブ状フィルムの
表面を滑らないようにするためのものである。
このロール61を用いて、樹脂混合物入りチューブを区画
する場合には、樹脂混合物入りチューブに接触させてお
くだけで、ロール61が回転して樹脂混合物を区画するこ
とができる。従って、ロール61の駆動源となるモーター
等を必要としない。
本発明に係る製造方法は、前述の実施例に限定されるも
のではない。例えば、実施例では、比較的厚みのある定
形体を示しているが、SMC成形法に用いられるシール状
の定形体を製造する場合に用いることもできる。また、
フィルムもポリプロピレンに限らず、ポリエチレンを用
いることも可能である。さらに、押圧体により、チュー
ブ状フィルムの内周面を線状又は帯状に接合する際に、
樹脂混合物の保形性が低い場合には、適宜シール手段で
シールすればよい。以上詳述の如く、本発明は実施の態
様に応じて適宜変更可能である。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によれば、樹脂混合物入りチューブを
形成してから、ロールにより樹脂混合物が区画されるこ
とになる。従って、樹脂混合物は、従来のように両側に
広がることはない。また、ロールは常に樹脂混合物入り
チューブに接触した状態で樹脂混合物を区画する。従っ
て、定形体の端部が盛り上がることもない。つまり、形
状の整った定形体が製造されることになる。
このような形状の整った定形体であれば、定形体を予備
硬化する収納室の納まり状態もよく、硬化工程の能率化
を図ることができる。また、形状が整っているので、均
一な予備硬化をすることができる。さらに、形状が整っ
ており且つ均一な予備硬化状態にある定形体を用いて、
浴槽等の製品を製造すれば、良好な品質の製品を製造す
ることができる。従って、製品の歩留まりを向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図は、何れも本発明に係るものである。
第1図乃至第3図は、第1実施例を示すものである。第
1図は、定形体の製造方法を示す概略的な装置の側面図
である。第2図は、第1図により製造される定形体の平
面図である。第3図(a)乃至(c)は、ロールで樹脂
混合物を区画する状態を示す側面図である。第4図及び
第5図は、樹脂混合物入りチューブの形成方法の実施例
であり、何れも搬送方向に対する縦断面図である。第6
図乃至第8図は、ロールの実施例を示すものである。第
6図及び第7図は、ロールの側断面図である。第8図
は、更に別のロールの実施例を示すものであり、ロール
の側断面図である。 第9図及び第10図は、従来技術を示すものである。第9
図は、定形体の製造方法を示す概略的な装置の側面図で
ある。第10図は、第9図の製造装置により製造される定
形体の平面図である。 11……コンベヤー、12,14,31,41……フィルム 13,32,42,55,56……樹脂混合物 15,33,43……シール手段 17,51,61……ロール、18……切断装置 17a,53,54,63……押圧体、19……シール部 20……樹脂混合物入りチューブ 20a……チューブ状フィルム 21……定形体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂混合物の上下面にフィルムを配設し、
    該上下のフィルムの搬送方向の少なくとも一端側を溶着
    シールして樹脂混合物入りチューブを形成し、この状態
    で、外周面上に径方向へ突出し且つ軸方向へ樹脂混合物
    の幅以上の連続した押圧体が設けられたロールの外周面
    を前記樹脂混合物入りチューブに接触させた状態でロー
    ルを回転させ、該ロールの外周面で樹脂混合物を所定厚
    みに形成すると共に、ロールの回転に伴う前記押圧体に
    よりチューブの内周面側を線状又は帯状に接合し、該接
    合箇所を切断することを特徴とする樹脂混合物の定形体
    を製造する方法。
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