JPH074420B2 - 人工血管用基材の製造方法 - Google Patents

人工血管用基材の製造方法

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JPH074420B2
JPH074420B2 JP61052353A JP5235386A JPH074420B2 JP H074420 B2 JPH074420 B2 JP H074420B2 JP 61052353 A JP61052353 A JP 61052353A JP 5235386 A JP5235386 A JP 5235386A JP H074420 B2 JPH074420 B2 JP H074420B2
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blood vessel
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tubular
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正夫 岡田
和彦 阪井
治男 木村
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Ube-Nitto Kasei Co Ltd
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JMS Co Ltd
Ube-Nitto Kasei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、人工血管用基材の製造方法に関し、とりわけ
小口径の人工血管用基材に適したポリウレタン系の人工
血管用基材の製造方法に関する。
《従来技術その問題点》 人工血管用基材としては、ダクロンなどの繊維を管状に
編組したものや、テフロン系、例えばゴアテックスの多
孔性物質によるものが公知である。この種の基材を人工
血管として生体中に使用するときには、中空管状の基材
の内壁に予め血栓を形成し、その内面上に偽内膜を形成
させて、その内側を血液が流れるような態様で使用され
ており、この点から管径を小さくすると、血栓そのもの
で、人工血管用基材を閉塞に到らしめる惧れがある。
このため、従来より汎用されているこれらの人工血管用
基材は、内径5mm程度以下の微小口径の血管の代替とし
ては適さないとされている。
一方、人工血管用基材の内壁に親水性のポリマーなどを
グラフトすることによって内壁への血栓の生成を防止す
る方法が提案されており、この方法によれば小口径の人
工血管も可能となるが、基材自体には当然ながら、生体
適合性、屈曲に対する耐性、可撓性、吻合適合性などが
要求され、これらの性能が満足される基材は未だ開発さ
れていない。
特に、人工血管用基材は湾曲させて使用されることが多
いので、ある程度曲げた状態で基材が閉塞されることが
ない性質、すなわち耐屈曲性を有することが必要とな
る。
管の肉厚を増すことによってこの性質は改善されるが、
単純に肉厚を増しただけでは断面積が大きくなりすぎて
血圧の変化による管径の変化が宿主血管のそれとの差が
大きくなり、宿主血管にストレスを与え、動脈瘤や吻合
部の開裂などの結果を引き起すおそれがある。このため
には実質断面積を増加することなく見掛け断面積を大き
くする多孔質化が有効な手段となる。
多孔質化により良好な耐屈曲性を発現させるには、管の
外層から内層迄気孔が連なった連続気孔が望ましく、発
泡剤を添加した独立性気泡構造は好ましくない。
また、人工血管用基材として血液をよどむことなく流通
させ、且つその漏洩を防ぐためには、内面に極く薄い平
滑膜を形成することが望ましい。
ところで、生体適合性に優れたエラストマー材料として
ポリエーテル−ポリウレタンによる人工血管用基材が特
開昭57−150954号公報に開示されている。この公報に示
されている人工血管用基材の製造方法は、塩粒子を含ま
ないスラリーと含むスラリーをマンドレル(心棒)上に
ディッピング、コーティング、ドクタリングなどによっ
て複数のゾーンを形成し、しかる後このマンドレル上の
コーティングを乾燥して溶媒を除去し、次いで水浴中で
塩または炭酸水素ナトリウム粒子を除去して多孔質の管
状物を得る方法である。
しかし、この方法では、スラリー状のものをマンドレル
上にコーティングするため、ゾーン毎に均一の厚さにす
るには、薄いコーティングを複数回に分けて行なうこと
になるので、周方向,軸方向の双方に均一にコーティン
グすることが難しく、かなりの工数を必要とし、生産
性、均一性の点で問題がある。
一方、単に多孔性のエラストマーによる管状材を得るに
は、特開昭59−225053号に示されているごとく、弾性体
ポリマーを溶媒に溶解し、さらに貧溶媒を添加して、こ
れをノズルから管状に押出し水などの凝固液によって内
外層から同時に凝固させる方法があるが、この場合は気
孔は微細となり、また液面に直接する側には、スキン層
と呼ばれる非常に微細な孔径を持った層が生じ、内部に
いくに従って孔径が大きくなることや、耐屈曲性の点で
問題がある。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであって、
エラストマーによって平滑な内層と連続気孔を有する外
層とからなる人工血管用基材の新規な製造方法を提供す
ることを目的とする。
《発明の構成》 上記の目的を達成するための本発明の構成は、エラスト
マー材料を溶媒に溶解して、これに無機塩類を添加混合
し粘度を適宜調整した後、これを押出機に供給して所定
形状のダイより環状に押出した後所定長に切断する管状
物の製造工程と; この後に前記管状物の溶媒を除去して乾燥固化した後、
その内面にエラストマー材料の溶液を層状にコーティン
グした後に溶媒を除去して平滑な表面を有する内層の形
成工程と; さらにこの後に酸で前記無機塩類を溶出して前記管状物
に連続気孔を有する外層を形成する気孔形成工程とから
なることを特徴とする。
本発明の管状物製造工程と内層の成形工程で使用される
エラストマー材料としては、ポリウレタン、ポリウレタ
ンウレアあるいはこれらとシリコーンポリマーとのブレ
ンド物、シリコーンポリマーなどがあげられ、ポリウレ
タンあるいはポリウレタンウレアは生体内での耐久性の
面からポリエーテル型のものが、さらに好ましくはポリ
エーテルセグメント化ポリウレタンあるいはポリエーテ
ルセグメント化ポリウレタンウレアなどが挙げられる。
また、本発明に使用できる溶媒は、エラストマー材料が
ポリエーテルセグメント化ポリウレタンもしくはポリエ
ーテルセグメント化ポリウレタンウレアに対しては、テ
トラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどが挙げら
れる。
添加混合される無機塩類としては、炭酸カルシウム、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウ
ムなどがあげられ、事後において塩酸、硫酸、硝酸など
の酸や水によって溶出可能なものであればよく、添加量
は連続気孔を形成させる点からエラストマー100重量部
に対して500重量部以上が望ましい。
本発明に用いる押出機は、最終製品の形状に相応した環
状のダイを有するスクリュー式の押出機、あるいはラム
式押出機などが好適であり、これらの押出機による押出
成形に適した粘度となるように供給する材料の粘度を、
溶媒を揮発させるなどの方法で調整する。また内層の形
成工程は、エラストマー溶液の管状物の内部へコーティ
ングすることにより行なうが、内管部が内径5mm程度以
下であり、溶媒も比較的粘稠であるような時は、管状物
の下端を溶液に浸し上端を吸引して溶液を下から上に吸
上げる方式や、ある程度の液圧で管状物中に溶液を満た
す方法などが、均一な塗膜を作る上から好ましい。
《実施例》 以下に本発明の好適な実施例について説明する。
まず、ポリエーテルセグメント化ポリウレタン100重量
部をテトラヒドロフラン600重量部に溶解し、粘稠なポ
リマー溶液を得る。次にこれに平均粒径1.7μの軽質炭
酸カルシウム450重量部と、平均粒径2μの酸化マグネ
シウム90重量部とを加えて混練し、テトラヒドロフラン
の一部を揮散させて、後述する測定法による流出量が1.
25g/10分程度の粘度のペースト状物となし、これをスク
リュー式の押出機1に供給して内径3mm、外径4mmの環状
のダイ2より押出して、これを引取機3により引取りつ
つ、約50〜60cmの長さに切断した管状物Aを製造する。
そして管状物Aを、第2図に示すように水槽4に浸漬し
て脱溶媒して固化し、さらにこれを充分乾燥させた。
第3図は管状物Aの内面に内層7を形成する工程を示し
ており、この工程では管状物A両端を切除した後、ポリ
エーテルセグメント化ポリウレタンをテトラヒドロフラ
ンに溶解した濃度5%の溶液5を収納した槽6中に、一
端を浸漬して立設状態に保持した後、他端を吸引するこ
とによって、下方から溶液5を上昇させる操作を3回繰
返して、厚みが約50μの内層7を形成した。
しかる後、この管状物Aの一端を水流アスピレータに約
5分間接続して内層7を乾燥した。次いでこの管状物A
を外周を密閉して塩酸を満たした容器に浸漬し、減圧下
で無機塩(炭酸カルシウム及び酸化マグネシウム)と塩
酸との反応による水素の発生が見られなくなる迄処理し
無機塩を溶出させた。この後希塩酸で数回すすぎ、さら
に水洗して塩酸や無機物を洗滌除去した後、その多孔質
形状を保つために真空凍結乾燥法によって真空度2mmHg
以下で12時間乾燥した。
このようにして得た多孔質状の人工血管用基材は内径約
3mm、外径約3.8mmで内径側には厚み約50μの実質的に無
孔の内層7と、平均孔径が6〜10μで気孔率が80%の外
層8とから構成されていた。
なお、押出機1に投入する前のペースト状原料の粘度
は、比較的粘度が高く、回転式粘度計などによっては測
定が困難であるので通常プラスチックの溶融指数の測定
に使用されるメルト・インディクサーを用い、常温下で
測定した。シリンダー径9.55mm、オリフィス径2.096m
m、オリフィス長さ8.00mmのものを用い、荷重2160g、85
50gで測定した場合、感覚的に(イ)やわらかい(ロ)
少しやわらかい(ハ)硬いの3通りの粘度の異なるサン
プルについて第1表の結果が得られた。
この結果よりダイ2より押出して管状物Aを得るには、
2160gの荷重で2.0g/10分程度から8850g荷重で2.0g/10分
程度が望ましい。
上記の実施例で得られた人工血管用基材の耐屈曲性は、
折り曲げによって管の内部が閉塞する曲げ直径が40mmで
実用上要求される値を満足するものであった。
《発明の作用,効果》 以上詳細に説明したように本発明による多孔質人工血管
用基材の製造方法は、エラストマー材料に溶媒および所
定量の無機粒子を添加してこれを押出成形する方法によ
るので、内径,外径の精度が良好なものが得られ、これ
に所要の厚みの平滑層を形成させるごとくエラストマー
溶液をコーティングさせるので、比較的容易に血液の漏
洩を防ぐ作用をなす内層が形成でき、しかる後無機粒子
を酸により溶出して外層の多孔質層を形成するので、気
孔は外層から内層側へ連続したものとなり、この人工血
管用基材を折り曲げても、圧縮側あるいは引張側への応
力が気孔部で分散するためか閉塞が起こりにくくなって
耐屈曲性の向上した基材が得られる。
また、押出成形にあたっては、特に熱を使用しないの
で、エラストマー基材の変質もなく、また、押出装置の
費用あるいはエネルギーコストの削減もできる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図は本発明による人工血管用基材の製造
工程の一例を順に示す概略図、第4図は同製造方法によ
って得られた基材の部分断面模式図である。 1……押出機、2……ダイ 3……引取機、4……水槽 7……内層、8……外層 A……管状物

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エラストマー材料を溶媒に溶解して、これ
    に無機塩類を添加混合し粘度を適宜調整した後、これを
    押出機に供給して所定形状のダイより環状に押出した後
    所定長に切断する管状物の製造工程と; この後に前記管状物の溶媒を除去して乾燥固化した後、
    その内面にエラストマー材料の溶液を層状にコーティン
    グした後に溶媒を除去して平滑な表面を有する内層の形
    成工程と; さらにこの後に酸で前記無機塩類を溶出して前記管状物
    に連続気孔を有する外層を形成する気孔形成工程とから
    なることを特徴とする人工血管用基材の製造方法。
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JP2005080927A (ja) * 2003-09-09 2005-03-31 Jms Co Ltd 医療用多孔質体の製造方法
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