JPH074393Y2 - 管に穿孔した孔を内側から閉塞するためのストッパー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ガス導管等に穿孔した孔を内側から閉塞する
ためのストッパーに関するものである。

［従来の技術］ ガス導管において、分岐孔を穿孔したり、計器類の取付
孔を穿孔した際に、活管のままで穿孔するとこの孔から
生ガスが噴出してしまう。そこで、従来は無漏洩式の穿
孔機を使用すると共にこの穿孔部分にガスが漏れないよ
うにシャッター装置を取り付けたり、ビニール袋等を取
り付けている。

［従来技術の課題］ しかし、上記従来技術においては次のような問題があ
る。

a.穿孔部分にいちいちシャッター装置を取り付けるとこ
れに多くの手数がかかると共に土中に埋設された管の場
合にはシャッター装置を取り付けたために大きな作業溝
を掘削する必要があり、これに関係する労力、時間が多
大で、埋め戻しにも多くの費用がかかる。

b.ビニール袋の場合にはこの取付部のシール性に問題が
ある。

本考案は、上記ａ〜ｂに記した課題を解決するのが目的
である。

［課題を解決するための手段］ 本考案の構成は次のとおりである。

外パイプ内にスライド軸を挿入すると共に外パイプの下
端に円形中空状バルブの中心上を固定し、スライド軸の
下端側は前記バルブの中央内を貫通して下側に抜けさ
せ、この下側においてスライド軸とバルブとを固定し、
更にスライド軸の下端にはこのスライド軸よりも長い状
態にコイルスプリングを取り付けた構成の管に穿孔した
孔を内側から閉塞するためのストッパー。

［作用］ 上記ストッパーは、スライド軸を押し込んでバルブを軸
方向に長い長円に変形し、これを穿孔機で穿孔した孔内
に挿入する。そして、管内においてスライド軸を解放す
ると、スライド軸はスプリングにより外パイプを経由し
て押し出され、バルブは孔にその内側から圧接する。こ
の結果、バルブはスプリングの力により押し潰されて断
面横長の長円に変形し、孔に密着してこれを閉塞してし
まう。

このようにして閉塞が終了したなら、次にサービスチー
の取付口を外パイプとスライド軸上に被せ、そのままこ
のサービスチーの取付口を孔内にねじ込んで固定してし
まう。そして、ストッパーを撤去する場合には、スライ
ド軸をコイルスプリングに抗して再び押し込んでバルブ
をたて方向に長い長円に変形させる。このようにすると
ストッパーは簡単にサービスチー内を経由して外に取り
外すことができる。

［実施例］ 図は本考案の一実施例を示すもので、１はスライド軸に
して、このスライド軸１の下端１′側には、この下端
１′よりも長い状態にカラー２を利用してコイルスプリ
ング３が取り付けられている。４はスライド軸１の上端
１″に取り外し自在に取り付けられた押えキャップであ
る。

５は前記スライド軸１が挿入された外パイプにして、こ
の外パイプ５の上端５″には取り外し自在に引き上げ用
のハンドル６が取り付けられている。

７はゴムによって作られた円形中空状のバルブにして、
このバルブ７は上側中心が外パイプ５の下端５′に固定
具８で固定され、下側中心が内部を貫通しているスライ
ド軸１の下端１′側に固定具９で固定されている。

なお、カラー２はスライド軸１のねじ10に螺合してお
り、上下に調整してコイルスプリング３の弾力を変える
ことができる。

実施例のストッパーは以上の如き構成から成り、次にそ
の使用例を説明すると、第３図に示すように穿孔した管
ａの孔ｂ内に挿入する際は、スライド軸１のキャップ６
を押し込んでバルブ７を軸方向に長い長円に変形させて
孔ｂ内に挿入する。そして、キャップ６から手を離す
と、スプリング３の先端が管ａの下面（孔ｂの反対側）
に当接し、この結果、スライド軸１は反力を受けて外パ
イプ５内において上方にスライドする。この作用によ
り、バルブ７の上面は孔ｂにその内側から圧接し、バル
ブ７の下面側のみが上方に変位する。この結果バルブ７
は横長の長円に変形し、孔ｂの内側に密着して孔ｂを内
側から完全に閉塞する。この状態は第３図に示されてい
る。

この状態においてサービスチーｃを孔ｂに取り付ける場
合には、第４図に示すように、押えキャップ４及びハン
ドル６を取り外し、サービスチーｃの取付口ｄ内にスラ
イド軸１、外パイプ５を挿入し、サービスチーｃの取付
口ｄを孔ｂ内に螺合する。そして、配管をサービスチー
ｃに接続し、気密検査等の総べての作業を終了したの
ち、再びサービスチーｃ上においてキャップ４、ハンド
ル６を夫々取り付け、スライド軸１を押し込み、スプリ
ング３を圧縮し、バルブ７をたて方向に長い長円に変形
させてサービスチーｃ内から引き上げ、サービスチーｃ
の上口にプラグをねじ込んですべての作業を終了する。

［本考案の効果］ 本考案は以上のように、穿孔した孔内にストッパーを挿
入し、孔の内側（管内）からバルブで孔を閉塞してガス
等の流体の噴出を遮断するようにしたので、次の如き効
果を期待できる。

a.スライド軸と外パイプのスライドを利用してバルブを
変形させることにより、簡単にストッパーを穿孔した孔
内に挿入したり取り出すことができるから、穿孔時の孔
の閉塞が極めて簡単である。

b.孔を内側からバルブで閉塞するため、このバルブに流
体圧及びコイルスプリングの弾性が作用して密着度が高
まる。この結果、シール性能が格段に向上する。

c.構造は簡単であり、孔の上方つまり地上からストッパ
ーを挿入して閉塞作業ができる。このため、従来のよう
に作業員が中に入って作業を行うだけの大きな作業溝を
掘削する必要がなく、作業経費の削減を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るストッパーの中央縦断正面図、第
２図はＡ−Ａ′線断面図、第３図はストッパーにより管
の孔を閉塞している状態の断面図、第４図はストッパー
で孔を閉塞しながらこの孔にサービスチーを取り付けた
状態の説明図である。 １…スライド軸、３…コイルスプリング ５…外パイプ、７…バルブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外パイプ内にスライド軸を挿入すると共に
   外パイプの下端に円形中空状バルブの中心上を固定し、
   スライド軸の下端側は前記バルブの中央内を貫通して下
   側に抜けさせ、この下側においてスライド軸とバルブと
   を固定し、更にスライド軸の下端にはこのスライド軸よ
   りも長い状態にコイルスプリングを取り付けた構成の管
   に穿孔した孔を内側から閉塞するためのストッパー。