JP3898497B2 - 地層調査における土質試料採取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、地層調査において地盤のサンプルすなわち土質試料を採取するために用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地盤のN値を求めると共に土質試料を採取できるようにしてある所謂標準貫入試験機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記試験機による貫入試験は、1.00m毎に貫入試験を行うため、次段の貫入試験との間の50cm間の試料採取ができず満足できるものではない。すなわち、前記標準貫入試験機は、貫入試験に併用して試料採取を行うような構造のため、土質試料を断続的な採取しかできず、土質確認が必ずしも正確にできない。
【0004】
本発明は、前記従来の標準貫入試験機の試料採取上の欠点に着目し、従来の貫入試験機に用いられている(又はそれと同等の)貫入装置と接続しても土質試料を連続的に採取できる装置を提供すべく創案したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
土質試料の導入口を構成する先端コーンに、貫入装置によって地中内を回動・降下する円筒状の貫入用ロッドの下端部を、該先端コーンに上下に重ねて離脱可能に係合し、該貫入用ロッドの内側に、下端を前記先端コーンに嵌脱自在に組付けて前記導入口と連通する試料採取管と該試料採取管の上端部に接続手段によって下端部を接続したガイドパイプを配設し、前記貫入用ロッドの前記貫入装置に接続する接続材を設けた上端部に接触子を設け、該接触子に前記貫入用ロッドの軸線上において点接触する接触子を前記ガイドパイプの上端に設けると共に、前記試料採取管に土砂が収容される際に生じる圧力が前記接触子同士の点接触関係を介して負荷されるスプリングを、前記一方の接触子側に設けた構成としたものである。
【0006】
【実施例】
図面は本発明に係る地層調査における土質試料採取装置の一実施例を示し、実施例のものは、円筒鋼管より成る貫入用ロッド1の上端に接続材(ノッキングヘッド)2を着脱自在に取付け、該接続材2をハンマーその他の部材で成る貫入装置に接続自在に接続し、前記貫入用ロッド1を貫入装置によって1.00m貫入させつつN値(データ)を求めると共に、貫入用ロッド1内に納めた試料採取管3に土質試料を充填採取して回収し、次段の深度の貫入試験及び試料採取のために前記貫入用ロッド1の単位体1Aを順次継ぎ足して用いるようにしたものである。
【0007】
従って、前記貫入装置は、前記貫入用ロッド1を地中内に沈降させる装置と、該貫入用ロッド1を地中内に垂直に(真直ぐに)順次沈降させるに必要な貫入用ロッド1の回動装置を備えたもので、この貫入装置は具体例を挙げるまでもなく公知なので説明を省略する。
【0008】
もっとも、本装置に用いる貫入装置は、前記N値を求めるための装置(例えば、打撃数記録カウンターなど)を必ずしも必要とせず、前記貫入用ロッド1を地中内に垂直に沈降させる装置を備えたものであればよい。換言すれば、専ら試料採取用としての貫入装置に適用しても良いのである。
【0009】
図中、4は先端(導)コーンで、先端コーン4はその軸線上に、下端を土質試料の導入口5とした導通孔5Aを備え、該導通孔5Aを取り囲むようにして上部側に設けた上端開口の係合溝6を備えた鋼材で構成したものである。
【0010】
この先端コーン4に前記貫入用ロッド1と該貫入用ロッド1の内側に配した前記試料採取管3および該採取管3に接続したガイドパイプ7を離脱可能に組合わせて本装置を構成する。
【0011】
貫入用ロッド1は前記先端コーン4の沈降深度に従って単位体1A,1Aを端末に設けた雄螺子部1aと雌螺子部1bと互いに螺合した順次継ぎ足して構成するもので(単位体1A単独でも貫入用ロッド1を構成する)、下端部(最下位の単位体1Aの下端部)を先端コーン4に設けた係合溝6に嵌挿して先端コーン4に対し回動かつ離脱可能に組合わせたものである。なお、最上位に位置する単位体1A(単一な場合は当該単位体1A)上には長さ調整用の短管1A´´が前記螺合手段で接続、配置される。
【0012】
貫入用ロッド1と先端コーン4は、実施例では係合溝6にロッド1側を嵌挿して組合わせてあるが、係合溝6を構成する外壁部6aを省略して、実施例の内壁部6bでのみ構成する円筒部を貫入用ロッド1に挿入した組合わせ関係のものであっても良い。要は、貫入用ロッド1が、先端コーン4上にあって該先端コーン4と上下に重なり合い、貫入装置の操作による貫入ロッド1の降下により先端コーン4を押下でき、先端コーン4に対し自由に回動し、しかも、先端コーン4から自在に離脱できる先端コーン4との組合わせ(係合)関係があれば良い。
【0013】
前記試料採取管3は硬質ビニールパイプで構成し、前記の通り貫入用ロッド1の内側に配し、下端部を前記先端コーン4の上端に設けた細径部4aに、該細径部4aを相対的に強制嵌入させるようにして離脱可能に組付け、上端部を前記ガイドパイプ7の最下位の単位体7Aの下端の細径部7aに外側から嵌め込み接続手段である木ねじ8を前記上端部を通じて細径部7aに設けたねじ孔9に螺合してガイドパイプ7に接続したものである。
【0014】
ガイドパイプ7は、前記最下位のガイドパイプ単位体7Aに、上位側の他の単位体7Aを端末に設けた雄螺子部7bと雌螺子部7cを互いに螺合して接続して構成するものであって、貫入用ロッド1の単位体1Aの継ぎ足しと同様に、先端コーン4の沈降深度に従って順次継ぎ足して構成される(従って、単一な単位体7Aでガイドパイプを構成する場合もある)。
【0015】
このガイドパイプ7の上端すなわち、ガイドパイプ7の最上位の単位体7Aの上端には接触子10を設け、接触子10は主体部10aの上面に頂点部がガイドパイプ7または貫入用ロッド1又は先端コーン4の軸線上(設計上であって、実用上不都合がなければ軸線上から外れていても良いことは勿論である)に位置する半球状の接触部片10bを突設し、下面に突設した螺子部10cを前記ガイドパイプ(最上位に位する単位体7A)に設けた雌螺子7cに螺合して取付けたもので、実施例では、この接触子10(接触部片10b)に前記軸線上において接する半円球状の接触部片11bを備えた接触子11を前記貫入用ロッド1の前記短管1A´´に設けてある。
【0016】
貫入用ロッド1側の接触子11は、主体部11aの下面側に前記接触部片11bを、上面側に取付部片11cをそれぞれ突出させて構成したもので、前記短管1A´´に設けた雌螺子1bに螺子筒部2bを螺合して貫入用ロッド1に着脱自在に取付けた前記接続材2の主体部2aの下面に螺子筒部2bの軸線上(前記軸線上)にして突設した支持部片2cに、スプリング12を介して取付けたものである。
【0017】
なお、接続材2は、主体部2aの上面に立設した柱体上の接続部2dを貫入装置Aに離脱可能に接続し、前記貫入用ロッド1はこの貫入装置Aによって接続材2を介して降下動作と回動操作(ほぼ90°回動)が選択的に行われるようになっている。
【0018】
しかして、貫入装置に実施例装置を適用して連続自動貫入試験機として使用して試料採取は次の操作で実行される。
【0019】
すなわち、先端コーン4に細径部4aにおいて試料採取管3を組付け、該試料採取管3に上端部に接触子10を組付けた、最下位のガイドパイプ単位体7A(ガイドパイプ)を木ねじ8を用いて接続する一方、これらを嵌挿するようにして最下位の貫入用ロッド単位体1Aと該単位体1Aにねじ部1a,1bによって接続した他の単位体1A(上端部に接触子11付の接続材2を備えた短管11A´´を組付けた)を最下位のものの下端部を先端コーン4の係合溝6に嵌挿させるようにして先端コーン4と組合わせ、接続材2を接続部2dを貫入装置に接続するようにして先端コーン4側から打ち込み機械打設ポイントに差し込み、自動貫入試験を1.00m行う。
【0020】
試験機は、自動的に打撃回数を記録し、同時に貫入用ロッド1に生じる周辺摩擦力(トルク)をも記録しながら地中内を降下し、1.00m貫入したら自動停止する。
【0021】
この試験中、ハンマーにより叩打しつつ接続材2を介して貫入用ロッド1を降下させると、貫入用ロッド1は先端コーン4の上側に重なり合って係合してあるから、先端コーン4は貫入用ロッド1に押下されて地中内を降下し、この降下によって、土砂が導入口5を通じて試料採取管3内に自動的に土質試料として収容され、また、先端コーン4は、貫入装置Aによる貫入用ロッド1に対する押下操作の間に行われる貫入用ロッド1の回動操作により垂直に降下する。
【0022】
また、試料採取管3内に土砂が収容(移動)される際に生じる試料採取管3に対する圧力(摩擦力)は、接触子10,11同士の点接触関係を介してスプリング12に負荷され、該スプリング12が該圧力に反発して試料採取管3の定位置を維持させる。
【0023】
そして、貫入装置を接続材2位置から外し、接続材2および接触子10を取り外し、ガイドパイプ7を引き上げると、該ガイドパイプ7に接続手段で接続した試料採取管3の下端部は先端コーン4の細径部4aと係合関係にあるだけであるので、先端コーン4から離脱して地中内から引き抜かれ、試料採取管3の土砂は土質試料として回収される。
【0024】
そして、ガイドパイプ7に新たな単位体7Aを継ぎ足す一方、貫入用ロッド1にも短管11A´´を最上位に位置させるようにして新たに単位体1Aを継ぎ足し、再び、前記打設ポイント内において貫入操作を行い、次段の土質試料を回収するのである。
【0025】
この作業の繰り返しで計画している深度まで試料採取管3を1m沈降するごとに取り替えながら、かつ、貫入用ロッド単位体1Aおよびガイドパイプ単位体7Aを継ぎ足しながら貫入試験を行うのである。
【0026】
なお、垂直に降下させるための貫入装置による貫入用ロッド1の回動動作は、接続材1すなわち貫入用ロッド1側の接触子10とガイドパイプ5(試料採取管3や先端コーン4を接続した)側の接触子11が互いに点接触しているためガイドパイプ5側に伝達されず、該動作が円滑に行われる。
【0027】
実施例の接触子10,11は半円球状の接触部片10b,11b同士の接触により点接触するようにしてあるが、半円球状に代えて一方を平面状にして点接触状態を得ても良い。
【0028】
前記スプリング12は、ガイドパイプ7側の接触子10部に配しても不都合はない。
【0029】
【発明の効果】
本発明は前記の通りの構成であるから、所謂貫入試験に伴う土質試料採取を確実に行うことができ、しかも、貫入用ロッドの回動が、試料採取管に伝達されずに行われるから、地中内に垂直に降下させての連続的な試料採取を行えるから、信頼性の高い土質試料を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】断面図。
【符号の説明】
1 貫入用ロッド
2 接続材
3 試料採取管
4 先端コーン
5 導入口
7 ガイドパイプ
10,11 接触子

Claims (1)

  1. 土質試料の導入口を構成する先端コーンに、貫入装置によって地中内を回動・降下する円筒状の貫入用ロッドの下端部を、該先端コーンに上下に重ねて離脱可能に係合し、該貫入用ロッドの内側に、下端を前記先端コーンに嵌脱自在に組付けて前記導入口と連通する試料採取管と該試料採取管の上端部に接続手段によって下端部を接続したガイドパイプを配設し、前記貫入用ロッドの前記貫入装置に接続する接続材を設けた上端部に接触子を設け、該接触子に前記貫入用ロッドの軸線上において点接触する接触子を前記ガイドパイプの上端に設けると共に、前記試料採取管に土砂が収容される際に生じる圧力が前記接触子同士の点接触関係を介して負荷されるスプリングを、前記一方の接触子側に設けた、地層調査における土質試料採取装置。
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