JPH0743329Y2 - ベランダの手摺り支柱用基礎部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンクリート製ベランダの手摺り構築のため
の支柱の取付け用基礎部材に関し、特に、コンクリート
製ベランダの手摺りの支柱を取り付けるために、ベラン
ダの所定箇所に穿けられた有底孔に予め鉛直且つ強固に
固定される基礎部材に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、コンクリート製ベランダに手摺りを取り付ける方
法としては、コンクリート打ち前に組み上げられる方法
が一般的であるが、既に形成されたコンクリート製ベラ
ンダの場合には、例えば、所定の箇所に鉛直に穿設され
た穴にアンカープレートを当てがって、これをコンクリ
ートにボルト締めし、これを利用して手摺り用支柱をま
っすぐ取り付ける方法が採用されている。しかし、この
方法は、操作が大がかりで且つ厄介なため実用的方法と
は云い難い。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案者らは、かかる実情に着目して、既に形成された
コンクリート製ベランダに手摺りを取り付ける効率的方
法を開発すべく実験研究を重ねた結果、手摺りの支柱を
鉛直に且つ安定に取付ける極めて実用的技術を見出し
た。

従って、本考案の目的ないし技術的課題は、取付け操作
が簡単で、安全且つ強固な手摺りを構築し得る方法を提
供することにある。また、他の課題は、手摺りの支柱を
容易に鉛直に立てることができる支柱取付け用基礎部材
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、相対的に短いプラスチック製有底円筒とその
内側に嵌合状に圧入一体化される相対的に長い金属円筒
とで構成され、上記プラスチック製短円筒の外表面に
は、その円筒軸に平行な３〜８本の凸条ガイドがほゞ等
間隔に一体に形成され、且つ該短円筒の各ガイド間に
は、窓状の貫通孔が形成されると共に、上記金属製長円
筒の下方の外表面部には、これを上記短円筒に圧入する
とき、上記貫通孔に位置する凹みが少なくとも１個形成
されていることを特徴とするコンクリート製ベランダの
手摺り支柱用基礎部材を提供する。

本考案の支柱用組合せ基礎部材は、通常、表面仕上げ前
の既に養生硬化させたベランダに手摺りの支柱を、例え
ば、１〜2mの間隔にベランダの床に強固に且つまっすぐ
に取り付けるのに有用な部材であって、支柱の設立にさ
き立って、ベランダ床の所定位置に約10cmほどの鉛直孔
を穿設し、これに、嵌入して容易に鉛直状に固定し得る
支柱取付けに有用な基礎部材である。

本考案の組合せ部材の比較的短いプラスチック製有底円
筒は、ベランダ床に、これが圧入し得る径で且つ約10cm
程度の深さに穿設された有底孔にその凸条ガイドを利用
して底部までまっすぐに圧入されるものであって、例え
ば、径が３〜3.5cm,肉厚が1.5〜2.5mmで、長さが数cm程
度のものである。その外側表面には、上端縁から下方に
延びる鉛直挿入用凸条ガイド３〜８本、好ましくは３〜
６本が実質的に等間隔に一体に形成されている。この凸
条各ガイドは、すべて同形に形成することが重要であっ
て、例えば、その断面三角形の凸条の突出高さは1.5〜
2.5mmが実用的であり、少なくともその下方部では、突
出高さが下方に向けて漸次減少し、円筒の下端縁部又は
その近傍で消滅するように形成される。また、該短円筒
には、その上記各凸条ガイドの中間には、それぞれ窓状
の貫通孔が形成される。その貫通孔は、四角形，多角
形，円形あるいは楕円形等のどんな形状でもよいし、ま
たその大きさは、後記金属円筒の凹みが充分に露出し得
るならば制限されないが、実用的には２〜3cm程度の四
角形や楕円形が有利に採用される。

このプラスチック製円筒の嵌入一体化される金属円筒
は、通常、30〜50cmの長さ及び２〜3mmの厚さを有し、
上記短円筒の内径に実質的に一致する外径を有する筒体
であって、取り付けられた支柱に充分な強度を提供し得
ることが重要である。また、該金属円筒の下端部近傍に
は、少なくとも１個の凹みが形成される。この凹みは、
金属円筒を、例えばエポキシ樹脂を流し込んで穿孔中に
固定するとき、該樹脂が流入充てんし、硬化後、該樹脂
のアンカー効果によって金属円筒が強固に固定されるの
に有効なものであれば、好ましくは、その凹みが適度の
深さにえぐられた状態に形成され、特にその下側辺縁部
がシャープニ切れ込んだ凹みに形成されたものが有効で
ある。この凹みは、１個でもよいし、総ての窓様貫通孔
に対応して設けてもよいが、軸に対して対称に設けるこ
とが実用的である。

本考案の組合せ基礎部材の適用は、プラスチック短円筒
を穿孔の底部にまで押し込んだ後、その内側に金属円筒
を圧入してもよいが、予め有底短円筒の底面まで金属円
筒の端部を挿入一体化して、これをベラッダの穿孔に押
し込む方が好都合である。いずれにしろ、金属円筒の下
部外表面に形成された凹みは、上記短円筒の窓様貫通孔
に露出していることが重要である。

次に、本考案の部材を用いる手摺り用支柱の立て方を説
明する。

ベランダの所定位置にプラスチック製円筒の外径より僅
かに大きい直径の円で、深さが約10cmの鉛直孔を穿設す
る。一方、有底プラスチック円筒の内側の底面まで、金
属長円筒の凹みを設けた端部を押し込み、その凹みと窓
を一致させる。このように一体化された部材をベランダ
の鉛直孔に圧入し、その底面まで挿入する。次に、金属
円筒と鉛直孔との間隙に、固定用樹脂、例えばエポキ樹
脂を流し込み充満させる。この樹脂を硬化させるとき、
凹みに充てんされた樹脂によるアンカー効果により、金
属円筒体は抜けることなく、鉛直に、且つ極めて強固に
固定される。

次に、この金属円筒を嵌入して直立状に固定される所定
長さの、例えば角柱状金属支柱を上側から圧入し、更に
ベランダ床の面に表面仕上げ用のコンクリート又はモル
タルを適切な厚さに流して養生硬化させ、極めて効果的
に安定且つ強固な直立状支柱を形成させるとができる。

〔作用〕

本考案の支柱用基礎部材は、簡易構造の二個の異質円筒
体で構成されるから、製造が極めて容易であり、既成の
ベランダに手摺りを構築する操作も容易であるから優れ
た実用性を有し、産業上の利用価値は極めて高い。

〔実施例〕

次に、添付図面に基づいて本考案を更に具体的に説明す
る。

第１図は、本考案のベランダの手摺り支柱設立用組合せ
基礎部材の一例の各円筒の側面図で、その図（ａ）は、
相対的に短いプラスチック製有底円筒、同図（ｂ）は、
その内側に圧入される相対的に長いステンレス製の円筒
である。また、第２図は、それらそれぞれの断面図で、
その図（ａ）及び図（ｂ）は、第１図のＡ−Ａ線及びＢ
−Ｂ線による各輪切り断面図である。

本考案に係る基礎部材を構成するプラスチック有底円筒
１の外表面には、該円筒の上端から下方に延びる軸に平
行な四本の凸条ガイド２がほゞ等間隔に一体に形成さ
れ、その凸条ガイド２の下方部２′は、下方に向けてそ
の凸条高さが漸次減少し、円筒の下端縁においては消滅
している。その円筒の各ガイド間には、各中間部に軸方
向に長い矩形の貫通孔３が形成されている。この円筒１
の内側に挿入される長い金属円筒４の下方部には、その
表面部に楕円形のシャープな切込み状にえぐられた凹み
５が四つ等間隔に形成されている。これらの凹みは、上
記プラスチック有底円筒との一体化において、それぞれ
が窓状の貫通孔３から露出するように挿入される。

〔考案の効果〕

本考案の組合せ部材は、形成されたベランダ床に極めて
簡易に、且つ安定な手摺りを構築することができるの
で、高い有用性を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の基礎部材の一例の構成各円筒の側面
図、第２図は、各円筒それぞれの輪切り断面図である。 図中の符号： １…プラスチック円筒、２…凸条ガイド ３…貫通孔、４…金属円筒 ５…凹み

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】相対的に短いプラスチック製有底円筒とそ
   の内側に嵌合状に圧入一体化される相対的に長い金属円
   筒とで構成され、上記プラスチック製短円筒の外表面に
   は、その円筒軸に平行な３〜８本の凸条ガイドがほゞ等
   間隔に一体に形成され、且つ該短円筒の各ガイド間に
   は、窓状の貫通孔が形成されると共に、上記金属製長円
   筒の下方の外表面部には、これを上記短円筒に圧入する
   とき、上記貫通孔に位置する凹みが少なくとも１個形成
   されていることを特徴とするコンクリート製ベランダの
   手摺り支柱用基礎部材。
2. 【請求項２】上記ガイドは、短円筒の上端周縁部から下
   方に向けて形成され、少なくともその下方部における凸
   条の高さは漸次減少して、該円筒の下端縁においては消
   滅する凸条に形成された請求項１記載の基礎部材。