JPH0743233Y2

JPH0743233Y2 - 自動排水栓

Info

Publication number: JPH0743233Y2
Application number: JP1992063568U
Authority: JP
Inventors: 則彦古田
Original assignee: 大同ほくさん株式会社
Priority date: 1992-08-19
Filing date: 1992-08-19
Publication date: 1995-10-09
Anticipated expiration: 2005-10-09
Also published as: JPH0624074U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、浴槽、流し、洗面台等
において使用することのできる自動排水栓に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴槽等の排水栓としては、図２に
示した如く、略截頭逆円錐状としたゴム栓ａを鎖ｂによ
り浴槽ｃ等に取り付けておき、ゴム栓ａを排水口ｄに対
し手動により浴槽ｃの内側から抜き差し操作するように
したものと、図示しないゴム製の板状栓をワイヤーによ
って手動、または自動により上下動することで、排水口
を開閉するようにしたものが知られている。

【０００３】しかし、前者では、一般にゴム栓ａの手動
による開栓および閉栓操作が面倒であり、特に浴槽ｃの
ように可成りの深さをもっている場合には、腰を屈めて
閉栓しなければならないので、その操作が煩雑となり、
また、鎖ｂが切断してしまった場合の開栓操作は、水や
湯の中に腕を深く進入させなければならない。

【０００４】また、後者の場合には、板状栓が水圧等で
密栓されることとなるから、浴槽内にある程度の水量が
溜るまでは漏水するおそれもあり、また、構造的に板状
栓の上下動による閉栓が円滑になされなくなることもあ
り、信頼性に欠ける難点がある。

【０００５】そこで、上記の難点を解消するため、既
に、空気袋等による膨張弁を、浴槽の底壁に固設した弁
ケースに内装させておき、これに空気を圧送することで
膨張弁を膨張させ、この際、上記弁ケースにおける中心
箇所に浴槽内の水が排出される排水孔を、下端開口の状
態にて垂設させたもの（実開平１−１４１５７３号）も
提案されている。当該従来例によるときは、上記の下端
開口に、膨張した空気袋である膨張弁を押当させること
で、浴槽内の水を閉止状態とし、かつ、空気袋内の空気
を放出することで、排水孔からの放水を可能にしようと
している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】上記の空気袋を用いる
ようにした自動排水栓によるときは、前記の既往例に比
し確かに、その欠陥を解消し得る技術内容をもっている
のであるが、これによるときは、排水孔の下端開口を膨
張させた空気袋の押当で閉止しようとするため、当該空
気袋に空気を圧送しても、浴槽内の水により大きな水圧
を、当該空気袋が受けることから、排水孔における下端
開口の閉止に対して、満足すべき信頼性が得難く、かつ
当該信頼性を向上させるには、空気袋の内圧を可成り高
めなくてはならない難点を有している。

【０００７】さらに、弁ケース内に排水孔を垂設し、そ
の下端開口を空気袋で閉止する構成のため、その閉止状
態の水密性を向上させるため、どうしても排水孔の太さ
をあまり大きくすることができないこととなり、この結
果排水能力を向上させることが、困難となる欠陥も指摘
される。

【０００８】本考案は、上記従来技術の問題点に鑑み、
栓体に伸縮性素材からなる膨張弁を使用し、これを空
気、水等による加圧媒体の供与と排出とにより夫々膨
張、縮小させることで、閉栓と開栓状態が得られるよう
に構成することは、前掲空気袋を用いた公知例と同じで
あるが、排水口に形成の上向き弁座に膨張させた膨張弁
を押当させるようにし、この際膨張弁に対して浴槽の湯
水等による水圧が下向きに印加されるようにして、上向
き弁座に対する膨張弁の圧接が、膨張弁の内圧と、上記
の水圧との加算値によって行われるようにし、閉栓に対
する信頼性を向上すると共に、排水口を充分に大きく形
成できるようにして、充分な排水量の確保をも保証しよ
うとするのが、その目的である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記の目的を
達成するため、被取付体に固設される排水用口金と、膨
張弁そして加圧源とからなり、上記の排水用口金には、
貫装された排水口に上向き弁座が形成され、上記膨張弁
は、ゴム等の伸縮性素材により、膨張と縮小が自在であ
るよう中空に形成され、かつ、給排室が閉成されるよう
に、上記の排水用口金内にあって立設された膨大ヘッド
付きの中空支柱に外装固定することで、前記排水口の中
心箇所に配設され、前記加圧源は、加圧部と、その水や
空気等による加圧媒体が流出入する切換弁とを備え、前
記中空支柱の給排室に通ずる通路孔には、当該切換弁に
おける一方の弁出口を連結することで、前記膨張弁の給
排室に対して、上記の加圧媒体を供与、排出自在とな
し、前記の膨張弁は、当該加圧媒体の供与による膨張に
より、前記上向き弁座に押当すると共に、前記した膨大
ヘッドによる上動阻止により横向きに膨出して、被取付
体内に収納された湯水による水圧を、下向きに受ける膨
張天井面が、膨出自在に形成されるようにしたことを特
徴とする自動排水栓を提供しようとするものである。

【００１０】

【作用】加圧源から加圧媒体が膨張弁に供給されること
により、当該膨張弁は膨張して拡径され、これにより、
排水用口金の上向き弁座に着座し、浴槽等の排水口が内
側から閉塞されるが、この際、膨張弁は中空支柱の上端
に形成の膨大ヘッドにより、上方への膨出を阻止されて
いるので、横方向へ全周にわたり膨出されることとなっ
て膨張天井面が形成されることになる。このため、当該
膨張天井面に対し浴槽内等の湯水による水圧が印加され
るから、上向き弁座に対しての膨張弁による押圧力は、
水圧をも加算できることとなって、漏水に対する高い信
頼性が得られる。

【００１１】尚、加圧媒体としては、空気または水を使
用することができ、空気を用いた場合は、その加圧部に
はポンプやシリンダが用いられ、また、水の場合には上
記の加圧部にもポンプやシリンダが用いられるが、上水
道そのものを用いてもよい。さらに、膨張弁の加圧媒体
には、上記の空気、水以外に、不活性ガスなどの加圧気
体を用いることができる。

【００１２】加圧媒体は切換弁を通して膨張弁に供給さ
れるが、該切換弁を切換え操作することにより、膨張弁
内の加圧媒体は切換等の他の弁出口から外部へ排出され
ることとなり、これによって膨張弁は縮小して縮径状態
となり、弁座から離れて排水口が開かれることになる
が、この際、排水口は充分に大きく形成しても、当該排
水口の膨張弁による閉止は充分に行い得るので、排水口
からの排水量を大きく設定することも可能となる。

【００１３】

【実施例】以下、本考案を図示の実施例について説明す
ると、図１の（Ａ）（Ｂ）の如く排水用口金１と、膨張
弁２と加圧源３とによって構成されている。排水用口金
１には、その中心に排水口４が上下方向へ貫設されてい
ると共に、当該排水口４の中位には、下向きに細成され
ているテーパ部をもった上向き弁座５が形成され、図示
例では浴槽６の底壁７である被取付体にあって開設され
た取付孔７ａに水密状態にて固定されていて、上記排水
口４の下端側方へ開成の開口部４ａは、図示しない排水
トラップに連結されることとなる。

【００１４】膨張弁２は、ゴム等のような伸縮性素材に
より膨張、縮小が自在となるように中空にて成形されて
いる。この膨張弁２は、上端に膨大ヘッド８ａを有する
中空支柱８にあって、その上部側に外装されると共に、
その上下各端を接着材や締着リング９等によって、中空
支柱８に水密または気密に装着され、これによって、当
該膨張弁２と中空支柱８との間に、水や空気等の加圧媒
体が出し入れ可能な給排室ａを形成する。

【００１５】上記中空支柱８は排水用口金１の底部１ａ
から起立して固定してあり、このことによって上記膨張
弁２が排水口４の中心上部に配装されている。

【００１６】さらに、中空支柱８には、上記した膨張弁
２の前記給排室ａへ加圧媒体を供与したり排出するため
の通路孔１０が貫設され、これは、その上端に穿設した
横向きの小孔１０ａ‥‥‥を介して、上記給排室ａ内と
連通し、通路孔１０は前記加圧源３における切換弁１２
の一方の弁出口１２ｂと配管１３にて連結されている。

【００１７】上記加圧源３は、加圧部１１と上記の切換
弁１２とからなっており、上記した膨張弁２を加圧によ
り膨張させるための加圧媒体としては、加圧された空気
または水を用いるのがよいことから、加圧部１１には、
ポンプとかシリンダ１１ａを用いることができる。そし
て、加圧媒体として水道水を用いるようにすればこの場
合には、上水道の水圧が加圧手段となる。上記したポン
プやシリンダ１１ａそして上水道の開閉弁１１ｂ等は、
図示した如く、切換弁１２の弁入口１２ａに配管１４に
より連結される。

【００１８】上記の切換弁１２には、図示例のように三
方弁を用いることができ、この場合には上記のように、
弁入口１２ａと加圧部１１を、一方の弁出口１２ｂと中
空支柱８の通路孔１０を夫々配管１４、１３にて連結
し、他方の弁出口１２ｃには、何も連結しないか、図示
しない配管にて前記のポンプやシリンダ１１ａへ連結す
るようにしてもよい。さらに、加圧媒体は、上記した空
気、水以外に不活性ガスのような加圧気体を用いること
も可能である。

【００１９】従って、以上説示した自動排水栓によれ
ば、切換弁１２を、その弁入口１２ａと一方の弁出口１
２ｂが連通するように切換え操作すれば、加圧部１１か
らの加圧媒体が配管１３、通路孔１０、小孔１０ａ‥‥
‥を経て給排室ａに供給され、このことにより、膨張弁
２が膨張して拡径状態となり、上向き弁座５に着座して
排水口４を閉塞することとなるので、浴槽６等内の給水
は、漏水することなく貯水できる。

【００２０】また、本考案では、膨張弁２が膨張してい
った際、膨大ヘッド８ａが設けられていることから、膨
張弁２は直上である浴槽内等へ膨出することなく、横方
向全周に向って膨出され、図１（Ｂ）の如き膨張天井面
２ａが形成されるので、浴槽６等に水が貯留されると、
その水圧を膨張弁２が受けることとなり、当該水圧と当
該膨張弁２の内圧とが加算的に、上向き弁座５に対して
印加されることから、充分な力で膨張弁２が当該上向き
弁座２に対して、よくなじんだ状態で押圧着座されるこ
とになり、漏水のない閉塞が保証される。

【００２１】上記排水口の閉塞状態において、切換弁１
２を、その弁出口１２ｂ、１２ｃが互いに連通するよう
に切換え操作すれば、膨張弁２内の加圧媒体は、通路孔
１０、配管１３、切換弁１２を通して出口１２ｃから外
部等へ排出されることとなり、当該膨張弁２は縮小によ
り縮径されて弁座５から離れ、排水口４が開口する。そ
して、この際、排水口４を充分に大きく形成し、これに
見合う膨張弁２を採択すれば、膨張弁２の縮小により、
大きな排水流量を確保することができることとなる。

【００２２】

【考案の効果】本考案は、以上説明したように構成され
ているので、上水道栓の開閉操作とか、切換弁操作だけ
で、排水栓の開閉を労せずに行うことができるだけでな
く、膨張弁は膨大ヘッド付きの中空支柱によって排水口
内に支持されているから、紛失されることがないのはも
ちろん、膨張弁の内圧と浴槽等の水圧とにより、当該膨
張弁を充分な力で、上向き弁座に押当でき、この結果簡
潔な構成によって排水口の開閉作動とシール性との信頼
性を向上することができる。

【００２３】また、排水口を充分大きく設定しても、膨
張弁を上向き弁座に充分押圧して漏れなどを完全に阻止
し得るから、排水量を充分に確保することができ、浴槽
などにおける排水を迅速に完了することが可能となり、
能率的な浴槽等の清掃作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る自動排水栓における一実施例の使
用状態を示し、（Ａ）は開栓時、（Ｂ）は閉栓時の各々
の縦断正面図である。

【図２】旧来の排水栓を例示した縦断正面図である。

【符号の説明】

１排水用口金２膨張弁２ａ膨張天井面３加圧源４排水口５上向き弁座８中空支柱８ａ膨大ヘッド１０通路孔１１加圧部１２切換弁１２ｂ弁出口ａ給排室

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】被取付体に固設される排水用口金と、膨
張弁そして加圧源とからなり、上記の排水用口金には、
貫装された排水口に上向き弁座が形成され、上記膨張弁
は、ゴム等の伸縮性素材により、膨張と縮小が自在であ
るよう中空に形成され、かつ、給排室が閉成されるよう
に、上記の排水用口金内にあって立設された膨大ヘッド
付きの中空支柱に外装固定することで、前記排水口の中
心箇所に配設され、前記加圧源は、加圧部と、その水や
空気等による加圧媒体が流出入する切換弁とを備え、前
記中空支柱の給排室に通ずる通路孔には、当該切換弁に
おける一方の弁出口を連結することで、前記膨張弁の給
排室に対して、上記の加圧媒体を供与、排出自在とな
し、前記の膨張弁は、当該加圧媒体の供与による膨張に
より、前記上向き弁座に押当すると共に、前記した膨大
ヘッドによる上動阻止により横向きに膨出して、被取付
体内に収納された湯水による水圧を、下向きに受ける膨
張天井面が、膨出自在に形成されるようにしたことを特
徴とする自動排水栓。