JPH0742999Y2 - 商品包装袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、商品包装袋に関するものである。

特に、開口部が立体的に厚みのある形状に封口できる点
に特徴を有する商品包装袋に関するものである。

［従来の技術］ 商品、特に、小型の商品は、プラスチックフイルム製の
商品包装袋に入れたままで陳列して販売されることが広
く行われている。

これらのプラスチックフイルム製袋は、腰がなく軟質で
あるため、包装体の厚みは商品の形状によって形成さ
れ、商品の形状に応じて袋体部が変形して、包装体の見
栄えが悪い場合がある。

このような欠点を避けるために、袋そのものの形状を腰
のあるものにして、商品の形状に拘わりなく、一定の形
状の包装体を得る商品包装袋があり、これは商品包装袋
の内部に厚手のシートを挿入することが行われていた。

しかし、この厚手のシートによって、袋体部分の腰が出
てきて、包装体の見栄えは多少改善されたが、開口部付
近は開口縁から延設した矩形状蓋シートを他方の開口縁
に接着剤で貼着するため、包装体の開口部付近は平板状
になって依然として体裁が悪い。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、包装体の開口部が立体的な厚さを維持できる
特徴を有する商品包装袋を提供することを目的とするも
のである。すなわち、この商品包装袋によって、厚紙で
製造した箱のように包装袋そのものの形が維持される包
装体を提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案者は、包装体の開口部を立体的に固定するため
に、開口部の薄手のプラスチックフイルムに密着させ
て、厚手の蓋材シートを設置して、その蓋材の蓋部を開
口部に対して立体的に折り曲げて封口することに想到し
て本考案をなすに至った。すなわち、本考案は次の各項
の考案よりなる。

１ ２枚の略矩形状薄手プラスチックフイルムを重合し
てその重合した側縁を融着して袋体部を形成したプラス
チックフイルム製袋の開口部に、厚手の紙製又はプラス
チック製の幅の相違する蓋材シート２枚が開口部の内側
に密接して設置されており、該両蓋材シートの幅の和が
袋体部の開口部の周囲の長さとほぼ一致し、２枚の蓋材
シートの内の幅狭蓋材シートは、アーチ型凸状上縁を有
し、かつ、該蓋材シートの左右両上角を結ぶ直線上に折
り目線を設け、アーチ型凸状上縁と折り目線で囲まれた
半月形状部分を蓋部として、該蓋部を該蓋材シートの直
線状折り曲げ線で袋体内側に折り曲げて、該蓋部上縁を
開口部にある幅広蓋材上縁に接着剤層で固定して開口部
を立体的に封口できることを特徴とする商品包装袋。

２ ２枚の略矩形状薄手プラスチックフイルムを重合し
てその重合した側縁を融着して袋体部を形成したプラス
チックフイルム製袋の開口部に、厚手の紙製又はプラス
チック製の幅の相違する蓋材シート２枚が開口部の内側
に密接して設置されており、該両蓋材シートの幅の和
は、開口部の周囲の長さとほぼ一致しており、両蓋材シ
ートの内の幅狭蓋材は、アーチ型凸状上縁を有し、か
つ、該幅狭蓋材シートの左右両上角を結ぶ直線上に折り
目線を設け、アーチ型凸状上縁と折り目線で囲まれた半
月形状部分を蓋材として、他方の幅広蓋材シートの上縁
は前記アーチ型凸状上縁より低いアーチ他凹状であっ
て、該アーチ型凹状曲線は前記アーチ型凸状曲線の長さ
とほぼ一致した上縁を有し、該蓋部を該幅狭蓋材シート
の直線状折り曲げ線で袋体内側に折り曲げて、該蓋部上
縁を幅広蓋材シートのアーチ型凹状上縁に接着剤層で固
定して開口部を立体的に封口できることを特徴とする商
品包装袋。

３ ２枚の略矩形状薄手プラスチックフイルムを重合し
てその重合した側縁を融着して袋体部を形成したプラス
チックフイルム製袋の開口部に、開口部の幅と同じ幅の
厚手の紙製又はプラスチック製の蓋材シート２枚が開口
部の内側に密接して設置されており、該両蓋材シートの
第１蓋材シートはアーチ型凸状上縁を有し、かつ、第１
蓋材シートの左右両上端を結ぶ直線の下方にアーチ状に
膨れた曲線上に折り目線を設けてアーチ状上縁と折り目
線で囲まれた猫目形状部分を蓋部として有し、他方の第
２蓋材シートの上縁には、第１蓋材シートのアーチ型凸
状上縁とほぼ一致する形状のアーチ型凹状上縁を有し、
該蓋部を第１蓋材シートの折り曲げ線で袋体内側に折り
曲げて、該蓋部上縁を開口部の第２蓋材シートの上縁に
固定して開口部を立体的に封口できることを特徴とする
商品包装袋。

本考案を実施例の図面によってさらに詳細に説明する
が、本考案はこの実施例に限定されるものではない。

第１図は本考案の典型的な実施例の商品包装袋の袋体部
の正面面であり、第２図はその縦断面図である。ただし
第２図は構造を明確にするため断面幅の方向を約５倍程
度に拡大して描いてある。本実施例商品包装袋は、この
袋体部に第３図の蓋材シートを挿入して、形成される。

第１図及び第２図で示される袋は通常広く使用されてい
るヘッダー付き商品包装袋と基本的構造はほぼ同一の構
造であって、矩形状の薄手のプラスチック製の表フイル
ム１及び裏フイルム２を重合して側縁６及び７で融着し
て袋体部を形成している。本実施例では表フイルム１及
び裏フイルム２は底部で、ガゼット折り部10を経由して
一体的材質で連続的につながっている。さらに、裏フイ
ルム２の上方には、ヘッダー部フイルム３が一体的に延
設されていて、このヘッダー部フイルム３は、厚手のプ
ラスチック製ヘッダーシート４を包んで折り返され、ヘ
ッダーシート４の下縁で、表裏のヘッダー部フイルム３
とヘッダーシート４が３枚同時に融着部５で融着固定さ
れている。

ここに使用されるプラスチックフイルムは熱可塑性樹脂
製のものであれば特に制限なく使用することができる。
例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポ
リエステルなどのフイルムを使用でき、また、樹脂のラ
ミネートフイルム、金属フイルムとのラミネートフイル
ムも使用することができる。

表フイルム１の上縁の内側には、感圧接着剤８が塗布さ
れていて、その上に剥離紙９が貼着されている。

本実施例商品包装袋の蓋材11は第３図の正面図に示す形
状で、厚手のシートからなる。

蓋材11の材質は、紙製又はプラスチック製の腰のあるシ
ートを使用することができる。

プラスチック製シートは、ある程度腰のあるものは特に
制限なく使用できるが、例えば、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂シー
ト及びフェノール樹脂などの熱硬化製樹脂シートも使用
することができる。また、これらの樹脂に無機充填剤を
添加したものも使用することができる。

熱可塑性プラスチック製シートを使用した場合は、プラ
スチック製袋体部に該蓋材11を融着固定できる利点があ
り、蓋材を袋体部に固定するのが便利である。また、紙
製の蓋材の場合は、腰があり、折り曲げやすい利点があ
る。

本実施例では、蓋材11の矩形形状の11a部分と、11b部分
は、中央折り曲げ線16を介してつながっており、11aの
シートは11bより幅が広く、ほぼ蓋部Ｈの上縁のアーチ
状曲線と同じ長さにしてある。そして、両シートの幅の
和は、袋体部の表フイルム１と裏フイルム２の横幅の和
と一致している。

本考案においては、２枚の蓋材シートは中央折り曲げ線
で連続しているが、２枚が分離しているもの、及び、分
離した２枚の内の少なくとも１枚が袋体部の表裏のシー
トを構成している場合も、本考案の上部の封口機構が形
成できるものであれば本考案の蓋材シートに含まれる。
また、２枚の蓋材シートが両側縁で接着剤又は融着によ
り固定されて、チューブ状になっているものも使用する
ことができる。

本実施例第３図の蓋材シート11を11aを表側にして11bを
裏フイルム２に密着させて、第２図の開口部Ｄから挿入
して、底Ｆ及びＧにそれぞれの蓋材シートの下端を到達
させる。シート11bの下縁にある底片Ｍは、折り目13を
曲げて底片Ｍを袋体部の底に広げて、底を強化する。蓋
材シート11を挿入して、底片Ｍを設置すると、袋体部分
は蒲鉾型に形成される。商品を袋体部内に充填して、上
部の蓋部Ｈを折り曲げ線12で折り曲げ、アーチ状上縁14
を表側シート11aの上縁まで曲げて、表フイルム１の上
縁の接着剤層８で、表側フイルム１の上縁とアーチ状縁
14を第７図のように接着することができる。

このようにして、第４図のような蒲鉾型包装体を形成す
ることができる。

次に、第３図の蓋材シート11と同様のものに、第５図の
ように、裏側シート11bの上縁のアーチ型を第３図より
高いアーチ型凸状上縁14として、表側シート11aの上縁
にやや低いアーチ型凹状上縁17を設けた、裏側シート11
bの下部には、アーチ型凸状下縁を付けたものを、第３
図の蓋材シートの代わりに使用すれば、ヘッダー部から
蓋部が斜めに傾斜した第６図の側面図の包装体が得られ
る。

この場合、アーチ型凸状上縁14とアーチ型凹状上縁17の
長さが同一であり、底片Ｍのアーチ型凸状下縁と表側シ
ート11aの幅が同一になっている。

この実施例の商品包装袋に商品を入れて蓋を第７図のよ
うに固定すると、第６図のように、蓋部Ｈが斜めに傾斜
した立体的開口部を形成することができる。

本実施例の包装体は第７図に示す部分断面図のように、
蓋部Ｈが表側シート11aの縁で、表フイルム１に塗布さ
れた接着剤層８で固定される。

本考案において、包装体が蒲鉾型を形成するのは、表側
シート11aが裏側シート11bより幅が長いこと及び外側の
袋体部分の横周囲が両シートの幅の和にほぼ等しいこと
に起因している。

この理由によって、袋の中に蓋材シートを薄手の袋体部
フイルムに密着させて挿入すると必然的に蒲鉾型にな
る。

次に、２枚の蓋材シートの幅を同一にして開口部を立体
的にする場合は、包装体は、いわゆる猫目形状の断面を
持つ立体構造となる。これは、蓋材シートが第８図のよ
うに表フイルム１とほぼ同幅の矩形状蓋材シート２枚を
中央折り目16で連結しており、ヘッダー部の側になる蓋
シート11bの上部はアーチ型凸状上縁14となっていて、
該シート11bの両上角を結んで、対象的なアーチ型凹状
折り目線18が設けてあり、折り目線18と上縁14で囲まれ
る猫目状部分Ｈを蓋部とする。他方の蓋材シート11aの
上部は、折り目線18と同型のアーチ型凹状上縁19を形成
している。

この蓋材シートを第１図及び第２図の袋体に挿入して、
前記と同じように、折り目線18で折り曲げて上縁14を凹
状上縁17に当てて、表フイルム１の接着剤層８で固定す
れば、開口部が上方から見ると、蓋部Ｈの猫目状形状と
なり、横から見ると第９図のような湾曲した立体的形状
に維持される。

本実施例の蓋材11の代わりに第10図のような、開口部付
近だけに、設置する蓋材を使用することができる。この
場合は、袋体部本体は収納商品によって厚みが出て、開
口部は蓋材によって厚みが出て、立体的開口部の包装体
が形成できる。

このような長さの短い蓋材の場合は、蓋材の位置が上下
に移動する可能性があるので、蓋材の幅を袋体の幅とき
っちり一致させたり、融着若しくは接着剤で開口部の適
切な位置に固定するのが望ましい。

さらに、本考案の商品包装袋には第11図の蓋材を使用す
ることができる。これは、第３図と第10図の中間の形状
であり、特に表側に蓋材の長いシートを設置すると商品
が見栄えする。

このように蓋材シートの少なくともいずれか一方が短い
ものは他の態様の蓋材シートにも適用することができ
る。

［考案の効果］ 本考案の商品包装袋は、包装体の形状特に開口部の形状
を立体的な一定のアーチ状形状にすることができるので
包装体の見栄えがよい利点がある。

また、本考案は、ヘッダー付き商品包装袋、補強シート
入り商品包装袋など種々の商品包装袋に適用できて、種
々のプラスチック製袋の包装に高級感を付与するので、
商品の販売促進につながる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例商品包装袋の袋体部の正面図
であり、第２図はその縦断面図であり、第３図はこの袋
体部に挿入する蓋材の平面図であり、第４図は同実施例
商品包装袋を使用した包装体の斜視図であり、第５図は
別の態様の蓋材シートの平面図であり、第６図はこれを
用いた包装体の斜視図であり、第７図は本考案の開口部
の封口状態の１態様を示す部分断面図であり、第８図は
本実施例の蓋材の他の形状を示す平面図であり、第９図
はこれを用いた場合の包装体の斜視図であり、第10〜11
図は他の実施例の蓋材シートの平面図である。 図中の符号は、1;表フイルム、2;裏フイルム、3;ヘッダ
ーフイルム、4;ヘッダーシート、5;ヘッダー下縁融着
部、６、7;側縁融着部、8;感圧接着剤層、9;剥離紙、1
0;ガゼット折り、11a、11b;蓋材シート、12、13;直線状
折り目線、14;アーチ型凸状上縁、15;アーチ型凸状下
縁、16;中央折り目線、17、19;アーチ型凹状上縁、18;
アーチ型折り目線であり、Ａ、Ｂ、C;蓋材シートの上
角、D;開口部、H;蓋部、M;底片である。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２枚の略矩形状薄手プラスチックフイルム
   を重合してその重合した側縁を融着して袋体部を形成し
   たプラスチックフイルム製袋の開口部に、厚手の紙製又
   はプラスチック製の幅の相違する蓋材シート２枚が開口
   部の内側に密接して設置されており、該両蓋材シートの
   幅の和が袋体部の開口部の周囲の長さとほぼ一致し、２
   枚の蓋材シートの内の幅狭蓋材シートは、アーチ型凸状
   上縁を有し、かつ、該蓋材シートの左右両上角を結ぶ直
   線上に折り目線を設け、アーチ型凸状上縁と折り目線で
   囲まれた半月形状部分を蓋部として、該蓋部を該蓋材シ
   ートの直線状折り曲げ線で袋体内側に折り曲げて、該蓋
   部上縁を開口部にある幅広蓋材上縁に接着剤層で固定し
   て開口部を立体的に封口できることを特徴とする商品包
   装袋。
2. 【請求項２】２枚の略矩形状薄手プラスチックフイルム
   を重合してその重合した側縁を融着して袋体部を形成し
   たプラスチックフイルム製袋の開口部に、厚手の紙製又
   はプラスチック製の幅の相違する蓋材シート２枚が開口
   部の内側に密接して設置されており、該両蓋材シートの
   幅の和は、開口部の周囲の長さとほぼ一致しており、両
   蓋材シートの内の幅狭蓋材は、アーチ型凸状上縁を有
   し、かつ、該幅狭蓋材シートの左右両上角を結ぶ直線上
   に折り目線を設け、アーチ型凸状上縁と折り目線で囲ま
   れた半月形状部分を蓋部として、他方の幅広蓋材シート
   の上縁は前記アーチ型凸状上縁より低いアーチ型凹状で
   あって、該アーチ型凹状曲線は前記アーチ型凸状曲線の
   長さとほぼ一致した上縁を有し、該蓋部を該幅狭蓋材シ
   ートの直線状折り曲げ線で袋体内側に折り曲げて、該蓋
   部上縁を幅広蓋材シートのアーチ型凹状上縁に接着剤層
   で固定して開口部を立体的に封口できることを特徴とす
   る商品包装袋。
3. 【請求項３】２枚の略矩形状薄手プラスチックフイルム
   を重合してその重合した側縁を融着して袋体部を形成し
   たプラスチックフイルム製袋の開口部に、開口部の幅と
   同じ幅の厚手の紙製又はプラスチック製の蓋材シート２
   枚が開口部の内側に密接して設置されており、該両蓋材
   シートの第１蓋材シートはアーチ型凸状上縁を有し、か
   つ、第１蓋材シートの左右両上端を結ぶ直線の下方にア
   ーチ状に膨れた曲線上に折り目線を設けてアーチ状上縁
   と折り目線で囲まれた猫目形状部分を蓋部として有し、
   他方の第２蓋材シートの上縁には、第１蓋材シートのア
   ーチ型凸状上縁とほぼ一致する形状のアーチ型凹状上縁
   を有し、該蓋部を第１蓋材シートの折り曲げ線で袋体内
   側に折り曲げて、該蓋部上縁を開口部の第２蓋材シート
   の上縁に固定して開口部を立体的に封口できることを特
   徴とする商品包装袋。
4. 【請求項４】袋体部がヘッダー付き袋体部である請求項
   １、２又は３記載の商品包装袋。