JPH0741431A - 脳保護薬 - Google Patents

脳保護薬

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JPH0741431A
JPH0741431A JP10885694A JP10885694A JPH0741431A JP H0741431 A JPH0741431 A JP H0741431A JP 10885694 A JP10885694 A JP 10885694A JP 10885694 A JP10885694 A JP 10885694A JP H0741431 A JPH0741431 A JP H0741431A
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JP
Japan
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calmodulin
active ingredient
compound
cell death
cerebral
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JP10885694A
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English (en)
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Yasufumi Shirasaki
康文 白崎
Hitoshi Yamaguchi
等 山口
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】脳領域の各種疾患及びその後遺症の治療及び予
防薬を提供する。 【構成】カルモジュリン阻害薬を有効成分として含有す
る医薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脳領域の各種疾患およ
びその後遺症の治療、再発予防および予防に有用な医薬
に関する。
【0002】
【従来技術】脳血管障害(この『脳血管障害』という用
語は、虚血などに起因する各種脳細胞への障害および脳
内の血管の障害を意味する。)は、血管の狭窄あるいは
脳血栓や脳塞栓に起因する血管閉塞が引き金となって脳
血流がある閾値以下に低下する状態の、いわゆる脳虚血
によって発症する。Kirinoら(Brain Res, 377:344 -34
7(1982))は、砂ネズミに一過性の脳虚血を負荷すると
海馬神経細胞死が緩やかに遅れて現れる(2または3日
後)いわゆる遅発性神経細胞死という現象を発見した。
脳神経細胞での虚血等の障害の発生から神経細胞死に至
る過程については、諸説があるが必ずしも明確ではな
い。
【0003】虚血時には神経の前シナプス側からシナプ
ス間隙にグルタメートが放出され、これが後シナプス側
のグルタメート受容体に結合し、細胞内へのカルシウム
イオンの流入や細胞内貯蔵部位からのカルシウムイオン
の遊離が促進され、またカルシウム−ATPaseの不調によ
る細胞内カルシウムイオンの流出が抑制されるために、
細胞内カルシウムイオン濃度の上昇をきたし、神経細胞
死に至るといわれている(Siesjoe and Bengtsson, J.
Cereb. Blood Flow Metab., 9:127(1989))。細胞内カ
ルシウムイオン濃度は細胞外のそれに比して極めて低
く、細胞内のカルシウムイオン濃度が増加して一定レベ
ルに達すると細胞が生存できないことは知られている。
しかし、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇から神経細
胞死に至る過程は明らかではない。
【0004】また、脳虚血時にカルシウム結合蛋白であ
るカルモジュリンが活性化されたこと(Picone et.al.,
J. Cereb. Blood Flow Metab., 9:805 - 811(1989))
や、カルモジュリン依存性リン酸化酵素の活性が変化し
たこと(Churn et.al., Stroke, 21:1715 - 1721(199
0))、そして、カルモジュリン結合性の細胞骨格蛋白で
あるフォドリンの分解が脳虚血障害で亢進したことが報
告されている(Seubertet.al., Brain Res., 492:366 -
370(1989))。
【0005】一方、カルモジュリンがカルパインによる
フォドリンの分解を亢進したこと(Harris et.al., J.
Biol. Chem., 264:17401 - 17408(1989))、そして、カ
ルモジュリン阻害作用も示す化合物(カルモジュリン阻
害作用とは、カルモジュリンに結合してカルモジュリン
とほかの酵素や蛋白との結合を阻害する作用を意味す
る。)として知られているトリフルオロペラジンがフォ
ドリンの分解を抑制したという報告はある(Seubert e
t.al., Synapse, 1:20 - 24(1987))。しかし、この現
象が神経細胞死に関与したとする報告はない。
【0006】カルモジュリン阻害作用を有する薬剤は、
抗高血圧薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、精神分裂病治療
薬、あるいは脳血管拡張作用に基づく脳循環改善薬とし
ての適用が考えられてはいるが神経細胞障害の抑制作用
は実証されていない。小暮らはカルモジュリン阻害作用
を示す物質であるW-7 について遅発性細胞死の抑制効果
を検討したが無効であったと報告し、カルモジュリン阻
害薬を脳血管障害治療薬として用いる可能性を否定した
(小暮ら、蛋白質核酸酵素、35:1254、 (1990))。
【0007】なお、カルモジュリン阻害作用も有するフ
ェノチアジン化合物がその抗酸化作用に基づいて脳虚血
障害を軽減したという報告はある(Yu et.al., Stroke,
23:1287 - 1291(1992))。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】近年、高齢化の進展
に伴って脳血管障害やアルツハイマー病等の脳領域の疾
病の増加が社会問題となっている。これらの疾病の根底
には種々の原因によって起こる脳神経細胞死があること
が知られている。たとえば脳血管障害は、いわゆる脳虚
血によって発症するが、その障害の程度は虚血時間と相
関しており、軽度の虚血ではあまり問題とはならないも
のの、虚血が長時間に及ぶと脳に器質的障害を与える。
成熟神経細胞は分裂再生されないため、この障害は永久
的な器質的変化となって脳血管障害後遺症として予後に
強く影響する。
【0009】したがって、神経細胞死を抑制することは
脳血管障害の治療や後遺症の改善に対して極めて有用で
ある。さらに、アルツハイマー病においても細胞骨格蛋
白の分解亢進に基づく神経細胞死がその原因として提唱
されており、したがって、神経細胞死を抑制すること
は、アルツハイマー病の治療や予防、そして後遺症の改
善薬に対しても有用である。
【0010】すなわち、神経細胞障害時の細胞内カルシ
ウムイオンの増加によって引き起こされるカルモジュリ
ンの過剰な活性化を、カルモジュリン阻害薬によって抑
制することができれば神経細胞死を抑制できるのであ
る。
【0011】
【発明によって解決された問題点】遅発性神経細胞死は
脳虚血障害の発症の数日後から発現するが、脳虚血障害
発症の早期から(具体的には、1時間後からでも。)細
胞質のカルモジュリン量が減少し、細胞膜側のカルモジ
ュリン量が増加していることを本発明者らは見いだし
た。これは、海馬ホモジネート中に過剰のカルシウムイ
オンを添加した条件で起こる現象と同一であった。この
現象は、脳虚血時にカルシウムイオンがカルモジュリン
と結合した後にそのうちの一部が膜側に移動することを
示している。また、膜に存在する細胞骨格蛋白の一つで
あるフォドリンは、カルシウムイオン添加によって分解
が促進されること、さらにその分解物にカルモジュリン
が結合していることをも明らかにした。
【0012】さらに、砂ネズミの脳虚血モデルにおい
て、神経細胞死に先行してフォドリンの分解が亢進する
ことを本発明者らは見いだした。カルモジュリンに対す
る選択性が高くかつ強力なカルモジュリン阻害作用を示
す後述の化合物Aおよび化合物Bを用いた検討の結果、
カルモジュリン阻害作用を示す化合物が脳虚血早期のカ
ルモジュリンの膜側への移動を抑制すること、フォドリ
ンの分解を抑制すること、そして、神経細胞死を抑制す
ることを本発明者らは見いだし本発明を完成したのであ
る。
【0013】すなわち本発明は、カルモジュリン阻害薬
を有効成分として含有することを特徴とする脳保護薬に
関する。
【0014】さらに本発明は、カルモジュリン阻害薬を
有効成分として含有することを特徴とする脳細胞死の抑
制薬に関する。
【0015】また本発明は、カルモジュリン阻害薬を有
効成分として含有することを特徴とする神経細胞死の抑
制薬に関する。
【0016】そして本発明は、カルモジュリン阻害薬を
有効成分として含有することを特徴とする脳神経細胞死
の抑制薬に関する。
【0017】さらに本発明は、カルモジュリン阻害薬を
有効成分として含有することを特徴とする脳虚血時の脳
保護薬に関する。
【0018】また本発明は、カルモジュリン阻害薬を有
効成分として含有することを特徴とする脳虚血時の脳細
胞死の抑制薬に関する。
【0019】そして本発明は、カルモジュリン阻害薬を
有効成分として含有することを特徴とする脳虚血時の神
経細胞死の抑制薬に関する。
【0020】さらに本発明は、カルモジュリン阻害薬を
有効成分として含有することを特徴とする脳虚血時の脳
神経細胞死の抑制薬に関する。
【0021】また本発明は、カルモジュリンと細胞骨格
蛋白の結合を阻害する化合物を有効成分として含有する
ことを特徴とする脳保護薬に関する。
【0022】そして本発明は、カルモジュリンと細胞骨
格蛋白の結合を阻害する化合物を有効成分として含有す
ることを特徴とする脳細胞死の抑制薬に関する。
【0023】さらに本発明は、カルモジュリンと細胞骨
格蛋白の結合を阻害する化合物を有効成分として含有す
ることを特徴とする神経細胞死の抑制薬に関する。
【0024】また本発明は、カルモジュリンと細胞骨格
蛋白の結合を阻害する化合物を有効成分として含有する
ことを特徴とする脳神経細胞死の抑制薬に関する。
【0025】そして本発明は、カルモジュリンと細胞骨
格蛋白の結合を阻害する化合物を有効成分として含有す
ることを特徴とする脳虚血時の脳保護薬に関する。
【0026】さらに、本発明は、カルモジュリンと細胞
骨格蛋白の結合を阻害する化合物を有効成分として含有
することを特徴とする脳虚血時の脳細胞死の抑制薬に関
する。
【0027】また、本発明は、カルモジュリンと細胞骨
格蛋白の結合を阻害する化合物を有効成分として含有す
ることを特徴とする脳虚血時の神経細胞死の抑制薬に関
する。
【0028】そして本発明は、カルモジュリンと細胞骨
格蛋白の結合を阻害する化合物を有効成分として含有す
ることを特徴とする脳虚血時の脳神経細胞死の抑制薬に
関する。
【0029】さらに本発明は、細胞骨格蛋白の分解を抑
制する化合物を有効成分として含有することを特徴とす
る脳保護薬に関する。
【0030】また本発明は、細胞骨格蛋白の分解を抑制
する化合物を有効成分として含有することを特徴とする
脳細胞死の抑制薬に関する。
【0031】そして本発明は、細胞骨格蛋白の分解を抑
制する化合物を有効成分として含有することを特徴とす
る神経細胞死の抑制薬に関する。
【0032】さらに本発明は、細胞骨格蛋白の分解を抑
制する化合物を有効成分として含有することを特徴とす
る脳神経細胞死の抑制薬に関する。
【0033】また本発明は、細胞骨格蛋白の分解を抑制
する化合物を有効成分として含有することを特徴とする
脳虚血時の脳保護薬に関する。
【0034】そして本発明は、細胞骨格蛋白の分解を抑
制する化合物を有効成分として含有することを特徴とす
る脳虚血時の脳細胞死の抑制薬に関する。
【0035】さらに本発明は、細胞骨格蛋白の分解を抑
制する化合物を有効成分として含有することを特徴とす
る脳虚血時の神経細胞死の抑制薬に関する。
【0036】また本発明は、細胞骨格蛋白の分解を抑制
する化合物を有効成分として含有することを特徴とする
脳虚血時の脳神経細胞死の抑制薬に関する。
【0037】本発明でいう脳保護薬とは、神経細胞死を
抑制してこの神経細胞死に起因する各種の脳機能の障害
を予防し、改善しまたは治療するために使用される薬物
をいう。
【0038】従来カルモジュリン阻害薬は、抗高血圧、
抗狭心症、抗不整脈そして脳循環改善などの循環器疾患
の治療薬として、あるいは向精神薬としての適用が考え
られていた。しかし本発明者らの知見から、カルモジュ
リン阻害薬は脳血管障害治療薬になり得ることが明らか
となった。したがってカルモジュリン阻害薬は、カルモ
ジュリンの過剰な活性化により惹起される各種疾患の治
療薬、特に脳血管障害(脳梗塞、脳塞栓、一過性脳虚血
発作、脳血栓等)、脳変性疾患(アルツハイマー病、パ
ーキンソン病等)、およびその他の脳障害(薬物中毒、
ガス中毒、外傷性脳疾患)、そしてこれらに基づく疾病
(自発性低下、欝状態、記憶障害等)に対する予防、治
療薬として有用性が高い。
【0039】なお本発明は、当然に、カルモジュリン阻
害薬を投与することを特徴とするカルモジュリンの過剰
な活性化によって惹起される各種疾患の治療法をも含有
している。
【0040】本発明の脳保護薬の投与方法は経口、非経
口投与のいずれでもよい。
【0041】本発明の脳保護薬の投与量は患者の症状、
年齢、体重、症状の程度等に応じて適宜増減してもよ
い。経口投与の場合、一般的に成人一人一日当り 1 mg
から 1000 mgの範囲の投与量でよく、好ましくは 10 mg
から 500 mg の範囲であり、これを1回または数回に分
けて投与する。投与剤型としては錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤等を挙げることができる。これらは製剤は、
通常の賦形剤、滑沢剤および結合剤等の添加物と共に公
知の製剤技術によって製造することができる。
【0042】また非経口投与の場合の投与量は、成人一
人1日あたり 1 mg から 500 mg の範囲でよく、好まし
くは 10 mgから 200 mg の範囲であり、これを量を皮下
静脈内注入または点滴静脈内注入するのが適当である。
【0043】本発明の脳保護薬は通常知られた方法によ
って製剤化が可能であるが、例として、本明細書の実験
で使用された化合物Bを用いた処方例を次に示す。
【0044】[製剤例1] (1) 化合物B 10 g (2) 乳糖 50 g (3) トウモロコシデンプン 15 g (4) ヒドロキシプロピルセルロース 8 g (5) カルボキシメチルスターチナトリウム 7 g (6) ステアリン酸マグネシウム 1 g 上記の(1)、(2)、(3)および(5)を流動層造
粒機に入れて均一に混合し、(4)の 6% 水溶液を結合
液として使用して造粒し顆粒化する。これに(5)を加
え、均一に混合して打錠用混合末とする。これを用い、
(1)を 100 mg 含有する直径 8 mm の錠剤100錠と
する。
【0045】[製剤例2] (1) 化合物B 2 g (2) 0.1規定塩酸 150 ml (3) ブドウ糖 50 g (4) 注射用蒸留水 上記の(1)、(2)および(3)を混合して溶解し、
さらに注射用蒸留水を加えて全量を 1000 mlとする。こ
の溶液を 0.2μm のフィルターで除菌濾過した後、10 m
l 用アンプルに 10 mlずつ分注する。
【0046】本発明の脳保護薬は他の薬剤と組み合わせ
て用いることによって、各種疾病の予防および治療に相
加的効果または相乗的効果が期待できる。このような薬
剤としては、例えば脳循環改善薬(マレイン酸シネパジ
ド等)、脳代謝改善薬(イデべノン、インデロキサジン
等)、向精神薬(チミペロン等、イミプラミン等、ジア
ゼパム等)、頭蓋内内圧降下剤(グリセオール等)、抗
高血圧薬、血管拡張薬(トラピジル等)、解熱鎮痛剤、
消炎鎮痛剤、抗炎症ステロイド剤、抗血小板薬(チクロ
ピジン等)、抗凝固薬(ヘパリン等)、線溶誘導薬(テ
ィッシュー・プラスミノーゲン・アクチベータ等)、利
尿薬、抗高脂血薬(プロブコール等)、消化性潰瘍治療
剤、血液代用剤、肝臓疾患用剤および抗悪性腫瘍剤など
を挙げることができる。
【0047】以下に実施例を用いて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0048】
【実施例】
【0049】[薬理実験例1] カルモジュリン阻害作
化合物のカルモジュリン阻害作用は、カルモジュリン依
存性ホスホジエステラーゼ(PDE )の阻害効果を指標に
評価した。実験はトンプソンらの方法(Advances in Cy
clic Nucleotide Research, 10, 69, 1979年)を改変し
て用いた。すなわち、50 mM トリスバッファー(pH 7.
5, 5 mM MgCl2, 1 mg/ml bovine serum albumin含
有)、1 mM CaCl2、 [3H]-cGMP、 カルモジュリン(CaM、 f
rom bovine brain)、 CaM-PDE(カルモジュリン依存性ホ
スホジエステラーゼ、from bovine brain) および試験
検体を混合し、30℃で10分間インキュベートした。沸騰
水浴中で1分間加熱することによって反応を停止させた
後、蛇毒(1 mg/ml)を加え、30℃で10分間反応させる
ことによって、PDE によって生成した5'-GMPをグアノシ
ンに変換した。次にイオン交換樹脂(AG1-X8)に未反応
のcGMPを吸着させ、その後、遠心分離を行って上清の放
射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。
PDE 阻害効果をIC50値として求めたところ、用いた化合
物Aおよび化合物Bでは各々 3.93 μM および 5.46 μ
M だった。一方、対照化合物であるW-7 は 33.5 μM で
あった。
【0050】[薬理実験例2] 海馬カルモジュリン量
の細胞内局在に対する作用 砂ネズミの海馬を、0.1 mMロイペプチン、0.1 mM PMSF
およびアプロチニン(0.01 mg/ml)を含有する 20 mMト
リスバッファ(pH 7.5)でホモジネートし、1mM塩化カ
ルシウム水溶液または 1 mM EGTA(エチレンビス(オキ
シエチレンニトリロ)テトラアセティックアシッド、[-
CH2OCH2CH2N(CH2COOH)2]2 )を添加した後インキュベー
ション(37℃、 30分)した。ホモジネート液を10万x g
で遠心後、上清(可溶性画分)と沈渣(膜画分)とに分
離し、沈渣は 0.1% ルブロール PX で可溶化した。ラジ
オイムノアッセイ法により可溶性画分および膜画分中の
カルモジュリン量を測定した。海馬ホモジネート中に塩
化カルシウム水溶液を添加することにより可溶性画分の
カルモジュリン量は、EGTA処理に比べ有意に低下し、膜
画分のカルモジュリン量は塩化カルシウム水溶液の添加
により逆に上昇した。化合物A(10 μM)はカルシウム
イオンによるカルモジュリン量の変化を有意に抑制し
た。この結果を表1に示す。
【0051】一方、EGTA存在下おいてW-7 および化合物
Aは、カルモジュリン動態に何ら影響を及ぼさなかっ
た。
【0052】
【表1】
【0053】また、砂ネズミの両側総頸動脈を10分間結
紮し、血流再開1時間後および24時間後に海馬のカルモ
ジュリン量をラジオイムノアッセイ法によって測定し
た。化合物A(100 mg/kg)は 0.5% メチルセルロース
で懸濁後、虚血負荷1時間前に経口投与した。細胞質
(可溶性画分)のカルモジュリン量は脳虚血負荷1時間
後に有意に減少し、膜画分では逆に増加した(実験
1)。脳虚血負荷24時間後では膜画分でカルモジュリン
量の増加が認められたが、化合物Aはこのような膜画分
でのカルモジュリン量の増加を有意に抑制した(実験
2)。この結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】以上の薬理実験例から、脳虚血早期よりカ
ルモジュリンの細胞内局在性が変化することが明らかと
なり、このような変化は海馬ホモジネート液中にカルシ
ウムイオンを添加した場合とほぼ同様の結果だった。さ
らに、強力なカルモジュリン阻害作用を示す化合物A
は、カルシウムイオン添加(in vitro)および脳虚血モ
デルにおいてカルモジュリンの細胞内局在変化を抑制し
た。
【0056】[薬理実験例3] 細胞骨格蛋白フォドリ
ン分解に対するカルシウムイオンの効果 砂ネズミより摘出した海馬を 20 mM トリス バッファ
(pH 7.5)でホモジネートし、 1 mM CaCl2あるいは 1 mM
EGTAを添加した後、37℃で1時間インキュベーションし
た。ホモジネート液を 10,000 x gで30分間遠心し、上
清画分中の蛋白をSDS-PAGEで分離した後、ウェスタンブ
ロット法によって蛋白を同定した。使用した抗体は、フ
ォドリン抗体(rabbit anti α-Spectrin)およびカル
モジュリン抗体(sheep anti-bovine calmodulin)であ
る。EGTA処置下では、フォドリンの安定な分解物(140
- 150 kDa)がほとんど認められなかったが、Ca++を添
加することによって分解物のバンドが出現した。また、
カルモジュリンのウェスタンブロットの結果、フォドリ
ンおよびフォドリンの分解物のバンドとほぼ同じ位置に
カルモジュリンのバンドが認められた。これは、フォド
リンだけでなく分解物にもカルモジュリンが結合してし
ていることを示唆する結果である。
【0057】[薬理実験例4] 脳虚血モデルにおける
フォドリンの変化 砂ネズミの両側総頸動脈を10分間結紮して脳虚血モデル
を作製した。血流再開4時間後、24時間後および48時間
後に海馬を摘出し、0.1 mM ロイペプチン、0.1mM PMSF、
0.15 mM アプロチニン含有 20 mM トリス バッファ(p
H 7.5)でホモジネート後、 10,000 x g、 30分間遠心し、
上清中の蛋白をSDS-PAGEにて分離した後、薬理実験例3
に記した方法でフォドリンおよびその分解物を同定し
た。化合物B(100 mg/kg)は脳虚血負荷の1時間前に経
口投与し、48時間後に評価した。フォドリン分解物は正
常砂ネズミでほとんど検出されなかった。一方、脳虚血
モデルにおいて血流再開4時間後で分解物が出現し、48
時間後でも同様のバンドが認められた。このような脳虚
血によるフォドリンの分解物は、強力なカルモジュリン
阻害作用を示す化合物Bを処置することによりほとんど
検出されなかった。
【0058】[薬理実験例5] 脳虚血モデルにおける
海馬神経細胞の変化 砂ネズミに一過性の脳虚血を負荷すると、数日後から海
馬神経細胞が壊死し、この変化は遅発性神経細胞死と呼
ばれている。砂ネズミに5分間の脳虚血を負荷し、その
7日後に動物を屠殺して海馬CA1 領域に残存する神経細
胞数を計測した。脳虚血により海馬CA1 の神経細胞は、
ほとんど死滅したが、化合物Aまたは化合物B(100 mg
/kg)を脳虚血負荷の1時間後に経口投与した場合、神
経細胞死に対する明らかな保護効果を示した。この結果
を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】[参考例1] エチル 5,6-ジメトキシ-1
-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-インダゾール-3- カル
ボキシレート エチル 5,6-ジメトキシ-1H- インダゾール-3- カルボ
キシレート(250.2 g)をジメチルスルホキシド(5000
ml、モレキュラーシーブス−4Aで乾燥した)に懸濁し
た。ここにリチウムメトキサイド(38.0 g )を加え室
温で撹拌した。室温で1時間撹拌した後、3,4-ジメトキ
シベンジルクロライド(185.6 g )[3,4-ジメトキシベ
ンジルアルコール、336.4 g 、濃塩酸(300 ml)とジエ
チルエーテル(500 ml)より調製したもの。]を室温
で、10分間で滴下した。このまま室温で1時間撹拌した
後、3,4-ジメトキシベンジルクロライド(55.6 g)を加
え、室温で1時間撹拌した。更に3,4-ジメトキシベンジ
ルクロライド(55.6 g)を加え、更に室温で1時間撹拌
したところ、薄層クロマトグラフ(酢酸エチル/ヘキサ
ン=2/1)上原料のスポットがほぼ消失した。反応液
を氷水(30000 ml)の中に撹拌しながら注ぎ込んだ。上
澄み液をデカントし得られた残留物に水(15000 ml)を
加え室温で一晩撹拌した。上澄み液をデカントし得られ
た残留物にクロロホルム(10000 ml)を加え溶解し、硫
酸ナトリウムで乾燥、濾過、減圧留去した。残留物(49
7.0 g )をシリカゲルカラム(クロロホルム/四塩化炭
素/酢酸エチル=5/5/1、シリカゲル 2 kg x 9そ
の後、酢酸エチル/ヘキサン=2/1、シリカゲル 2 k
g x 4)で分離精製し、得られた溶出物を酢酸エチルで
再結晶し、無色プリズム晶、融点138 − 141℃のエチル
5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-イ
ンダゾール-3- カルボキシレート 205.0 gを得た。
【0061】IR(KBr)cm-1:1728, 1496, 1266, 1216, 12
04, 1138, 10221 H-NMRδ(ppm, CDCl3):1.49(3H,t,J=6.8Hz),3.78(3H,
s),3.85(6H,s),3.95(3H,s),4.53(2H,q,J=6.8Hz),5.58(2
H,s),6.63(1H,s),6.76(1H,s),6.80(2H,s),7.56(1H,s) 元素分析:理論値 C21H24N2O6 ; C 62.99%; H 6.04%; N
7.00% 実測値 ; C 62.83%; H 5.99%; N 6.93%
【0062】[参考例2] 5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジ
メトキシベンジル)-1H-インダゾール-3- メタノール 乳鉢で粉末状に砕いたエチル 5,6-ジメトキシ-1-(3,4-
ジメトキシベンジル)-1H-インダゾール-3- カルボキシ
レート(205.0 g )を室温下テトラハイドロフラン(15
00 ml )に懸濁し、ソディウムボロハイドライド(96.8
g)を加え室温で撹拌した。ここにメタノール(300 m
l)を30分間かけて徐々に滴下した。滴下後反応液を50
℃に暖め撹拌した。5時間後薄層クロマトグラフ(酢酸
エチル/ヘキサン=2/1)上原料のスポットが残って
いた。ソディウムボロハイドライド(19.4 g )とメタ
ノール(60 ml )を加え室温で一晩撹拌したところ、薄
層クロマトグラフ(酢酸エチル/ヘキサン=2/1)上
原料のスポットが消失した。濃塩酸(200 ml)、水(50
00 ml )、氷(1 kg )の中に撹拌しながらこの反応液
を少しずつ注ぎ込んだ。(pH 1 - 2)この水層に室温で
撹拌しながら約 pH 8になるまで飽和重曹水を加えたと
ころ無色の固体が析出してきた。これを吸引濾過によっ
て集め、水(500 ml x 2 )で洗浄後クロロホルム(100
00 ml)に溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、減圧
留去し無色の固体を得た(185.2 g )。この固体はこの
まま次の反応に用いた。
【0063】別に、少量の固体をとりエタノールで再結
晶し無色プリズム晶を得た(m.p.:187 - 188℃)。
【0064】IR(KBr)cm-1:3272, 1520, 1470, 1438, 14
18, 1318, 1284, 1256, 1210, 1166,1140, 1062, 1026,
870, 8341 H-NMRδ(ppm, CDCl3):3.77(3H,s),3.82(3H,s),3.87(3
H,s),3.92(3H,s),4.97(2H,s),5.40(2H,s),6.62(1H,s),
6.69(1H,m),6.75(2H,m),7.13(1H,s)
【0065】[参考例3] 3-クロロメチル-5,6- ジメ
トキシ-1-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-インダゾール 5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-ハイド
ロキシメチル-1H-インダゾール(184.0 g )をジクロロ
メタン(1500 ml )に室温で溶解した。溶解後、反応液
を氷冷撹拌した。ここに塩化チオニル(75.4 ml)を20
分間で滴下した。1分後、薄層クロマトグラフ(酢酸エ
チル/ヘキサン=2/1)上原料のスポットが消失し
た。反応液を室温に戻し、ジクロロメタン(3500 ml )
を加え、飽和重曹水(1000 ml )で洗浄後、硫酸ナトリ
ウムで乾燥、濾過、減圧留去し、無色の固体 189.7 gを
得た。この固体はこのまま次の反応に用いた。
【0066】1H-NMRδ(ppm, CDCl3):3.78(3H,s),3.84(3
H,s),3.88(3H,s),3.95(3H,s),4.95(2H,s),5.44(2H,s),
6.65(1H,s),6.71(3H,m),7.10(1H,s)
【0067】[参考例4] 5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジ
メトキシベンジル)-1H-インダゾール-3- アセトニトリ
3-クロロメチル-5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジメトキシベ
ンジル)-1H-インダゾール(187.0 g)をジメチルスル
ホキシド(1000 ml )に溶解し室温で撹拌した。ここに
乳鉢で粉末状にしたシアン化カリウム(134.0 g )を加
えた。反応液を50℃で2時間撹拌したところ、薄層クロ
マトグラフ(酢酸エチル/ヘキサン=2/1)上原料の
スポットが消失した。反応液を室温まで戻し、水(1500
0 ml)にあけ、1時間撹拌した。析出した固体を吸引濾
過し、水(1000 ml x 3)で洗浄した後クロロホルム
(5000 ml )に溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、
減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラム(ク
ロロホルム/エタノール=50/1シリカゲル 2 kg、で
分離後、シリカゲル 2 kg、酢酸エチル/ヘキサン=3
/1)で分離精製し淡褐色の固体 111.0 gを得た。この
固体はこのまま次の反応に用いた。
【0068】1H-NMRδ(ppm, CDCl3):3.80(3H,s),3.84(3
H,s),3.89(3H,s),3.94(3H,s),4.02(2H,s),5.43(2H,s),
6.66(1H,s),6.72(2H,m),6.69(1H,m),7.06(1H,m)
【0069】[参考例5] 5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジ
メトキシベンジル)-1H-インダゾール-3- アセティック
アシッド 5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-イン
ダゾール-3-アセトニトリル(111.0 g)をエタノール
(1000 ml)に室温で懸濁、撹拌した。ここに10N-水酸
化ナトリウム水溶液を加え加熱還流した。2時間後、薄
層クロマトグラフ(酢酸エチル/ヘキサン=3/1)上
原料のスポットが消失した。反応液を室温まで戻した
後、エタノール(約 1000 ml)を減圧留去した。これに
水(2000 ml)を加え一晩室温で撹拌した。不溶物を濾
過後、エーテル(500 ml)を加え分液操作にて有機溶媒
可溶物を取り除いた。水層に濃塩酸を加え pH 4 - 5 に
調整すると固体が析出した。これを濾過後、エタノール
で分別再結晶して5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジメトキシベ
ンジル)-1H-インダゾール-3-アセティックアシッド 4
1.0 g を得た。これを更に再結晶すること無くこのまま
次の反応に用いた。
【0070】1H-NMRδ(ppm, CDCl):3.
77(3H,s),3.84(3H,s),3.88
(3H,s),3.91(3H,s),4.03(2
H,s),5.44(2H,s),6.64(1H,
s),6.72(2H,m),6.77(1H,m),
6.96(1H,s)
【0071】[参考例6] 1−[[5,6−ジメトキ
シ-1-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-インダゾール-3-
イル]アセチル]-4-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピペ
ラジン 5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-イン
ダゾール-3-アセティックアシッド(41.0 g)をジクロ
ロメタン(500 ml)に懸濁させた。ここに2,2-ジピリジ
ルジスルフィド(24.5 g)とトリフェニルホスフィン
(30.0 g)を加え室温で撹拌した。ここに(3-クロロ-2
-メチルフェニル)ピペラジン(23.5 g)のジクロロメ
タン(200 ml)溶液を5分間で滴下し、室温で30分撹拌
した。薄層クロマトグラフ(酢酸エチル/ヘキサン=2
/1)上原料のスポットが消失したので反応液にジクロ
ロメタン(1000 ml)を加え、水で洗浄し、有機層を硫
酸ナトリウムで乾燥、濾過、減圧留去した。得られた残
留物をシリカゲルカラム(酢酸エチル/ヘキサン=2/
1、シリカゲル 2 kg)で分離精製し無色固体 61.5 gが
得られた。この固体はこのまま次の反応に用いた。これ
を少量取りエタノールで再結晶し無色プリズム晶(m.
p.: 165 - 169 ℃)を得た。
【0072】IR(KBr)cm-1:1652, 1516, 1264, 12361 H-NMRδ(ppm, CDCl3):1.24(1.5H,t,J=7.3Hz, Me of Et
OH),1.65(4H,s),2.55(2H,m),2.75(2H,m),3.72(1H,m,CH2
of EtOH),3.76(3H,s),3.78(3H,s),3.89(3H,s),3.94(3
H,s),4.09(2H,s),5.41(2H,s),6.65(1H,s),6.69(2H,m),
6.73(1H,s),7.03(1H,t,J=7.8Hz),7.09(1H,d,J=6.8Hz),
7.19(1H,S)
【0073】[参考例7] 3-[2-[4-(3-クロロ-2-メチ
ルフェニル)-1-ピペラジニル]エチル]-5,6-ジメトキシ
-1-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-インダゾール(化合
物A) 1-[[5,6-ジメトキシ-1-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-
インダゾール-3-イル]アセチル]-4-(3-クロロ-2-メチ
ルフェニル)ピペラジン(60.5 g)をテトラハイドロフ
ラン(1000 ml)に懸濁した。これに 1.0モル−ボラン
テトラヒドロフランコンプレックス・テトラハイドロフ
ラン溶液(500 ml)を加え加熱還流した。2時間後、薄
層クロマトグラフ(酢酸エチル)上原料のスポットが消
失した。反応液を室温まで冷やし、水(30 ml)を加え
過剰の試薬を分解した。テトラハイドロフランを減圧留
去した後、濃塩酸(300 ml)を加え50℃で1時間撹拌し
た。この水層を室温に戻し炭酸カリウムでアルカリ性に
し、クロロホルム(3000 ml)で抽出し、有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥、濾過、減圧留去した。得られた残留
物をシリカゲルカラム(クロロホルム/エタノール=40
/1)で分離精製し無色固体(50.0 g)を得た。これを
エタノールで再結晶し無色プリズム 46.3 gを得た。
(m.p.: 148 - 150℃)
【0074】IR(KBr)cm-1: 1518, 1466, 1454, 1260, 1
236, 1140, 1022, 10041 H-NMRδ(ppm, CDCl3):2.35(3H,s),2.85(2H,m),3.02(4
H,m),3.26(2H,m),3.78(3H,s),3.83(3H,s),3.87(3H,s),
3.94(3H,s),5.43(2H,s),6.62(1H,s),6.72(2H,s),6.78(1
H,m),6.96(1H,m),7.11(3H,m) 元素分析:理論値 C31H37N4O4Cl ; C 65.89%; H 6.60%;
N 9.91%; Cl 6.27% 実測値 ; C 65.65%; H 6.59%; N 9.58%;
Cl 6.36%
【0075】[参考例8] 5,6-ジメトキシ-1-(1-トリ
チル-4-イミダゾリル)メチル-1H-インダゾール-3-メタ
ノール 乳鉢で粉末状に砕いたエチル 5,6-ジメトキシ-1-[(1-
トリチル-4-イミダゾリル)メチル]-1H-インダゾール-3
-カルボキシレート(222.0 g)を室温下テトラハイドロ
フラン(1300 ml)に懸濁し氷水で冷却した。これにソ
ディウムビスメトキシエトキシアルミニウムハイドライ
ド(3.4Mトルエン溶液、ca. 250.0 ml)を15分で加え氷
冷下撹拌した。30分後薄層クロマトグラフィー(酢酸エ
チル/ヘキサン=2/1)上原料のスポットが消失し
た。反応液に過飽和硫酸ナトリウム水溶液を加え1時間
撹拌した後、硫酸ナトリウムを加え濾過した。この際濾
過器上の硫酸ナトリウムを熱クロロホルム(500 ml x
5)で洗った。濾液を減圧留去し、無色の固体(220.1
g)を得た。これをクロロホルムで再結晶し、無色プリ
ズム晶 181.0 gを得た。(融点:115 - 120 ℃(de
c.))
【0076】IR(KBr)cm-1: 3216, 3172, 3008, 2936, 1
510, 1488, 1472, 1444, 1302, 1260,1172, 1156, 112
8, 1102, 1036, 1014, 836, 764,746, 702, 678, 666,
6361 H-NMRδ(ppm, CDCl3):3.91(3H,s),3.92(3H,s),4.92(2
H,s),5.44(2H,s),6.76(1H,s),6.95(1H,s),7.05(5H,m),
7.26(1H,s,CHCl3),7.28(1H,s),7.31(10H,m),7.46(1H,s) 元素分析 理論値 C33H30N4O3・CHCl3 ; C 62.83%; H 4.
81%; N 8.62% 実測値 ; C 62.50%; H 4.63%; N 8.4
2%
【0077】[参考例9] 3-クロロメチル-5,6-ジメ
トキシ-1-(1-トリチル-4-イミダゾリル)メチル-1H-イ
ンダゾール 乳鉢で粉末状にした5,6-ジメトキシ-1-(1-トリチル-4-
イミダゾリル)メチル-1H-インダゾール-3-メタノール
(180.0 g)をジクロロメタン(1700 ml)に室温で懸濁
した。懸濁後、反応液を氷冷撹拌した。ここに塩化チオ
ニ 48.6 mlを5分間で滴下した。1分後、薄層クロマト
グラフ(クロロホルム/エタノール=30/1)上原料の
スポットが消失した。反応液を飽和重曹水(2000 ml)
にあけクロロホルム(5000 ml)で抽出後、硫酸ナトリ
ウムで乾燥、濾過、減圧留去し、無色の固体を得た(16
5.1 g)。この固体はこのまま次の反応に用いた。
【0078】1H-NMRδ(ppm, CDCl3):3.95(3H,s),4.09(3
H,s),4.83(2H,s),5.67(2H,s),7.02(8H,m),7.37(10H,m),
7.88(1H,br)
【0079】[参考例10] 5,6-ジメトキシ-1-(1-ト
リチル-4-イミダゾリル)メチル-1H-インダゾール-3-ア
セトニトリル 3-クロロメチル-5,6-ジメトキシ-1-(1-トリチル-4-イミ
ダゾリル)メチル-1H-インダゾール(165.0 g)をジメ
チルスルホキシド(1200 ml)に懸濁し、室温で撹拌し
た。ここに乳鉢で粉末状にしたシアン化カリウム(43.6
g)を加えた。反応液を70℃で1時間撹拌したところ、
反応液が均一透明になり、薄層クロマトグラフィー(酢
酸エチル/ヘキサン=2/1)上原料のスポットが消失
した。反応液を室温まで戻し、水(15000 ml)に激しく
撹拌しながらあけ、そのまま1時間撹拌した。析出した
固体を吸引濾過し、水(1000 ml x 3)で洗浄した後、
クロロホルム(5000 ml)に溶解し、硫酸ナトリウムで
乾燥、濾過、減圧留去した。得られた残留物をシリカゲ
ルカラム(酢酸エチル)で分離精製し淡褐色の固体 10
8.7 gを得た。この固体はこのまま次の反応に用いた。
【0080】1H-NMRδ(ppm, CDCl3):3.92(3H,s),3.94(3
H,s),3.97(2H,s),5.42(2H,s),6.79(1H,s),7.00(1H,s),
7.02(1H,s),7.06(5H,m),7.30(10H,m),7.46(1H,S)
【0081】[参考例11] 5,6-ジメトキシ-1-(1-ト
リチル-4-イミダゾリル)メチル-1H-インダゾール-3-ア
セティック アシッド 5,6-ジメトキシ-1-(1-トリチル-4-イミダゾリル)メチ
ル-1H-インダゾール-3-アセトニトリル(107.0 g)をエ
タノール(1000 ml)に室温で懸濁した。ここに10N-水
酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム 40.0 g、水
100 mlより調製)を加え加熱還流した。6時間後、薄層
クロマトグラフィー(酢酸エチル)上原料のスポットが
消失した。反応液を室温まで戻した後、水(5000 ml)
にあけた。これを10%塩酸水溶液でpHを 3 - 4に調節し
たところ無色の固体が析出した。これを濾過し、水(50
0 ml x 3)で洗浄した。得られた固体をクロロホルム
(5000ml)に溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、減
圧留去した。得られた固体 134.0 gはこのまま次の反応
に用いた。
【0082】1H-NMRδ(ppm, CDCl3):3.84(3H,s),3.87(3
H,s),3.89(2H,s),5.43(2H,s),6.76(1H,s),6.88(1H,s),
6.93(1H,s),7.03(5H,m),7.28(10H,m),7.48(1H,S)
【0083】[参考例12] 4-(3-クロロ-2-メチルフ
ェニル)-1-[[5,6-ジメトキシ-1-(1-トリチル-4-イミダ
ゾリル)メチル-1H-インダゾール-3-イル]アセチル]
ピペラジン 5,6-ジメトキシ-1-(1-トリチル-4-イミダゾリル)メチ
ル-1H-インダゾール-3-アセティックアシッド(134.0
g)をジクロロメタン(1000 ml)に懸濁させた。ここに
2,2-ジピリジルジスルフィド(63.5 g)とトリフェニル
ホスフィン(75.6g)を加え、室温で撹拌した(懸濁が
明均一になる)。ここに4-(3-クロロ-2-メチルフェニ
ル)ピペラジン(60.7 g)のジクロロメタン(200 ml)
溶液を5分で滴下し、このまま室温で5時間撹拌した。
薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=3/
1)上原料のスポットが消失した。反応液のジクロロメ
タンを減圧留去した。得られた残留物に熱酢酸エチルを
加え撹拌したところ固体が析出した。これを吸引濾過
し、酢酸エチル(500 ml x 2)で洗浄後風乾し、無色の
固体 140.4 gを得た。この固体をシリカゲルカラム(ク
ロロホルム/エタノール=30/1)で分離精製し無色固
体 134.9 gを得た。これをエタノールから再結晶し無色
プリズム晶 120.0 g(m.p.: 103 - 105℃)を得た。
【0084】IR(KBr)cm-1: 1646, 1628, 1508, 1466, 1
450, 1430, 1260, 750, 7021 H-NMRδ(ppm, CDCl3):1.23(1.2H,t,J=6.8Hz, Me of Et
OH),2.28(3H,s),2.55(2H,m),2.73(2H,m),3.67(4H,m),3.
71(0.8H,q,J=6.8Hz, CH2 of EtOH),3.90(3H,s),3.93(3
H,s),4.03(2H,s),5.43(2H,s),6.68(1H,s),6.72(1H,d,J=
8.3Hz),6.90(1H,s),7.03(7H,m),7.14(1H,s),7.27(10H,
m),7.41(1H,S) 元素分析 理論値 C45H43N6O3Cl・0.4EtOH・H2O;C 70.10%;H 5.70%;N
10.70%;Cl 4.72%; 実測値 ;C 70.02%;H 5.78%;N
10.60%;Cl 5.11% [参考例13] 3-[2-[4-(3-クロロ-2-メチルフェニ
ル)-1-ピペラジニル]エチル]-5,6-ジメトキシ-1-(4-イ
ミダゾリルメチル)-1H-インダゾール(化合物B) 4-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-1-[[[5,6-ジメトキシ-
1-(1-トリチル-4-イミダゾリル)メチル]インダゾール
-3-イル]アセチル)ピペラジン(120.04 g)をテトラ
ハイドロフラン(1000 ml)に懸濁した。これに1.0M-ボ
ランテトラハイドロフランコンプレックス(800 ml)を
加え、加熱還流した。90分後薄層クロマトグラフィー
(酢酸エチル)上原料のスポットが消失した。反応液を
室温まで冷やし、水(30 ml)を加え過剰の試薬を分解
した。テトラハイドロフランを減圧留去した後、濃塩酸
(150 ml)、水(200 ml)、エタノール(40 ml)を加
え50℃で1時間撹拌した。この水層を室温に戻し炭酸カ
リウムでアルカリ性にしクロロホルム(3000 ml)で抽
出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、減圧留去
した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム/エタノール=40/1)で分離精
製し、無色固体を得た。これをイソプロピルアルコール
−イソプロピルエーテルで再結晶し、無色プリズム 71.
0 gを得た(融点:143 - 144.5 ℃)。
【0085】IR(KBr)cm-1:1510, 1464, 1432, 1272, 12
38, 1206, 10061 H-NMRδ(ppm, CDCl3):2.34(3H,s),2.78(4H,m),2.90(2
H,m),2.97(4H,m),3.17(2H,m),3.90(3H,s),3.91(3H,s),
5.45(2H,s),6.83(1H,s),6.84(1H,s),6.92(1H,m),7.00(1
H,s),7.09(2H,m),7.52(1H,s) 元素分析 理論値 C26H31N6O2Cl ; C 63.09%; H 6.31%;
N 16.98%; Cl 7.16% 実測値 ; C 62.93%; H 6.30%; N 16.88%;
Cl 7.16%
【0086】
【発明の効果】本発明者は、 1)脳虚血あるいはカルシウ
ムイオンの添加に基づくカルシウムイオン濃度の上昇に
よってカルモジュリンの細胞内局在が変化すること、2)
活性型カルモジュリン(カルシウムイオンと結合したカ
ルモジュリン)は、膜に移動して細胞膜の裏打ち蛋白で
あるフォドリンと結合してその分解を亢進すること、3)
従来のカルモジュリン阻害薬よりも作用強度を増強した
試験化合物AおよびBは、 神経細胞壊死を抑制すること
を明らかにした。すなわち、脳虚血に基づく神経細胞死
に対し、カルモジュリンの活性化、そしてフォドリンの
分解亢進が重要な役割を演じていることを明らかにした
のである。したがって、カルモジュリンの異常な活性化
を抑制する薬物は脳保護薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 403/06 231

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルモジュリン阻害薬を有効成分として
    含有することを特徴とする脳保護薬
  2. 【請求項2】 カルモジュリン阻害薬を有効成分として
    含有することを特徴とする脳細胞死の抑制薬
  3. 【請求項3】 カルモジュリン阻害薬を有効成分として
    含有することを特徴とする神経細胞死の抑制薬
  4. 【請求項4】 カルモジュリン阻害薬を有効成分として
    含有することを特徴とする脳神経細胞死の抑制薬
  5. 【請求項5】 カルモジュリン阻害薬を有効成分として
    含有することを特徴とする脳虚血時の脳保護薬
  6. 【請求項6】 カルモジュリン阻害薬を有効成分として
    含有することを特徴とする脳虚血時の脳細胞死の抑制薬
  7. 【請求項7】 カルモジュリン阻害薬を有効成分として
    含有することを特徴とする脳虚血時の神経細胞死の抑制
  8. 【請求項8】 カルモジュリン阻害薬を有効成分として
    含有することを特徴とする脳虚血時の脳神経細胞死の抑
    制薬
  9. 【請求項9】 カルモジュリンと細胞骨格蛋白の結合を
    阻害する化合物を有効成分として含有することを特徴と
    する脳保護薬
  10. 【請求項10】 カルモジュリンと細胞骨格蛋白の結合
    を阻害する化合物を有効成分として含有することを特徴
    とする脳細胞死の抑制薬
  11. 【請求項11】 カルモジュリンと細胞骨格蛋白の結合
    を阻害する化合物を有効成分として含有することを特徴
    とする神経細胞死の抑制薬
  12. 【請求項12】 カルモジュリンと細胞骨格蛋白の結合
    を阻害する化合物を有効成分として含有することを特徴
    とする脳神経細胞死の抑制薬
  13. 【請求項13】 カルモジュリンと細胞骨格蛋白の結合
    を阻害する化合物を有効成分として含有することを特徴
    とする脳虚血時の脳保護薬
  14. 【請求項14】 カルモジュリンと細胞骨格蛋白の結合
    を阻害する化合物を有効成分として含有することを特徴
    とする脳虚血時の脳細胞死の抑制薬
  15. 【請求項15】 カルモジュリンと細胞骨格蛋白の結合
    を阻害する化合物を有効成分として含有することを特徴
    とする脳虚血時の神経細胞死の抑制薬
  16. 【請求項16】 カルモジュリンと細胞骨格蛋白の結合
    を阻害する化合物を有効成分として含有することを特徴
    とする脳虚血時の脳神経細胞死の抑制薬
  17. 【請求項17】 細胞骨格蛋白の分解を抑制する化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする脳保護薬
  18. 【請求項18】 細胞骨格蛋白の分解を抑制する化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする脳細胞死の
    抑制薬
  19. 【請求項19】 細胞骨格蛋白の分解を抑制する化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする神経細胞死
    の抑制薬
  20. 【請求項20】 細胞骨格蛋白の分解を抑制する化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする脳神経細胞
    死の抑制薬
  21. 【請求項21】 細胞骨格蛋白の分解を抑制する化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする脳虚血時の
    脳保護薬
  22. 【請求項22】 細胞骨格蛋白の分解を抑制する化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする脳虚血時の
    脳細胞死の抑制薬
  23. 【請求項23】 細胞骨格蛋白の分解を抑制する化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする脳虚血時の
    神経細胞死の抑制薬
  24. 【請求項24】 細胞骨格蛋白の分解を抑制する化合物
    を有効成分として含有することを特徴とする脳虚血時の
    脳神経細胞死の抑制薬
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