JPH0741376U - 冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 集水タンクに溜められた除霜水が所定量以上
である場合に蒸発皿へ排水させられると共に、集水タン
ク内の除霜水を振動子の駆動によって、微粒子状態の水
分子湿気を冷蔵室へ噴出する。 【構成】 蒸発器に付いている霜が蒸発器ヒーターの放
熱によって溶かされた除霜水を集める除霜水受け漏斗
と、前記除霜水受け漏斗に集められる除霜水を第１の配
水管を通して溜める集水手段と、前記集水手段に溜めら
れた除霜水を微粒子状態の水分子湿気に変換させる振動
手段と、前記振動手段によって発生された水分子湿気を
冷蔵室内へ供給する加湿パイプとからなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、直冷式または間接冷却方式を採用した冷蔵庫の冷蔵室に湿気を供給 する湿気噴霧装置に関するもので、特に冷蔵庫の除霜水を排水する配水管に集水 タンクと振動子を装着し、冷蔵庫の冷蔵室に微粒子状態の水分子を噴霧し、冷蔵 室に湿気を供給する冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

かかる種類の冷蔵室湿気噴霧装置を備えている冷蔵庫では、例えばコノ（KONO ）によって考案されている日本国実開昭５９−７２４８２号がある。該冷蔵庫に おいては、第１図に示すような冷蔵庫１の冷蔵室３を高湿度に保ち、魚、野菜、 果物、生花等の食料を人為的な処置をせず、長期間保存し得る構造となっている 。

【０００３】 すなわち、冷蔵庫１の下部及び上部に機械室２及び冷蔵室３を配設し、前記冷 蔵室３の後部から底部には冷蔵室３の後上部及び前側底部に冷蔵室３と連通する 通路４が形成され、該通路４は後部に沿って形成されている第１通路４ａと、底 部に沿って形成されている第２通路４ｂとからなる。 また、前記冷蔵庫１の背面５には少なくとも第１通路４ａを冷却し、または機 械室２に配設されている圧縮機７及び凝縮器８と共に冷凍サイクルを構成する冷 却パイプ６が配設されている。または、凝縮器８またはその付近には凝縮器８を 冷却する凝縮ファン９が配設されている。

【０００４】 そして、前記第１通路４ａの上部には空気を冷蔵室３より通路４の上部から下 部に向けて循環させる庫内ファン１０が配設され、第１通路４ａ内の冷却パイプ ６の下部には空気が流通し得るよう格子状の第１部材１１ａと該第１部材１１ｂ を両端部に配設したハニカム構造体の第２部材１１ｂとなっている多孔質体１１ が配設されているため、通路４の上部から下部に向けて落ちる水滴などを一時的 に保留し、この保留された水滴と庫内ファン１０によって循環する空気との接触 を長時間保ち、蒸発を促進するものである。

【０００５】 また、前記第１通路４ａの下部に配設されている機械室２には第１通路４ａの 底部に到達した水を受け入れ貯留する所定量の水槽が配設されており、該水槽１ ２には機械室に配設されて水槽につながるポンプ１４と、該ポンプ１４と多孔質 体１１上部の第１通路４ａに亘って配設され、通路４に水を噴射する噴射装置１ ３が配設されているため、噴射ノズル１５から噴射する水を水平方向及び水平方 向から上部４５°の方向に亘って噴射できるようになっている。

【０００６】 ところで、かかる構造の冷蔵庫においては、水槽内の水を通路に噴射する噴射 装置を配設した構成とし、多孔質体が冷却室へ侵入する水滴を阻止するとともに 加湿作用もあるため、冷蔵室内に加湿を適切に行うことができるが、構造が複雑 になっているので製造コストを高め、または水槽に溜められている水を排水する 排水口が形成されていないため、噴射装置によって長時間溜められている水を噴 射して冷蔵室に加湿を行うことにより、微生物の発生のおそれ等衛生上の問題点 があった。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記のような問題点を解決するためになされたもので、本考案の目的 は構造が簡単で、製造コストが安く、蒸発器に生成された除霜水を集水タンクに 溜め、溜められた水が所定の量を超える場合には、外部に配設されている蒸発皿 に排水するので、集水タンクには常時きれいな除霜水が溜められることになり、 また、集水タンクの底部に設けられる振動子の振動発生によって新鮮な微粒子状 態の水分子湿気を冷蔵室に噴出させるようにする冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置を 提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案の冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置は、除霜タイ マを用いて冷蔵室に湿気を供給する冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置において、蒸発 器に取り付けられた霜が蒸発器ヒーターの放熱によって溶かされた除霜水を集め る除霜水受け漏斗３６と、前記除霜水受け漏斗３６により集められる除霜水を第 １の配水管を通して溜める集水手段２５と、前記集水手段２５に溜められた除霜 水を微粒子状態の水分子湿気に変換させる振動手段２６と、前記振動手段２６に よって発生される水分子湿気を冷蔵室内へ供給する加湿パイプ２７とからなるこ とを特徴とする。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面に基づいて詳細に説明する。 図２は、本考案の一実施例の冷蔵室湿気噴霧装置を装着した冷蔵庫の縦断面図 であり、図３は本考案の一実施例における冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置を装着し た要部斜視図であり、図４は本考案による冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置を一部切 り抜いて後から見た正面図であり、図５は図４の矢印Ａ−Ａ線の断面図である。

【００１０】 図２ないし図５に示すように冷蔵庫１８のリアパネル１７と冷蔵室２９の後壁 ３７との空間内の下部付近に配設された湿気噴霧装置１９は蒸発器２０に付いて いる霜が蒸発器ヒーター４３の放熱によって溶かされた除霜水２１を除霜水受け 漏斗３６により集められて配水管２４を通して溜める集水タンク２５が配設され ており、該集水タンク２５には、所定量以上の除霜水が溜められる場合に第２の 配水管２２を通し蒸発皿２３へ排出させることにより、除霜水２１の水位を一定 の高さに制御する水位制御部２５Ｃが集水タンク２５の底面２５ａを一体的に折 曲され逆Ｕ字状に形成されており、または底面２５ａに形成されている凹部２５ ｂ内には集水タンク２５内に溜められた除霜水２１を微粒子状態の水分子湿気に 変換させるためにリード線２６ａ，２６ｂが接続された振動子２６が配設されて いる。

【００１１】 また、前記集水タンク２５には一端が天板２８に接続され、他端が冷蔵室２９ の後壁３７の略中央から上側に形成された吐出口２９ａに連通するよう接続され 除霜水２１が前記振動子２６の振動によって発生された微粒子状態の水分子湿気 を前記吐出口３７ａの前面に配設された通孔を有するフィルター部材３７ｂを介 し冷蔵室２９内へ吐出させる加湿パイプ２７が配設されている。 図２において、説明しない符号３５は冷媒を圧縮する圧縮機であり、３９は蒸 発器２０によって熱交換された冷気を矢印で示すように冷凍室３８、冷蔵室２９ 及び野菜室３１に強制循環させるモーター４８の回転軸に配設された循環ファン である。

【００１２】 図６は、冷蔵庫の振動子及び冷却サイクルの概略的な構成図である。同図面に 示すように圧縮機３５は除霜タイマ回路４７の固定接点Ａ，可動接点及び湿度調 節機３２を通し電源４０に接続されており、振動子２６はその両端に接続された リード線２６ａ，２６ｂと、除霜タイマ回路４７内に配設されている可動接点の 可動によって固定接点Ｂ，バイメタル３４，蒸発器ヒーター４３及び湿度ヒュー ズ４６を介して電源４０に接続されている。そこでバイメタル３４は蒸発器ヒー ター４３によってつ溶かされた除霜水が圧縮機３５の可動によって再び蒸発器の 表面に結氷することを防止するよう一定の時間が経つまで圧縮機３５の可動時点 を引き延す作用をし、温度ヒューズ４６は蒸発器ヒーター４３が長時間加熱され た場合、過熱されることを防止するために９０−１００℃程度で開放される安全 装置である。

【００１３】 前記説明において、除霜タイマ回路２２は、タイマ駆動用モーターＭと、該タ イマ駆動用モーターＭの作動に従って移動される可動接点と、一側が圧縮機３５ あるいは振動子２６に接続され予め設定されている時間、圧縮機３５あるいは振 動子２６を駆動するよう前記可動接点に接続される一対の固定接点Ａ，Ｂとから 構成されている。 かかる構成の本考案の作用について図２ないし図６を参照しながら説明する。

【００１４】 電源４０が温度調節機３２及び除霜タイマ回路４７内の可動接点に接続されて いる固定接点Ａを通し圧縮機３５に印加されると、該圧縮機３５の動作によって 圧縮された冷媒を蒸発器２０に供給し、蒸発器２０を冷却させる。 冷蔵庫１８内の冷凍室３８，冷蔵室２９及び野菜室３１等で貯蔵食料と接触し 、循環されて来る空気が冷媒によって冷却された蒸発器を通過しながら空気に含 まれている水分が蒸発器２０の表面に結氷して、−４０℃程度の霜となり、そこ で乾燥させられた冷気は冷蔵庫１８の冷凍室３８と冷蔵室２９との間に形成され ている冷気ダクトからモーター４８の軸に配設されている循環ファン４５によっ て矢印で示すように循環され冷凍室３８、冷蔵室２９及び野菜室３１を冷凍ある いは冷却させる。ところでこのような冷気の反復流によって蒸発器の表面に多く の量の霜が着霜して、該霜によって蒸発器２０の冷却効果が下がる。

【００１５】 従って蒸発器２０の冷却効果を増大させるために、一定の周期ごとに除霜タイ マ回路４７内の除霜タイマ駆動用モーターＭを駆動させ、固定接点Ａに接続され た可動接点を固定接点Ｂに切換えして接続させる。 その時、電源４０→温度調節機３２→除霜タイマ４７の可動接点→除霜タイマ 回路４７の固定接点Ｂ→バイメタル３４→蒸発器ヒーター４３→温度ヒューズ４ ９→振動子２６→電源４０とからなる閉回路を構成し、蒸発器ヒーター４３の放 熱によって蒸発器２０の表面に着霜された霜を除霜水に変換させ蒸発器２０の冷 却効果を増加させる。

【００１６】 該除霜水は冷蔵室２９の後壁３７とリアパネル１７のと間に配設されている除 霜水受け漏斗３６に集められ、第１の配水管２４を通して集水タンク２５内に溜 められた除霜水２１は振動子２６の作動によって微細な水分子の湿気に変わって 加湿パイプ２７を通し冷蔵室２９の後壁３７に形成されている吐出口３７ａ及び フィルター部材３７ｂを介して冷蔵室２９内に供給される。該冷蔵室２９内に供 給された微細な水分子の湿気は循環ファン４５によって供給される冷気と混ぜら れて野菜、果物などの食料を冷やすと共に湿気を提供し長時間に亘って鮮度を保 つようにする。

【００１７】 一方、図２に示すように集水タンク２５の底面には逆Ｕ字状の水位制御部２５ Ｃが一体に形成されているので、除霜水２１が適量をこえる場合（図２に矢印Ｃ で示す）には第２の配水管２２を通し蒸発皿２３内に排水させ、集水タンク２５ には常時きれいな除霜水が溜められているため冷蔵室２９へいつもきれいな湿気 を噴射することができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置によれば、蒸発器に 付いている霜が蒸発器により溶かされた除霜水を除霜水受け漏斗で集めて第１の 配水管を通し集水タンクに溜め、集水タンクの底部の付近に配設された振動子を 作動させて発生された微粒子状態の水分子湿気を加湿パイプ及び冷蔵室の後壁中 上部に形成されている吐出口を通して冷蔵室内に供給する構造になっているため 、構造が簡単で、また安価にて製造できるだけでなく、集水タンクの底部には逆 Ｕ字状の水位制御部が形成されているので、集水タンクに溜められた除霜水が所 定量以上である場合には第２の配水管を通して蒸発皿へ排出することができ、集 水タンク内には常時きれいな除霜水が溜められているので、該きれいな除霜水を 振動子の作動によって、新鮮な微粒子状態の水分子湿気を冷蔵室へ噴出し得る極 めて実用的な考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の高湿度冷蔵庫を示す断面側面図である。

【図２】本考案の一実施例の冷蔵室湿気噴霧装置を装着
した冷蔵庫の縦断面図である。

【図３】本考案の一実施例の冷蔵室湿気噴霧装置を装着
した冷蔵庫の一部切欠要部斜視図である。

【図４】本考案の一実施例の冷蔵室湿気噴霧装置を一部
切欠した正面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】本考案による振動子及び冷却サイクルの構成図
である。

【符号の説明】

１７ リアパネル １８ 冷蔵庫 １９ 湿気噴霧装置 ２０ 蒸発器 ２１ 除霜水 ２２ 第２の配水管 ２３ 蒸発皿 ２４ 第１の配水管 ２５ 集水タンク（集水手段） ２５Ｃ 水位制御部 ２６ 振動子 ２７ 加湿パイプ ２９ 冷蔵室 ３５ 圧縮機 ３６ 除霜水受け漏斗 ３７ 後壁 ３９ 循環ファン ４３ 蒸発器ヒーター ４７ 除霜タイマ回路 Ａ，Ｂ 固定接点 Ｍ 駆動タイマ，駆動用モーター

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 除霜タイマーを用い冷蔵室に湿気を供給
   する冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置において、蒸発器に付
   いている霜が蒸発器ヒーター４３の放熱によって溶かさ
   れた除霜水を集める除霜水受け漏斗３６と、前記除霜水
   受け漏斗３６に集められる除霜水を第１の配水管２４を
   通し溜める集水手段２５と、前記集水手段２５に溜めら
   れた除霜水２１を微粒子状態の水分子湿気に変換させる
   振動手段２６と、前記振動手段２６によって発生した水
   分子湿気を冷蔵室２９内に供給する加湿パイプ２７とか
   らなることを特徴とする冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置。
2. 【請求項２】 前記振動手段２６は、除霜タイマー回路
   ４７の作動によって一定の周期で作動して除霜水を水分
   子湿気に変換させることを特徴とする請求項１記載の冷
   蔵庫冷蔵室湿気噴霧装置。
3. 【請求項３】 前記除霜タイマー回路４７は、タイマー
   駆動用モーターＭと、前記タイマー駆動用モーターＭの
   作動によって変えられる可動接点と、一側が圧縮機３５
   あるいは振動手段２６に接続され、予め設定された時
   間、圧縮機あるいは振動子２６を駆動するよう前記可動
   接点に選択的にそれぞれ接続される一対の固定接点Ａ，
   Ｂとからなることを特徴とする請求項２記載の冷蔵庫の
   冷蔵室湿気噴霧装置。
4. 【請求項４】 集水手段２５は、所定量以上の除霜水が
   溜められた場合、第２の配水管２２を通して蒸発皿２３
   へ排出するよう、その底部に一体に形成されている逆Ｕ
   字状の水位制御部２５Ｃが形成されていることを特徴と
   する請求項１記載の冷蔵庫の冷蔵室噴霧装置。
5. 【請求項５】 前記集水手段２５は、第１の配水管２４
   と、第２の配水管２２との間に配設されている集水タン
   クであることを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫の冷蔵
   室湿気噴霧装置。
6. 【請求項６】 前記振動手段２６は、集水タンクの下部
   に取り付けられていることを特徴とする請求項１記載の
   冷蔵庫の冷蔵室湿気噴霧装置。