JPH0741220Y2 - 移動体の情報伝送装置及びアンテナ装置 - Google Patents

移動体の情報伝送装置及びアンテナ装置

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JPH0741220Y2
JPH0741220Y2 JP1990081770U JP8177090U JPH0741220Y2 JP H0741220 Y2 JPH0741220 Y2 JP H0741220Y2 JP 1990081770 U JP1990081770 U JP 1990081770U JP 8177090 U JP8177090 U JP 8177090U JP H0741220 Y2 JPH0741220 Y2 JP H0741220Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、移動体の情報伝送装置及びアンテナ装置に関
し、更に詳しくは、捻架点を有する地上側のループアン
テナ装置に、互いにオーバーラップする二つの枠形アン
テナを含む枠形アンテナ装置を面対向させ、その二つの
枠形アンテナの信号間に所定の位相差をもたせることに
より、捻架点での無信号状態を回避でき、しかも、同一
種の枠形アンテナの組合せで済む、小型かつ安価な情報
伝送装置及びアンテナ装置を提供できるようにしたもの
である。
〈従来の技術〉 第8図は従来の情報伝送装置の構成を示す図である。図
において、1は地上装置、100は車上装置、3は軌道、
4は移動体である。
地上装置1は、ループアンテナ装置11と、地上送受信装
置12とから構成されている。ループアンテナ装置11は、
移動体4の進行方向に沿って設けられ、少なくとも一つ
の捻架点を有する平行導線より構成されている。ループ
アンテナ装置11の捻架は、耐ノイズ性を向上させるため
に行なわれる。地上送受信装置12は、ループアンテナ装
置11に接続され、伝送信号の送信または受信をする。
車上装置100は、移動体4に設けられ、枠形アンテナ101
と、コイル102と、車上送受信装置103とから構成されて
いる。枠形アンテナ101とコイル102はともに水平方向に
取付けられている。枠形アンテナ101、コイル及びルー
プアンテナ装置11は、平面的に見た状態を示している。
枠形アンテナ101は、ループアンテナ装置11と送受信す
るため、ループアンテナ装置11に面対向して配設されて
いる。
枠形アンテナ101が捻架点の中心に来ると、ループアン
テナ装置11の電流が交差して対称になるので枠形アンテ
ナ101は受信できなくなる。コイル102は、捻架点におけ
る受信不能を解消するために設けられており、捻架した
部分のループアンテナが発生する磁束と鎖交するように
構成されている。
車上送受信装置103は、枠形アンテナ101の信号とコイル
102との信号を加算して受信し、枠形アンテナ101とコイ
ル102とに伝送信号を送信するように構成されている。
第9図は別の方式に係る従来の情報伝送装置の構成を示
す図である。第8図と同一参照符号は同一性ある構成部
分を示している。本従来例では、第8図におけるコイル
102の働きを、垂直枠形アンテナ104にもたせてある。す
なわち、垂直枠形アンテナ104を水平枠形アンテナ101と
直交させて設けることにより、垂直枠形アンテナ104
と、捻架した部分のループアンテナとを誘導結合させて
捻架点でも送受信できるようにしている。
更に、捻架点でも受信可能にする信号伝送方法として、
特開平2-131032号公報に開示された密結合信号伝送方法
が知られている。かかる信号伝送方法は、2つのループ
アンテナの配置間隔を対撚りケーブルの撚りピッチの
(2n+1)/4倍(n=0、1・・・)とし、一方のルー
プアンテナの受信出力の位相を移相器によりπ/2または
−π/2移相し、捻架点でも受信可能にするものである。
nの値は、撚りピッチあるいはループアンテナの相互干
渉を考慮して任意に決定する。
〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、上述した従来の情報伝送装置には、次の
ような問題点がある。
(A)第8図の従来例では、構造の異なる枠型アンテナ
101とコイル102を使用しなければならばい。このため、
枠形アンテナ101に対する入出力回路及びコイル102に対
する入出力回路は、周波数特性や受信レベルの異なる回
路構成としなければならない。また、アンテナも枠形ア
ンテナとコイルの2種類が必要となる。このため、アン
テナ及び車上送受信装置が複雑となり、価格も高価とな
る。
(B)第9図の従来例では、水平及び垂直の枠形アンテ
ナを直交させて設けてあるため、アンテナが大型とな
る。しかも移動体の下面に取付けるので、取付けスペー
スが確保できない等の問題を生じ易い。
(C)特開平2-131032号公報に開示された密結合信号伝
送方法では、ループアンテナの配置間隔が対撚りケーブ
ルの撚りピッチの(2n+1)/4倍に設定しなければなら
ない。このため、撚りピッチが長くなるとループアンテ
ナの配置間隔も長くなり、ループアンテナ装置の小型化
を図ることができない。ループアンテナの配置間隔が長
くなると、ループアンテナ装置の支持機構及び配線機構
が大きくなり、高価になる。また、鉄道等の移動体制御
では、撚りピッチが比較的長いので、ループアンテナの
配置間隔が移動体長よりも長くなる場合も生ずる。
そこで、本考案の課題は、上述した従来の問題点を解決
し、捻架点での無信号状態を回避でき、しかも、同一種
の枠形アンテナの組合せで済み、小型で安価な移動体の
情報伝送装置及びアンテナ装置を提供することである。
本考案の課題もう一つの課題は、小型化した場合でも、
枠形アンテナ同士の相互干渉をなくし得る移動体の情報
伝送装置及びアンテナ装置を提供することである。
〈課題を解決するための手段〉 上述する課題解決のため、本考案は、地上装置と、車上
装置とを有する移動体の情報伝送装置であって、 前記地上装置は、ループアンテナ装置と、地上送受信装
置とを有し、 前記ループアンテナ装置は、移動体の進行方向に沿って
設けられ、少なくとも一つの捻架点を有する平行導線よ
りなり、 前記地上送受信装置は、前記ループアンテナ装置に接続
され、伝送信号を送信しまたは受信する装置であり、 前記車上装置は、前記移動体に設けられ、枠形アンテナ
装置と、移相装置と、車上送受信装置とを有し、 前記枠形アンテナ装置は、第1の枠形アンテナと、第2
の枠形アンテナとを有し、前記第1の枠形アンテナ及び
第2の枠形アンテナのそれぞれは、前記移動体の進行方
向に互いに間隔を隔てて設けられ、単一のコイル面を形
成し、前記コイル面が他方のコイル面を形成するコイル
辺の一部を含むようにオーバーラップし、かつ、前記ル
ープアンテナ装置と面対向するように設けられており、 前記移相装置は、前記第1の枠形アンテナの信号と、前
記第2の枠形アンテナの信号とに所定の位相差をもたせ
る装置であり、 前記車上送受信装置は、前記移相装置に接続され、前記
移相装置からの信号を合成して受信し、または前記移相
装置に伝送信号を送信する装置であること を特徴とする。
さらに、本考案は、枠形アンテナ装置を小型化した場合
において、枠形アンテナ同士の相互干渉を防止するた
め、 前記第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アンテナは、両
者の前記コイル辺に誘起する2次の誘起電流のベクトル
和がゼロとなるように、オーバーラップすること を特徴とする。
〈作用〉 本考案に係る情報伝送装置は送信及び受信の双方が可能
であり、送信と受信は反対の関係にあるので、枠形アン
テナ装置が受信する場合を例にとり作用を説明する。
枠形アンテナ装置は、第1の枠形アンテナ及び第2の枠
形アンテナがループアンテナ装置に面対向するように設
けられている。このため、枠形アンテナ装置が捻架点か
ら外れた位置にあるときには、ループアンテナ装置の電
流は第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アンテナに対し
て同一に働き、第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アン
テナに誘起する信号は同相となる。枠形アンテナ装置が
捻架点の中心にあるときには、ループアンテナ装置の電
流が捻架点で線対称となるため、第1の枠形アンテナに
誘起する信号と第2の枠形アンテナに誘起する信号は互
いに逆相になる。
移相装置は、第1の枠形アンテナの信号と第2の枠形ア
ンテナの信号との間に位相差をもたせるので、第1の枠
形アンテナと第2の枠形アンテナの信号が互いに逆相で
も加算した場合に打ち消されることはない。これによっ
て、枠形アンテナ装置が捻架点の中心にある場合でも、
伝送信号を受信できる。移相装置がもたせる位相差を90
度に設定すると、同相及び逆相の双方の信号に対して最
も効果的な受信信号が得られる。
これにより、捻架点で無信号状態となるのを回避できる
ようになるとともに、枠形アンテナ装置及び車上送受信
装置が、それぞれ一種類の枠形アンテナ、入出力回路で
済むようになり、安価な情報伝送装置を得ることができ
る。
第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アンテナのそれぞれ
は、移動体の進行方向に互いに間隔を隔てて設けられ、
単一のコイル面を形成し、コイル面が他方のコイル面を
形成するコイル辺の一部を含むようにオーバーラップし
ているから、各コイル辺に生ずる2次の誘起電流が互い
に打ち消し合うようになり、第1の枠形アンテナ及び第
2の枠形アンテナの相互干渉を防止しつつ、枠形アンテ
ナ装置の小型化を図ることができ、小型で安価な情報伝
送装置を得ることができる。
更に、第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アンテナは、
両者のコイル辺に誘起する2次の誘起電流のベクトル和
がゼロとなるように、オーバーラップするから、小型化
した場合でも、枠形アンテナ同士の相互干渉をなくし得
る情報伝送装置が得られる。
〈実施例〉 本願考案の特徴は、上述したように、移相装置を有する
こと及びオーバーラップ構造の枠形アンテナ装置を有す
ることにある。以下説明を分かり易くするため、両者を
分けて説明する。
まず、移相装置について説明する。第1図は情報伝送装
置の構成を示す図、第2図はその主要部であるアンテナ
の結合状態を示す図である。図において、第8図または
第9図と同一参照符号は同一性ある構成部分を示す。情
報伝送装置は、地上装置1と、車上装置2とを有する。
地上装置1は、ループアンテナ装置11と、地上送受信装
置12とを有する。ループアンテナ装置11は、移動体4の
進行方向に沿って設けられ、少なくとも一つの捻架点11
1、112を有する平行導線よりなる。地上送受信装置12
は、ループアンテナ装置11に接続され、伝送信号を送信
しまたは受信する。
車上装置2は、移動体4に設けられ、枠形アンテナ装置
21と、移相装置22と、車上送受信装置23とを有する。枠
形アンテナ装置21は、第1の枠形アンテナ211と、第2
の枠形アンテナ212とを有する。第1の枠形アンテナ211
及び第2の枠形アンテナ212のそれぞれは、移動体4の
進行方向に互いに間隔を隔てて設けられ、ループアンテ
ナ装置11と面対向するように、設けられている。
移相装置22は、第1の枠形アンテナ211の信号A0と、第
2の枠形アンテナ212の信号B0とに所定の位相差をもた
せる。本実施例では、第1の枠形アンテナ211の信号A0
を90度遅らせるように設定してある。
車上送受信装置23は、移相装置22に接続され、移相装置
22からの信号A、Bを合成して受信し、または移相装置
22に伝送信号を送信する。
本考案に係る情報伝送装置は、送信及び受信の双方が可
能であり、送信と受信は可逆関係にあるので、枠形アン
テナ装置が受信アンテナとして動作する場合を例にとり
以下説明する。
第3図は枠形アンテナ装置21の受信状態を説明する図で
ある。図において、第1図及び第2図と同一参照符号は
同一性ある構成部分を示している。図は、第1図の移動
体4が捻架点111の手前から、捻架点112を抜け出るまで
の枠形アンテナ装置21の受信状態を示してある。
第3図(a)は移動体4が捻架点111の手前にある場合
を示している。第1の枠形アンテナ211、第2の枠形ア
ンテナ212とも、ループアンテナ装置11に対して同一の
結合になるため、得られる受信信号A0、B0は同相にな
る。受信信号A0は移相装置22で90度遅らされるので、車
上送受信装置23で加算すると、ベクトル的に合成された
信号Cが受信される。
第3図(b)は移動体4が捻架点111の上にある場合を
示している。ループアンテナ装置11の電流が捻架点111
で線対称となるため、第1の枠形アンテナ211と、第2
の枠形アンテナ212とは、ループアンテナ装置11に対し
て反対の結合になるため、得られる受信信号A0、B0は逆
相になる。受信信号A0は移相装置22で90度遅らされるの
で、車上送受信装置23で加算すると、ベクトル的に合成
された信号Cが受信される。
第3図(c)は移動体4が捻架点111と捻架点112との中
間にある場合を示している。ループアンテナ装置11の電
流方向が第3図(a)と逆方向になるので、結果とし
て、第3図(a)の場合を180度ずらしたものと同一に
なる。
第3図(d)は移動体4が捻架点112の上にある場合を
示している。ループアンテナ装置11の電流方向が第3図
(b)と逆方向になるので、結果として、第3図(b)
の場合を180度ずらしたものと同一になる。
第3図(e)は移動体4が捻架点112を抜け出た場合を
示している。ループアンテナの電流の方向は第3図
(a)の場合と同一であるから、第3図(a)の場合と
同一となる。
これによって、捻架点で伝送信号の断ち切れが防止さ
れ、無信号状態が回避されるとともに、枠形アンテナ装
置及び車上送受信装置がそれぞれ一種類の枠形アンテ
ナ、一種類の周波数特性の入出力回路で済むようにな
り、安価な情報伝送装置を得ることができる。
第1の枠形アンテナ211及び第2の枠形アンテナ212を離
して設けてあるが、第1の枠形アンテナ211及び第2の
枠形アンテナ212をオーバーラップして設けた場合も、
捻架点111、112の前後で対称性が得られるので、同様の
作用効果が得られる。
次に、枠形アンテナ装置について説明する。第4図は第
1の枠形アンテナ及び第2の枠形アンテナの具体的な配
置関係を示す図である。図に示すように、第1の枠形ア
ンテナ211及び第2の枠形アンテナ212のそれぞれは、単
一のコイル面を形成し、コイル面が他方のコイル面を形
成するコイル辺の一部を含むように長さL3だけオーバー
ラップして設けられる。第1の枠形アンテナ211のコイ
ル辺aは、第2の枠形アンテナ212のコイル辺e、f、
g、hに2次の誘起電流を発生させ、相互干渉を起こ
す。同様に、コイル辺bがコイル辺e、f、g、hに、
コイル辺cがコイル辺e、f、g、hに、コイル辺dが
コイル辺e、f、g、hに2次の誘起電流を発生させ
る。
第5図は枠形アンテナ装置21の相互干渉を説明する図で
ある。第5図(a)は第1の枠形アンテナ211のコイル
辺aに着目した相互干渉を示してある。コイル辺aが第
2の枠形アンテナ212のコイル辺eに発生させる2次の
誘起電流ae1は、コイル辺aの電流方向と逆方向とな
る。コイル辺aがコイル辺gに発生させる2次の誘起電
流ag1も同様に逆方向となる。2次の誘起電流の値の大
小関係はコイル辺aとの位置関係により決まり。ae1>a
g1となる。また、コイル辺aと直交するコイル辺f、h
に発生させる2次の誘起電流は小さいので無視できる。
第5図(b)は第1の枠形アンテナ211のコイル辺bに
着目した相互干渉を示してある。コイル辺bが第2の枠
形アンテナ212のコイル辺fに発生させる2次の誘起電
流bf1は、コイル辺bの電流方向と逆方向となる。コイ
ル辺bがコイル辺hに発生させる2次の誘起電流bh1も
同様に逆方向となる。2次の誘起電流の値の大小関係は
コイル辺bとの位置関係により決まり、bf1>bh1とな
る。また、コイル辺bと直交するコイル辺e、gに発生
させる2次の誘起電流は小さいので無視できる。
第5図(c)は第1の枠形アンテナ211のコイル辺cに
着目した相互干渉を示してある。コイル辺cが第2の枠
形アンテナ212のコイル辺eに発生させる2次の誘起電
流ce1は、コイル辺cの電流方向と逆方向となる。コイ
ル辺cがコイル辺gに発生させる2次の誘起電流cg1も
同様に逆方向となる。2次の誘起電流の値の大小関係は
コイル辺cとの位置関係により決まり、cg1>ae1とな
る。また、コイル辺cと直交するコイル辺f、hに発生
させる2次の誘起電流は小さいので無視できる。
第5図(d)は第1の枠形アンテナ211のコイル辺dに
着目した相互干渉を示してある。コイル辺dが第2の枠
形アンテナ212のコイル辺fに発生させる2次の誘起電
流df1は、コイル辺dの電流方向と逆方向となる。コイ
ル辺dがコイル辺hに発生させる2次の誘起電流dh1も
同様に逆方向となる。2次の誘起電流の値の大小関係は
コイル辺dとの位置関係により決まり、dh1>df1とな
る。また、コイル辺dと直交するコイル辺e、gに発生
させる2次の誘起電流は小さいので無視できる。
以上の各成分をベクトル的に加算して0となるオーバー
ラップ量L3を、計算または実験により求めることによ
り、第1の枠形アンテナ211及び第2の枠形アンテナ212
の相互干渉を防止しつつ、枠形アンテナ装置21及び情報
伝送装置の小型化を図ることができる。本実施例におけ
るオーバーラップ量L3は、L1の約1/10倍である。
これにより、スペースの制限された移動体の下面に取り
付けるのに好適なアンテナ装置及び小型で安価な情報伝
送装置を得ることができる。
第6図及び第7図は本考案の具体的な実施例を示す図で
ある。第6図は枠形アンテナ装置21を受信アンテナとし
て使用した場合を示してある。地上送受信装置12を送信
器121、送信アンプ122、整合器123により構成し、車上
送受信装置23を加算器233、受信アンプ234、受信器235
により構成してある。
送信器121は伝送すべきデータの作成及び通信搬送波の
変調を行ない、伝送信号を形成する。得られた伝送信号
は、送信アンプ122により増幅され、整合器123を介して
ループアンテナ装置11に印加される。枠形アンテナ装置
21により受信された伝送信号のうち、第1の枠形アンテ
ナ211の信号は移相回路221により90度位相を遅らされ、
第2の枠形アンテナの信号はそのまま加算器233に送ら
れる。加算された伝送信号は受信アンプ234により増幅
され、受信器235により復調され、データの解読が行な
われる。
第7図は枠形アンテナ21を送信アンテナとして使用した
場合を示している。地上送受信装置12は、整合器123、
受信アンプ124、受信器125により構成され、車上送受信
装置23は送信器231により構成されている。
送信器231は、伝送すべきデータの作成及び通信搬送波
の変調を行ない、伝送信号を形成する。得られた伝送信
号は移相装置22により移相されて、第1の枠形アンテナ
には90度移相した伝送信号が送信アンプ236により増幅
されて印加され、第2の枠形アンテナ212には移相され
ない伝送信号が送信アンプ237により増幅されて印加さ
れる。ループアンテナ装置11で受信された伝送信号は、
受信アンプ124により増幅され、受信器125により復調さ
れ、データの解読が行なわれる。
送信アンプ236、237を枠形アンテナ21と移相装置22の間
に設けているのは移相装置22の負担を軽減するためであ
り、送信器231と移相装置22との間に設けてもよい。
本考案における枠形アンテナ装置21とループアンテナ装
置11との結合は、面対向していればよく、取付状態は図
示した場合に限定されるものではない。
〈考案の効果〉 以上述べたように、本考案によれば、次のような効果が
得られる。
(a)第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アンテナは、
移動体の進行方向に互いに間隔を隔てて設けられ、ルー
プアンテナ装置と面対向するように設けられており、移
相装置は、第1の枠形アンテナの信号と、第2の枠形ア
ンテナの信号とに所定の位相差をもたせるので、ループ
アンテナ装置の捻架点で無信号状態になるのを防止する
ことができる。このため、枠形アンテナ装置及び車上送
受信装置が、それぞれ一種類の枠形アンテナ、入出力回
路で済むようになり、構成が簡単で安価な情報伝送装置
及びアンテナ装置を提供できる。
(b)第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アンテナのそ
れぞれは、移動体の進行方向に互いに間隔を隔てて設け
られ、単一のコイル面を形成し、コイル面が他方のコイ
ル面を形成するコイル辺の一部を含むようにオーバーラ
ップしているから、各コイル辺に生ずる2次の誘起電流
が互いに打ち消し合うようになり、第1の枠形アンテナ
及び第2の枠形アンテナの相互干渉を防止しつつ、枠形
アンテナ装置の小型化を図ることができ、小型で安価な
情報伝送装置及びアンテナ装置を提供できる。
(c)第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アンテナは、
両者のコイル辺に誘起する2次の誘起電流のベクトル和
がゼロとなるように、オーバーラップするから、小型化
した場合でも、枠形アンテナ同士の相互干渉をなくし得
る情報伝送装置及びアンテナ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る移動体の情報伝送装置の構成を示
す図、第2図はその主要部であるアンテナの結合状態を
示す図、第3図は枠形アンテナ装置の受信状態を説明す
る図、第4図は第1の枠形アンテナ及び第2の枠形アン
テナの具体的な配置関係を示す図、第5図は枠形アンテ
ナ装置の相互干渉を説明する図、第6図及び第7図は本
考案の具体的な実施例を示す図、第8図は従来の情報伝
送装置の構成をを示す図、第9図は別の方式に係る従来
の情報伝送装置の構成を示す図である。 1……地上装置 11……ループアンテナ装置 12……地上送受信装置 2……車上装置 21……枠形アンテナ装置 211……第1の枠形アンテナ 212……第2の枠形アンテナ 22……移相装置 221……移相回路 23……車上送受信装置 3……軌道 4……移動体

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】地上装置と、車上装置とを有する移動体の
    情報伝送装置であって、 前記地上装置は、ループアンテナ装置と、地上送受信装
    置とを有し、 前記ループアンテナ装置は、移動体の進行方向に沿って
    設けられ、少なくとも一つの捻架点を有する平行導線よ
    りなり、 前記地上送受信装置は、前記ループアンテナ装置に接続
    され、伝送信号を送信しまたは受信する装置であり、 前記車上装置は、前記移動体に設けられ、枠形アンテナ
    装置と、移相装置と、車上送受信装置とを有し、 前記枠形アンテナ装置は、第1の枠形アンテナと、第2
    の枠形アンテナとを有し、前記第1の枠形アンテナ及び
    第2の枠形アンテナのそれぞれは、前記移動体の進行方
    向に互いに間隔を隔てて設けられ、単一のコイル面を形
    成し、前記コイル面が他方のコイル面を形成するコイル
    辺の一部を含むようにオーバーラップし、かつ、前記ル
    ープアンテナ装置と面対向するように設けられており、 前記移相装置は、前記第1の枠形アンテナの信号と、前
    記第2の枠形アンテナの信号とに所定の位相差をもたせ
    る装置であり、 前記車上送受信装置は、前記移相装置に接続され、前記
    移相装置からの信号を合成して受信し、または前記移相
    装置に伝送信号を送信する装置であること を特徴とする移動体の情報伝送装置。
  2. 【請求項2】前記第1の枠形アンテナ及び第2の枠形ア
    ンテナは、両者の前記コイル辺に誘起する2次の誘起電
    流のベクトル和がゼロとなるように、オーバーラップす
    ること を特徴とする請求項1に記載の移動体の情報伝送装置。
  3. 【請求項3】前記移相装置は、前記第1の枠形アンテナ
    の信号と、前記第2の枠形アンテナの信号とに90度の位
    相差をもたせる装置であること を特徴とする請求項1または2に記載の移動体の情報伝
    送装置。
  4. 【請求項4】枠形アンテナ装置と、移相装置とを有する
    アンテナ装置であって、 前記枠形アンテナ装置は、第1枠形アンテナと、第2の
    枠形アンテナとを含み、前記第1の枠形アンテナ及び第
    2の枠形アンテナのそれぞれは、前記移動体の進行方向
    に互いに間隔を隔てて設けられ、単一のコイル面を形成
    し、前記コイル面が他方のコイル面を形成するコイル辺
    の一部を含むようにオーバーラップしており、 前記移相装置は、前記第1の枠形アンテナの信号と、前
    記第2の枠形アンテナの信号とに所定の位相差をもたせ
    る装置であること を特徴とするアンテナ装置。
  5. 【請求項5】前記第1の枠形アンテナ及び第2の枠形ア
    ンテナは、両者の前記コイル辺に誘起する2次の誘起電
    流のベクトル和がゼロとなるように、オーバーラップす
    ること を特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 【請求項6】前記移相装置は、前記第1の枠形アンテナ
    の信号と、前記第2の枠形アンテナの信号とに90度の位
    相差をもたせる装置であること を特徴とする請求項4または5に記載のアンテナ装置。
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