JPH0741210U - 燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 消火操作時、蒸発皿の残留燃料を少なくし、
残留燃料の燃焼時間と消火時間を短縮する。 【構成】 ポット底面より一定の距離を離して蒸発皿１
７を設置し、ポット式バーナに燃料を供給する電磁ポン
プ４と、同じく空気を供給する送風機２を備え、蒸発皿
には耐火性繊維の織布よりなる気化クロス１４を該底面
に敷設し、電磁ポンプ４と連結したノズル５を気化クロ
ス１４を略中央にその燃料出口を対向させて設置した。
これにより、消火時、蒸発皿１７に溜った燃料は送風機
２からの送風によるポット底面の冷却による影響を受け
ないで、蒸発皿底面の温度を高温に保持できるので消火
時間を短縮できる。また、蒸発皿１７の底面に気化クロ
ス１４を敷設したので燃料の気化が速やかに行われ、安
定した燃焼が継続される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は石油ストーブ等の燃焼装置に関し、特にポット式バーナの消火時間の 短縮化の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来（実開平４−６３９０８）の、ポット式バーナを備えた燃焼装置において は、灯油等の液体燃料をその側面の供給口から滴下し、或いは中央部まで延設さ れた供給口から間欠的に噴出して供給し、燃料が底面に溜まった状態で気化され ながら燃焼が継続されるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の燃焼装置においては、燃料をポット底面で気化させるた め燃焼用の空気で冷却され、消火操作の際、底面に溜まった燃料の気化が不十分 になりやすい。その為、残留した燃料による燃焼が完了するまで時間がかかり、 消火時間が長かった。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】

本考案は前記問題点を解決する為、底面が平面状をなしたポット式バーナと、 ポット式バーナに燃料を供給する燃料ポンプと、ポット式バーナに燃焼用空気を 供給する送風機とを備えた燃焼装置において、ポット内部にポット底面から一定 の距離を離して燃料蒸発用装置を設けた。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、ポット底面から一定の距離を離して燃料蒸発装置を設けてい るので、消火時においては当該装置の蒸発部に溜まった燃料は送風機からの送風 によるポット底面の冷却による影響を受けることがなく、蒸発部の温度を高温に 保つことができ消火時間を短縮できる。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示す燃焼装置の簡略断面図である。

【０００７】 図において、１はポット式バーナ、２はポット式バーナ１に燃焼用空気を供給 する送風機、３は定油面器、４は燃料ポンプとしての電磁ポンプ、５は燃料供給 用のノズル、６は点火ヒータである。ポット式バーナ１は、側面に多数の空気穴 ７が形成され、内部に燃焼安定用のリング８が設置されている。そしてポット式 バーナ１の底面から一定距離を離して蒸発皿１７が設置され、前記蒸発皿１７の 底面には、ほぼ全領域にわたる大きさの気化クロス１４が敷設されている。ポッ ト式バーナの上方には燃焼筒（図示せず）が設置され、底部には、送風ダクト９ を介して送風機２が接続され、周囲には送風ダクト９と通じる環状通路１０が形 成されている。ノズル５は送油管１１によって電磁ポンプ４と接続され、電磁ポ ンプ４によって吸上げられた定油面器３中の燃料油をポット式バーナ１に供給す る。ノズル５はその燃料出口５Ａをポット式バーナ１の底面から一定距離を離し て設置された蒸発皿１７のほぼ中央位置に対向させており、そして送油管１１の 中間部には圧力開放室１２を設けていて、吸上げられた燃料油の油圧を該圧力開 放室１２で減圧して、蒸発皿１７の中央位置付近に滴下するようにしている。１ ３はノズル５が詰ったとき燃料油が定油面器３に戻るようにした戻り管である。 １４は耐火性繊維の織布よりなる気化クロスで、例えば直径が数ミクロンのアル ミナシリカを多数撚り合わせ、且つ織布にしたものであって、その外周の形状は 、蒸発皿１７の内部底面の全領域にわたる形状となっている。気化クロス１４は 、蒸発皿１７の底面に敷設され、そしてノズル５は、燃料出口５Ａを気化クロス １４のほぼ中央位置に対向させ且つ相互に若干の間隔を有して設置されている。 １５は点火芯で、点火ヒータ６に取付けられ、気化クロス１４の上面に触れるよ うにしている。以上の構成において、点火の際は、送風機２を運転して燃焼用空 気を供給すると共に、電磁ポンプ４を運転して燃料油を供給する。燃料油はノズ ル５の燃料出口５Ａから気化クロス１４の中央部に滴下されて、該燃料油は気化 クロス１４を構成している各繊維相互間の毛管現象により含浸され、その全領域 に拡がっていく。そして点火芯１５を浸す。この過程中などに点火ヒータ６を加 熱しておくと、気化して点火する。そしてその火焔により気化クロス１４に含浸 された燃料油も順次気化されて火焔が気化クロス１４の全域に拡がつて行く。点 火ヒータ６は適時にその通電が遮断されるが、点火後は、気化クロス１４の燃料 油が気化されると気化クロス１４の上部表面における燃料油による圧力が減少し て、毛管現象により、気化クロス１４の内側にある燃料油が上部表面に供給され て、気化及び燃焼が継続される。

【０００８】 消火をする場合は、消火操作後、電磁ポンプ４による燃料油の供給は停止され るが、送油管１１及びノズル５内に残留した油は継続して蒸発皿１７に供給され る。蒸発皿１７に溜まった燃料は、蒸発皿１７の底面に敷設された気化クロス１ ４の毛管現象により気化クロス１４の全領域に円滑に拡がり、気化され燃焼され る。一方、消火操作後も送風機２の運転は継続されているが、蒸発皿１７はポッ ト底面より一定の距離を離して設置されているので、送風機２の影響を直接うけ ず、高温に維持される。この為、残留燃料による燃焼は短時間で終了するので、 消火時間は短くなる。尚、蒸発皿１７（図１参照。）はポット底面より立設され た脚により固定されているが、ポット側面あるいはポット上部から延設されたア −ム等により固定してもよい。また、蒸発皿１７（図１参照。）は断面が皿形状 となっているが、この限りでない。

【０００９】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、消火操作後も一定時間送 風機の運転により燃焼用空気はポット外周底面に供給されるが、ポット底面より 一定の距離を離して蒸発皿は設置されているので、消火操作後も、当該蒸発皿は 冷却されず高温に保たれる。この結果、残留燃料の気化効率を低下させずに燃焼 を継続できることになり、消火時間を短縮させることができる。尚、当該蒸発皿 の底面には気化クロスを敷設して、気化クロス上に燃料を滴下して供給するよう にしたので、その毛管現象により、燃料が円滑に気化クロスの全領域に拡がり燃 料の気化が促進され、より一層消炎時間を短縮できることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す燃焼装置の簡略断面図で
ある。

【符号の説明】

１・・ポット式バーナ、２・・送風機、３・・定油面
器、４・・電磁ポンプ、５・・ノズル、５Ａ・・燃料出
口、６・・点火ヒータ、１１・・送油管、１４・・気化
クロス、１５・・点火芯、１７・・蒸発皿

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底面が平面状をなしたポット式バーナと、
   ポット式バーナに燃料を供給する燃料ポンプと、ポット
   式バーナに燃焼用空気を供給する送風機とを備えた燃焼
   装置において、 ポット内部にポット底面から一定の距離を離して燃料蒸
   発用装置を設けた、 ことを特徴とする燃焼装置。