JPH0740912Y2 - 換気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、円筒体内に軸流羽根車とこれを回転駆動さ
せる駆動モータを設けた送風機本体にダクト接続用のダ
クトフランジを接続してなる換気装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 第８図は、例えば特公昭61-4895号公報に開示された従
来の換気装置を示す断面図である。即ち、この換気装置
は、両端にフランジを持つ直管形の本体20内の中心線上
に軸流羽根車21とこれを回転駆動させる駆動モータ22を
一対直列に軸流羽根車21同士が向かい合うように配置し
た構成となっている。一組の軸流羽根車21と駆動モータ
22とは一つのモータ取付脚23により、他の一組の軸流羽
根車21と駆動モータ22とは別のモータ取付脚24によりそ
れぞれ本体20内に取付けられている。

上記した換気装置は、それぞれの駆動モータ22で回転駆
動される２つの軸流羽根車21の回転方向は反対になる
が、送風方向は図において矢印で示すとおり一方向であ
る。本体20の取付けは本体20に取付けられる吊り金具に
天井から垂下させた吊りボルトを連結し、ナットで固定
して行われる。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の換気装置においては、取付けやメンテナンス時の
取外しが面倒である。即ち、本体20を落下しないように
保持する人と、吊り金具と吊りボルトとの着脱をする人
との協同作業によらないと取付けや取外しが巧くできな
いといった解決すべき課題を含んでいた。

この考案はかかる従来の課題を解決するためになされた
もので、取付け及び取外しを一人でも実施することがで
きるメンテナンスもし易い換気装置を得ることを目的と
する。

［課題を解決するための手段］ この考案に係る換気装置は、内部に送風機を有する筒体
と、この筒体の端部側でこの筒体をダクトへ連通させる
ダクトフランジとを備え、このダクトフランジの筒体側
の端には、上記筒体の端部側外周の一部を包囲する部分
と、この包囲する部分と対向し、筒体自体が抜け出うる
大きさの、筒体を包囲しない部分とを設け、上記包囲し
ない部分には、上記筒体の外周を包囲し、上記ダクトフ
ランジの所定箇所と接続される接続手段を設け、この接
続手段の下方へ進出してこの接続手段を保持し、退却し
てこの保持作用を解除する保持金具を設けたものであ
る。

［作用］ この考案に係る換気装置においては、ダクトフランジの
筒体側に設けられた筒体自体が抜け出うる大きさの包囲
しない部分から筒体を取り出せ、しかもこの作業の際に
は接続手段下方の保持金具で仮固定することができ、筒
体の着脱操作が容易となる。

［実施例］ 第１図から第７図はいずれもこの考案による換気装置の
一実施例を示したものである。図示本例の換気装置は、
円筒体１内に軸流羽根車２とこれを回転駆動させる駆動
モータ３を二組直列に配置した送風機本体を備えてい
る。円筒体１は二つの樹脂製又は金属製の筒体1a,1bを
分離可能に接続してなり、筒体1a,1bの各々に駆動モー
タ３と軸流羽根車２が一組ずつ組込まれている。各駆動
モータ３は、それぞれ各筒体1a,1b内に組付けられた金
属製のモータ取付足４の中央部に構成された保持部に回
転軸を同方向にして嵌合され、ねじにより固定されてい
る。筒体1b側のモータ取付足４の脚部の自由端に形成さ
れた円弧状のフランジは円筒体１の接続部を跨ぎ、筒体
1a,1bの接続部において両者を結合する継手機能を果た
している。円筒体１の両端外周には接続部分での空気漏
れを防ぐパッキン５が装着され、接続部材６を介してダ
クト接続用のダクトフランジ７が両端に接続されてい
る。接続部材６は、第６図に示すように管継手状の構成
で、ダクトフランジ７との接続側の外周部には換気装置
全体を取付けるための取付金具８が固定され、円筒体１
との接続側には円筒体１の端部外周を係脱可能に挟持す
る接続構造が構成されている。取付金具８は接続部材６
の下半分を受容する受部の両端に外方へ突き出す取付フ
ランジ９を持つ構成で、各取付フランジ９において天井
等から垂下される吊りボルト10とナット11により締結さ
れる。接続部材６の接続構造は、円筒体１端の外周部の
略上半分を保持する上側接続フランジ12と残りの下半分
を保持する下側接続フランジ13とからなり、上側接続フ
ランジ12と下側接続フランジ13とをフランジ接合し、ね
じで締結することにより円筒体１の端部外周を係脱可能
に挟持するように構成されている。接続部材６のダクト
フランジ７との接続側の下部には二列の案内リブ14によ
り中心線方向へスライドできるコの字形の保持金具15が
取付金具８に押さえられて取付けられている。保持金具
15は、ダクトフランジ７側へのスライドでは下側接続フ
ランジ13から退離するが、反対側へのスライドでは下側
接続フランジ13の下部外側に一部が重合するように突き
出す。接続部材６に接続されるダクトフランジ７は、換
気ダクトを嵌合接続するダクト接続側の外径部分が段付
きに形成されているが、その内径の下部には段差を持た
ず、しかもその内面下部は前記円筒体１の内面の下部よ
り高くならないように構成されている。このダクトフラ
ンジ７の接続部材６との接続端側は、二重管構造に形成
され、その外管部分7aを接続部材６に内嵌合させ、その
外管部分7aに形成された係止突起を接続部材６に形成さ
れた係合穴に係合させることにより接続部材６に接続さ
れる。なお、換気風路を開閉するシャッタ装置を必要と
するものではこのダクトフランジ７の下流側のものに対
して第２図や第４図に示すような構成のシャッタ装置16
が組込まれる。

上記構成の換気装置は、各接続部材６に設けられた取付
金具８により若干の勾配を付けた状態に吊りボルト10に
両持ち支持されて取付けられ、両端に換気ダクトが接続
されて換気機能を果たす。

取付けやメンテナンスにおける送風機本体の接続部材６
への着脱は次のようにして行うことができる。即ち、取
付金具８により取付けられている各接続部材６に円筒体
１の各端部を接続することにより取付けることができ、
接続部材６の上側接続フランジ12と下側接続フランジ13
を分離させることにより送風機本体を取外すことができ
る。そして上側接続フランジ12と下側接続フランジ13の
着脱に際しては、保持金具15をスライドさせて下側接続
フランジ13の下部外側にその一部を重合させることによ
り、保持金具15で送風機本体を仮固定の状態にすること
ができ、仮固定の状態にて接続部材６の着脱操作ができ
る。従って、上側接続フランジ12から下側接続フランジ
13を分離させても、保持金具15が働いている限り送風機
本体が落下したりしないので、接続部材６との接続及び
分離作業を一人でも実施することができ、メンテナンス
も容易になる。なお、接続部分を結合しているモータ取
付足４のねじを外すことにより、筒体1a,1bに分離で
き、簡単なメンテナンスはこれにより実施できる。駆動
モータ３に及ぶメンテナンスでは筒体1a,1bの両端の開
放部から軸流羽根車２を外し、あるいは駆動モータ３自
体を取り外して行えばよい。

［考案の効果］ 以上のように、この考案の換気装置によれば、ダクトフ
ランジ端の、包囲する部分と接続手段がダクトフランジ
自体と筒体との間に流入する空気を漏らしずらく、しか
も筒体のみを単独で着脱可能にでき、更にその作業の際
には、包囲しない部分から筒体が抜け出ることを保持金
具が防止して仮固定の状態を創出するから着脱作業が容
易となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す換気装置の縦断面図、
第２図と第３図はそれぞれ接続部材とダクトフランジ部
分を示す拡大断面図、第４図と第５図はそれぞれシャッ
タ装置側からの側面図、第６図と第７図はそれぞれ接続
部材とダクトフランジ及び送風機本体の関係を示す分解
斜視図、第８図は従来例としての換気装置の断面図であ
る。図において、１は円筒体、1a,1bは筒体、２は軸流
羽根車、３は駆動モータ、４はモータ取付足、６は接続
部材、７はダクトフランジ、８は取付金具、12は上側接
続フランジ、13は下側接続フランジ、15は保持金具であ
る。なお、図中同一符号は、同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に送風機を有する筒体と、 この筒体の端部側でこの筒体をダクトへ連通させるダク
   トフランジとを備え、 このダクトフランジの筒体側の端には、上記筒体の端部
   側外周の一部を包囲する部分と、この包囲する部分と対
   向し、筒体自体が抜け出うる大きさの、筒体を包囲しな
   い部分とを設け、 上記包囲しない部分には、上記筒体の外周を包囲し、上
   記ダクトフランジの所定箇所と接続される接続手段を設
   け、 この接続手段の下方へ進出してこの接続手段を保持し、
   退却してこの保持作用を解除する保持金具を設けたこと
   を特徴とする換気装置。