JPH074074A - コンクリート構造物およびその破砕方法 - Google Patents
コンクリート構造物およびその破砕方法Info
- Publication number
- JPH074074A JPH074074A JP17602893A JP17602893A JPH074074A JP H074074 A JPH074074 A JP H074074A JP 17602893 A JP17602893 A JP 17602893A JP 17602893 A JP17602893 A JP 17602893A JP H074074 A JPH074074 A JP H074074A
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- JP
- Japan
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- concrete
- memory alloy
- shape memory
- shape
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、コンクリート構造物の破砕におい
て、破砕器装着のためのボアホールを掘削する工程その
ものをなくし、かつ効果的な破砕を行う方法を提供す
る。 【構成】 コンクリート壁の設計段階において、波形に
湾曲した形状記憶合金からなる棒材を補強用骨材として
配置すべく設計して、壁、床、天井等を形成するコンク
リート構造物の施工時に埋込んでおくことにより、後に
これを破砕する段階で、この形状記憶合金を加熱するこ
とによって静的に破砕する。
て、破砕器装着のためのボアホールを掘削する工程その
ものをなくし、かつ効果的な破砕を行う方法を提供す
る。 【構成】 コンクリート壁の設計段階において、波形に
湾曲した形状記憶合金からなる棒材を補強用骨材として
配置すべく設計して、壁、床、天井等を形成するコンク
リート構造物の施工時に埋込んでおくことにより、後に
これを破砕する段階で、この形状記憶合金を加熱するこ
とによって静的に破砕する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、形状記憶合金が持つマ
ルテンサイト・オーステナイト変態時の形状変化による
棒材の伸びを利用したコンクリート構造物の破砕方法、
および形状記憶合金を骨材として補強したコンクリート
構造物に関するものである。
ルテンサイト・オーステナイト変態時の形状変化による
棒材の伸びを利用したコンクリート構造物の破砕方法、
および形状記憶合金を骨材として補強したコンクリート
構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】形状記憶合金からなる破砕器について
は、特開昭60-115794号、特開昭61-169600号、特開平2-
157393号公報等に開示されている。とくに特開平2-1573
93号公報においては、形状記憶合金からなる岩石破砕器
(以下 破砕器と云う)を、岩石、コンクリート構造物
に装着し、形状記憶合金を加熱することにより、これら
を破砕するのに十分な載荷力が得られる破砕器が提案さ
れている。
は、特開昭60-115794号、特開昭61-169600号、特開平2-
157393号公報等に開示されている。とくに特開平2-1573
93号公報においては、形状記憶合金からなる岩石破砕器
(以下 破砕器と云う)を、岩石、コンクリート構造物
に装着し、形状記憶合金を加熱することにより、これら
を破砕するのに十分な載荷力が得られる破砕器が提案さ
れている。
【0003】従来技術による、形状記憶合金からなる前
述の岩石破砕器を用いたコンクリート壁破砕方法におい
ては、岩石破砕器の載荷力は 10 ton/cm2と強大である
が、変形による寸法変化の割合は2%程度と小さい。こ
のため破砕実施時にコンクリートや岩石の壁にボアホー
ルを掘削して破砕器を実装する際に、その穴径と破砕器
との間に生じる寸法差を少なくとも1%以下に抑え、か
つ載荷板を併用する必要がある。
述の岩石破砕器を用いたコンクリート壁破砕方法におい
ては、岩石破砕器の載荷力は 10 ton/cm2と強大である
が、変形による寸法変化の割合は2%程度と小さい。こ
のため破砕実施時にコンクリートや岩石の壁にボアホー
ルを掘削して破砕器を実装する際に、その穴径と破砕器
との間に生じる寸法差を少なくとも1%以下に抑え、か
つ載荷板を併用する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来
技術においては、岩石やコンクリート構造物の破砕を行
うためにボアホールを掘削することが必須の条件であ
る。またボアホール径と破砕器の径を合わせ載荷板を装
着する操作等、いわゆる前処理工程に要する労力と時間
が破砕工程に比べて大きな割合をしめる。さらに前述し
たようにボアホールの寸法と破砕器の寸法がうまく合わ
ない場合には効果的な破砕が出来ないという問題があっ
た。
技術においては、岩石やコンクリート構造物の破砕を行
うためにボアホールを掘削することが必須の条件であ
る。またボアホール径と破砕器の径を合わせ載荷板を装
着する操作等、いわゆる前処理工程に要する労力と時間
が破砕工程に比べて大きな割合をしめる。さらに前述し
たようにボアホールの寸法と破砕器の寸法がうまく合わ
ない場合には効果的な破砕が出来ないという問題があっ
た。
【0005】また、コンクリート構造物を補強する場合
には一般に鉄筋が用いられており、剛性が大きく破砕し
にくいという問題もあった。
には一般に鉄筋が用いられており、剛性が大きく破砕し
にくいという問題もあった。
【0006】本発明の課題は、従来技術がかかえる前記
の問題を解決することである。すなわち破砕器装着のた
めのボアホールを掘削する工程そのものをなくし、かつ
効果的な破砕を可能とすることである。
の問題を解決することである。すなわち破砕器装着のた
めのボアホールを掘削する工程そのものをなくし、かつ
効果的な破砕を可能とすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記の課
題を解決するために、コンクリート壁の設計段階におい
て、波形に湾曲した形状記憶合金製の棒材を補強用骨材
とする配置を設計して、壁、床、天井等を形成するコン
クリート構造物の中に埋め込んで施工することにより、
後にこれを破砕する段階で、この形状記憶合金製の棒材
を加熱し、その形状記憶特性による形状回復効果を利用
して静的に破砕するものである。
題を解決するために、コンクリート壁の設計段階におい
て、波形に湾曲した形状記憶合金製の棒材を補強用骨材
とする配置を設計して、壁、床、天井等を形成するコン
クリート構造物の中に埋め込んで施工することにより、
後にこれを破砕する段階で、この形状記憶合金製の棒材
を加熱し、その形状記憶特性による形状回復効果を利用
して静的に破砕するものである。
【0008】
【作用】本発明は、形状記憶合金の相変態にともなう形
状変化を利用したものである。すなわち、形状記憶合金
からなる棒材を補強用骨材として予めコンクリートの中
に埋め込んで壁、床、天井等を形成・構築しておくこと
により、後に改修、撤去をする時にはコンクリート構造
物の中の形状記憶合金製の棒材を加熱すると、あらかじ
め記憶されている形状に回復するためにその形状変化を
引き起こすことを利用して静的に破砕する方法であり、
またこれを可能ならしめるコンクリート構造物である。
状変化を利用したものである。すなわち、形状記憶合金
からなる棒材を補強用骨材として予めコンクリートの中
に埋め込んで壁、床、天井等を形成・構築しておくこと
により、後に改修、撤去をする時にはコンクリート構造
物の中の形状記憶合金製の棒材を加熱すると、あらかじ
め記憶されている形状に回復するためにその形状変化を
引き起こすことを利用して静的に破砕する方法であり、
またこれを可能ならしめるコンクリート構造物である。
【0009】
【実施例】本発明の一実施例を以下に示す。
【0010】図1は形状記憶合金からなる丸棒の骨材の
形状の1例を示す図で、公知組成であるニッケルーチタ
ン系(以下 Ni-Ti系)合金からなっている。図に示すよ
うに波形に湾曲した形状記憶合金の棒材は加熱されると
図1(a)に示す波形から図1(b)に示すあらかじめ
記憶されている直線状に形状が変化する。
形状の1例を示す図で、公知組成であるニッケルーチタ
ン系(以下 Ni-Ti系)合金からなっている。図に示すよ
うに波形に湾曲した形状記憶合金の棒材は加熱されると
図1(a)に示す波形から図1(b)に示すあらかじめ
記憶されている直線状に形状が変化する。
【0011】図2は、コンクリート構造物の内部に形状
記憶合金製の棒材を埋め込んだ状態を示す。
記憶合金製の棒材を埋め込んだ状態を示す。
【0012】つぎにコンクリート壁を破砕する手順につ
いて説明する。まずコンクリート壁面に貼られたパネル
をはがしてコンクリート壁を露出させる。つぎに加熱す
ることにより波形に湾曲した形状記憶合金の棒材はあら
かじめ記憶されている形状の直線状に回復変形しようと
するため、コンクリート壁に亀裂が入る。加熱は、壁に
ガスバーナーを直接あてて行ってもよく、あるいは壁の
2個所で形状記憶合金の丸棒又は、丸棒に接続した端子
部を露出させておき、これらの間を通電加熱する方法を
とってもよい。加熱の方法は施工条件の許す範囲で選択
することができる。なお、安全性を高めるため、コンク
リート壁全体を断熱材でおおうか、壁に冷却手段を設け
て、構造物の使用時は、形状記憶合金の棒材が形状変化
しないように配慮する必要がある。また、形状記憶合金
は一般的に変態温度を500℃くらいまで選択できるの
で、変態温度の高い材料をえらんでもよい。
いて説明する。まずコンクリート壁面に貼られたパネル
をはがしてコンクリート壁を露出させる。つぎに加熱す
ることにより波形に湾曲した形状記憶合金の棒材はあら
かじめ記憶されている形状の直線状に回復変形しようと
するため、コンクリート壁に亀裂が入る。加熱は、壁に
ガスバーナーを直接あてて行ってもよく、あるいは壁の
2個所で形状記憶合金の丸棒又は、丸棒に接続した端子
部を露出させておき、これらの間を通電加熱する方法を
とってもよい。加熱の方法は施工条件の許す範囲で選択
することができる。なお、安全性を高めるため、コンク
リート壁全体を断熱材でおおうか、壁に冷却手段を設け
て、構造物の使用時は、形状記憶合金の棒材が形状変化
しないように配慮する必要がある。また、形状記憶合金
は一般的に変態温度を500℃くらいまで選択できるの
で、変態温度の高い材料をえらんでもよい。
【0013】本発明において使われる Ni-Ti系の形状記
憶合金はステンレス・スチールよりも耐食性が優れてお
り、コンクリートの中に数年間あるいは数十年間埋め込
まれた状態にあっても特性が劣化したり腐食することは
ない。またその組成は49〜52at%Ni-Tiであり、常温に
おける時効がなく特性の劣化もないため経時変化による
劣化もない。
憶合金はステンレス・スチールよりも耐食性が優れてお
り、コンクリートの中に数年間あるいは数十年間埋め込
まれた状態にあっても特性が劣化したり腐食することは
ない。またその組成は49〜52at%Ni-Tiであり、常温に
おける時効がなく特性の劣化もないため経時変化による
劣化もない。
【0014】前記実施例は、Ni-Ti系の形状記憶合金を
用いたものを示したが、他の形状記憶合金たとえば銅系
合金、鉄系合金、ステンレス・スチール系合金を用いて
も前記実施例と同様なコンクリート壁の破砕方法を構成
することができることは当然である。
用いたものを示したが、他の形状記憶合金たとえば銅系
合金、鉄系合金、ステンレス・スチール系合金を用いて
も前記実施例と同様なコンクリート壁の破砕方法を構成
することができることは当然である。
【0015】又、骨材の形状についても、波形に湾曲し
たものに限らず状況に応じて任意に選択することが可能
である。
たものに限らず状況に応じて任意に選択することが可能
である。
【0016】
【発明の効果】本発明は、従来方法におけるボアホール
の掘削工程の省略を可能とした。本発明によって、コン
クリート壁の設計施工段階で形状記憶合金からなる棒材
を補強用骨材として施工時に埋め込むことにより、棒材
はコンクリートと密着しているので載荷力を全く損失な
くコンクリート壁に加えることが出来、破砕はそれだけ
効果的に行うことができる。
の掘削工程の省略を可能とした。本発明によって、コン
クリート壁の設計施工段階で形状記憶合金からなる棒材
を補強用骨材として施工時に埋め込むことにより、棒材
はコンクリートと密着しているので載荷力を全く損失な
くコンクリート壁に加えることが出来、破砕はそれだけ
効果的に行うことができる。
【0017】また、構造物は形状記憶合金で補強される
ため、通常の状態ではコンクリートのみよりも強いもの
が出来る。
ため、通常の状態ではコンクリートのみよりも強いもの
が出来る。
【0018】ある年限経過後に必ず改修・撤去が予測さ
れるたとえば原子力関係設備の構造物とその施工に本発
明を適用することは、本発明の目的に添うものであり、
解体時の人体の被曝を最小限に抑えることができる点か
らも有益である。
れるたとえば原子力関係設備の構造物とその施工に本発
明を適用することは、本発明の目的に添うものであり、
解体時の人体の被曝を最小限に抑えることができる点か
らも有益である。
【図1】コンクリート構造物に埋め込む形状記憶合金か
らなる棒材の形状を示す説明図。(a)は常温において
波状に湾曲した形状であることを示す説明図。(b)
は、温度上昇により直線状に回復変形した様子を示す説
明図である。
らなる棒材の形状を示す説明図。(a)は常温において
波状に湾曲した形状であることを示す説明図。(b)
は、温度上昇により直線状に回復変形した様子を示す説
明図である。
【図2】形状記憶合金からなる丸棒が補強用骨材として
埋め込まれたコンクリート構造物を模式的に示す説明
図。
埋め込まれたコンクリート構造物を模式的に示す説明
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 形状記憶合金を用いた骨材が組み込まれ
ていることを特徴とするコンクリート構造物。 - 【請求項2】 コンクリート構造物を破砕する方法であ
って、形状記憶合金を用いた骨材をコンクリートの流し
込み時に直接埋め込んでコンクリート構造物を形成し、
前記形状記憶合金を用いた骨材を加熱することによって
前記コンクリート構造物を静的に破砕することを特徴と
するコンクリート構造物の破砕方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17602893A JPH074074A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | コンクリート構造物およびその破砕方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17602893A JPH074074A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | コンクリート構造物およびその破砕方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH074074A true JPH074074A (ja) | 1995-01-10 |
Family
ID=16006469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17602893A Pending JPH074074A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | コンクリート構造物およびその破砕方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH074074A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104816381A (zh) * | 2015-04-02 | 2015-08-05 | 徐州工程学院 | 一种埋置型形状记忆合金筋预应力混凝土施工工艺 |
-
1993
- 1993-06-22 JP JP17602893A patent/JPH074074A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104816381A (zh) * | 2015-04-02 | 2015-08-05 | 徐州工程学院 | 一种埋置型形状记忆合金筋预应力混凝土施工工艺 |
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