JPH0740684A

JPH0740684A - 重ね合わせシート

Info

Publication number: JPH0740684A
Application number: JP20829393A
Authority: JP
Inventors: Ryuji Ikeda; 龍二池田
Original assignee: Toppan Moore Co Ltd
Current assignee: Toppan Edge Inc
Priority date: 1993-07-30
Filing date: 1993-07-30
Publication date: 1995-02-10

Abstract

(57)【要約】【目的】重ね合わせ面に通知情報を有する個人年金案
内書のような重ね合わせシートにおいて、手渡しによっ
て通知情報を伝達するのに適するよう、重ね合わせ面
を、不用意には剥離しないが、剥離時には接着面を破損
することなく、確実かつ容易に剥離し得るように接着す
る。【構成】折り用ミシン目２で上シート３と下シート４
が重ね合わされてなる個人年金案内書１の重ね合わせ面
には、隠蔽すべき通知情報である年金プランの試算情報
６とその説明文７を印字あるいは印刷し、剥離可能な感
圧性接着剤５により剥離可能に接着するとともに、接着
面の剥離強度を、１０〜４０ｇ／２５ｍｍに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、重ね合わせシートの少
なくとも一対の重ね合わせ面の少なくとも一方に通知情
報を有し、前記重ね合わせ面が、剥離可能な接着剤によ
り剥離可能に接着されてなる重ね合わせシートに関し、
特に、シートの剥離可能な重ね合わせ面に表示して隠蔽
状態にある通知情報の伝達を郵送によらず、手渡しによ
って行う場合に適した重ね合わせシートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来において、シートに表示された隠蔽
することが必要な通知情報の伝達を、手渡しによって行
う場合には、通知情報表示面を内側にして折り重ねて隠
蔽したり、この折り重ねた状態で四隅を剥離困難な接着
剤で接着したり、あるいは封筒に封入して行っているの
が一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の通知
情報表示面を内側にして折り重ねた場合には、単に折り
重ねただけなので、不用意に通知情報表示面が露出して
しまったり、手渡しする者が容易に通知情報を見ること
ができるので、確実な隠蔽性を保証できないという不都
合がある。また、折り重ねた状態で四隅を剥離困難な接
着剤で接着した場合には、確実な隠蔽性は保証し得る
が、重ね合わせ面を剥離する際に、接着部分の重ね合わ
せ面が破損されてしまうという不都合がある。さらに、
封筒に封入する場合には、この封入作業が煩雑であると
ともに、封筒を用意するのは費用が嵩むという不都合が
ある。本発明は、このような不都合を解消した重ね合わ
せシートを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の重ね合わせシートは、少なくとも一対の重ね
合わせ面の少なくとも一方の面に通知情報を有し、この
重ね合わせ面が、剥離可能な、例えば感圧性接着剤によ
り剥離可能に接着されてなり、接着面の剥離強度を剥離
試験機（島津製作所製オートグラフＡＧＳ−５０）によ
る測定で、１０〜４０ｇ／２５ｍｍ、好ましくは１５〜
３５ｇ／２５ｍｍ、より好ましくは２０〜３０ｇ／２５
ｍｍの範囲に設定したものである。この剥離強度の調整
は、例えば感圧性接着剤の場合には接着条件である加圧
時の圧力を調整することで可能であり、またより一般的
には、スクリーン印刷等により接着剤層上に接着力調整
剤層を形成して行うことで可能である。

【０００５】

【作用】重ね合わせ面を剥離可能に接着する接着剤の接
着力を調整して、剥離強度を、１０〜４０ｇ／２５ｍｍ
の範囲に設定することにより、手渡しすべく持ち歩く際
には、重ね合わせ面が不用意に剥離することがなく、宛
名人が重ね合わせ面を剥離する場合には軽い力で容易に
剥離でき、隠蔽されていた通知情報を損なうことなく視
認できる。ここで、剥離強度が１０ｇ／２５ｍｍより小
さいと不用意に剥離してしまう一方、４０ｇ／２５ｍｍ
より大きいとカール等が生じたり、剥離困難となって剥
離時にシートや通知情報の破損が生じる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明を個人年金案内書に適用した場
合の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明す
る。ここにおいて、図１は個人年金案内書の第１実施例
を示す概略的断面図、図２はその展開状態を示す表出面
側の平面図、図３は同じく剥離可能な重ね合わせ面側の
平面図、図４は個人年金案内書の第２実施例を示す概略
的断面図、図５はその展開状態を示す剥離可能な重ね合
わせ面側の平面図である。

【０００７】はじめに、図１〜図３に基づき本発明の第
１実施例を説明する。図１に示すように、重ね合わせシ
ートたる個人年金案内書１は、折り用ミシン目２で二つ
折りされて重ね合わされた上シート３と下シート４とか
らなり、その重ね合わせ面は剥離可能な感圧性接着剤５
により剥離可能に接着されている。そして、この個人年
金案内書１は重ね合わせ接着状態で、ほぼＡ４サイズに
形成されている。前記重ね合わせ面には、図３で明らか
なように、隠蔽すべき通知情報である年金プランの試算
情報６とその説明文７が印字あるいは印刷され、図１で
理解できるように、この試算情報６とその説明文７は外
部からは視認不能な隠蔽状態にある。また、図２で明ら
かなように、前記上シート３の表出面には宛名８と表題
９が、前記下シート４の表出面には取扱会社名１０が、
それぞれ印字あるいは印刷されている。

【０００８】そして、図示してはいないが，感圧性接着
剤５塗布面の上には、接着力を調整するための印刷が淡
色のインキで網点状に全面的になされている。この印刷
は、使用した感圧性接着剤５の有する接着力と設定すべ
き接着力に応じて行うものであり、各種点状のほか、各
種線状、ベタ状等の適宜な態様を採用することができ
る。この接着力の調整は、上シート３と下シート４の感
圧性接着剤５を塗布した重ね合わせ面の剥離強度が、５
００ｇ／ｃｍ²の荷重をかけ、５０℃で３０分放置後に
２５ｍｍ幅で１０〜４０ｇ、好ましくは１５〜３５ｇ、
より好ましくは２０〜３０ｇの範囲になるよう設定され
る。なお、この剥離強度の測定は、島津製作所製の剥離
試験機オートグラフＡＧＳー５０型を用いて行った。剥
離強度を前記数値範囲に設定することで、不用意な剥離
の防止と、カールの発生や剥離困難性の防止が保証され
る。

【０００９】上述の感圧性接着剤５は、印刷あるいは印
字が可能で、例えば、感圧性で一旦接着すると再剥離不
能な非剥離性接着剤基剤に、この接着剤基剤に対して非
親和性を示す微粒状充てん剤を配合してなるものが好適
である。前記接着剤基剤としては、従来用いられている
通常の感圧性接着剤でよいが、特に挙げれば、天然ゴム
にスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合さ
せて得られた天然ゴムラテックスが、耐ブロッキング
性、耐熱性、耐摩耗性等の点で好適である。

【００１０】一方、前記微粒状充てん剤としては、前記
接着剤基剤との親和力が小さいもの、例えば、酸化亜
鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、活性白
土、球状アルミナ、小麦デンプン、シリカ、ガラス粉
末、シラスバルーン等が用いられる。これらの材料は、
単独でも、複数組み合わせてもよいが、特に、シリカと
他の適宜な充てん剤との組み合わせが好適である。ま
た、粒径の異なる２種類以上を組み合わせると、接着剤
塗布面を凹凸状に形成しやすいので、剥離性能が向上す
る。シリカを添加すると、接着剤の塗膜を強化しうると
ともに、その多孔質性により、接着剤が表面に付着しや
すいので、接着力や剥離力を調整しやすいという利点が
ある。また、シリコーンオイルを用いているプリンタに
より、ノンインパクトプリンタ方式で印字した場合で
も、シリカがシリコーンオイルを吸収するので、接着剤
がシリコーンオイルにより接着しなくなることもない。

【００１１】上述した微粒状充てん剤の配合割合によっ
て、上シート３と下シート４の感圧性接着剤５を塗布し
た重ね合わせ面の剥離強度を、１０〜４０ｇ／２５ｍｍ
の範囲に調整することも可能である。また、微粒状充て
ん剤の配合割合による調整に加えて、感圧性接着剤５を
網点状に塗布したり、塗布厚を調整したり、あるいは上
述の印刷による調整を行うと、より調整が容易となる。

【００１２】なお、上述したシート３，４の紙質は、４
０ｋｇ〜１３５ｋｇ連量のものが好適である。また、従
来における重ね合わせ面が剥離可能な重ね合わせシート
の剥離強度は、８０〜１００ｇ／２５ｍｍが一般的であ
る。

【００１３】本実施例は以上のように構成したので、手
渡しすべく個人年金案内書１を持ち歩く際には、重ね合
わせ面が不用意に剥離することがなく、試算情報６とそ
の説明文７は隠蔽状態を確実に維持することができる。
一方、この個人年金案内書１を受け取った宛名人は、重
ね合わせ面を容易に剥離することができ、隠蔽されてい
た前記試算情報６とその説明文７は損傷されることな
く、確実に視認することができるものである。

【００１４】続いて、本発明の第２実施例を図４及び図
５に基づいて説明する。図４に示すように、重ね合わせ
シートたる個人年金案内書１１は、折り用ミシン目１
２，１３で三つ折りされてＺ字状に重ね合わされた上シ
ート１４と中シート１５と下シート１６とからなり、中
シート１５と下シート１６の重ね合わせ面は剥離可能な
感圧性接着剤１７により剥離可能に接着されている。一
方、前記上シート１４と前記中シート１５との重ね合わ
せ面は、単に折り重ねられた状態にあり、接着されてい
ない。

【００１５】中シート１５と下シート１６の重ね合わせ
面には、図５で明らかなように、隠蔽すべき通知情報で
ある年金プランの試算情報１８とその説明文１９が印字
あるいは印刷され、図４で理解できるように、この試算
情報１８とその説明文１９は外部からは視認不能な隠蔽
状態にある。また、図５で明らかなように、上シート１
４の表出面には宛名２０、表題２１及び取扱会社名２２
が、それぞれ印字あるいは印刷されている。

【００１６】感圧性接着剤１７や重ね合わせ面の剥離強
度、あるいはこの剥離強度の調整手段等、その他の構成
については第１実施例と同様であるから、その説明につ
いては省略する。本実施例においても第１実施例と同様
に、中シート１５と下シート１６との重ね合わせ面は、
不用意に剥離しない程度の接着と、剥離容易性、及び剥
離時に試算情報１８及び説明文１９を損なわないことが
保証される。また、本実施例の個人年金案内書１１の使
用方法についても第１実施例と同様であるからその説明
は省略する。

【００１７】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではなく、例えば、剥離可能な接着剤として
は、感圧性接着剤５，１７に換えて、従来用いられてい
る通常の感熱性あるいは再湿性の接着剤を用いることも
でき、感熱性の接着剤基剤としては、特に酢酸ビニル系
重合体が好適であり、また、再湿性の接着剤基剤として
は、ポリビニルアルコールやポリエチレンオキシドなど
が好適である。また、剥離可能な接着剤を設ける部分
は、重ね合わせ面全体に限らず、その一部でもよい。さ
らに、本発明は折り重ねのほか、切り重ね、あるいは別
体のシートからなる重ね合わせシートにも適用でき、ま
た、折り重ね状態も、一部分のみ重ね合わされる二つ折
りでもよい。またさらに、重ね合わせシートとしては、
個人年金案内書１，１１のほか、各種クラブの入会申込
書や生命保険の設計書等にも適用できることはもちろん
である。またさらに、各シート３，４，１４，１５，１
６の材質は、通常の紙のほか、合成紙、樹脂フィルム等
適宜選択可能である。さらに、重ね合わせ状態における
シートのサイズもＡ４サイズに限らず、Ｂ５サイズ等で
もよい。加えて、重ね合わせ接着面の剥離を容易にする
ために、重ね合わせシートの端部に段差を形成して指掛
け部としたり、隅部や端縁の全部あるいは一部に未接着
部を形成し、この未接着部から剥離するよう構成しても
よい。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したところで明らかなように、
本発明によれば、重ね合わせシートの接着面の剥離強度
を１０〜４０ｇ／２５ｍｍに設定したので、通常の取扱
においては接着面が不用意に剥離することがなく、ま
た、カールの発生を防止できるほか、剥離時の接着面の
破損を防止できるとともに、確実かつ容易に剥離可能で
あり、隠蔽状態にある通知情報の判読も正確になし得る
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】個人年金案内書に適用した第１実施例を示す概
略的断面図。

【図２】同じくその展開状態を示す表出面側の平面図。

【図３】同じく剥離可能な重ね合わせ面側の平面図。

【図４】個人年金案内書の第２実施例を示す概略的断面
図。

【図５】同じくその展開状態を示す剥離可能な重ね合わ
せ面側の平面図。

【符号の説明】

１，１１個人年金案内書２，１２，１３折り用ミシン目３，１４上シート４，１６下シート５，１７感圧性接着剤６，１８試算情報７，１９説明文８，２０宛名

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ０９Ｊ 7/02 ＪＬＥ // Ｄ２１Ｈ 27/00

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】重ね合わせシートの少なくとも一対の重
ね合わせ面の少なくとも一方に通知情報を有し、この重
ね合わせ面が、剥離可能な接着剤により剥離可能に接着
されてなる重ね合わせシートにおいて、接着面の剥離強
度が１０〜４０ｇ／２５ｍｍであることを特徴とする重
ね合わせシート。