JPH0740612U - 電動式移動棚装置における非常停止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動棚が移動途中又は停止中に通路内に入っ
た作業者や障害物が存在した場合には、作業者や障害物
が移動棚に接触せずとも、移動棚が移動途中にあっては
直ちに緊急停止し、停止中にあっては移動を規制するこ
とが可能な電動式移動棚装置における非常停止装置を提
供する。 【構成】 複数台の移動棚Ａが、それらの収納面４に対
して直交する方向に移動可能に配置され、移動棚の移動
でそれらの間に所定幅の通路３が形成される電動式移動
棚装置において、移動棚の移動空間の略全面に対応する
床面に荷重を感知して電気信号を発生するフロアースイ
ッチ２を敷設し、該フロアースイッチから発生した非常
停止信号を移動棚の制御回路に入力してその駆動モータ
を非常停止させてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電動式移動棚装置における非常停止装置に係わり、更に詳しくは移 動棚が移動途中又は停止中に通路内に入った作業者や障害物が存在する場合に、 移動棚が移動途中にあっては緊急停止し、停止中にあっては移動を規制すること が可能な電動式移動棚装置における非常停止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、複数台の移動棚が、それらの収納面に対して直交する方向に移動可能に 配置され、移動棚の移動でそれらの間に所定幅の通路が形成される電動式移動棚 装置において、移動途中の移動棚間に形成途上の通路内に作業者が入った場合や 、障害物が存在する場合に、移動棚の側面に設けた非常停止バーに作業者や障害 物が触れた際に、該非常停止バーに連動したリミットスイッチが作動して、非常 停止信号を移動棚の制御回路に入力してその駆動モータを停止させる構造の非常 停止装置は既に各種提供されている。

【０００３】 しかし、この種の非常停止装置は、非常停止バーに作業者や障害物が触るまで 作動しないので、仮に作業者に非常停止バーが触ったとしても、移動棚の慣性力 によって完全に停止するまで若干移動し、非常に危険である。

【０００４】 また、正常に通路が形成されて作業者がこの通路内に入って物品の出し入れを 行っている最中、若しくは作業が終了してもまだ通路内に作業者が残っている場 合等に、他の作業者が気付かずに他の通路を選択する操作又は移動棚を集積する 操作を行うと、作業者が通路内に挟まれる恐れがある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、移動棚が移動途中又 は停止中に通路内に入った作業者や障害物が存在した場合には、作業者や障害物 が移動棚に接触せずとも、移動棚が移動途中にあっては直ちに緊急停止し、停止 中にあっては移動を規制することが可能な電動式移動棚装置における非常停止装 置を提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前述の課題解決のために、複数台の移動棚が、それらの収納面に対 して直交する方向に移動可能に配置され、移動棚の移動でそれらの間に所定幅の 通路が形成される電動式移動棚装置において、移動棚の移動空間の略全面に対応 する床面に荷重を感知して電気信号を発生するフロアースイッチを敷設し、該フ ロアースイッチから発生した非常停止信号を移動棚の制御回路に入力してその駆 動モータを非常停止させてなる電動式移動棚装置における非常停止装置を構成し た。

【０００７】

【作用】

以上の如き内容からなる本考案の電動式移動棚装置における非常停止装置は、 移動棚の移動空間の略全面に対応する床面に荷重を感知して電気信号を発生する フロアースイッチを敷設したので、このフロアースイッチの上に作業者又は障害 物が乗った場合には直ちに非常停止信号が移動棚の制御回路に入力されて、その 駆動モータを緊急停止させることが可能であり、また停止中の移動棚にあっては 正常に形成された通路内に作業者が入って物品を出し入れを行っている場合や作 業が終了しても通路内に作業者が残ったり、物品がフロア上に残ったりしている 場合には、常時フロアースイッチが作動して非常停止信号が出力されているので 、通路内の作業者や障害物に気付かない他の作業者が移動棚を移動操作しようと しても移動棚の移動を規制することが可能である。

【０００８】

【実施例】

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考案の詳細を説明する。図１及び 図２は電動式移動棚装置を示し、図中Ａは移動棚、１は操作パネル、２はフロア ースイッチ、３は通路をそれぞれ示している。

【０００９】 本実施例では、５台の移動棚Ａ，…をそれらの収納面４に対して直交する方向 に配設された複数のレール５，…に沿って互いに駆動モータによって移動可能に 配置され、隣接する移動棚Ａ，Ａが相対的に移動することによって、それらの間 に通路３が形成され、該通路３内に作業者が入って収納面４から物品を出し入れ する電動式移動棚装置を示している。便宜上、前記移動棚Ａのフロントパネルに 設けた操作パネル１に向かって左側から移動棚Ａ１，Ａ２，Ａ３，Ａ４，Ａ５と する。ここで、図１では移動棚Ａ３と移動棚Ａ４との間に１通路幅の通路３が形 成され、図２では移動棚Ａ２と移動棚Ａ３との間に２通路幅の通路３が形成され ている。

【００１０】 前記各移動棚Ａは、前面に配した操作パネル１に設けた通路スイッチ６やリセ ットスイッチ７を操作し、前記移動棚Ａ３と移動棚Ａ４との間に通路３を形成す る場合には、移動棚Ａ３の操作パネル１の通路スイッチ６を操作することでその 右側に通路３を形成する選択と、所定の移動棚Ａ，…の移動を行い、所定に通路 幅が形成された場合に、移動棚Ａの制御装置から正常停止信号が出力されてその 駆動モータを自動的に停止させるものである。また、移動棚Ａが移動中に緊急に 停止させる必要が生じた非常時には、何れかの移動棚Ａ，…の操作パネル１に設 けた通路スイッチ６又はリセットスイッチ７を操作することで全ての移動棚Ａ， …を停止させることができる。そして、その状態を解除するにはリセットスイッ チ７を操作するのである。また、通常の通路選択操作によって複数の移動棚Ａ， …が移動し、その一連の移動を終了して隣接する移動棚Ａ，Ａの間隔が所定の最 近接した状態になった際に自動的に正常停止できるように、各移動棚Ａの移動方 向側面に停止手段８を設けている。この停止手段８は、対面する移動棚Ａに当接 して作動するものである。

【００１１】 また、隣設する移動棚Ａ，Ａの天板９上にそれぞれ基端を水平回動可能に枢着 し且つ互いの先端を屈曲可能に連結した一方の配線杆１０，１０の基端部に、発 光素子と受光素子を間隙を設けて対設した移動体検知手段１１を固定するととも に、該配線杆１を枢着した天板９の上面に、前記配線杆１０の基端の枢着点１２ を中心とする円周上に配列した少なくとも二つの透孔又は遮蔽片からなるシャッ ター手段１３を固設するとともに、前記移動体検知手段１１の間隙を二つの前記 透孔又は遮蔽片が横切る際に、１通路幅及び２通路幅が形成されるように互いの 相対位置を設定している。互いに連結した両配線杆１０，１０は移動棚Ａが集積 した時には鋭角に曲がり、所定の幅の通路３が形成された時には、その通路幅に 応じて平面視略ハ字状に開くのである。従って、一方の配線杆１の回転角度と、 通路幅とは一義的に一対一に対応するのである。

【００１２】 次に、本発明の非常停止装置について説明する。前記移動棚Ａは、前面の操作 パネル１に配した通路スイッチ６やリセットスイッチ７で、通路３の選択と移動 、停止等の操作を行うが、移動棚Ａが移動している間に操作者以外の作業者が不 意に通路３内に入った場合や、その移動方向前方に予期せぬ障害物が存在した場 合には、その移動を緊急に停止させる必要がある。そのため、本発明では、電動 式移動棚装置の床面に圧力を感知するフロアースイッチ２を略全面に敷設し、該 フロアースイッチ２上に作業者が乗った場合や、物体が落下した場合に、その荷 重によって電気信号を発生若しくは変化し、それを非常停止信号として移動棚Ａ の制御回路に入力して、移動棚Ａの駆動モータを停止させるものである。ここで 、図１にはレール５，５間の略全面にフロアースイッチ２を敷設した例を示して いる。

【００１３】 前記フロアースイッチ２の上に作業者や障害物が乗って荷重が加わると、フロ アースイッチ２が作動して非常停止信号を発生し続ける。この非常停止信号は移 動棚Ａの制御回路に入力され、正常に停止して通路３が形成されている場合には 全く無視され、移動棚Ａが移動途中又は通路３が形成された後に操作パネル１の 通路スイッチ６を操作して移動棚Ａを移動させようとした場合には、非常停止信 号として移動棚Ａの移動を停止又は規制するのである。

【００１４】 ここで、前記フロアースイッチ２の構造は、その上面に荷重が加わってその圧 力を検知して電気信号を発生するものであれば、どのようなものでも採用できる 。例えば、図３に示したように、基板１４の上面に偏平状の多数の圧電素子１５ ，…を配設するとともに、それらの隙間には可撓性の充填材１６を配し、各圧電 素子１５，…の上面には導電性の上板１７を積層し且つ圧電素子１５に電気的に 接触させ、更にその上面に保護シート１８を積層した構造のものを用いる。ここ で、前記各圧電素子１５の底面側と、導電性の上板１７にリード線を接続し、圧 電素子１５に上下歪みを生じた場合に、このリード線間に電圧が発生し、これを 非常停止信号とするのである。

【００１５】 また、図４に示したフロアースイッチ２の他の実施例は、前記同様に基板１４ の上面に一定の面積を有する下部電極板１９を所定間隔毎に配設し、その上面に 一面に形状復元性を有する誘電体２０を均一厚さで積層し、その誘電体２０の上 面に広い面積の可撓性のある上部電極板２１を積層するとともに、更にその上面 に保護シート１８を積層した構造のものである。ここで、前記保護シート１８の 上から荷重が作用した場合には、上部電極板２１が下方へ変形して、下部電極板 １９との間隔が狭まりその部分での静電容量が変化する。この静電容量の微少変 化を下部電極板１９と上部電極板２１に接続したリード線を介してブリッジ回路 や差動増幅器等で検知して、非常停止信号を得るのである。

【００１６】 また、図３又は図４に示したようなフロアースイッチ２を用いた場合には、各 圧電素子１５又は下部電極板１９を多数配列しているので、この配列に規則性を 持たせ、それに接続したリード線を床面の位置に対応させれば、どのリード線か ら生じた非常停止信号かが分かり、従ってどの位置に作業者や障害物が乗ってい るのかが分かる。

【００１７】

【考案の効果】

以上にしてなる本考案の電動式移動棚装置における非常停止装置は、複数台の 移動棚が、それらの収納面に対して直交する方向に移動可能に配置され、移動棚 の移動でそれらの間に所定幅の通路が形成される電動式移動棚装置において、移 動棚の移動空間の略全面に対応する床面に荷重を感知して電気信号を発生するフ ロアースイッチを敷設し、該フロアースイッチから発生した非常停止信号を移動 棚の制御回路に入力してその駆動モータを非常停止させてなるので、フロアース イッチの上に作業者又は障害物が乗った場合、即ち作業者や障害物が移動棚の移 動空間内に入った場合又は存在する場合には、直ちに非常停止信号が移動棚の制 御回路に入力されて、その駆動モータを緊急停止させて移動棚に接触することな く該移動棚を停止させることができ、また停止中の移動棚にあっては正常に形成 された通路内に作業者が入って物品を出し入れを行っている場合や作業が終了し ても通路内に作業者が残ったり、物品がフロア上に残ったりしている場合には、 常時フロアースイッチが作動して非常停止信号が出力されているので、通路内の 作業者や障害物に気付かない他の作業者が移動棚を移動操作しようとしても移動 棚の移動を規制することができ、極めて安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電動式移動棚装置を示す簡略斜視
図である。

【図２】同じく電動式移動棚装置の一部を示す平面図で
ある。

【図３】本発明に係るフロアースイッチの一例を示す簡
略断面図である。

【図４】本発明に係るフロアースイッチの他の例を示す
簡略断面図である。

【符号の説明】

Ａ 移動棚 １ 操作パネル ２ フロアースイッチ ３ 通路 ４ 収納面 ５ レール ６ 通路スイッチ ７ リセットスイッチ ８ 停止手段 ９ 天板 １０ 配線杆 １１ 移動体検知手段 １２ 枢着点 １３ シャッター手段 １４ 基板 １５ 圧電素子 １６ 充填材 １７ 上板 １８ 保護シート １９ 下部電極板 ２０ 誘電体 ２１ 上部電極板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数台の移動棚が、それらの収納面に対
   して直交する方向に移動可能に配置され、移動棚の移動
   でそれらの間に所定幅の通路が形成される電動式移動棚
   装置において、移動棚の移動空間の略全面に対応する床
   面に荷重を感知して電気信号を発生するフロアースイッ
   チを敷設し、該フロアースイッチから発生した非常停止
   信号を移動棚の制御回路に入力してその駆動モータを非
   常停止させてなることを特徴とする電動式移動棚装置に
   おける非常停止装置。