JPH0739761U - Ｔ型カミソリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 髭剃りに際して何度も繰り返される肌の湿し
を、その都度、ブラシなどに持ち替えることなく、カミ
ソリを手にしたままで必要に応じて随時行えるようにし
た使い勝手のよいＴ型カミソリを提供する。 【構成】 棒状の柄２の一端側に当該柄２とによってＴ
字状を呈するように固定刄３を保持させ、この固定刄３
の保持部材４の近傍に肌湿し手段５を設け、この肌湿し
手段５を、固定刄３の刄縁に沿う方向の軸線まわりで回
転可能な吸水性を有する多孔質のローラ７，７によって
構成し、かつ、このローラ７に水溶性の石鹸を担持させ
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、棒状の柄の一端側にＴ字状を成す状態で刄体を具備させたＴ型カミ ソリに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

上記のＴ型カミソリには、棒状の柄の一端側に固定刄を保持させるようにして 所謂簡便タイプのカミソリと、棒状の柄の一端側に備えた替え刄保持手段に替え 刄を着脱自在に保持させるようにした所謂刄取り替えタイプのカミソリとがある 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記いずれのタイプのカミソリを使用するにしても、先ずはブラシなどを手に して肌を水や石鹸などで湿し、かつ、ブラシをカミソリに持ち替えて髭剃りが行 われるが、水や石鹸などで肌を湿すことは、髭剃りの途中に何度となく行われる もので、その都度、ブラシとカミソリとを持ち替えることは非常に煩わしいもの であった。

【０００４】 或いは、カミソリを手にしたままで、必要に応じてもう一方の手でブラシを持 つにしても、煩わしさはさほど軽減されるものではなく、特に片腕に障害がある 人にとっては、ブラシとカミソリとの持ち替えを余儀なくされ、改善の余地があ った。

【０００５】 本考案は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、別途ブラシなどを手に 持ち替えることなく、随時必要に応じて肌を湿すことができる使い勝手のよいＴ 型カミソリを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために本考案は、上記した所謂簡便タイプのＴ型カミソ リにおいては、固定刄を保持する保持部材の近傍に肌湿し手段を具備させた点に 特徴がある。

【０００７】 一方、所謂刄取り替えタイプのＴ型カミソリにおいては、保持手段を介して替 え刄を保持する保持部材の近傍に肌湿し手段を具備させた点に特徴がある。

【０００８】 尚、上記の肌湿し手段としては、ブラシや、刄縁に沿う方向の軸線まわりで回 転可能な吸水性を有する多孔質のローラなどが任意に選択される。

【０００９】

【作用】

上記の特徴構成によれば、いずれのタイプのＴ型カミソリにおいても、カミソ リそのものに備えさせたブラシやローラなどによる肌湿し手段に、水を含ませた り石鹸を付けたりし、或いはブラシなどに予め水溶性の石鹸を担持させておいて これを水や湯に浸すことで、改めてブラシなどを手に取ることなく、即ち、カミ ソリを手にしたままで、肌を水や石鹸で湿すことができる。

【００１０】 尚、前記保持部材に収納部を形成して、この収納部に対してブラシやローラを 出し入れ可能に構成し、或いはブラシやローラを柄側に折り畳み可能に構成すれ ば、不使用時のカミソリの取り扱いが良い上に清潔さが保たれて好ましい。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１〜図７は所謂簡便タイ プの各種のＴ型カミソリを示しており、この内の図１，２は本考案の一実施例に 係るもので、ここに示されたＴ型カミソリは、その本体１の全体が合成樹脂製の ものであって、棒状の柄２の一端側に当該柄２とによってＴ字状を呈するように 固定刄３の保持部材４を一体に連設し、かつ、この保持部材４の刄縁近傍に剃り 髭の排除孔ａを形成して成るもので、前記保持部材４に固定刄３を保持させた状 態では、一般に市販されている所謂簡便タイプのＴ型カミソリそのものと何ら変 わるものではない。

【００１２】 即ち、本考案によるＴ型カミソリは、配置位置を問われるものではないが、上 記構成のカミソリ本体１に対して、それの保持部材４の背部側に肌湿し手段５を 具備させた点に特徴がある。

【００１３】 この肌湿し手段５は、上方を開口したトレイ６を前記保持部材４の背部側に一 体に連設する一方、吸水性を有する多孔質の２本のローラ７，７を、前記トレイ ６に対して、それの支軸８を固定刄３の刄縁に沿う方向の軸線まわりで回転可能 に軸支させて成り、かつ、各ローラ７，７には水溶性の石鹸、特に好ましくは水 や湯に浸すと急速に溶けて泡立つ性状の石鹸を予め担持させている。

【００１４】 上記構成のＴ型カミソリの使い方は例えば次の通りである。即ち、先ずはカミ ソリの柄２を持って肌湿し手段５を水に浸すなどし、前記ローラ７，７に水を含 ませるのである。このとき、幾分かの水がトレイ６に受け溜められる。

【００１５】 そして、水を含ませたローラ７，７を肌に当て付けて、このローラ７，７を転 動させると、ローラ７，７に担持されている石鹸が溶けて泡立ち、肌が石鹸水で 湿されることになる。

【００１６】 このようにして肌を湿したならば、手にしているカミソリの柄２を半回転させ ることで、直ちに固定刄３による髭剃りの形態をとることができるのであり、爾 後は必要に応じて、カミソリの柄２を半回転させることを繰り返し行うことで、 ローラ７，７に含ませた石鹸水による肌の湿しと固定刄３による髭剃りとを、常 に片手だけで行うことができるのである。

【００１７】 図３に第１の別実施例によるＴ型カミソリの主要部の断面図を示している。こ の実施例によるＴ型カミソリは、合成樹脂から成るカミソリ本体１の固定刄保持 部材４に対して、それの背部側の斜め上方に向けてブラシ９を植毛すると共に、 このブラシ９に、特に好ましくは水や湯に浸すと急速に溶けて泡立つ性状の石鹸 を予め担持させた点に特徴を有するもので、上記した実施例のＴ型カミソリでは 、ローラ７，７を主体にして肌湿し手段５を構成しているのに対して、この別実 施例ではブラシ９を主体にして肌湿し手段５を構成した点で異なるものの、この Ｔ型カミソリの使い方は、上記した実施例のＴ型カミソリの使い方と何ら変わる ものではないことから、その説明を省略することにする。

【００１８】 尚、上記の各実施例では、肌湿し手段５のローラ７，７やブラシ９に予め水溶 性の石鹸を担持させているので、特に石鹸を用意しなくても肌を石鹸水で湿すこ とができる点で好適であるが、これは単なる一例であって、予め石鹸を担持させ ておく必要性はなく、カミソリを使用する際に、ローラ７，７やブラシ９に石鹸 を付ける使用形態や、或いは水を含ませるだけの使用形態をとることが可能であ ることは言うまでもなく、これに関しては、以下の別実施例の全てに共通するこ とを付言しておく。

【００１９】 図４（Ａ），（Ｂ）には、第２の別実施例によるＴ型カミソリの主要部を示し ている。 この実施例では、トレイ６をカミソリ本体１とは別体に成形すると共に、この トレイ６に水溶性の石鹸を担持させたローラ７，７を軸支させて、肌湿し手段５ をユニット化する一方、カミソリ本体１の固定刄保持部材４に肌湿し手段５を出 し入れするための収納部１０を形成し、かつ、この収納部１０の左右の壁面部に ガイド溝ｂを形成すると共に、このガイド溝ｂに案内されるガイドリブｃをトレ イ６に設けて成るもので、前記トレイ６の下面側に突出させた突起ｄの係合凹部 ｅ，ｆを収納部１０の開口側と奥側とに形成し、更に、ユニット化された肌湿し 手段５を引き出すための爪引っ掛け片ｈをトレイ６に形成している。

【００２０】 かゝる構成によれば、図示するように、前記ユニット化された肌湿し手段５を 収納部１０から引き出して、前記突起ｄを収納部開口側の凹部ｅに係合固定させ ることで、肌湿し手段５の使用状態が現出される。

【００２１】 この状態でのＴ型カミソリの使い方は、上記した実施例の構成におけるＴ型カ ミソリの使い方と何ら変わるものではなく、即ち、水溶性の石鹸を担持させたロ ーラ７，７を水に浸して、カミソリの柄２を半回転させることを繰り返し行うこ とで、ローラ７，７に含ませた石鹸水による肌の湿しと固定刄３による髭剃りと を、常に片手だけで行うことができるのである。

【００２２】 そして不使用時には、この肌湿し手段５を収納部１０内に押し込んで、前記突 起ｄを収納部奥側の凹部ｆに係合固定させることで、肌湿し手段５による出っ張 り物の一切がカミソリ本体１内に隠されてしまうことになり、而して、肌湿し手 段５を清潔に保ことができる上にカミソリの取り扱い勝手がよくなる。

【００２３】 図５に第３の別実施例によるＴ型カミソリの主要部を示している。この実施例 のＴ型カミソリは、カミソリ本体１の固定刄保持部材４の背部側に肌湿し手段５ の収納部１０を形成する一方、この収納部１０のガイド溝ｂに案内されるスライ ド部材１１にブラシ９を植毛し且つ水溶性の石鹸を担持させて、肌湿し手段５の ユニットを構成し、かつ、この肌湿し手段５を使用状態と収納状態とで固定する 手段（特に図示はしないが、例えば図４に符号ｄ，ｅ，ｆで示す突起と凹部とに よる係止固定の手段、またはこれに準ずる手段である。）を設けて成るもので、 ローラ７，７とブラシ９とで構成が異なるものの、このＴ型カミソリの使い方は 、上記した第２の実施例によるＴ型カミソリの使い方と何ら変わるものではない ことから、その説明を省略することにする。

【００２４】 図６（Ａ），（Ｂ）には、第４の別実施例によるＴ型カミソリの主要部を示し ている。 この実施例では、肌湿し手段５の収納部１０をカミソリ本体１の固定刄保持部 材４に形成する一方、肌湿し手段５を上記したローラタイプのユニットに構成し て、この肌湿し手段５を、前記収納部１０に対して支軸１２まわりで使用状態と 収納状態とに切り換え可能に枢着し、かつ、この肌湿し手段５の枢着部に、肌湿 し手段５を使用状態で固定させる突起ｄと凹部ｅとを設けると共に、肌湿し手段 ５を収納状態で固定させる突起ｄと凹部ｅを、肌湿し手段５の遊端側と収納部１ ０とに設けている。

【００２５】 図７に第５の別実施例によるＴ型カミソリの主要部を示している。この実施例 では、肌湿し手段５の収納部１０をカミソリ本体１の固定刄保持部材４に形成す る一方、肌湿し手段５を上記したブラシタイプのユニットに構成して、この肌湿 し手段５を、前記収納部１０に対して支軸１３まわりで使用状態と収納状態とに 切り換え可能に枢着し、かつ、この肌湿し手段５を使用状態と収納状態で固定さ せる突起ｄと凹部ｅを肌湿し手段５の枢着部の近傍に設けている。

【００２６】 これら第４および第５の別実施例によるＴ型カミソリは、何れも揺動によって 肌湿し手段５を使用状態と収納状態とに切り換える点で、上記した第２および第 ３の別実施例のものと構成が異なるものの、その使い方は同じであることから説 明を省略することにする。

【００２７】 図８に第６の別実施例によるＴ型カミソリを示している。このＴ型カミソリは 、棒状の柄２の一端側に替え刄保持手段１４を設けると共に、前記柄２とによっ てＴ字状を呈するように前記保持手段１４に替え刄１５を着脱自在に保持させる ようにした所謂刄取り替えタイプのものであって、前記替え刄保持手段１４は、 例えば操作具１６の押し込み操作によって拡開される一対のフックｉ，ｉから成 り、かつ、この一対のフックｉ，ｉは、被押圧片ｊを替え刄１５の背部に押し付 けると縮閉されるもので、このフックｉ，ｉの縮閉によって替え刄１５を挟着保 持させるようにしている。

【００２８】 そして、上記の替え刄保持手段１４を介して替え刄１５を保持する保持部材４ 、これは即ち替え刄保持手段１４の装着部材であるが、この保持部材４の背部両 側にリブ状のブラケット１７，１７を連設する一方、予め水溶性の石鹸を担持さ せた吸水性を有する多孔質のローラ７を、前記一対のブラケット１７，１７にわ たって支軸１８まわりで回転可能に軸支させて、柄２の一端側の保持部材４にロ ーラタイプの肌湿し手段５を具備させているのである。

【００２９】 かゝる構成のＴ型カミソリは、替え刄１５の交換を可能とした点ならびにトレ イを設けない点で構成が異なるものの、その使い方は、図１，２に示した簡便タ イプのＴ型カミソリと同じであることから説明を省略することにする。

【００３０】 尚、上記の刄取り替えタイプのＴ型カミソリにおいて、それの肌湿し手段５を ブラシ９に置き換えたり、或いは保持部材４に収納部を形成して、この収納部に ユニット化させたローラタイプやブラシタイプの肌湿し手段５を出し入れさせる ように構成したり、または柄２側に折り畳み可能に構成したりする変更が可能で ある。

【００３１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、所謂簡便タイプや刄取り替えタイプのＴ型カミ ソリにおいて、それの保持部材の近傍に肌湿し手段を具備させたことで、髭剃り に際して何度も繰り返される肌の湿しを、その都度、ブラシなどに持ち替えるこ となく、カミソリを手にしたままで必要に応じて随時行えるようになり、特に髭 剃りと肌の湿しとをカミソリを手にしたままで片手で行えることから、片腕に障 害がある人にとっては福音とも言え、全体として、カミソリに肌湿し手段を具備 させる合理的な改良によって、Ｔ型カミソリの使い勝手を向上できるに至ったの である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る簡便タイプのＴ型カミ
ソリの斜視図である。

【図２】図１に示すＴ型カミソリの断面図である。

【図３】第１別実施例のＴ型カミソリの主要部の断面図
である。

【図４】第２別実施例のＴ型カミソリの主要部を示し、
（Ａ）は斜視図、（Ｂ）はその断面図である。

【図５】第３別実施例のＴ型カミソリの主要部の斜視図
である。

【図６】第４別実施例のＴ型カミソリの主要部を示し、
（Ａ）は斜視図、（Ｂ）はその断面図である。

【図７】第５別実施例のＴ型カミソリの主要部の断面図
である。

【図８】第６別実施例の刄取り替えタイプのＴ型カミソ
リの斜視図である。

【符号の説明】

２…棒状の柄、３…固定刄、４…保持部材、５…肌湿し
手段、７…ローラ、９…ブラシ、１０…収納部、１４…
替え刄保持手段、１５…替え刄。

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 棒状の柄の一端側に固定刄を保持させて
   成るＴ型カミソリであって、前記固定刄を保持する保持
   部材の近傍に肌湿し手段を具備させてあることを特徴と
   するＴ型カミソリ。
2. 【請求項２】 棒状の柄の一端側に備えた替え刄保持手
   段に替え刄を着脱自在に保持させて成るＴ型カミソリで
   あって、前記保持手段を介して替え刄を保持する保持部
   材の近傍に肌湿し手段を具備させてあることを特徴とす
   るＴ型カミソリ。
3. 【請求項３】 前記保持部材に肌湿し手段の収納部を形
   成し、この収納部に対して前記肌湿し手段を出し入れ可
   能に構成してあることを特徴とする請求項１または２に
   記載のＴ型カミソリ。
4. 【請求項４】 前記肌湿し手段を、刃縁に沿う方向の軸
   線まわりで柄側に折り畳み可能に構成してあることを特
   徴とする請求項１または２に記載のＴ型カミソリ。
5. 【請求項５】 前記肌湿し手段が吸水性を有する多孔質
   のローラから成り、かつ、当該ローラを刄縁に沿う方向
   の軸線まわりで回転可能に構成してあることを特徴とす
   る請求項１乃至４のいずれかに記載のＴ型カミソリ。
6. 【請求項６】 前記肌湿し手段がブラシから成ることを
   特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載のＴ型カミ
   ソリ。
7. 【請求項７】 前記肌湿し手段に予め水溶性の石鹸を担
   持させてあることを特徴とする請求項５または６に記載
   のＴ型カミソリ。