JP3801288B2 - 清掃具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、清掃具に関し、詳しくは、ガラス等の硬質表面の汚れを軽い荷重で拭き取ることができ、且つ広範囲に亘って清掃することができる清掃具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
窓ガラスや自動車のボディ等の硬質表面の清掃は、広い面積に亘って行われることや高所を対象として行われることが一般に多いため、多大な労力および時間が必要であった。
【0003】
上記硬質表面の清掃方法としては、界面活性剤及びアルカリ剤等を含有する液体系の洗浄剤を該硬質表面にスプレー等で吹き付けた後に、濡れ雑巾で該洗浄剤を拭き取り、更に乾いた布で乾拭きする方法が一般的である。しかし、このような方法では、濡れ雑巾や布と硬質表面との接触面積を適正に保つことは困難であり、接触面積が過大となる結果、拭き取りや乾拭き時に多大な労力が必要であった。
【0004】
また、硬質表面の清掃方法として化学雑巾を使用する方法があるが、この場合、化学雑巾を幾つかに折り畳んで汚れていない面で汚れを拭き取り、ある面が汚れたら他の面に換えて使用するという使用方法が一般的である。しかし、どの面が汚れ、どの面が未使用であるかを考えて使用することは面倒あるいは困難であり、汚れが飽和した面を誤って再度使用してしまい却って清掃面を汚す結果となったり、未使用な面を残したまま処分してしまう場合があった。
また、他の雑巾や乾拭き用の布等の場合であっても、他に汚れていない部分があるにもかかわらず該部分が有効に利用されてない場合も多かった。
【0005】
更に、窓ガラス等の清掃を行う場合には、中央部の清掃は比較的容易であるのに対し、サッシの枠際や四隅部分はサッシ等が邪魔になるため清掃が困難であったり、該部分に雑巾や布の繊維や洗浄剤の成分等が残ってしまう場合があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、適正な荷重により汚れを軽く効率的に拭き取ることができる清掃具を提供することにある。
また、本発明の目的は、清掃布全体を効率的に使用でき、広い面積の汚れを容易に拭き取ることのできる清掃具を提供することにある。
また、本発明の目的は、高所やサッシの枠際等の狭い部分の清掃を容易に行うことができる清掃具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、清掃布が装着される清掃筒体の形状及び該清掃筒体と柄との関係等を工夫した清掃具が上記目的を達成し得ることを知見した。
【0008】
本発明は上記知見に基づきなされたもので、請求項1に記載の発明は、周面に清掃布が装着された清掃筒体が、柄の先端に、該清掃筒体の軸心又は該軸心に平行な軸を回転軸として回転可能に且つ該柄と該回転軸とを直角に取り付けられた清掃具であって、上記清掃筒体は2つのラウンド状の曲面を有し、2つの該曲面それぞれの端部同士が結合されて上記清掃筒体の周面が形成され、且つそれぞれの結合部に上記回転軸と平行な尖端部が形成されており、2つの該尖端部における該曲面同士のなす角度が鋭角θであり、上記曲面が清掃基面として使用されるようになされており、上記鋭角θが30度〜70度であり、2つの上記尖端部を結んで形成される平面と上記柄とのなす角度が0度以上該鋭角θの1/10以下となる位置及びその位置から180度回転させた位置で、上記清掃筒体に対しブレーキ荷重が掛かるようになされていることを特徴とする清掃具を提供することにより上記目的を達成したものである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記清掃布を、上記清掃筒体の内部に収容し、該清掃筒体に形成されたスリットから該清掃布が引き出されるようにした清掃具を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の清掃具の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の清掃具の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1に示す清掃具の清掃具本体を示す斜視図であり、図3は、図2に示す清掃具本体における清掃筒体の側面図であり、図4は、図2に示す清掃具本体の平面図であり、図5は、清掃布の装着を示す斜視図であり、図6及び図7は、図1に示す清掃具の使用状態を示す図である。
【0013】
図1〜図4に示すように、本実施形態の清掃具1は、清掃筒体2が柄3の先端に取り付けられた清掃具本体4と、該清掃筒体2の周面に装着された清掃布5とから構成されている。
【0014】
上記清掃筒体2は、柄3の先端に、該清掃筒体2の軸心又は該軸心に平行な軸を回転軸として回転可能に、且つ該柄3と該回転軸とを直角に取り付けられている。
上記清掃筒体2は、2つのラウンド状の曲面6,6’を有し、該曲面6,6’それぞれの端部同士が結合されて該清掃筒体2の周面が形成されている。
該曲面6,6の結合部には、上記回転軸と平行な尖端部7,7が形成され、該尖端部7,7における該曲面6,6’同士のなす角度θは鋭角である。
【0015】
上記清掃筒体2は、図4に示すように、平面視した形状が略矩形であり、図3に示すように、側面視した形状が略菱形状である。該清掃筒体の周面は、図3に示すように、端部同士が結合された、2つのラウンド状の曲面6,6’により形成されている。各曲面6,6’は、互いに中心面Aを挟んで略対象の形態を有し、側面視した場合における各曲面6,6’の形状は、略二等辺三角形状をなしている。側面視した場合の該形状を、より詳しく説明すると、中心面A上に底面を有する二等辺三角形を基本形状とし、該基本形状における二等辺三角形の頂角を20Rの曲線とし、該頂角を挟む二辺を湾曲させて150Rの曲面とした形状である。尚、本実施形態における上記二等辺三角形の底辺の長さは、85mmである。
【0016】
上記2つの曲面6,6’それぞれの端部が結合している結合部には、尖端部7,7’が形成されており、該尖端部7,7’における上記曲面6,6’同士のなす角度θは、鋭角である(図3参照)。本発明における該角度θは、30度〜70度の範囲内である。該角度θが、上記範囲内であると、サッシの枠際や四隅等の狭い場所の清掃を極めて容易に行うことができる。一方、該角度θが、鈍角であるとそのような場所の清掃が困難である。尚、本実施形態における該角度θは70度である。
【0017】
本実施形態の清掃具における清掃筒体の各部の大きさ(長さ)、曲率及びそれらの〔好ましい値〕を示すと以下の通りである。尚、下記各項目において、最初に記載した数値が本実施形態における各部の数値である。
・回転筒体の長さ(図3における左右方向の長さ);85mm〔50〜120mm、特に60〜100mm〕。
・回転筒体の幅;100mm;〔70〜150mm、特に80〜120mm〕。
・回転筒体の曲面の曲率R(二等辺部);150mm〔100〜600mm、特に120〜400mm〕。
・回転筒体の曲面の曲率R(頂角部);(図3参照);20mm〔5〜50mm、特に10〜30mm〕。
【0018】
上記清掃筒体2は、その周面に清掃布5が装着可能になしてある。即ち、清掃筒体2の周面には、所定の大きさの窪み部(図示せず)が3カ所一列に形成され、該窪み部を覆うように装着固定部材9が設けられている。該装着固定部材9には、上記各窪み部の位置に対応させて装着用スリット8が形成されている。
【0019】
上記清掃布5は、上記清掃筒体2の周面一回り分よりも若干長い長さの帯状体である。そして、該清掃布5の上記清掃筒体2への装着は、図5(a)に示すように、長さ方向の一端部5aを上記装着固定部材9に重ね、該一端部5aの一部を、上記装着用スリット8に押し込んで固定し、次いで図5(b)に示すように、他端部5bを矢印A方向に一回りさせて同様に装着用スリット8に押し込むことにより行う。
【0020】
上記柄3は、図2に示すように、棒状の把持部30と、軸部31と、該軸部31と該把持部30とを接続するL字形接続部32とからなる。
上記把持部30は、棒状の形態をなし、本実施形態の清掃具による清掃作業は、通常この部分を把持して行う。該把持部30の先端には、上記L字形接続部32が接続されている。
上記L字形接続部32は、互いに直角な横部32a及び縦部32bからなり、横部32a側の端部は、上記把持部30の先端に直角に接続されており、縦部32b側の端部には、上記軸部31が接続固定されている。該L字形接続部32の上記縦部32bは、該把持部30の長さ方向と略平行となっている。上記軸部31は、該横部32aと略平行になるように接続固定されており、該L字形接続部32と該軸部31とで略コの字形が形成されている。
上記軸部31は、基端を上記縦部32bの端部に接続固定された棒状体であり、その先端側は、上記清掃筒体2の軸心に形成された挿通孔に挿入されて上記清掃筒体2を回転可能に支持している。尚、上記柄3は、図4に示すように、清掃筒体2の一方の側面部2bよりも外側に張り出す部分を有するが、他方の側面部2aから張り出す部分は有しない。
【0021】
上記清掃筒体2には、上述の通り、上記軸部31が挿通される挿通孔がその軸心(図3においてPで示す。)に形成されており、該清掃筒体2は該挿通孔に挿入された上記軸部31を回転軸として回転可能になされている。
上記軸部31の先端は、図4に示すように、上記清掃筒体2の側面部2aからは突出せず、清掃筒体2の側面部2aに形成された円柱状凹部21内に露出しており、該先端には、止め部材33が係合されている。該止め部材33により、上記清掃筒体2が、上記軸部31から抜け落ちないようになっている。
【0022】
本実施形態の清掃具1は、図3に示すように、2つの上記尖端部を結んで形成される平面Aと上記柄3とのなす角度aが0度以上上記鋭角θの1/10以下となる位置及びその位置から180度回転させた位置で、上記清掃筒体2に対しブレーキ荷重が掛かるようになされている。
即ち、図4に示すように、上記清掃筒体2の側面部2bには、リング状の第1ブレーキ部材22が固着され、第1ブレーキ部材22と上記L字形接続部32との間には、同様にリング状の第2ブレーキ部材34が設けられ、該第1ブレーキ部材22と第2ブレーキ部材34との作用により上記位置においてブレーキ荷重が掛かるようになされている。
上記第2ブレーキ部材34は、上記軸部31に環装されるとともに、第1ブレーキ部材方向22方向にコイルばね35により常時付勢されている。該第2ブレーキ部材34は、軸部31に沿って前後方向に移動可能であるが、軸部31に形成された回転規制突起(図示せず)により回転不可能に設けられている。
第1ブレーキ部材22及び第2ブレーキ部材34の摺接面には、それぞれ係合凹部及び係合突起34aが形成されており、該係合凹部及び係合突起34aとが係合することにより該清掃筒体2にブレーキ荷重が掛かるようになされいる。
【0023】
上記第1ブレーキ部材22の上記係合凹部は、該第1ブレーキ部材22の中心点を挟んで点対称の位置に2つ形成されており、上記第2ブレーキ部材34の上記係合突起も、該第2ブレーキ部材22の中心点を挟んで点対称の位置に2つ形成されている。
そして、2つの上記尖端部を結んで形成される平面Aと上記柄3とのなす角度aが0度以上上記鋭角θの1/10以下となる位置において2つの上記係合凹部に対して上記二つの係合突起34aがそれぞれ係合すると共に、清掃筒体2を180度回転させた位置においても上記係合凹部及び係合突起34aが係合するようになされている。
本実施形態においては、図1及び2に示されるように、上記なす角aが0度となるような位置及びその位置から清掃筒体2を180度回転させた位置において係合凹部及び係合突起が係合するように、即ち、ブレーキ荷重が掛かるようになされている。
【0024】
本実施形態の清掃具における上記清掃筒体2は、柔軟性素材で形成されており、該柔軟性素材は、スポンジ状の多孔性の柔軟性素材(例えば、表面にメルトーム加工が施されたポリウレタン製の多孔性の柔軟性素材)、又はゴム状の柔軟性素材であって、C硬度が好ましくは1〜70、更に好ましくは30〜60のものである。ここで、C硬度とは、SRIS(日本ゴム協会規格)0101に基づきアスカ−ゴム硬度計C型式で測定した硬度である。
【0025】
上記清掃筒体2をスポンジ状の多孔性の柔軟性素材で作製する場合には、耐久性に優れた軟質若しくは硬質の発泡させた合成樹脂からなる多孔性の柔軟性素材を使用することが特に好ましい。この様な性質を備えた好ましい多孔性の柔軟性素材としては、例えば、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の合成樹脂が挙げられる。
上記清掃筒体2を構成する柔軟性素材には、スポンジ状の多孔性の柔軟性素材のほかに、人工皮革若しくは布製の袋にフェルトや綿等の繊維材料を内包させたクッション性の柔軟性素材、又はゴム状の柔軟性素材を使用することもできる。上記柄3は、塩化ビニル、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート、アルミニウムやその合金、木、竹製のものであることが、軽量で丈夫且つ低コストであるので好ましい。
【0026】
本実施形態の清掃具1は、上述したように構成されているので、清掃具1によれば、図6中(b)で示すように、例えばガラス40の中央部のような広い面積の清掃には、清掃筒体2の尖端部7から頂部6cまでの部分を清掃基面として使用し、軽く且つ均一に清掃することができる。また、特に強く付着した汚れを除去する際には、図6中(c)で示すように、上記清掃筒体2の頂部6cの曲面を利用することにより、軽い荷重で容易に除去することができる。即ち、これらの部分は曲面で構成されているので、清掃布と被清掃面との接触面積が手拭きに較べて小さくなり、軽い荷重で楽に且つ均一に清掃することができる。
【0027】
一方、サッシの枠際や四隅のような狭い部分の清掃には、図6中(a)で示すように、上記清掃筒体2の尖端部7を清掃基面として使用すれば、かかる部分の清掃を簡便且つ効率的に行うことができる。
また、通常清掃が困難な上部サッシの枠際のような高所にある被清掃面を清掃する場合にも、棒状の上記柄3があるので容易に清掃を行うことができる。
【0028】
更に、本実施形態の清掃具は、清掃筒体2を該清掃筒体2の一方の側からのみ支持させる構成としたので、図7に示すように、左側サッシ40aの枠際を清掃する際には、清掃筒体2が左側に突出する向きに使用し、逆に右側サッシ40bの枠際を清掃する際には、清掃筒体2が右側に突出する向きに使用することにより、左右両側のサッシ40a,40bの枠際を容易に清掃することができる。
【0029】
更に、本実施形態の清掃具においては、清掃筒体2の一方の尖端部7側の両面を使用し、その部分が汚れで飽和した場合、ある程度の力を加えて清掃筒体2を180度回転させることにより、汚れていない他方の尖端部7’側を先端側とすることができる。これにより、汚れのない部分を利用して更に清掃を継続することができる。
そして、尖端部7’側の部分も汚れで飽和した場合には、図5(a)に示されるように清掃布の他端部5b側をはずし、該他端部5bを図5(a)における矢印Aとは、逆方向に一回りさせて再度該他端部5bを固定する。これにより、清掃布5の汚れの付着していない反対側の面が外側に露出されることになるので、更に、上述したような清掃を行うことができる。
【0030】
このようにして本実施形態の清掃具によると、清掃布5の両面を使用することができ、且つ各面についても無駄なく殆ど全面に亘って使用することができる。従って、無駄のない効率的な清掃が可能であり、また、これにより広い範囲の汚れを除去することもできる。
従って、本実施形態の清掃具1は、ガラス、黒板、タイル張りの浴室やキッチンの壁や天井、自動車のボディ等の硬質表面の清掃に好適に使用することができる。
【0031】
本発明における清掃布5としては、洗浄剤を含浸させたものであっても、そのような洗浄剤を含浸させずに乾式で使用されるものであっても良い。該清掃布としては、繊維状材料から構成される繊維構造体、例えば、各種紙、不織布、織布若しくは編布及びパルプシートが挙げられる。これらの繊維構造体を構成する繊維状材料としては、例えば、セルロース系繊維、変性セルロース系繊維、合成繊維及びこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。
【0032】
上記セルロース系繊維としては、例えば木材系パルプや綿、麻等の天然繊維、テンセル、ビスコースレーヨンやアセテート等のセルロース系化学繊維が挙げられる。
一方、上記合成繊維としては、例えば、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維及びこれらの合成繊維の少なくとも二種を芯鞘型等に複合化した繊維、並びにこれらの合成繊維の少なくとも二種を混合した繊維等が挙げられる。
また、樹脂からなる多孔質シート(例えば、スポンジ状シート)も清掃布として使用できる。
【0033】
以上、本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態により何等制限されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
【0034】
例えば、清掃筒体2にブレーキ荷重を掛ける機構を、図8に示すようなものとすることもできる。図8に示す清掃具は、清掃筒体2に固着された第1ブレーキ部材22と、第2ブレーキ部材34とを備える点において上記実施形態におけるのと同様である。
但し、軸部31の先端に設けられたコイルばね35により清掃筒体2全体が該第2ブレーキ部材34側に付勢されており、第2ブレーキ部材34が柄3の軸部31に前後進及び回転不可能に固定されている点において相違する。
【0035】
本実施形態の清掃具における第1及び第2ブレーキ部材には、図8(a)に示すような鋸歯状の係合部が形成され、該係合部の係合により上記清掃筒体2には所定の角度毎にブレーキ荷重が掛かるようになされている。この清掃具においても、両尖端部7,7’を結ぶ面Aに対する把持部30の角度aが0度になる位置において清掃筒体2にブレーキ荷重が掛かるようになっており、その位置及び180度回転させた位置において該清掃筒体2は、自然には回らない程度に回転が規制される。更に、この清掃具においては、角度aが10度、20度、30度の位置においてもブレーキ荷重が掛かるようになしてある。これにより、清掃する面に応じて柄3の角度を適宜の角度として使用することができる。そして、180度回転させることにより、汚れていない他の尖端部側を先端側とすることができる点においては、上記実施形態におけるのと同様である。
【0036】
更に、清掃筒体2にブレーキ荷重を掛ける機構として、図9に示すようなものを採用することもできる。
図9に示す清掃具は、上記機構として、清掃筒体2に固着され、該清掃筒体2と一体となって回転する第1ブレーキ部材22と、柄3のL字形接続部32に形成された貫通孔に前後進可能に挿通された第2ブレーキ部材34と、第2ブレーキ部材34を上記第1ブレーキ部材22方向に常時付勢するコイルばね35とからなるブレーキ荷重機構を備えている。
そして、上記第1ブレーキ部材22の第2ブレーキ部材34側の表面には、二つの係合凹部22aが形成されており、上記第2ブレーキ部材34の先端が該第1ブレーキ部材22の該係合凹部22aに係合することにより該清掃筒体2にブレーキ荷重が掛かるようになしてある。本清掃具においては、図9に示すように、清掃筒体2の両尖端部7,7’を結んで形成される面Aと、柄3とのなす角度が0度になる位置、及び該位置から清掃筒体2を180度回転させた位置において清掃筒体2にブレーキ荷重が掛かるようになしてある。
【0037】
また、清掃筒体2の周面への清掃布5の装着方法にも特に制限はない。例えば、清掃筒体2の周面に、図8及び図9に示すような装着固定部材9を設けることにより清掃布5を装着する構成としても良い。
この装着固定部材9は、清掃筒体2の周面に形成された窪み部(図示せず)を覆うように設けられ、図10に示すように、開き用スリット90及び保持用スリット91が形成されている。上記開き用スリット90は放射状に延在して設けられ、上記保持用スリット91は上記開き用スリット90に連続すると共に鋸歯形状に形成されている。このような構成を有する装着固定部材を採用することにより、清掃布5を指で装着固定部材9に押し込むだけで、確実に且つ簡単に上記清掃布5を清掃筒体2の周面に装着することができる。尚、清掃布5の端部に図10に示すような突起5aを形成し、一端部と他端部とをそれぞれ異なるスリットに押し込むようにすると、より一層清掃布の清掃筒体2への装着が容易となる。
【0038】
図11は、本発明の清掃具の他の実施形態を示す図である。本実施形態の清掃具は、図1〜図7に示した清掃具1の柄3の末端部分に、腕固定部51とグリップ部52とを備えてなる延長柄50を接続させてなる清掃具である。尚、図11においては、上記清掃具1と延長柄50との接続前の状態を示している。
上記腕固定部51は、上記延長柄50の末端部に設けられ、腕に当ててベルトで装着固定することにより、腕に固定することができるようになされている。上記グリップ部52は、延長柄50の略中心部に設けられ、把持が容易で且つ水や汗等により滑らないようになされている。
【0039】
本清掃具は、上記延長柄50の先端を上記清掃具1の末端と接続することにより、長い柄を有する清掃具として使用される。該接続は、延長柄50の先端に形成された雄ねじ部53を、上記清掃具1の末端に形成された雌ねじ部に螺合させることによりなされる。
そして、本実施形態の清掃具は、上記構成を有してなるので、使用時には、腕に装着された腕固定部51が設けられた部分が支点となり、グリップ部52が作用点として機能する。これにより、清掃筒体2の被清掃面に対する接圧力を腕固定部51を設けない場合に対して増加させることができ(約2倍)、高所の汚れを容易に拭き取ることができる。
【0040】
更に、本発明の清掃具の他の実施形態として、上記各実施形態の清掃具における清掃布5を清掃筒体2の内部にロールの状態として収容しておき、使用に際し該清掃筒体2に形成されたスリットから該清掃布5が引き出されるようにした清掃具がある。
この清掃具は、清掃筒体2の内部にロールの状態とした清掃布が収容され、該清掃布の長手方向の一端部から該清掃布を引き出すことのできる引き出し用スリットが清掃筒体2の周面に形成されてなる。尚、上記清掃布は、上記清掃筒体2の周面の長さよりも長く、例えば、該周面の長さの2倍以上である。
【0041】
そして、使用に際しては、上記引き出し用スリットから清掃布を引き出し、引き出した部分を清掃筒体2の周面に一回りさせ装着する。そして、その状態で清掃を行った後、該清掃布の引き出された部分を反対の方向に一回りさせて再度装着して再び清掃を行う。このようにして、清掃布の引き出された部分の両面を使用した後、該汚れた部分を切断して除去すると共に、清掃布を上記引き出し用スリットから引き出して同様に清掃筒体の周面に装着する。そして、更に清掃作業を続行することができる。
【0042】
従って、本実施形態の清掃具によると、清掃布が清掃筒体内に大量に保持されているので清掃布の交換作業から解放され、作業時に清掃布が汚れで飽和した場合であっても清掃布を引き出すことにより対処が可能であり、清掃作業を中断されずに効率的な清掃を行うことができる。尚、本実施形態の清掃具における清掃布には、上記清掃筒体の周面一回り分の長さ毎にミシン目を入れておくのが良い。これにより、上記汚れた部分の切断が容易となり、より作業性に優れたものとなる。
その他、清掃筒体の周面を3つのラウンド状の曲面で構成したり、清掃筒体の軸心に平行な軸を回転軸とする等、本発明の要旨を逸脱しない範囲において更に他の様々な変更が可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、適正な荷重により汚れを軽く効率的に拭き取ることができる清掃具を提供することができる。また、本発明によれば、清掃布全体を効率的に使用でき、広い面積の汚れを容易に拭き取ることのできる清掃具を提供することができる。また、本発明によれば、高所やサッシの枠際等の狭い部分の清掃を容易に行うことができる清掃具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の清掃具の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す清掃具の清掃具本体を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す清掃具本体における清掃筒体の側面図である。
【図4】図4は、図2に示す清掃具本体の平面図である。
【図5】図5は、図2に示す清掃具本体への清掃布の装着を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1に示す清掃具の使用状態を示す図である。
【図7】図7は、図1に示す清掃具の使用状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の清掃具の他の実施形態を示す(a)平面図及び(b)側面図である。
【図9】図9は、本発明の清掃具の更に他の実施形態を示す(a)平面図及び(b)側面図である。
【図10】図10は、図8又は図9に示す清掃具における清掃布の装着を示す説明図である。
【図11】図11は、本発明の清掃具の更に他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 清掃具
2 清掃筒体
3 柄
30 把持部
31 軸部
32 L字形接続部
4 清掃具本体
5 清掃布
6 ラウンド状の曲面
7 尖端部
8 装着用スリット
9 装着固定部材
Claims (2)
- 周面に清掃布が装着された清掃筒体が、柄の先端に、該清掃筒体の軸心又は該軸心に平行な軸を回転軸として回転可能に且つ該柄と該回転軸とを直角に取り付けられた清掃具であって、
上記清掃筒体は2つのラウンド状の曲面を有し、2つの該曲面それぞれの端部同士が結合されて上記清掃筒体の周面が形成され、且つそれぞれの結合部に上記回転軸と平行な尖端部が形成されており、2つの該尖端部における該曲面同士のなす角度が鋭角θであり、
上記曲面が清掃基面として使用されるようになされており、
上記鋭角θが30度〜70度であり、
2つの上記尖端部を結んで形成される平面と上記柄とのなす角度が0度以上該鋭角θの1/10以下となる位置及びその位置から180度回転させた位置で、上記清掃筒体に対しブレーキ荷重が掛かるようになされていることを特徴とする清掃具。 - 上記清掃布を、上記清掃筒体の内部に収容し、該清掃筒体に形成されたスリットから該清掃布が引き出されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02415897A JP3801288B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-02-06 | 清掃具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02415897A JP3801288B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-02-06 | 清掃具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10216062A JPH10216062A (ja) | 1998-08-18 |
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