JPH0739402A - 足にやさしいサンダルの製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はＥＶＡとコルクよりなる発泡体、あ
るいはポリウレタン発泡体の中芯にＥＶＡとコルクより
なる発泡体ベルトを巻いた中底で履き心地の良い、足に
やさしいサンダルを得るものである。 【構成】 足の裏に良く合うように、足の指の付け根
部、土踏まず部および周縁部以外は凹んだ形状の中底が
得られる金型でＥＶＡとコルクよりなる多孔質中底を成
形するか、あるいはまず前記と同じような形状の金型に
ウレタン原料を仕込んで多孔質の中芯を成形し、次いで
この中芯の周辺側面にＥＶＡとコルクよりなる多孔質ベ
ルトを巻き付けて中底を作製して、この中底の上面（凹
凸面）に表敷として、天然皮革、人工皮革、合成皮革等
のシート物を圧着したのち、その下面にバンドの両端と
本底を固着させてサンダルを得る。このサンダルは外観
が良くてファッショナブルなので、特に若者に人気があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＥＶＡにコルクを混合
した発泡体、あるいはポリウレタンの発泡体にＥＶＡと
コルクよりなる発泡体ベルトを巻いた中底で履き心地の
良い足にやさしいサンダルを得るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より着用されているサンダルには、
底とバンドを一体成形した安物もあるが、一般的によく
着用されているサンダルとしては、ダンボールもしくは
合成ゴムあるいは合成樹脂等の芯材（中芯）に合成皮革
または合成樹脂シートを接着するか、あるいはミシンで
縫い付けて天板を作製してから、その裏面にバンドの両
端と本底を接着するか、またはミシンで縫い付けたもの
が多い。また最近、若者の間で人気のある履物として外
国から輸入され販売されているサンダルがあり、このも
のはバンド、本底、中底および表敷より構成されてい
て、その中底は合成樹脂あるいは合成ゴムを金型に溶融
押出成形しており、その上面（足の裏がくる側）が足の
裏によく沿うように凹凸をつけ、この表面に表敷を接着
したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来より一般的に多く
着用されている、ダンボールもしくは合成ゴムあるいは
合成樹脂等の芯材（中芯）に合成皮革または合成樹脂シ
ートを貼着、あるいは縫着して製造した天板の裏面にバ
ンドの両端と本底を貼着、または縫着したサンダルは硬
くてクッション性が良くないに加えて、足裏の当接部が
フラットなために、歩く時に足が滑ったり、ぐらついた
りして、安定せず、長時間着用すると足が非常に疲れ、
ひどい場合には、足に擦傷ができる欠点を持っている。

【０００４】さらに、最近、外国からの輸入品で、若者
がジーンズと合わせて着用しはじめている、バンド、本
底、中底および表敷よりなるサンダルはその中底が合成
樹脂、あるいは合成ゴムを金型に溶融押出成形した非多
孔質で、表面が足の裏に沿うように凹凸をつけたもの
で、この中底の上面に表敷を貼着し、かつその裏面にバ
ンドの両端と本底を貼着して製造しており、このサンダ
ルは確かに外観的には今風であって、若者の間で流行し
つつあるが、前記のサンダルと同じように硬いために、
長い距離を着用していると足が痛くなるとともに、疲れ
やすいという問題を有していた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、足の裏に合っ
た形状、つまり足の指の付け根部、土踏まず部及び周縁
部以外は凹んだ形の中底が得られる金型で、ＥＶＡにコ
ルクを混合して、多孔質の中底を成形するか、あるいは
ウレタンの原料を注入して、多孔質の中芯を成形してそ
の周辺側面にＥＶＡとコルクよりなる多孔質ベルトを巻
いて中底を作製し、この中底の上面に表敷として、天然
皮革、人工皮革、合成皮革等のシートを圧着したのち、
その下面にバンドの両端と本底を順次固着して、サンダ
ルを製造するものであって、本発明によって、はじめて
前記のような問題点のないサンダルが得られるようにな
った。

【０００６】つまり従来より一般的に多く着用されてい
る、ダンボールや合成樹脂等からなる芯材（中芯）に合
成皮革等のシート状物を貼着または縫着した天板にバン
ドの両端と本底を固着して、製造したサンダルは硬くて
クッション性が不良で、また歩く時に足がよく滑るため
に非常に疲れたが、本発明のサンダルでは中底がクッシ
ョン性良好なスポンジ体からなるのと、足の裏がサンダ
ルの表面にピタリと合っていて歩く時に足が滑らないの
で、疲れが非常に少なくなった。

【０００７】また一方、最近若者に人気がある、バン
ド、本底、中底および表敷よりなり、中底が溶融押出成
形した非多孔質の表面が足裏に合うように凹凸をつけて
いて、これの上面に表敷を、そしてその下面にバンドの
両端と本底を固着したサンダルでは前記のものと同じよ
うに硬くクッション性が良くなく、そして重さが大であ
ったが、本発明のサンダルでは底材の大半を占める中底
がスボンジ体であるため、クッション性が良く、かつ重
さも非常に軽くなった。本発明は中底の素材と構造に大
きな特徴があるものである。

【０００８】つまり、本発明の中底の素材としては、Ｅ
ＶＡのチップにコルクの粒子を混合したものを使用し、
これを足の裏の形状に合った金型に溶融押出して、多孔
質中底を成形するか、あるいは発泡体を形成するウレタ
ン原料を前記と同じような金型に注入して多孔質の中芯
を成形し、その中芯の周辺側面にＥＶＡとコルクからな
る多孔質ベルトを巻いて中底を作製してからその上面に
表敷を圧着して、底表面の指の付け根部、土踏まず部及
び周縁部がきれいに隆起したルッキングの非常に良好な
サンダル底の表面が得られる。本発明では中底としてＥ
ＶＡとコルクよりなる厚さの厚い発泡体を使用するが、
この中底の断面（側面）がそのままサンダルの側面とな
って見えるため、非常に外観的に良好である。また一
方、発泡したポリウレタンで中芯を成形し、その周辺側
面をＥＶＡとコルクよりなる多孔質ベルトを巻いて作製
した中底もサンダルにした場合にはＥＶＡとコルクより
なる発泡体がサンダルの側面となって見えるため、前記
のＥＶＡとコルクの発泡体のみよりなる中底を使用した
サンダルと同じように非常に外観が良好であり、かつそ
れに加え、このものは前記のＥＶＡとコルクの発泡体の
みよりなる中底を使用したサンダルよりも着用による厚
みへたりが少ないので、クッション性が長期間持続する
という大きな特長も有している。

【０００９】ここで使用する表敷としてはスムース調の
天然皮革、人工皮革あるいは合成皮革、スエード調の天
然皮革、人工皮革、合成皮革、繊維シート、合成樹脂シ
ート等、一般的に使用されているものはすべて使用でき
るが、なかでも特にスエード調の天然皮革が、足のタッ
チがよくて汗をよく吸うために好ましい。また、本底と
しても一般的に使用されているものはすべて使用できる
が、なかでも特にＥＶＡの発泡体が成形がしやすく、か
つ値段的にも安いので好ましい。

【００１０】以上述べたように、本発明は中底として、
足裏に合うように凹凸をつけた中底の金型でＥＶＡとコ
ルクの混合物を発泡成形したものを使用するか、あるい
は前記と同じような金型にウレタン原料を仕込んで発泡
成型した中芯の周辺側面にＥＶＡとコルクよりなる多孔
質ベルトを巻いたものを使用し、この中底の上に表敷を
圧着させてから、その裏面にバンドの両端と本底を固着
してサンダルをつくるもので、長時間着用しても足の疲
れが少ないし、足が傷付いたりすることもないに加え、
特に若者に好んで着用してもらえる、ファッション性の
非常に高いサンダルであった。このものはファッショナ
ブルなサンダルとして値段も高く売れた。

【００１１】

【実施例】図１は本発明に使用する中底の平面図の一実
施例を示しており、図２はその中底のＸ−Ｘ断面図であ
る。図３はその中底を用いた本発明のサンダルの一実施
例を示しており、図４はそのＹ−Ｙ断面図である。まず
中底の指の付け根部（２）の厚さが１２ｍｍ、土踏まず
部（３）の厚さが３０ｍｍで、また周縁部（４）の厚さ
では、指定周縁部は１０ｍｍで、漸次後部に行くに従っ
て厚くなっていて、踵の周縁部では２０ｍｍとなってお
り、さらに凹み部（１）では、指先の凹み部の厚さが１
１ｍｍで、漸次後部に行くに従って厚くなっていて、踵
部の凹部の厚さは９ｍｍである形状の中底が得られる金
型にＥＶＡとコルクを溶融押出して、多孔質の中底を成
形した。

【００１２】次いで、この中底に上面に厚さ０．８ｍｍ
のスエード調の天然皮革を表敷き（６）として圧着して
から、その中底の下面に厚さ２ｍｍのスムース調の天然
皮革でつくったバンド（５）の両端を接着し、さらに厚
さ１０ｍｍのＥＶＡ発泡体を本底（７）として接着して
サンダルを製造した。このものは外観的には手作り調
で、今までにないファッショナブルなものであった。こ
のサンダルを１日中着用したが、足触りが柔くて、足が
滑らないため、足の疲れが非常に少なく、そして足の痛
みも起こらなかった。

【００１３】

【発明の効果】以上述べたように、本発明は、ＥＶＡと
コルクの混合物を、指の付け根部、土踏まず部、および
周縁部以外が凹んだ形状の中底が得られる金型に仕込ん
で多孔質の中底を作製するか、あるいは、まずウレタン
原料を前記と同じような金型に注入して、多孔質のポリ
ウレタンの中芯をつくり、次にこの中芯の周辺側面にＥ
ＶＡとコルクよりなる多孔質ベルトを巻いて中底を作製
し、この中底の上面に表敷を接着してからその中底の下
面にバンドの両端と本底を接着させたサンダルであっ
て、このものは今まで一般的によく使用されているサン
ダルのようにへり巻きやミシン縫いがないか、あるいは
少ないため、工程が簡単で、手間が少なくてすむので製
造コストが安い。しかし、それにもかかわらず、このも
のはファッション性が高いために、むしろ今までのもの
よりもむしろ商品価値が高く、値段が高く売れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の中底の平面図である。

【図２】図１の中底のＸ−Ｘの断面図である。

【図３】図１の中底を使用してつくったサンダルの平面
図である。

【図４】図３のサンダルのＹ−Ｙ断面図である。

【符号の説明】

１ 中底凹み部 ２ 中底指の付け根部 ３ 中底土踏まず部 ４ 中底周縁部 ５ バンド ６ 表敷 ７ 本底

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 足の裏の形状に合っていて、足の指の付
   け根部、土踏まず部および周縁部以外が凹んだ中底が得
   られる金型で、エチレン−酢酸ビニル共重合体（以下Ｅ
   ＶＡと称す）にコルクを混合して、多孔質の中底を成形
   するか、あるいは多孔質のポリウレタン中底の芯を成形
   し、これの周辺側面にはＥＶＡとコルクよりなる多孔質
   のベルトを巻いて中底を作製して、この中底の上面に表
   敷として天然皮革、人工皮革等のシート物を圧着したの
   ち、その下面にベルトの両端と本底を順次固着させるこ
   とを特徴とする足にやさしいサンダルの製造法。
2. 【請求項２】 表敷がスエード調天然皮革である請求項
   １に記載の足にやさしいサンダルの製造法。
3. 【請求項３】 本底が多孔質ＥＶＡからなる請求項１〜
   ２記載の足にやさしいサンダルの製造法。