JPH0739321B2 - 標本製造方法 - Google Patents

標本製造方法

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JPH0739321B2
JPH0739321B2 JP62042202A JP4220287A JPH0739321B2 JP H0739321 B2 JPH0739321 B2 JP H0739321B2 JP 62042202 A JP62042202 A JP 62042202A JP 4220287 A JP4220287 A JP 4220287A JP H0739321 B2 JPH0739321 B2 JP H0739321B2
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JP
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methylene chloride
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silicone resin
heart
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秀男 吉田
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秀男 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、動物の内蔵や植物、その他の生物体等の標
本製造方法に関する。
(ロ)従来の技術 動物の内蔵や生物の死体を保存するのに、従来は、 a.冷凍する。
b.ホルマリン等の防腐剤や薬品に漬ける。
c.凍結乾燥にする。
等の方法が採用されている。このうち、標本として使用
出来るのは、bのホルマリン液浸漬がもっとも一般的で
ある。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 一般に、標本は、常温・常態で出来るかぎり生体に近い
常態で保存されることが望ましく、それが理想である。
しかし、空気に触れ、水分があると腐敗が進み、原型を
維持できなくなる。そのため、従来、上記したようなホ
ルマリン液浸漬を使用しているが、しかし、この方法で
は標本がガラス容器中に存在するため、細部の観察に不
向きである上に、直接手にとって見られないという問題
があった。また、標本の他の原型維持方法として、凍結
乾燥を用いてもよいが、しかし、この方法にては、生体
の持つ弾力性を失い、堅く硬化し、空気中に長時間おい
ておくと水分を吸収し、カビが発生し、腐敗させるとい
う問題がある。
この発明は、上記に鑑み、常温・常態で保存可能であ
り、手にとることが出来、しかも長期的に、つまり半永
久的に使用できる標本を製作し得る標本製造方法を提供
することを目的としている。
(ニ)問題点を解決するための手段及び作用 この発明の標本製造方法は、上記問題点を解決するため
に、生物の臓器等の被標本化物をアルコール又はアセト
ンの溶剤に所定時間浸漬して被標本化物の体液を前記溶
剤と置換する過程と、溶剤が浸透された被標本化物を塩
化メチレン液に浸漬して溶剤に塩化メチレン液と置換す
る過程と、塩化メチレン液が浸透された被標本化物を塩
化メチレンとシリコン樹脂の混合剤に浸漬する過程と、
この被標本化物に低真空状態下でシリコン樹脂を浸透・
硬化させる過程とから構成されている。
この標本製造方法では、標本化すべき臓器等を、先ずア
ルコール又はアセトンの溶剤中に所定時間浸漬する。こ
れにより、被標本化物の体液と溶剤が置換される。この
ようにして体液が完全に溶剤に置換された被標本化物を
得ると、今度は、その被標本化物を塩化メチレン液に浸
漬して溶剤を塩化メチレン液と置換した後、溶剤が塩化
メチレン液に置換された被標本化物を塩化メチレンとシ
リコン樹脂の混合剤に浸漬する。次いで、その被標本化
物を低真空状態下でシリコン樹脂槽に入れ、被標本化物
内の置換剤を気化すると共に、シリコン樹脂を浸透させ
る。このようにして被標本化物の組織内にシリコン樹脂
を含浸し、硬化させる。これにより、常温で放置しても
腐敗しない、弾力性のある常態のままの標本が得られ
る。
(ホ)実施例 以下、実施例により、この発明をさらに詳細に説明す
る。
第1図(a)(b)(c)(d)は、この発明の一実施
例である標本製造方法を説明する図である。この実施例
では、一例として豚の心臓の標本を作製する場合を示し
ている。
先ず、最初に第1図(a)に示すように、心臓1を容器
2内のアルコールあるいはアセトンの溶剤3中に半日間
程浸漬する。浸漬中に、心臓1の水分が溶剤3と置換さ
れ、心臓1内には、水分の代わりに溶剤3が満たされ
る。なお、上記浸漬中において、心臓1内の水分が容器
2内に出て来て、溶剤3の濃度が低下するので、溶剤3
を数回に亘り、新しいものに交換する。
次に、組織内の水分が溶剤3に置換された心臓1を、第
1図(b)に示すように、容器4内のエンカメチレン液
(塩化メチレン液)5中に半日程浸漬し、今度は心臓1
内の溶剤3とエンカメチレン液5を置換する。この過程
においても、エンカメチレン液5を数回新しいものに交
換する。このように、アルコール等の溶剤3をエンカメ
チレン液5と置換するのは、アルコールの沸点が60℃で
あるのに対し、エンカメチレン液の沸点が40℃であり、
後において気化を容易にするためである。
続いて、組織内にエンカメチレン液5が満たされた心臓
1を、第1図(c)に示すように、容器6内のエンカメ
チレンとシリコン樹脂の混合剤7中に、やはり半日程入
れる。これにより、エンカメチレン液の気化が進行して
も、シリコン樹脂が組織内に浸透し、エンカメチレンの
急速な気化による組織内の空胴化が避けられる。
最後に、上記第1図(c)の過程で得た心臓1を、第1
図(d)に示すように、容器8内のシリコン樹脂9に入
れ、その容器8を低真空状態で3〜10℃程度の恒温槽10
内に3日程置く。低真空状態のため、エンカメチレンは
気化し、シリコン樹脂9は心臓1内に浸透する。これに
より、心臓1の組織は完全にシリコン樹脂で満たされ
る。3日経過後に心臓1を恒温槽10から取出し、硬化さ
せると、心臓の標本が得られる。
ここで、第1図(d)で使用される恒温槽、つまりシリ
コン樹脂含浸装置の一例について説明する。
第2図は、同シリコン樹脂含浸装置の外観斜視図であ
る。このシリコン樹脂注入含浸は、ケース筐体11の一部
に蓋12付の恒温槽13が設けられ、シリコン樹脂を被標本
化物に含浸する場合には、第1図(d)に示す容器8が
この恒温槽13内に入れられることになる。また、このシ
リコン樹脂含浸装置は、操作面14を備え、この操作面14
には、タイマ設定モードを指定するキー15、温度設定モ
ードを指定するキー16、さらにタイマ設定器17、温度設
定器18、動作残時間等を表示するデジタル表示器19、電
源のオン/オフ、他の設定事項の入力を禁止するROCKモ
ードを入力するキースイッチ20を備えている。
第3図は、シリコン樹脂含浸装置の内部回路ブロック図
である。
キー15をオンしてタイマ設定モードを指定すると、タイ
マ設定器17よりタイマ回路24に装置の動作時間が設定さ
れるようになっている。また、タイマ回路24が動作を開
始すると、応じて温度制御回路23及びモータ制御回路26
が動作を開始するようになっている。動作の残時間は、
デジタル表示器19に表示される。キー16をオンして温度
設定モードを指定し、温度設定器18より恒温槽13内の保
持温度が温度制御回路23に設定される。恒温槽13内に
は、冷却体21と温度センサ22が設けられており、温度制
御回路23は、温度センサ22で検知される恒温槽13内の温
度と設定温度とを比較し、冷却体21のオン/オフを制御
し、恒温槽13内の温度を設定温度に保持する。
キースイッチ20がオフからオンに投入されると、電源回
路25は電源電圧+Vを各回路部に供給する。また、キー
スイッチ20がROCKに投入されると、電源回路25は信号VR
により、タイマ設定及び温度設定を禁止するようになっ
ている。タイマ回路24が動作を開始すると、モータ制御
回路26はこれに応答し、モータ27を駆動し、ポンプ28を
動作させて恒温槽13内を若干の真空状態とする。
以上のように構成されるシリコン樹脂含浸装置を用い
て、被標本化物にシリコン樹脂を含浸する場合は、上述
したように、第1図(c)の容器8をこの装置の恒温槽
13内に入れ、蓋12をしめた後、キースイッチ20をオンに
投入し、タイマ設定器17と温度設定器18とを用いて動作
時間と温度を所定値に設定する。タイマ回路24に動作時
間が設定されると、温度制御回路23及びモータ制御回路
26も動作を開始し、モータ制御回路26はモータ27を駆動
させ、ポンプ28を動作させる。そのため、恒温槽13内
は、所定の温度と低真空状態に保持され、以後、シリコ
ン樹脂が例えば心臓の組織内に含浸されることになる。
また、動作開始後は、第三者によって勝手に設定変更さ
れるのを防止するため、キースイッチ20をROCKに投入し
ておく。
所定の設定時間が経過すると、タイマ回路24がタイムア
ップし、これに応答して、温度制御回路23及びモータ制
御回路26の動作が停止し、シリコン含浸動作が終了す
る。
なお、このシリコン樹脂含浸装置は、温暖な地で恒温槽
13を3〜10℃程度に保つために、冷却体21を備えている
が、3〜10℃以下の寒冷地で使用する場合には、恒温槽
13内に加熱手段(ヒータ等)を設けてもよい。
また、第1図に示した実施例では、豚の心臓を標本化す
る場合を示したが、これ以外に、他の動物の臓器や植
物、その他の生体の死体そのものを標本とする場合に
も、この発明は適用できるこというまでもない。この場
合には、被標本化物の大きさに応じ、各過程に要する時
間は適宜変更すればよい。
(ヘ)発明の効果 この発明によれば、被標本化物をアルコール又はアセト
ンの溶剤に浸漬して水分と溶剤を置換し、更にその溶剤
を塩化メチレンに代えて、組織内にシリコン樹脂を浸透
させて硬化させ、標本を作製するものであるから、でき
た標本は弾力性を持ち、常温・常態で保存可能であり、
腐敗のおそれがないので、半永久的に使用できる。ま
た、生体組織がシリコン樹脂で置換されるので衛生的で
あり、自由に手にとることもできる。その上、菌繁殖の
おそれもないので無害であり、また着色が可能である
等、種々の利点があり、生物研究上、画期的な標本を得
ることができる。
又、溶剤が塩化メチレン液に置換された被標本化物を塩
化メチレンとシリコン樹脂の混合剤に浸漬するから、塩
化メチレン液の気化が進行しても、シリコン樹脂が組織
内に浸透し、塩化メチレンの急速な気化による組織内の
空胴化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)(c)(d)は、この発明の一実施
例標本製造方法を説明するための図、第2図は、同標本
製造方法に使用するシリコン樹脂含浸装置の外観斜視
図、第3図は、同装置の内部回路を示すブロック図であ
る。 1:豚の心臓(被標本化物)、 2・8:容器、3:アルコール液、 9:シリコン樹脂、10:恒温槽。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物の臓器等の被標本化物をアルコール又
    はアセトンの溶剤に所定時間浸漬して被標本化物の体液
    を前記溶剤と置換する過程と、溶剤が浸透された被標本
    化物を塩化メチレン液に浸漬して溶剤に塩化メチレン液
    と置換する過程と、塩化メチレン液が浸透された被標本
    化物を塩化メチレンとシリコン樹脂の混合剤に浸漬する
    過程と、この被標本化物に低真空状態下でシリコン樹脂
    を浸透・硬化させる過程とからなる標本製造方法。
JP62042202A 1987-02-25 1987-02-25 標本製造方法 Expired - Lifetime JPH0739321B2 (ja)

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