JPH0738880Y2 - 電子線照射装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は電子線照射装置に関する。

（従来の技術） 電子線照射装置において、加速管によって加速された電
子線を、互いに異なる位置にある走査管に選択的に分配
して入射させ、ここで走査するようにし、これによって
別異の位置で電子線を照射するようにしたものは、既に
知られている。

第２図はその従来例を示し、１はタンク、２はタンク１
内に設置されている加速管、３は電子線を偏向させるた
めの、偏向電磁石などからなる偏向装置、4,5は走査
管、6,7は各走査管4,5のための走査コイル、8,9は真空
ポンプである。

加速管２によって加速された電子線は、偏向装置３が非
動作状態にあるときは、２点鎖線で示すように、直進し
て走査管４内に入り、走査コイル６によって走査され
て、その直下にある被照射体を照射する。

偏向装置３が動作状態にあるときは、加速管２によって
加速された電子線は、その偏向装置３によってたとえば
270度偏向され、図のように走査管５内に入り、走査コ
イル７によって走査されて、その直下にある被照射体を
照射する。

（考案が解決しようとする課題） しかし従来では図に示すように、偏向装置３は加速管２
と走査管４との間に設置されるのを普通としていた。そ
のため加速管２と走査管４との間に、偏向装置３を設置
するためのスペースを必要とするため、それだけ大型化
してしまう。

この考案はこの種装置の小型化を図ることを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） この考案は、加速管と、前記加速管によって加速された
電子線が入射される、互いに異なる位置に設置されてあ
る走査管と、前記各走査管に選択的に分配入射させる偏
向装置とを備え、前記偏向装置を前記走査管のうちの何
れか一方の走査コイルよりも下流の走査管周壁に直接取
り付けてなることを特徴とする。

（作用） 偏向装置を走査管の走査コイルよりも下流の走査管周壁
に取り付けるくとによって、走査管と加速管との間に偏
向装置を設置するためのスペースを用意する必要がな
く、また、走査管のスペースが偏向装置のスペースを兼
ねる。そのためそれだけ装置が小型化される。

（実施例） この考案の実施例を第１図によって説明する。なお第２
図と同じ符号を付した部分は、同一または対応する部分
を示す。この考案にしたがい、偏向装置３を走査管の基
部にある走査コイル６よりも下流側の走査管周壁にに直
接取り付ける。

具体的には走査管４の互いに相対する周壁のそれぞれ
に、偏向電磁石の各磁極が向い合うように、その偏向電
磁石を設置する。偏向電磁石は真空チャンバー内に設置
されることは、従来構成と同じである。

偏向装置３が非動作状態にあるときは、加速管２からの
電子線は走査管４内において、鎖線で示すように直進
し、走査コイル６によって走査される。

偏向装置３が動作状態にあるときは、加速管２からの電
子線は走査管４内において、偏向装置３により約270度
偏向されて走査管５に向かい、走査コイル７によって走
査される。

偏向装置３は一方の走査管４の周壁に直接に設置される
ため、第２図に示すように加速管２と走査管４との間に
設置する場合のように、その間に偏向装置３を設置する
ためのスペースを確保する必要はなくなる。これによっ
てそのスペース分だけ、第１図に示す構成では小型化さ
れるようになる。

また、走査管４のチャンバーが偏向装置３のスペースを
兼ねるので、第２図に示すように加速管４と偏向装置３
とを別個に構成したときよりも、真空容積は縮小される
ようになる。したがって真空ポンプとして排気速度の小
さいものが使用できるようになって都合がよい。

（考案の効果） 以上詳述したようにこの考案によれば、電子線を分配す
る偏向装置を、一方の走査管の走査コイルよりも下流側
の走査管周壁に直接取り付けるようにしたので、従来構
成に比較して小型化が可能となるといった効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す正面図、第２図は従来
例の正面図である。 ２……加速管、３……偏向装置、4,5……走査管、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】加速管と、前記加速管によって加速された
   電子線が入射される、互いに異なる位置に設置されてあ
   る走査管と、前記各走査管に選択的に分配入射させる偏
   向装置とを備え、前記偏向装置を前記走査管のうちの何
   れか一方の走査コイルよりも下流の走査管周壁に直接取
   り付けてなる電子線照射装置