JPH0736776B2 - 椅子の背,座部材の連動緩衝機構 - Google Patents

椅子の背,座部材の連動緩衝機構

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JPH0736776B2
JPH0736776B2 JP2067365A JP6736590A JPH0736776B2 JP H0736776 B2 JPH0736776 B2 JP H0736776B2 JP 2067365 A JP2067365 A JP 2067365A JP 6736590 A JP6736590 A JP 6736590A JP H0736776 B2 JPH0736776 B2 JP H0736776B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は主として事務用椅子に適用して有用な背部材と
座部材との連動緩衝機構に関するものである。
〔従来の技術〕
近時、主として事務用椅子において人間工学的見地から
椅子の主要構成部材である座部材や背部材の動きを、そ
の椅子に掛けている人の動きによく追従して動くことが
できるようにした機構が多数提案され、また、この機構
を採り入れた椅子も実用にも供されるようになった。
このような機構、或は、このような機構を具備した椅子
が提案されているのは、長時間椅子に掛けたままデスク
ワーク等の各種作業を行っても疲労が少なく、また、掛
けている者がそのままで様々な姿勢,体勢をとっても、
椅子の座部材や背部材が無理なく、かつ、円滑にそのよ
うな姿勢になじむように作動して、座り心地の向上を図
らんとするためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような目的のもとに開発されているこの種の椅子
では、主してリンク機構を応用して座部材や背部材の作
動を連繋させるようにしたものが大半である。
しかし、この種の椅子で実用に供されているものを試用
してみると、動作が円滑でなかったり、或は、着席者の
身体の動きになじんだ作動性が得られていないという問
題のあることが判明した。
本発明はこのような点に鑑み、リンク機構を応用して背
部材と座部材との作動を連動させるようにするが、動作
は円滑であり、しかも、着席者の身体の動きによくなじ
んだ動作をすることができる、主として事務用椅子の背
部材と座部材との連動緩衝機構を提供することを課題と
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するためになされた本発明の構成は、脚
支柱等の固定部材に支持されて座部材の前方側へ向け延
設された機枠部材の前端側に、座部材の左右方向に沿っ
た水平軸を介して背部材の支持杆の下端側が取付けられ
たテコ部材の前端側を枢着すると共に、このテコ部材に
対し常に上向きに作用するバネ等による反撥部材を前記
機枠部材とテコ部材の間に設ける一方、前記座部材を、
その前方側は前方接続脚部材及びバネ等の弾撥部材を介
して前記機枠部材の前端側に当該機枠部材に対し前後,
左右の自由度を保持して支持させると共に、当該座部材
の後方側は、前記テコ部材の後端側に後方接続脚部材を
介して当該テコ部材に対し上下方向での自由度を保持さ
せて連結支持させたことを特徴とするものである。
〔作用〕
背部材支持杆が取付けられたテコ部材と、このテコ部材
を水平軸を介して上下揺動可能に支持した機枠部材と
に、その前,後を支持される座部材は、前,後の支持部
において前記テコ部材と機枠部材とに対し、上,下方向
において自由度を保持して支持されているため、座部材
は背部材支持杆の揺動に連動すると共に、当該座部材は
単独でもその支持部に形成された上,下方向の自由度の
範囲において独自に上,下方向で自由に動作することが
確保される。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例を図に拠り説明する。
第1図は本発明機構の一例を示す一部を断面とした側面
図、第2図は下半部を省略した第1図の平面図、第3図
は右半部を省略した第1図のA−A矢視図である。
これらの図において、1は事務用回転椅子などにおける
円筒状の脚支柱で、詳しくは図示しないが、一般的には
下端に放射状になった複数本の足を具備すると共に、支
柱の内部にはガススプリング等による座部材の上,下調
節手段が設けられており、本発明における固定部材であ
る。
2は上記支柱1の上端部に、椅子の前後に関し横向きに
取付けられた機枠部材で、概ね平面矩形のボックス状を
なす部材が、アルミダイキャスト,鋼板プレス,合成樹
脂成形等により形成されており、該部材2の底板2cの後
方において支柱1に取付けられている。
3は、上記機枠部材2の前方において、椅子の正面から
見た左右方向に平行な水平軸4により、当該機枠部材2
に枢着されたテコ部材で、この実施例では平面略 状(第2図参照)をなすと共に後方が背部材支持杆15に
連結されてかつその補強杆15aと相俟って平面略状に
形成され、かつ、左右の側部材3a,3aが機枠部材2の
左,右側部材2a,2aを抱持する態様で配され、これらの
各側部材2a,3a間に、軸4が取付けられている。これに
より、このテコ部材3は軸4を中心に上下揺動自在であ
る。
5は上記機枠部材2とこれに対し揺動自在のテコ部材3
の間に介装させたコイルバネで、このバネ5は、その一
端5aが機枠部材2に設けたバネ圧調節機構6に、他端5b
がテコ部材3の側部材3a,3aに設けたピン部材7にそれ
ぞれ支持されている。8は上記バネ5を機枠部材2の内
部に位置決めして保持するためのバネ取付部で、コイル
バネ5の内部に通したバー部材8aがボルト,ナット8bに
よって機枠部材2の底部2cに形成した取付座2dに固着さ
れることにより、コイルバネ5を機枠部材2の内部に保
持する。
而して、バネ圧調節機構6は、ここでは機枠部材2の内
部前方に形成した取付座部2eと、この取付座部2eに沿っ
て機枠部材2の前方外面から内部に貫通して形成した軸
受部2fと、この軸受部2fに回転自在に支持されると共に
機枠部材2の内部先端側を進出させて配設され、かつ、
先端側にネジ部6bを、また、後端側に操作ノブ6cを有す
る操作杆6aと、この操作杆6aの先端側のネジ部6bに螺合
され、かつ、上記バネ5の一端5aを押えるように配され
たバネ端押え6dとから形成されている。
ここで、操作ノブ6cを正,逆転させることで操作杆6aが
正,逆回転するから、この杆6aに螺合保持されているバ
ネ端押え6dはネジ部6b上を進,退させられ、これによっ
てバネ端押え6dがバネ5の一端5aを巻締め側、又は、巻
緩め側の任意の位置において支持することができる。
この実施例では、上記バネ5、並びに、バネ圧調整機構
6、バネ受けピン7などにより、コイルバネ5を機枠部
材2とテコ部材3の間に介在させ、テコ部材3に常に上
向きのバネ力を付勢するようにしたが、このテコ部材3
に常に上向きの力を付勢するための手段は、上記コイル
バネ5以外の部材を用いてもよいこと勿論である。
9は座部材13の前方を支持するため、上記機枠部材2の
前端側において舌片状に略水平に突出させて形成した前
方支持部、10はテコ部材3の側部材3aの後方外面に軸4
と平行のピン状に形成した座部材13の後方を支持する後
方支持部で、10aはピン座部、10bは該座部の取付ボルト
である。11は座部材13の前方下面に位置付けられて当該
座部材を上記の前方支持部9に接続させるための前方接
続脚部材、12は座部材13の後方下面に位置付けられてそ
の座部材13を後方支持部10に接続させるための後方接続
脚部材である。
而して、この実施例で、前方接続脚部材11は、正面から
見て略状をなす成型材による座部材受け11aと、この
受け11aの左,右両側に下向きに形成された脚11b,11b
と、この脚11b,11bの下端間に架着した連結杆11cにより
形成する。
一方、舌片状の前方支持部9の下面9aにおいて接続脚部
材11の脚11b,11bの連結杆11cを支持させ、かつ、前記の
前方支持部9の上面9bと座部材受け11aの間に、左,右
に2個の圧縮バネ14を介装することにより、この接続脚
部材11が前方支持部9に対し、少なくとも左,右独立し
て上,下方向で揺動可能に支持されることとなる。尚、
14a,14bはバネ受カップである。
また、後方接続脚部材12は、前方用の部材11と同様に正
面からみて略状をなす成型材による座部受け12aと、
この座部受け12aの左,右両側に下向きに形成された脚1
2b,12bと、この脚12bに形成された弧状縦長穴12c,12cと
により形成されている。ここで、長穴12cは軸4を中心
とする半径の円弧状に形成されている。この接続脚部材
12はテコ部材3の後方の左,右に設けられたピン状の後
方支持部10に、弧状縦長穴12c,12cが嵌入されることに
より、テコ状部材3に支持される。
テコ部材3にはその後方に背部材(図示せず)が取付け
られる背部材支持杆15の下端側が固着され、当該テコ部
材3の軸4を中心とした上下揺動に同動するように形成
されている。
而して、上記2つの接続脚部材11,12の座部受け11a,12a
には、図示した例では、背,座部が一体成形されたシェ
ル部材Sにおける座部材13の前方と後方とが載置固定さ
れている。図示しないが、このシェル部材Sにおける背
部材(図示せず)は、背部材支持杆15に取付けられる。
以上により本発明機構の一例を構成するので、次にその
作動例について説明する。
ここでは、第1図に示すように、座部材13,背部材のい
ずれも、人が着席することによる荷重がかからない状態
では、当該座部材13がほぼ水平な座面姿勢を保持するよ
うに各部材を関連付けてセットされているものとする。
このとき、上記座部材13は、その前方側においてバネ14
の作用によりテコ部材3におけるピン状の後方支持部10
を中心に沈み込み可能である。この沈み込みは、座部材
13が非剛体でそれ自体が撓み性をもっていると、当該座
部材13の左,右において独立して沈み込み可能である。
そして、通常シェル部材Sはその座部材13と背部材(図
示せず)とが一体成形され、かつ、適度な可撓性,伸縮
性等が当該シェル部材の所定部位に与えられているか
ら、前記座部材13の沈み込み動作は、上記2態様の作動
が複合して微妙かつ複雑なものとなる。
因みに、座部材13の前方の沈み込み角度αは、ここで
は約3度に、また最大沈み込み角度αは、ここでは約
6度に設定している。
一方、当該座部材13は、その後方側において軸4を中心
にバネ5の反撥力に抗してテコ部材3と一体に沈み込み
可能である。
この座部材13の後方での沈み込みは、テコ部材3と一体
であるが、この座部材13の後方をテコ部材3に接続して
いる構造はピン状の後方支持部10と接続脚12b,12bの縦
長穴12c,12cとの結合によるため、背部材支持杆15に荷
重が作用すると、前記長穴12cのストロークの範囲にお
いてはテコ部材3とこれと一体の当該支持杆15のみが軸
4を中心に揺動する。この揺動角度βは、ここでは約
6度に設定している。しかし、ピン状の支持部10が当該
長穴12cの下端に当接すると、この長穴12cを具備した接
続脚12bを伴ってそれと同動して沈み込むこととなる。
この同動沈み込み角度βは、ここでは約18度に設定し
ている。従って、前記支持杆15の揺動角度βは、約24度
である。尚、座部材13の前方は、約12度の持上り角α
が許容されている。
上記の動作特性を有する椅子の座部材に人が掛けて座部
材13に上方から荷重をかけると、この座部材13は上記作
動によって、座面の前方側は左,右が独立して撓み沈み
込み可能である。このとき、掛けた人の座骨結接点H
は、脚支柱1のほぼ中心を通る垂直軸上に一致するか近
接した位置、概ね第1図に示した位置にあり、この位置
に設けた座部材13の後方支持部10に多く荷重がかかる。
この状態において、座部材13に掛けた者が背部材(図示
せず)に体躯をあずけるとこれによる後向き荷重を受け
る背部材支持杆15は、テコ部材3と一体に軸4を中心に
後方へ揺動する。
この背部材支持杆15の揺動は、その揺動と一体のテコ部
材3のピン状支持部10が長穴12c内で揺動方向に長穴の
ストローク分の遊びがあることによって、この支持15の
みが後方傾斜し、座部材13にはこの後方傾斜に同動した
沈み込みをもたらさない。
背部材支持杆15の後方傾斜による揺動によってテコ部材
3のピン状の支持部10が上記長穴12cのストロークエン
ドに到達すると、この支持杆15の更に進む後方傾斜は、
座部材13の後方の沈み込み動作を伴うこととなる。
ここで、座部材13の前方及び後方での沈み込み量乃至角
度は、前,後の接続脚11,12の長さや、連結杆11cの位
置,弧状縦長穴12cの長さなどを適宜調整,設定するこ
とにより任意に設定することができる。
また、本発明機構において座部材13と背部材(図示せ
ず)は、実施例で述べたように一体構造のシェル部材で
あってもよいが、背部材と座部材13自体は分離して形成
されたものであってもよい。
〔発明の効果〕
本発明は以上の通りであって、座部材をその前,後にお
いてそれぞれ別の支点を中心に沈み込みできるようにす
ることに加えて座部材の前方側は左,右独立して撓み可
能にし、また、このような作動が許容されるように形
成,支持した座部材を、背部材支持杆の後傾作動が浅い
角度の範囲では当該後傾作動と非連動とし、それより後
傾角が深くなるときに連動させるようにしたので、人が
座部材に腰掛けて、背部材に対し種々の後傾姿勢をとる
とき、この座部材と背部材支持杆とは、人の座骨結接点
を中心及び境界とした座部材に支持された人の臀部,大
腿部と、背部材に支持された人の背中側との作動にそれ
ぞれよく追従した挙動をすることができると共に、この
ような挙動をする座部材と背部材とがある範囲では同期
的に連動する椅子を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明機構の一例を示す一部を断面とした側面
図、第2図は下半部を省略した第1図の平面図、第3図
は右半部を省略した第1図のA−A矢視図である。 1…脚支柱、2…機枠部材、3…テコ部材、4…水平
軸、5…コイルバネ、6…バネ圧調整機構、7…バネ受
けピン、8…バネ取付部、9…座部材13の前方支持部、
10…後方支持部、11…座部材13の前方接続脚部材、12…
後方接続脚部材、13…座部材、14…圧縮バネ、15…背部
材支持杆

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脚支柱等の固定部材に支持されて座部材の
    前方側へ向け延設された機枠部材の前端側に、座部材の
    左右方向に沿った水平軸を介して背部材の支持杆の下端
    側が取付けられたテコ部材の前端側を枢着すると共に、
    このテコ部材に対し常に上向きに作用するバネ等による
    反撥部材を前記機枠部材とテコ部材の間に設ける一方、
    前記座部材を、その前方側は前方接続脚部材及びバネ等
    の弾撥部材を介して前記機枠部材の前端側に当該機枠部
    材に対し前後,左右の自由度を保持して支持させると共
    に、当該座部材の後方側は、前記テコ部材の後端側に後
    方接続脚部材を介して当該テコ部材に対し上下方向での
    自由度を保持させて連結支持させたことを特徴とする椅
    子の背,座部材の連動緩衝機構。
  2. 【請求項2】後方接続脚部材を介してテコ部材の後端側
    に上下方向での自由度を保って支持させる座部材の後方
    支持部は、脚支柱等による固定部材のほぼ中心を通る垂
    直軸上に一致させるか近接させた位置に設けた請求項1
    の椅子の背,座部材の連動緩衝機構。
  3. 【請求項3】座部材は、その前端側に上下方向での可撓
    性が付与された請求項1又は2の椅子の背,座部材の連
    動緩衝機構。
  4. 【請求項4】座部材の前端側は、機枠部材の支持部にお
    いて、当該座部材の左右幅方向で左,右独立して上下方
    向での可撓性を具備した請求項3の椅子の背,座部材の
    連動緩衝機構。
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EP2156766B1 (en) * 2007-01-23 2015-12-23 Kirill Vladimirovich Matveev Chair (variants)
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