JPH0736764Y2 - 小型印字装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、装置本体外部を相対的に移動する被記録紙
に印字する小型印字装置に関する。

［従来技術］ ノート等の厚手の被記録紙はプラテンに巻き付けること
が不可能であるため、このような厚手の被記録紙への印
字を可能とするものとして走査型の小型印字装置が知ら
れている。

この小型印字装置は、ハンディな大きさとされている箱
型の装置本体内に、ワードプロセッサ機能部と印字機能
部とが備えられていて、手動等によって装置本体を走査
移動させると既にワードプロセッサ機能部によって文書
メモリに記憶させた文字等の情報が印字機能部において
ノート等外部の被記録紙に印字されるようになってい
る。

このような小型印字装置の印字機能部は一般に、インク
シートを内蔵したインクカセット、インクシート巻取機
構、サーマルヘッド等の印字ヘッド、エンコーダ等の移
動距離検出手段および接紙ローラ等を備えて構成されて
いる。そして、印字動作において装置本体が外部の被記
録紙上を走査移動すると、この走査移動に伴って回転す
る接紙ローラに連動する移動距離検出手段が印字ヘッド
を装置本体の移動量に応じて駆動させるとともに、接紙
ローラに連動するインクシート巻取機構が印字ヘッドに
供給されるインクカセット内のインクシートを装置本体
の移動量に応じてカセット内に巻き取るようになってい
る。

この場合、従来の小型印字装置においてそのインクカセ
ットは他の印字機能部を構成する要素とともに装置本体
内に収納されている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、このようにインクカセットを装置本体内に収納
する構造の場合、装置本体にはインクカセットを外周部
で保持するための例えば鉤状をなした多数の保持部材が
必要であり、これが装置本体を大型化させる原因ともな
っており、また、装置本体にはインクカセットの挿入口
が必要であり、これが装置本体の強度を低下させる原因
ともなっていた。

この考案は、上述の如き事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、インクカセットの取り付けに
よる装置本体の大型化および強度の低下が生じないよう
にした小型印字装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、この考案に係る小型印字装置
は、インクカセットを装置本体の外部に着脱可能となし
た上、その装着時においてインクカセットに設けたイン
クシート巻取手段が装置本体に設けられた接紙ローラに
連動する中間回転体から回転伝達されて回転しその回転
によりインクシートを巻き取るようにしたものである。

［作用］ かかる構成によれば、インクカセットは装置本体の外部
に嵌め込み装着されるようになる。従って装置本体には
インクカセットをその外周部で保持する保持部材もイン
クカセットを挿入するための挿入口も不要となり、イン
クカセットを取り付けるがために生じた装置本体の大型
化、或いは強度の低下の原因が解消され、その分装置本
体は小型化し且つ強度アップが図れる。

［実施例］ 以下、この考案の一実施例に図面に基づいて説明する。

図面はこの考案による小型印字装置の要部（印字機能
部）断面図を示している。

同図において、１は箱型をなした合成樹脂製の装置本体
である。この装置本体１は、ワードプロセッサ機能部
（図示せず）が備えられる上部本体２と印字機能部が備
えられる下部本体３とからなっているが、印字機能部が
備えられる下部本体３はワードプロセッサが備えられる
上部本体２よりも巾狭に構成されている。この巾狭に構
成された下部本体３に備えられる印字機能部は、ソーマ
ルヘッド４と前後の接紙ローラ５、６と、インクカセッ
ト７と、エンコーダ８と、回転伝達機構９とからなって
いる。

サーマルヘッド４は、下部本体３に固設されているヘッ
ドホルダ10によって垂直方向にスライド可能に保持され
ているとともに、ヘッドホルダ10に取り付けられたコイ
ルスプリング11によって下方に付勢され、その先端12が
下部本体３の下端開口13から本体外に所定長突出してい
る。

前後の接紙ローラ５、６は、いずれも下部本体３に回転
可能に軸支されている。この場合、前後の接紙ローラ
５、６の一部は下端開口13から本体外に突出している
が、この突出量はサーマルヘッド４の先端12の突出量よ
りも少な目になっている。

インクカセット７は合成樹脂製のものであり、下部本体
３の外面14に着脱可能に装着されている。このインクカ
セット７は、下部本体３の外面14にスライド可能に嵌合
される内壁15と、この内壁15に所定の間隔を置いて形成
されている外壁16（上部本体２の外形寸法と合わせられ
ている）と、内壁15および外壁16を一体的に形成してい
る下壁17とからなっている。内壁15は外壁16よりも突出
しており、その突出端18に鉤状の係合部19が形成され、
この係合部19が下部本体３の側壁20に形成された開口21
に係合している。このようなインクカセット７内（内壁
15と外壁16との間の空間部）には供給リール22に巻回さ
れたインクシート23が巻取リール24に巻き取られて収納
されている。この場合、供給リール22から巻取リール24
に導かれるインクシート23は、内壁15の基端に形成され
たテープ引出しスリット25から一旦カセット外（下壁17
上面）に出て内壁15の基端に形成されたテープ引込みス
リット26から再びカセット内に入るようになっている。
そして、インクシート23のカセット外に引き出されてい
る部分を水平状態に保持するとともにインクシート23の
円滑な導きを行なうため、テープ引出しスリット25およ
びテープ引込みスリット26の側方の外壁16部分にはガイ
ドピン27、28が設けられている。供給リール22は外壁16
に固設された軸29に回転可能に嵌着され、また、巻取リ
ール24は外壁16に回転可能に取り付けられたスプール軸
30にそのスプール駒31を係合させて嵌着されている。ス
プール軸30上にはインクシート巻取ローラ（インクシー
ト巻取手段）32が一体的に取り付けられている。このよ
うに構成されたインクカセット７が図示のように下部本
体３の外面14に装着されたとき、前後の接紙ローラ５、
６は下壁17に形成された開口33、34を介して突出し、ま
た、サーマルヘッド４の先端12は下壁17に形成された開
口35を介して突出する。この場合、サーマルヘッド４の
先端12はカセット外に出ているインクシート23部分をＶ
字状に開口35外に張り出して、前後の接紙ローラ５、６
が接面している被記録紙36に所定圧で押圧する。インク
シート巻取ローラ32は後述する回転伝達機構９を介して
後部接紙ローラ６の回転が伝達され、この回転により供
給リール22に巻回されたインクシート23を巻取リール24
に巻き取る。

エンコーダ８は装置本体１の移動量を検出してその移動
量に応じてサーマルヘッド４を駆動制御するためのもの
である。このエンコーダ８は、下部本体３に設けられた
固定軸37に回転可能に嵌着された回転円板38と、下部本
体３に取り付けられて回転円板38の回転量を検出する回
転量検出器39とからなっている。回転円板38はその外周
部に全周に亘って多数のスリット40を等ピッチで形成し
た構造となっていて、後述する回転伝達機構９を介して
後部接紙ローラ６の回転が伝達されて回転する。回転量
検出器39は回転円板38の外周部をその両側面からかかえ
るコ字状をなしていて、図示しない発光ダイオード等の
発光素子とフォトトランジスタ等の受光素子が回転円板
38を挟んで対向するように設けられており、発光素子か
らの光が後部接紙ローラ６の回転に連動して回転する回
転円板38のスリット40を通って受光素子に受光されたと
きサーマルヘッド４にパルス信号を出力してサーマルヘ
ッド４を駆動制御する。

回転伝達機構９は後部接紙ローラ６の回転をインクカセ
ット７のインクシート巻取ローラ32、およびエンコーダ
８の回転円板38に伝達するためのものである。この回転
伝達機構９は、後部接紙ローラ６の外周面に接する状態
で下部本体３に対して回転可能に軸支された第１ローラ
41と、インクシート巻取ローラ32の外周面および回転円
板38の外周面に接する状態で下部本体３に対して回転可
能に軸支された第２ローラ42と、これら距離を隔てて配
置されている第１ローラ41および第２ローラ42に巻回し
て第１ローラ41の回転を第２ローラ42に伝達する無端ベ
ルト43とからなっている。この場合、第２ローラ42の一
部は下部本体３の側壁20に形成された開口44を介して本
体外に突出し、更に下部本体３の外面14に装着されたイ
ンクカセット７の内壁15に形成された開口45からカセッ
ト内に突出してインクシート巻取ローラ６の外周面に接
している。従って、このように構成された回転伝達機構
９は、装置本体１が矢印のように被記録紙36上を前方に
走査移動されるとき、後部接紙ローラ６の回転をインク
カセット７のインクシート巻取ローラ32、およびエンコ
ーダ８の回転円板38に伝達することになる。このため、
上述したように、インクシート巻取ローラ32はインクカ
セット７内のインクシート23を装置本体１の走査移動量
に応じて巻き取り、エンコーダ８は装置本体１の走査移
動量に応じてサーマルヘッド４を駆動制御し、このよう
な動作が行なわれる過程において被記録紙36にワードプ
ロセッサ機能部の文書メモリに記憶された文字等の情報
が印字されることになる。

上記の如く構成されている実施例の小型印字装置におい
てインクカセット７を交換する場合、下部本体３の開口
21に係合している係合部19を突出端18を外方に弾性変形
させて解き、この状態で下部本体３の外面14に嵌合して
いる内壁15を引き抜けば、インクカセット７は簡単に下
部本体３から取り外すことができる。また、インクカセ
ット７を下部本体３に装着する場合、突出端18を下部本
体３の外面14に押し込めば、突出端18が外方に弾性変形
するので内壁15は下部本体３の外面14に嵌合する。この
ままの状態で内壁15を下部本体３に押し込んでゆくと係
合部19が開口21に係合してインクカセット７は確実に下
部本体３の外面14に嵌合装着される。この場合、突出端
18は第２ローラ42付近に差しかかると第２ローラ42に押
圧されてその部分が外方に弾性変形された状態で第２ロ
ーラ42を乗り越えてゆく。そして、係合部19が開口21に
係合して位置決めされると、第２ローラ42は開口45から
カセット内に突出してインクシート巻取ローラ32の外周
面に接する。なお、図上において同位置に示されている
係合部19と開口44は実際は異なる位置に設けられている
ので、インクカセット７を下部本体３の外面14に装着す
るにおいて係合部19が開口44に係合するようなことはな
い。

このように構成された小型印字装置の場合、装置本体１
にインクカセット７を外周部で保持するための保持部材
と、インクカセット７を挿入するための挿入口が不要で
あるから、装置本体１はインクカセット７を取り付けた
ために大型化したり、或いは強度が低下したりするよう
なことがない。

なお、上記実施例においては、回転伝達機構９の第２ロ
ーラ42を本体外に突出させてインクカセット７のインク
シート巻取ローラ32の外周面に接触させるが、これとは
逆にインクカセット７のインクシート巻取ローラ32をカ
セット外に突出させて本体内にある第２ローラ42の外周
面に接触させるようにしてもよい。この場合、インクシ
ート巻取ローラ32はカセット内外部に出没可能となるよ
うにバネ部材により外方に付勢し、かつ、内方に移動可
能な構成とする。

また、上記実施例の小型印字装置は装置本体１が被記録
紙36上を走査移動するタイプのものを示したが、装置本
体１上を被記録紙が移動するタイプのものにも同様にし
て適用できる。

また、インクカセット７内のインクシート巻取ローラ32
は第２ローラ42に、直接、接触させる構造としたが、イ
ンクシート巻取ローラ32と第２ローラ42との間に中間ロ
ーラを配するようにしても良い。

更に、上記実施例ではサーマルヘッド４を備えた小型印
字装置について示したが、通電型印字ヘッドを備えたも
のにも同様にして適用できる。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案に係る小型印字装置によ
れば、インクカセットを装脱するものであってもそれに
よって装置本体が大型化したり、或いは装置本体の強度
が低下したりすることがない利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例による小型印字装置の要部断
面図である。 １……装置本体、４……サーマルヘッド、５……前部接
紙ローラ、６……後部接紙ローラ、７……インクカセッ
ト、23……インクシート、32……インクシート巻取ロー
ラ、36……被記録紙、42……第２ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】印字ヘッドを有する装置本体に被記録紙の
   相対的移動とともに回転する接紙ローラ、およびこの接
   紙ローラの回転が伝達される中間回転体を設ける一方、
   前記装置本体の外部に前記印字ヘッドに供給するインク
   シートを収納したインクカセットを着脱可能となし、か
   つ、このインクカセットに前記中間回転体の回転が伝達
   されその回転により前記インクシートを巻取るインクシ
   ート巻取手段を設けたことを特徴とする小型印字装置。