JPH0735760B2 - デイ−ゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置 - Google Patents

デイ−ゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置

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JPH0735760B2
JPH0735760B2 JP61280047A JP28004786A JPH0735760B2 JP H0735760 B2 JPH0735760 B2 JP H0735760B2 JP 61280047 A JP61280047 A JP 61280047A JP 28004786 A JP28004786 A JP 28004786A JP H0735760 B2 JPH0735760 B2 JP H0735760B2
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pressure
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pump
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正寛 明田
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置に
関し、特に、噴射量制御に誤差を生じることなく噴射時
期を高精度に決定でき、しかも、全体として構成が簡単
になるようにした、ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴
射装置に関するものである。
<前提構造> この発明は、例えば第1図(本発明)または第15図(従
来技術)に示すように、燃料タンク1を燃料調量供給装
置2及び燃料噴射ポンプ26を介して蓄圧式燃料噴射器29
に連通連結した蓄圧噴射式ディーゼルエンジンを前提と
して発明されたものである。ここで、蓄圧式燃料噴射器
29とは、第11図に例示するように、燃料を閉弁加圧用燃
料室85及び逆止弁95を通って噴射燃料蓄圧室86に圧入し
た後、閉弁加圧用燃料室85の内圧を減圧し、閉弁加圧用
燃料室85の内圧が所定値を下回ると噴射燃料蓄圧室86の
内圧が閉弁バネ91の閉弁付勢力及び閉弁加圧用燃料室85
の内圧に打ち勝って噴射弁88を開弁させ、噴射燃料蓄圧
室86内の燃料が噴射孔87から噴射されるように成ってい
る噴射器29を言う。この閉弁加圧用燃料室85は燃料噴射
ポンプ26のポンプ室82に連通されている。
<従来の技術> 従来、この閉弁加圧用燃料室85は、ポンプ室82から逆止
弁95を開いて燃料を噴射燃料蓄圧室86に圧入した後、燃
料噴射ポンプ26のプランジャ81を上昇させることよって
減圧される。そして、第14図に示すように、プランジャ
81の上昇はクランク軸C(第2図に示す)に連動する燃
料噴射カム30によってカムフォロア31、プッシュロッド
32、及びロッカーアーム33を介して制限される。
このような従来のディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射
装置では、燃料噴射ポンプ26のポンプ室82に充填される
燃料噴射量によってプランジャ81の下死点からの上昇量
が異なり、部分負荷状態では燃料噴射ポンプ26を駆動す
る駆動装置5の部品間あるいは駆動装置5とプランジャ
81との間に隙間が生じることになる。その結果、駆動装
置5の部品どうしあるいは駆動装置5とプランジャ81と
が打撃し合って運転騒音が発生することになる。また、
そのような隙間が生じることにより駆動装置5のカムフ
ォロア31、プッシュロッド32、ロッカーアーム33等が振
動して、噴射タイミング等の誤差が発生し、噴射時期を
高精度に決定できない欠点がある。
このような問題を解決するために、駆動装置5の部品間
あるいは駆動装置5とプランジャ81との間にバネを介在
させる技術が知られている。
この場合、上記のような隙間の発生がバネの伸縮により
解消され、打撃音の発生は十分に防止できるが、バネが
弾性変形するために、駆動装置5のカムフォロア31、プ
ッシュロッド32、ロッカーアーム33等の振動を十分に防
止することができず、噴射タイミング等の誤差の発生の
防止という点では甚だ大きな不満が残され、噴射時期決
定の精度にも不満が残される。
<先行発明> 本発明者は、本発明に先立って、第16図に示すように、
蓄圧式燃料噴射器29の閉弁加圧用燃料室85を噴射時期決
定用圧抜弁19に接続し、この圧抜弁19をクランク軸Cに
調時させて開弁させて閉弁加圧用燃料室85から燃料を逃
がすことにより、閉弁加圧用燃料室85の内圧を減圧する
ようにしたディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置を
発明した。この場合、燃料噴射カム30には燃料噴射器29
への燃料の圧入を終了した後、燃料噴射が終了するまで
連続してカムリフト量が最大となるカムプロフィルが与
えらる。
この場合には、閉弁加圧用燃料室85の減圧タイミング
は、圧抜弁19の開弁に依存して決定されるので、噴射時
期をクランク軸Cの回転に正確に調時させて高精度に噴
射時期を決定できる。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、この場合には、燃料噴射のために閉弁加
圧用燃料室85から燃料を逃す時に、閉弁加圧用燃料室85
に連通しているポンプ室82からも燃料が逃がされ、プラ
ンジャ81を上昇させるときにポンプ室82に流入する燃料
が不足して、プランジャ81が上死点まで復帰できなくな
り、運転騒音や噴射時期の誤差が発生する上、次回に調
量供給装置2から燃料を供給し、噴射器29に圧入すると
きに燃料噴射器29に圧入される燃料量が不足し、噴射量
が不足するという問題を伴うことが分かった。また、こ
のような問題を解決するためには、燃料噴射終了後に噴
射時に逃された燃料に見合う量の燃料を例えば調圧装置
から閉弁加圧用燃料室85に補充する機構を付加する必要
があり、構成が複雑になるという問題が生じることがわ
かった。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであっ
て、噴射時期を簡単に高精度に決定することができ、ま
た、噴射時の閉弁加圧用燃料室からの圧抜きによる運転
騒音、噴射時期の誤差及び次回の噴射量不足の発生を防
止でき、しかも、構成が簡単になるようにした、ディー
ゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置を提供することを目
的とするものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明に係るディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置
では、上記の前提構成を有するディーゼルエンジンの蓄
圧型燃料噴射装置において、上記の目的を達成するため
に、例えば第1図〜第11図に示すように、次のような技
術的手段が講じられる。
すなわち、燃料噴射器29の閉弁加圧用燃料室85に、噴射
時期設定用圧抜弁19の圧抜用弁体通路59と圧抜燃料戻し
通路22とを並列に介して、圧抜燃料呼吸室21を連通し、
圧抜弁19をクランク軸Cに調時連動させ、 この圧抜弁19の圧抜用弁体通路59が開通する時期は、燃
料噴射ポンプ26のプランジャ81が吐出駆動され終えて、
そのポンプ室82が高圧に保持されている期間内であっ
て、燃料噴射時期に相当する時期に設定し、 これにより、燃料噴射時期には圧抜用弁体通路59が閉弁
加圧用燃料室85を圧抜燃料呼吸室21に連通させて、閉弁
加圧用燃料室85の燃料を圧抜燃料呼吸室21に逃がして、
閉弁加圧用燃料室85の内圧を降下させるように構成し、 上記圧抜弁19の圧抜燃料戻し通路22が開通する時期は、
燃料噴射器29の燃料噴射の終了後であって、燃料噴射ポ
ンプ26のプランジャ81が吸入側へ作動して、そのポンプ
室82の内圧が低下した時期に設定し、 これにより、燃料噴射終了後には、圧抜燃料戻し通路22
が圧抜燃料呼吸室21を閉弁加圧用燃料室85に連通させ
て、圧抜燃料呼吸室21内の燃料を閉弁加圧用燃料室85に
吐き戻すように構成した 事を特徴とするものである。
<発明の作用> 上記の構成において、圧抜弁19がクランク軸Cに調時連
動して開弁されると、閉弁加圧用燃料室85内の高圧の燃
料が圧抜弁19を介して圧抜燃料呼吸室21に逃がされ、閉
弁加圧用燃料室85の内圧が減圧され、噴射弁88が開弁さ
れる。従って、噴射時期がクランク軸に調時して高精度
に決定されることになる。また、燃料噴射の終了後に
は、圧抜燃料呼吸室21が圧抜燃料戻し通路22を介して閉
弁加圧用燃料室85に連通される。燃料噴射時に圧抜燃料
呼吸室21が逃がされた燃料の圧力は、燃料が噴射器29の
噴射燃料蓄圧室86の内圧とほぼ同じ高圧で、噴射燃料蓄
圧室86に圧入された燃料の密度は高いが、噴射燃料呼吸
室21が圧抜燃料戻し通路22を介して閉弁加圧用燃料室85
に連通される吐き戻し時には、プランジャ81の上昇に伴
って閉弁加圧用燃料室85の内圧が基準圧よりも低圧に減
圧されているので、圧抜燃料呼吸室21を圧抜燃料戻し通
路22を介して閉弁加圧用燃料室85に連通させるだけで圧
抜燃料呼吸室21の燃料が膨張して閉弁加圧用燃料室85に
吐き戻される。そして、この吐き戻しによって、閉弁加
圧用燃料室85及びこれに連通するポンプ室82内の燃料量
が十分に回復され、プランジャ81が上死点まで復帰され
るとともに、次回の燃料噴射時の噴射量不足が防止され
ることになる。
<実施例> 以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
このディーゼルエンジンの燃料装置は、第1図に示すよ
うに、燃料タンク1内の燃料を調量供給装置2によりエ
ンジンの負荷条件に対応して調量し、タイミング制御複
合弁装置3の供給時期決定弁18を介して所定のタイミン
グでユニットインジェクタ4に供給し、燃料噴射ポンプ
26を駆動装置5で駆動することにより蓄圧式燃料噴射器
29に圧入した後、タイミング制御複合弁装置3の噴射時
期設定用圧抜弁19及び噴射時期調節用進角弁20により蓄
圧式燃料噴射器29の閉弁加圧用燃料室85の燃料を圧抜燃
料呼吸室21に逃がして閉弁加圧用燃料室85の内圧を減圧
し、これにより噴射弁88を閉弁させて噴射燃料蓄圧室86
から噴射孔87を介して燃料を噴射させ、噴射終了後の所
定のタイミングで、圧抜燃料呼吸室21内の燃料を圧抜燃
料戻し通路22を介してユニットインジェクタ4に吐き戻
して圧抜により減量された燃料をユニットインジェクタ
4に戻し、この後、タイミング制御複合弁装置3の初期
圧供給路23をユニットインジェクタ4に連通させてユニ
ットインジェクタ4を初期状態に復帰させるようになっ
ている。
上記調量供給装置2は、第2図に示すように、厚肉円筒
状のケーシング6内に組み込まれたトランスファポンプ
10、調圧装置12(第4図)、調量装置14及び圧送ポンプ
16を備え、燃料タンク1からトランスファポンプ10で図
示しない燃料パイプ、入口継手8(第4図)及び入口通
路9(第4図)を介して燃料を汲み出し、トランスファ
ポンプ10から吐出される燃料の圧力を調圧装置12でエン
ジンの回転速度に対応して(例えば、正比例させて)増
減させ、調圧された燃料を調量装置14でエンジンの負荷
状態に対応して調量し、調圧・調量された燃料を圧送ポ
ンプ16でタイミング制御複合弁装置3に圧送するように
構成されている。
トランスファポンプ10はケーシング6の前端部に形成さ
れたポンプ室34を有し、このポンプ室34内には、第3図
に示すように、ケーシング6を貫通する主軸7に固定さ
れるインナロータ35と、これに偏心状に噛み合わされた
アウタロータ36が挿入され、入口通路9から吸入口37を
経て燃料を両ロータ35,36の間に吸入し、吐出口38から
吐出通路11(第4図)に吐出するようになっている。
調圧装置12は、第4図に示すように、吐出通路11が分岐
接続され、ケーシング6に螺着された調圧プラグ39と、
これに摺動可能に内嵌された調圧弁体40と、この調圧弁
体40を閉弁位置に付勢する閉弁バネ41とを備える。調圧
プラグ39の周壁には調圧弁孔42を開口させてあり、この
調圧弁孔42は入口通路9に連通される。上記トランスフ
ァポンプ10の吐出圧はエンジンの回転速度に対応して2
次関数的に変化し、この吐出圧を受けて調圧弁体40が閉
弁パネル41に抗して開弁方向に付勢される。この調圧装
置12では、調圧弁体40の閉弁位置からの変位量に対する
調圧弁孔42の開口面積を適宜設定することによって、エ
ンジンの回転速度に対応して調圧装置12から入口通路9
に逃される燃料量を調節し、吐出通路11の内圧が正確に
エンジンの回転速度に正比例して増減されるようになっ
ている。もっとも、調圧装置12によって制御される吐出
通路11の内圧とエンジンの回転速度との対応関係は正比
例に限定されるものではなく、例えば、高速になるほど
吐出通路11の内圧の増加率が減少するように構成しても
よく、逆に高速になるほど吐出通路11の内圧の増加率が
増大するように構成してもよい。尚、上記調圧プラグ39
には、これと調圧弁体40との間からリークした燃料を排
出する図示しないドレンパイプを接続するためのドレン
パイプ用継手43が連設されている。
調量装置14は、第2図に示すように、主軸7の前半部に
進退可能に内嵌された調量ピストン44を備えている。こ
の調量ピストン44はエンジンの回転速度に対応してフラ
イウエィト45の推力によりガバナスプリング46の圧力に
抗して燃料減量方向(ここでは前方)に駆動されるよう
になっている。主軸7の内周面には吐出通路11に連通す
る調量弁孔47が開口され、これに対向して調量ピストン
44の周面にはその全周にわたって調量弁体通路48が凹設
されている。そして、エンジンの回転速度に対応して調
量ピストン44が進退することにより、調量弁孔47と調量
弁体通路48との接続面積を変更させることによりエンジ
ンの回転速度に対応するように流量が調整され、主軸7
及びケーシング6内に形成された出口通路49を経て圧送
ポンプ16に燃料が導かれる。尚、ガバナスプリング46の
圧力は速度設定レバー50を揺動操作して変更設定できる
ようになっている。
圧送ポンプ16は、第2図及び第5図に示すように、主軸
7の周面に形成された駆動カム51によりスイングアーム
52を介して駆動されるプランジャ53と、プランジャ53の
進退に伴って容積が変化するポンプ室54とを備えてい
る。また、この圧送ポンプ16は上記プランジャ53のスト
ロークをトルク特性設定装置55により変更設定すること
によりエンジンの用途に適した種々のトルク特性に対応
するポンプ特性を得られるように構成されている。
タイミング制御複合弁装置3は、小型化及びコンパクト
化を図るために、第2図及び第6図〜第8図に示すよう
に調量供給装置2のケーシング6の内部に組み込まれ
る。このタイミング制御複合弁装置3は、本質的には第
1図に示すようにそれぞれ独立して設けることが可能な
供給時期決定弁18と、噴射時期設定用圧抜弁19と、噴射
時期調整用進角弁20と、圧抜燃料呼吸室21とを、小型化
及びコンパクト化を図るために一体的に組み合わせたも
のである。
即ち、第2図、第6図〜第8図に示すように、各ユニッ
トインジェクタ4に燃料を圧送するタイミングを決定す
る供給時期決定弁18と、噴射時期設定用圧抜弁19はケー
シング6の後半部からなる共通の弁箱56と、主軸7の後
半部からなる共通の弁体57とを備える。ケーシング6の
内周面の後端部には調量供給装置2の圧送ポンプ16から
導出された圧送通路17が開口され、その少し前方に各ユ
ニットインジェクタ4への出入通路(分配通路)24が周
方向に等間隔をおいて開口させてある。上記圧送通路17
に対向する主軸7の部分には供給時期決定用弁体通路58
の連通溝部58aが全周にわたって凹設され、この連通溝
部58aの周方向の1箇所から出入通路24の通過軌跡lに
対向する主軸7外周面の部分まで周面に沿って軸心方向
に供給時期決定溝部58bが連出される。そして、主軸7
が図示しないクランク軸に連動して回転し、供給時期決
定溝部58bが出入通路24とが内外に重なり合って連通す
ることにより圧送通路17から供給時期決定用弁体通路58
を介して出入通路24に調圧・調量された燃料が圧入され
るようになっている。また、出入通路24の通過軌跡lに
対向する主軸7外周面の部分には、供給時期決定溝部58
bよりも後の所定のタイミングで出入通路24と連通され
る噴射時期設定用圧抜弁19の圧抜用弁体通路59が開口さ
れる。
供給時期決定弁18と噴射時期設定用圧抜弁19との共通の
弁体57である主軸7の後半部は更に噴射時期調整用進角
弁20の弁箱として役目を有している。即ち、主軸7の後
半部内にはこれと同心状に円筒形の進角用弁室60が形成
され、この進角用弁室60に進角用弁体61が主軸7の軸心
方向に進退可能に収納される。上記弁体57には、その内
周面における開口位置が主軸7の回転方向及び軸心方向
に異なる3本の圧抜用弁体通路59がその周壁を貫通する
ように形成され、進角用弁体61の周面には、その3本の
圧抜用弁体通路59のうちの1本または隣合う2本に連通
す進角用弁体通路62が形成される。この進角用弁体通路
62は進角用弁体61の周面の全周にわたり凹設された周溝
で構成されている。進角用弁室60は進角用弁体61によっ
て進角用受圧室63と遅角付勢室64とに区画される。そし
て、進角用受圧室63を調圧装置12により調圧される吐出
通路11に連通させ、遅角付勢室64をほぼ定圧に保持され
る入口通路9に連通させ、また、遅角付勢室64の内部に
は、進角用弁体61を遅角方向に付勢する遅角付勢手段65
を収納して、後述するように、進角用弁体61の位置をエ
ンジンの回転速度に対する調圧特性に依存して高精度に
制御できるように構成される。
尚、ここでは進角用弁体61が軸心方向に移動されて圧抜
用弁体通路59に選択的に連通されるようになっている
が、エンジンの回転速度に対応して進角用弁体61が軸心
回りに回転して圧抜用弁体通路59に選択的に連通される
ように構成することも可能である。
圧抜燃料呼吸室21は、小型化及びコンパクト化を図るた
めに進角用弁体61の内部に形成される。即ち、進角用弁
体61の内部は段付円筒状の空洞66が形成され、この空洞
66はこれの内部に摺動可能に内嵌されたピストン67によ
り圧抜燃料呼吸室21と吐き戻し付勢室68とに区画され
る。吐き戻し付勢室68は、遅角付勢室64を介して入口通
路9に連通され、その内部に吐き戻し付勢手段69を収納
している。圧抜燃料呼吸室21は、呼吸通路70により進角
用弁体通路62に連通されている。まず、燃料噴射ポンプ
26のプランジャ81が駆動装置5の燃料噴射カムで吐出駆
動されると、ポンプ室82内の燃料が加圧されて、閉弁加
圧用燃料室85・逆止弁95を経て、噴射燃料蓄圧室86へ圧
入される。
次いで、プランジャ81が燃料噴射カムで吐出後端位置に
一定期間(第13図の時点f−m間)保持され、この状態
では、逆止弁95は閉じるが、閉弁加圧用燃料室85・ポン
プ室82・および出入通路24が高圧に保持される。
この高圧保持状態において、出入通路24が圧抜用弁体通
路59、進角用弁体通路62及び呼吸通路70を介して圧抜燃
料呼吸室21に連通すると、出入通路24側の高圧の燃料圧
によってピストン67が吐き戻し付勢室68側に押し込めら
れ、圧抜燃料呼吸室21に燃料が圧入される。これによ
り、出入通路24に連通している蓄圧式燃料噴射器29の閉
弁加圧用燃料室85の内圧が減圧され、噴射弁88が開弁さ
れて燃料が噴射されるようになっている。このとき、圧
抜燃料呼吸室21は、燃料が圧入された分だけ、圧力上昇
する。
出入通路24の通過軌跡lに対向する主軸7の周壁の部分
に、圧抜用弁体通路59よりも後の所定のタイミングで出
入通路24と連通される圧抜燃料戻し通路22が形成されて
いる。まず、燃料噴射の終了後に、燃料噴射ポンプ26の
プランジャ81が吸入側へ作動すると、そのポンプ室82の
内圧が低下して、出入通路24も低圧になる。
次に、このポンプ室82および出入通路24の低圧状態にお
いて、さきに圧力上昇された圧抜燃料呼吸室21が呼吸通
路70、進角用弁体通路62及び圧抜燃料戻し通路22を介し
て出入通路24に連通されることにより、吐き戻し付勢手
段69がピストン67を圧抜燃料呼吸室21側に押し戻し、圧
抜燃料呼吸室21に圧入された燃料が上記低圧状態の出入
通路24を経てユニットインジェクタ4に吐き戻されるよ
うになっている。
更に、出入通路24の通過軌跡lに対向する主軸7周壁の
部分に、圧抜燃料戻し通路22よりも後の所定のタイミン
グで出入通路24と連通される初期圧供給路23が凹設され
ている。この初期圧供給路23は、調圧装置12によって調
圧されている吐出通路11に連通されている。
ユニットインジェクタ4は、第1図及び第11図に示すよ
うに、出入通路24に接続される複合遮断弁25と燃料噴射
ポンプ26と、ポンプ復動用蓄圧室27と、遮断弁復動用蓄
圧室28と、蓄圧式燃料噴射器29とからなり、燃料噴射ポ
ンプ26は噴射器29のボディ83に内蔵され、複合遮断弁25
は更に燃料噴射ポンプ26のプランジャ81内に内蔵され
る。
即ち、燃料噴射ポンプ26は、ボディ83の一側に噴射管84
と平行に、かつ、昇降可能に内嵌されたプランジャ81
と、ボディ83及びプランジャ81によって区画されたポン
プ室82を有する。プランジャ81は両端が閉塞された中空
筒状に形成され、その内部空間が複合遮断弁25の弁室71
を構成している。この弁室71にはスプール72が摺動可能
に挿入され、このスプール72によって弁室71がスプール
72の移動ストロークの下死点側のポンプ復動用蓄圧室27
と、その上死点側の遮断弁復動用付勢室73に区画され
る。この遮断弁復動用付勢室73は遮断弁復動用蓄圧室28
に連通されている。プランジャ81の周壁の中間高さ部に
は出入通路24に連通する内部出入通路74が開口され、そ
の下部にはボンプ室82に連通するポンプ連通路75が開口
され、その上部には遮断弁復動用蓄圧室28及び遮断弁復
動用付勢室73に連通する蓄圧連通路76が開口されてい
る。スプール72には、その下端面から上部に延びる中空
孔77が形成され、スプール72の周壁にはその中間高さか
ら周面に延びて、常時内部出入通路74に連通する連通孔
78と、その下部から周面に延びて、スプール72が上死点
よりも下方に位置するときにポンプ連通路75に連通され
るポンプ弁孔79と、その上端部から周面に延びて、スプ
ール72が上死点及び下死点に位置するときに蓄圧連通路
76に連通される蓄圧弁孔80とが形成されている。
蓄圧式燃料噴射器29は、ボディ83の他側部に内嵌された
噴射管84を備え、この噴射管84内の下半部に閉弁加圧用
燃料室85と第1蓄圧室96が上下一連に形成され、噴射管
84の下端部に1個または複数個(ここでは2個)4の噴
射孔87が形成される。噴射孔87の近傍で第1蓄圧室96と
噴射孔87との接続を遮断する噴射弁88はニードル弁で構
成され、その弁軸89の上端部は、噴射管84の上半部内に
形成された閉弁バネ室90に突入させてある。閉弁バネ室
90には噴射弁88を閉弁付勢する閉弁バネ91が収納され、
この閉弁バネ91の付勢力を調整する調整ナット92は、噴
射管84の上端部に油密状に螺着されるカバーナット93に
より覆われる。カバーナット93の内部空間94は閉弁バネ
室90と連通され、これとともに遮断弁復動用蓄圧室28を
構成している。閉弁加圧用燃料室85と第1蓄圧室96とは
逆止弁95により区画される。この逆止弁95は弁軸89の一
部分を拡径して形成した弁座100と、これの仮面に接離
する円環状の弁体101と、これを閉弁付勢する閉弁バネ1
02からなる。また、噴射管84の中間高さ部の周囲には、
これとボディ83により区画された円環状の第2蓄圧室97
が設けられ、この第2蓄圧室97は燃料噴射ポンプ26と反
対側のボディ83内部に配置された第2蓄圧室用逆止弁98
及び第2蓄圧室用蓄圧設定弁99により第1蓄圧室96に接
続され、第1蓄圧室96とともに噴射燃料蓄圧室86を構成
している。尚、第1蓄圧室96は比較的小容積に形成さ
れ、第2蓄圧室97は比較的大容積に形成されている。
尚、上記吐出通路11は調量装置14の直前部分で緊急停止
用電磁弁13により遮断できるように成っており、また、
出口通路49は手動停止弁15によって遮断できるように成
っている。
次に、この燃料装置の動作を説明する。
第12図(1)に示すように、初期状態では、プランジャ
81は上死点に位置し、スプール72は下死点に位置させら
れる。また、遮断弁復動用蓄圧室28、ポンプ復動用蓄圧
室27、遮断弁復動用付勢室73及びポンプ室82の内圧は調
圧装置12により調圧された基準圧になっている。ここ
で、第13図(1)〜第13図(6)のa時点[以下、単に
a時点という。第13図(1)ないし第13図(6)の他の
時点についても同様とする]からb時点にわたって供給
時期決定弁18の供給時期決定溝部58bと出入通路24が連
通され、調量・調圧された燃料Vinがユニットインジェ
クタ4に圧入される。この燃料Vinはまず第12図(2)
に示すようにポンプ復動用蓄圧室27に圧入され、スプー
ル72は下死点から中間高さまで押し上げられる。この後
のc時点から駆動装置5によってプランジャ81が下降さ
せられると、ポンプ室82、ポンプ復動用蓄圧室27、遮断
弁復動用付勢室73及び遮断弁復動用蓄圧室28の内圧がし
だいに上昇し、第12図(3)に示すように、ポンプ室82
からポンプ復動用蓄圧室27に最大噴射量Vmaxと等しい量
の燃料が圧入されたとき、すなわち、プランジャ81の残
りのストロークでポンプ室82から押し出される燃料の量
が圧入された燃料Vinと等しくなったときにスプール72
が上死点まで上昇させられる。c時点からスプール72が
上死点に達するd時点までのプランジャ81の下降ストロ
ーク中は燃料噴射器29の逆止弁95が閉弁されており、燃
料噴射器29には燃料が圧入されないので、無効ストロー
クと呼ぶ。スプール72が上死点に達するとポンプ室82の
内圧が逆止弁95の開弁圧に達するとともにポンプ連通路
75とポンプ弁孔79とが遮断される。また、蓄圧弁孔80が
蓄圧連通路76と連通され、ポンプ復動用蓄圧室27の内圧
が遮断弁復動用蓄圧室28及び遮断弁復動用付勢室73の内
圧と一致するように補正される。そして、このd時点以
後、プランジャ81が下降してポンプ室82の内圧が更に上
昇するに連れ、燃料Vinが噴射燃料蓄圧室86の圧入され
る。噴射燃料蓄圧室86に圧入される燃料は、その圧力が
第2蓄圧室97に内圧に達するe時点までは専ら第1蓄圧
室96に圧入され、その圧力が第2蓄圧室97の内圧を上回
ると第2蓄圧室用逆止弁98が開弁されて第2蓄圧室97に
も圧入される。第12図(4)に示すようにプランジャ81
が下死点に到達するf時点では、燃料の圧力上昇が止ま
り、逆止弁95が閉弁されて噴射燃料蓄圧室86に燃料Vin
が高圧で蓄圧される。そして、この後の所定のg時点
で、出入通路24が圧抜用弁体通路59、進角用弁体通路62
及び呼吸通路70を介して圧抜燃料呼吸室21に連通され、
出入通路24の内圧が減圧され始める。その減圧開始のタ
イミングは、進角用弁体通路62に連通している圧抜用弁
体通路59が出入通路24に連通することにより設定される
ので、エンジンの回転速度が速い場合には標準的なタイ
ミングよりも速くなり、エンジンの回転速度が遅い場合
には標準的なタイミングよりも遅くなる。
即ち、エンジンの回転速度が高くなるとエンジンの回転
速度に正比例して進角用受圧室63の内圧が高まり、進角
用弁体61が進角方向に移動され、最も主軸7の回転上手
側の圧抜用弁体通路59と進角用弁体通路62が連通するこ
とにより、中央の圧抜用弁体通路59と進角用弁体通路62
が連通する場合よりも早く出入通路24が圧抜用弁体通路
59を介して進角用弁体通路62に連通され、噴射時期が早
められるようになっている。また、エンジンの回転速度
が低くなると、最も主軸7の回転下手側の圧抜用弁体通
路59と進角用弁体通路62が連通することにより、中央の
圧抜用弁体通路59と進角用弁体通路62が連通する場合よ
りも遅く出入通路24が圧抜用弁体通路59を介して進角用
弁体通路62に連通され、噴射時期が遅れるようになって
いる。中間の速度では中央の圧抜用弁体通路59と進角用
弁体通路62が連通し、標準的なタイミングで出入通路24
が圧抜用弁体通路59を介して進角用弁体通路62に連通さ
れ、標準的なタイミングで噴射用の圧抜きが行われる。
進角用弁体通路62は、各圧抜用弁体通路59に択一的に連
通するだけでなく、それらに対応する回転数領域の過渡
領域では中央と最も上手の圧抜用弁体通路59あるいは中
央と最も下手の圧抜用弁体通路59の2本の圧抜用弁体通
路59と同時に連通でき、両圧抜用弁体通路59との接続面
積の割合によって圧抜の立ち上がり特性が変化するよう
になっている。このようにして、進角用弁体61の位置を
調圧装置12のエンジン回転速度に対する調圧特性に依存
して簡単に高精度に制御できるので、進角時期を簡単に
高精度に制御できることになる。
スプール72が上死点からしだいに下降し、ポンプ弁孔79
とポンプ連通路75の連通が回復されるh時点から閉弁加
圧用燃料室85の内圧が急激に減圧し、所定の開弁圧まで
閉弁加圧用燃料室85の内圧が降下したi時点から逆止弁
95に作用する差圧が閉弁バネ91の付勢力に打ち勝って噴
射弁88が開弁される。
上述のように、スプール72が上死点に達したときに、蓄
圧弁孔80と蓄圧連通路76とが連通されるので、噴射器29
への燃料圧入時にポンプ室82からポンプ復動用蓄圧室27
へのリーク燃料によって生じるポンプ復動用蓄圧室27の
内圧の上昇が補正され、圧抜時にポンプ連通路75とポン
プ弁孔79とが連通するタイミングが遅れることが防止さ
れる。そして、この連通の遅れによる噴射タイミングの
誤差(遅れ)の発生が防止される。
ここでは、ポンプ連通路75が上下に並ぶ小径ポンプ連通
路75aと大径ポンプ連通路75bとで構成され、スプール72
が上死点から下降し始めて先に小径ポンプ連通路75aが
ポンプ弁孔79に連通し、開弁加圧用燃料室85の内圧の減
少を比較的緩慢に抑えて、噴射弁88の開弁量を小さく制
限し、燃料噴射量を少量に抑えるとともに、燃料噴射に
よる噴射燃料蓄圧室86の内圧の減圧が小さく抑えられ
る。そして、スプール72がさらに下降して、例えば、定
格回転速度における着火時点に相当するj時点に達する
と、大径ポンプ連通路75bがポンプ弁孔79に連通し、急
激に閉弁加圧用燃料室85の内圧が減圧され、噴射弁88が
急激に大きく開弁され、多量の燃料が高圧で勢いよく噴
射されることになる。このように、着火前の燃料噴射量
を少量に抑えることにより着火時の爆発音を減少させて
運転騒音を防止することができる。また、着火時以降に
高圧で多量の燃料を噴射することにより運転騒音の減少
をはかる上で許される限り最大の熱効率を得ることがで
きる。また、噴射圧は噴射燃料蓄圧室86の内圧が高圧で
あるので、所定量の燃料Vinを短時間で噴射しきること
ができる。そして、噴射燃料蓄圧室86の内圧が第2蓄圧
室用蓄圧設定弁99の設定圧以下になるk時点以後は、こ
の蓄圧設定弁99が閉弁され、第2蓄圧室97の内圧はその
設定圧に保持される。一方、噴射孔87に連通する噴射燃
料蓄圧室86の容積は、実質上、第1蓄圧室96のそれに減
少され、僅かな量の燃料が噴射されても大きく第1蓄圧
室96の内圧が減圧され、短時間でこの内圧が所定の閉弁
圧まで減圧されて噴射弁88が閉弁される(1時点)。従
って、噴射時間を大幅に短縮するとができ、エンジンの
高速化を図る上で有利になる。燃料噴射が終了した後、
所定のm時点になると、駆動装置5の燃料噴射カム30の
カムリフトが減少し始め、ポンプ室82の内圧によりプラ
ンジャ81が駆動装置5のロッカーアーム33に押し当てら
れつつ上昇する。プランジャ81が上昇するに連れポンプ
室82の容積が拡大され、ポンプ室82、ポンプ復動用蓄圧
室27の内圧が減圧されるので、遮断弁復動用付勢室73の
圧力によってスプール72が下降させられ、ポンプ復動用
蓄圧室27からポンプ室82に最大噴射量Vmaxに等しい量の
燃料が圧入されるまでのポンプ復動用蓄圧室27からポン
プ室82に燃料が押し込められる。
ところで、g時点以後の圧抜の期間に、ポンプ復動用蓄
圧室27から圧抜燃料呼吸室21側に燃料が逃されることか
ら、そのままスプール72を下死点まで下降させたとすれ
ばタイミング制御複合弁装置3からユニットインジェク
タ4側に封入された燃料の量は初期状態よりも少なくな
り、次に調圧・調量された燃料をユニットインジェクタ
4に圧入するとスプール72がその圧入量に対応して上昇
すべき高さよりも低い位置までしか上昇せず、運転騒音
や噴射時期制御の誤差を生じる上、次回の燃料噴射量が
不足するといった不都合が生じることになる。
そこで、スプール72が下死点の近傍まで下降するn時点
で、圧抜燃料呼吸室21が呼吸通路70、圧抜燃料戻し通路
22を介して出入通路24に連通され、吐き戻し付勢手段69
によって圧抜燃料呼吸室21に圧抜のために押し込められ
ていた燃料が出入通路24に吐き戻され、更に、ポンプ復
動用蓄圧室27及びポンプ室82に吐き戻される。このよう
にして吸い出された燃料をユニットインジェクタ4に吐
き戻すことにより、次回の噴射時の燃料不足の発生が防
止される。しかし、圧抜燃料呼吸室21に封じ込められて
いた燃料は初期圧よりも高圧であるために、ポンプ復動
用蓄圧室27及びポンプ室82の内圧は初期状態よりも高圧
になり、スプール72は下死点の近傍から少しだけ上死点
側に移動させられる。従って、この状態から初期状態に
戻すために、最後に所定のo時点において、初期圧供給
路23が出入通路24に連通され、遮断弁復動用蓄圧室28、
ポンプ復動用蓄圧室27、遮断弁復動用付勢室73及びポン
プ室82の内圧が調圧装置12により調圧された基準圧に戻
され、スプール72が下死点に戻される。
ところで、遮断弁復動用蓄圧室28及び遮断弁復動用付勢
室73の内圧は、第2蓄圧室97からの燃料リークにより増
圧されたり、圧抜時にポンプ復動用蓄圧室27へのリーク
により減圧されたりすることが考えられる。遮断弁復動
用蓄圧室28及び遮断弁復動用付勢室73の内圧が増大すれ
ば、次回に調量供給装置2から燃料が圧入されるときに
遮断弁復動用蓄圧室28の内圧によってスプール72の上昇
ガ妨げられ、ポンプ復動用蓄圧室27の蓄圧容積が狭めら
れる。その結果、燃料を噴射器29に圧入した後、プラン
ジャ81の上昇時にポンプ復動用蓄圧室27からポンプ室82
に圧入される燃料の量が不足してプランジャ81が上死点
まで上昇できなくなり、運転騒音が発生することにな
る。また、遮断弁復動用蓄圧室28及び遮断弁復動用付勢
室73の内圧が減少すれば、次回に調量供給装置2から燃
料が圧入され、プランジャ81を下降させるときにポンプ
連通路75とポンプ弁孔79とが遮断されるタイミングが遅
れ、燃料噴射量が減少することになる。
ここでは、スプール72が下死点に戻されると、蓄圧弁孔
80が再び蓄圧連通路76と連通し、遮断弁復動用蓄圧室28
及び遮断弁復動用付勢室73の内圧が基準圧(初期圧)に
補正されるので、これらの内圧の増圧による運転騒音の
発生や、減圧による噴射量の誤差(減少)の発生が防止
されることになるのである。
<発明の効果> 以下のように、本発明に係るディーゼルエンジンの蓄圧
型燃料噴射装置によれば、噴射時期がクランク軸に調時
して開閉される噴射時期設定用圧抜弁の開弁時期に依存
して決定されるので、簡単に高精度に噴射時期を決定で
きる。
また、閉弁加圧用燃料室の内圧を減圧させるために、閉
弁加圧用燃料室および燃料噴射ポンプから逃がされた燃
料が、噴射終了後に、圧抜燃料呼吸室から閉弁加圧用燃
料室および燃料噴射ポンプに吐き戻されるので、プラン
ジャの上昇不足やこれによる運転騒音や噴射タイミング
の誤差の発生を防止できるとともに、次回の噴射燃料不
足の発生を防止できる。
しかも、構成が簡単な上、圧抜燃料呼吸室の動作は閉弁
加圧用燃料室等と圧抜燃料呼吸室との燃料圧の差を利用
して行われるので、圧抜のために特別のエネルギ源を必
要としないという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るディーゼルエンジンの
蓄圧型燃料噴射装置の全体構成を示す等価回路図、第2
図はその燃料調量供給装置の縦断面図、第3図はそのト
ランスファポンプの縦断正面図、第4図はその調圧装置
の縦断正面図、第5図はその圧送ポンプの縦断正面図、
第6図はそのタイミング制御複合弁装置の縦断側面図、
第7図はそのタイミング制御複合弁装置の縦断正面図、
第8図はその共通弁体の斜視図、第10図はその共通弁体
の周面に形成された各弁体通路、圧抜燃料戻し通路及び
初期圧供給路の配置を示す展開図、第9図はその進角調
整用弁体の一部分を切除した斜視図、第11図はそのユニ
ットインジェクタの縦断面図、第12図(1)〜第12図
(4)はそのポンプ復動用蓄圧室の動作を順を追って示
す各模式図、第13図(1)〜第13図(6)はユニットイ
ンジェクタの各部分の動作タイミング、圧力変化及びタ
イミング制御複合弁装置の動作タイミングの関係を示す
各タイミング図、第14図は従来の燃料噴射ポンプ用駆動
装置及び進角装置の構成図、第15図は従来のディーゼル
エンジンの蓄圧式燃料噴射装置の全体構成を示す等価回
路図、第16図は先行発明に係る蓄圧型燃料噴射装置の等
価回路図である。 1……燃料タンク、2……燃料調量供給装置、18……供
給時期決定弁、19……噴射時期設定用圧抜弁、21……圧
抜燃料呼吸室、22……圧抜燃料戻し通路、26……燃料噴
射ポンプ、29……蓄圧式燃料噴射器、59……圧抜用弁体
通路、81……プランジャ、82……ポンプ室、85……閉弁
加圧用燃料室、C……クランク軸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンク(1)を燃料調量供給装置
    (2)、供給時期決定弁(18)及び燃料噴射ポンプ(2
    6)を介して蓄圧式燃料噴射器(29)に連通連結してな
    る、ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置におい
    て、 燃料噴射器(29)の閉弁加圧用燃料室(85)に、噴射時
    期設定用圧抜弁(19)の圧抜用弁体通路(59)と圧抜燃
    料戻し通路(22)とを並列に介して、圧抜燃料呼吸室
    (21)を連通し、圧抜弁(19)をクランク軸(C)に調
    時連動させ、 この圧抜弁(19)の圧抜用弁体通路(59)が開通する時
    期は、燃料噴射ポンプ(26)のプランジャ(81)が吐出
    駆動され終えて、そのポンプ室(82)が高圧に保持され
    ている期間内であって、燃料噴射時期に相当する時期に
    設定し、 これにより、燃料噴射時期には圧抜用弁体通路(59)が
    閉弁加圧用燃料室(85)を圧抜燃料呼吸室(21)に連通
    させて、閉弁加圧用燃料室(85)の燃料を圧抜燃料呼吸
    室(21)に逃がして、閉弁加圧用燃料室(85)の内圧を
    降下させるように構成し、 上記圧抜弁(19)の圧抜燃料戻し通路(22)が開通する
    時期は、燃料噴射器(29)の燃料噴射の終了後であっ
    て、燃料噴射ポンプ(26)のプランジャ(81)が吸入側
    へ作動して、そのポンプ室(82)の内圧が低下した時期
    に設定し、これにより、燃料噴射終了後には、圧抜燃料
    戻し通路(22)が圧抜燃料呼吸室(21)を閉弁加圧用燃
    料室(85)に連通させて、圧抜燃料呼吸室(21)内の燃
    料を閉弁加圧用燃料室(85)に吐き戻すように構成した 事を特徴とする、ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射
    装置。
JP61280047A 1986-09-13 1986-11-25 デイ−ゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置 Expired - Lifetime JPH0735760B2 (ja)

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