JPH0735757B2 - ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置におけるプランジャポンプの復帰作動装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置におけるプランジャポンプの復帰作動装置

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JPH0735757B2
JPH0735757B2 JP61216902A JP21690286A JPH0735757B2 JP H0735757 B2 JPH0735757 B2 JP H0735757B2 JP 61216902 A JP61216902 A JP 61216902A JP 21690286 A JP21690286 A JP 21690286A JP H0735757 B2 JPH0735757 B2 JP H0735757B2
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置に
おけるプランジャポンプの復帰作動装置に関する。
〈前提構造〉 本発明は、例えば第1図または第8図に示すように、次
の前提構造を有するディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴
射装置を対象とする。
◎構造 すなわち、ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置A
の燃料調量供給装置Bで調量した調量供給量V1の燃料
を、プランジャポンプPで蓄圧型燃料噴射器Iへ圧入す
るように構成し、 プランジャポンプPの燃料入口7を入口弁C・プランジ
ャ室24・燃料噴射器Iの閉弁圧力室15・逆止弁4・蓄圧
室16および噴射弁3を順に直列状に介して、噴射孔8に
連通させ、 プランジャポンプPのプランジャ9は復帰位置から、燃
料噴射カム32で吐出側へ駆動することにより、プランジ
ャ室24内の燃料を、閉弁圧力室15および逆止弁4を経
て、蓄圧室16へ圧入するように構成し、 噴射弁3は、閉弁用受圧面42が閉弁圧力室15内の圧力を
受けて発生する受圧閉弁力と、閉弁バネ26の閉弁バネ力
との合力からなる閉弁合力で閉弁側へ押圧されるのに対
し、開弁用受圧面43が蓄圧室16内の圧力を受けて発生す
る受圧開弁力で開弁側へ押圧されるように構成し、 閉弁圧力室15が高圧に加圧された閉弁用高圧状態では、
上記閉弁合力が上記受圧開弁力よりも強くて、噴射弁3
を閉弁状態に保ち、 閉弁圧力室15が上記閉弁用高圧状態から減圧された開弁
用減圧状態では、上記閉弁合力が低下して上記受圧開弁
力よりも弱くなり、噴射弁3を開弁させて、蓄圧室16内
の蓄圧燃料を、噴射孔8から噴出させ、 蓄圧室16の蓄圧力が噴射終了圧にまで低下した噴射終了
用低圧状態では、上記受圧開弁力が低下して上記閉弁合
力よりも弱くなり、噴射弁3を閉弁させるように構成し
たものである。
◎作用と問題点 燃料噴射カム32の回転により、そのカムリフトが最大に
なったときに、プランジャ9が吐出終端位置にまで駆動
される。この後、そのカムリフトが最小に戻ったとき
に、プランジャ9が吐出終端位置に置き残されて、プラ
ンジャ9と燃料噴射カム32との間に隙間ができる。
この状態で、燃料調量供給装置Bによりエンジンの負荷
に応じて調量されて圧送されてきた調量供給量V1の燃料
が、燃料入口7から入口弁Cを経てプランジャ室24に圧
入される。プランジャ9は、この調量供給量V1に見合っ
たリフト分だけ、復帰端側へ向ってその途中まで押戻さ
れるが、燃料噴射カム32との間の隙間がまだ残ってい
る。
この状態から、上記カムリフトが大きくなって行く途中
で、燃料噴射カム32がプランジャ9に衝突するため、打
撃音が発生するうえ、その衝突面部分に異常摩耗や変形
・破損が起り易い、などの問題がある。
〈従来の技術〉 上記前提構造において、上記問題点「燃料噴射カム32と
プランジャ9とが衝突すること」を解消するためには、
上記カムリフトが最小に戻るときに、プランジャ9を復
帰端位置にまで復帰作動させることが必要になる。
このディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置における
プランジャポンプの復帰作動装置として、従来技術で
は、第8図に示すものがある。これは次のように構成さ
れている。
◎構成 前記プランジャポンプPの入口弁Cはシート弁51から成
る。
このシート弁51は、シート弁室56内で、シート弁体52を
シート弁座53に対して、開弁用バネ54のバネ開弁力とシ
ート弁面57に作用する受圧開弁力との合力からなる開弁
用合力で開弁側へ押圧するのに対し、閉弁用受圧面55に
作用する受圧閉弁力で閉弁側へ押圧するように構成され
ている。
シート弁51の入口50は前記燃料入口7に連通する。シー
ト弁室56はプランジャ室24に連通する。
シート弁51の入口50にプランジャ押戻し用の蓄圧器58
が、連通路59・60および燃料噴射器Iの閉弁ばね室12を
介して連通する。
◎作用 第9図(A)〜(D)参照 第9図(A)〜(D)は、プランジャポンプPの1サイ
クル中の各作動行程を示し、次の順序で作動する。
(1)調量燃料供給行程 第9図(A)の状態 蓄圧器58からプランジャ室24内へフルストローク量V5
体積の燃料が圧入される。
これにより、プランジャ9は、吐出終端位置61から復帰
端位置62に押し戻されて、燃料噴射カム32の基礎円面66
に圧し当てられている。蓄圧器58の蓄圧力は、シート弁
51の閉弁設定圧よりも低くなっていて、シート弁51を開
弁用バネ54で開弁している。
エンジンの負荷に応じて調量されて圧送されてきた調量
供給量V1の燃料が、燃料入口7から蓄圧器58内へ圧入さ
れる。これにより、蓄圧器58内の蓄圧力が上昇するが、
シート弁51の閉弁設定圧にまだ達せず、シート弁51は開
弁したままである。
(2)無効吐出行程 第9図(B)参照 燃料噴射カム32のリフトアップ面67で、プランジャ9が
吐出駆動されていく。プランジャ室24内のフルストロー
ク量V5の燃料のうち、その一部の量(無効吐出量)V2
燃料が蓄圧器58内へ送り戻されたときに、蓄圧器58内の
燃料がフル蓄圧量V4(上記フルストローク量V5と等量)
となり、蓄圧器58およびプランジャ室24内の蓄圧力がシ
ート弁51の閉弁設定圧にまで昇圧されて、シート弁51を
閉弁させる。
(3)有効吐出行程 第9図(C)参照 プランジャ9が引き続き吐出駆動され、プランジャ室24
内の残部の量(有効吐出量)V3の燃料が吐出されて、燃
料噴射器Iの蓄圧室16へ圧入される。
この有効吐出量V3は、次の等式により、調量供給量V1
同じ分量になる。
条件 V5=V2+V3 V4=V1+V2 V5=V4 計算式 V5=V2+V3=V4=V1+V2 V5−V2=V3=V4−V2=V1 答え ∴V3=V1 (4)プランジャ復帰行程 第9図(D)参照 燃料噴射カム32の作用面が、リフトトップ面68からリフ
トダウン面69を経て基礎円面66に移動していく。
すると、すぐに、プランジャ室24内の圧力が低下してい
き、シート弁51の閉弁設定圧よりも低くなり、シート弁
51が開弁する。
蓄圧器58内のフル蓄圧量V4の燃料が、シート弁51を経
て、プランジャ室24へ圧入されて、フルストローク量V5
の燃料となる。これにより、プランジャ9は、吐出終端
位置61からフルストローク押し戻されて復帰端位置62に
達して、燃料噴射カム32の基礎円面66に接当する。
このため、プランジャ9の次の吐出駆動時に、燃料噴射
カム32とプランジャ9とは、常に接当し続けて、隙間が
生じることがないので、この隙間が発生する場合の衝突
による打撃音・異常摩耗・変形・破損などの問題を、解
消するのである。
〈発明が解決しようとする課題〉 上記従来技術では、エンジンの回転速度が高くなるほ
ど、プランジャポンプの有効吐出量が過剰になる、とい
う問題がある。
すなわち、シート弁体52の閉弁用受圧面55に作用する受
圧閉弁力とシート弁面57に作用する受圧開弁力との差力
が、シート弁体52の閉弁力になる。この閉弁力が閉弁設
定力にまで上昇したときに、開弁用バネ54に抗してシー
ト弁体52を閉弁させる。
上記の「(2)無効吐出行程」において、プランジャ室
24内の圧力上昇の伝達は、閉弁用受圧面55と比べて、シ
ート弁面57の方がシート弁体52を迂回する時間分だけ遅
れるため、この両者面55・57間に差圧が生じる。
エンジンの回転速度が高くなるほど、プランジャ室24内
での圧力上昇率が高くなるため、閉弁用受圧面55に対す
るシート弁面57の圧力上昇の伝達の遅れ度合いが大きく
なり、両者面55・57間の差圧が大きくなって、この差圧
による閉弁力が増大する。
この閉弁力の増大分に反比例して、上記閉弁設定力の発
生に必要なプランジャ室24の実閉弁時圧力が、正規の閉
弁設定圧力よりも低圧側にずれてしまう。このため、プ
ランジャ室24が正規の閉弁設定圧に達する前の早い時期
に、シート弁体52が閉弁してしまう。
これにより、第9図(B)の無効吐出量V2が不足し、こ
の不足分量だけ有効吐出量V3が過剰になるのである。
本発明の課題は、エンジンの回転速度が高くなるほど、
プランジャポンプの有効吐出量が過剰になる事を、解消
することにある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、上記前提構造において、上記課題を解決する
ために、例えば第1図または第7図に示すように、次の
ように構成したことを特徴とする。
すなわち、前記プランジャポンプPの入口弁Cはスプー
ル弁18から成り、 このスプール弁18は、スプール室17内で、スプール弁体
18aを、スプール開弁用弾圧手段33で開弁側へ弾圧する
のに対し、スプール蓄圧室34の蓄圧力で閉弁側へ押圧す
るように構成し、 スプール蓄圧室34は中空孔19・スプール入口弁孔20およ
びスプール室導入弁孔22を介して前記燃料入口7に、ま
た中空孔19・スプール出口弁孔21・スプール室導出弁孔
23を介してプランジャ室24に、そして、スプール開弁用
逆止弁25を介してプランジャ室24に、それぞれ連通さ
せ、 上記中空孔19はスプール弁体18a内に形成し、スプール
入口弁孔20およびスプール出口弁孔21はスプール弁体18
aの外周面に開口し、スプール室導入弁孔22およびスプ
ール室導出弁孔23はスプール室17の内周面に開口し て構成したことを特徴をする。
〈作用〉 本発明は、次のように作用する。
プランジャポンプPの1サイクルの各作動行程における
作用は、基本的には前記〈従来技術〉の◎作用の項で述
べた内容と同様であるから、その項を参照して下さい。
次に、スプール弁18の作用について説明する。
(1)無効吐出行程 第9図(B)・第2図参照 プランジャ9の無効吐出行程においては、プランジャ室
24内の無効吐出量V2の燃料が、スプール室導出弁孔23・
スプール出口弁孔21・中空孔19を経て、スプール蓄圧室
34に圧入される。
これにより、スプール蓄圧室34は、圧力上昇しながら膨
張して行き、スプール弁体18aをスプール開弁用弾圧手
段33に抗して閉弁側へ押圧していく。スプール蓄圧室34
が閉弁設定圧に達したときに、スプール入口弁孔20がス
プール室導入弁孔22から離れて閉じるとともに、スプー
ル出口弁孔20がスプール室導出弁孔23から離れて閉じ、
スプール蓄圧室4が閉弁設定圧に保たれる。
(2)スプール弁の閉弁時期 第9図(B)・第2図参
照 スプール蓄圧室34からスプール弁体18aに作用して発生
する受圧閉弁力のみが、スプール弁体18aの閉弁力にな
る。この閉弁力が閉弁設定力にまで上昇したときに、ス
プール開弁用弾圧手段33に抗してスプール弁体18aを閉
弁させる。
上記の「(1)無効吐出行程」において、プランジャ室
24内の圧力上昇は、スプール室導出弁孔23・スプール出
口弁孔21・中空孔19を介して、スプール蓄圧室34に即座
に伝わり、実質的に時間遅れは生じない。
エンジンの回転速度が高くなるほど、プランジャ室24内
での圧力上昇率が高くなるが、スプール蓄圧室34の圧力
上昇の遅れが無いから、プランジャ室24が正規の閉弁設
定圧に達した正しい時期に、スプール蓄圧室34も正規の
閉弁設定圧に達して、スプール弁体18aを正確に閉弁さ
せる。
これにより、第9図(B)の無効吐出量V2が不足するこ
とが無くなるため、有効吐出量V3が過剰になることが、
解消されるのである。
(3)プランジャ復帰行程 第9図(C)第4図参照 燃料噴射カム32の作用位置が、カムトップ面68を越え
て、リフトダウン面69に移行していくと、プランジャ室
24の圧力でプランジャ9が復帰終端位置に向って押し戻
され、プランジャ室24の圧力が低下していく。
これにより、スプール蓄圧室34内の圧力が、逆止弁25か
らプランジャ室24へ流れて出して圧力低下し、スプール
開弁用弾圧手段33でスプール弁体18aが閉弁側へ押し動
かされ、スプール出口弁孔21がスプール室導出弁孔23に
出合って開通する。
すると、スプール蓄圧室34内のフル蓄圧量V4の燃料が、
その開通部からプランジャ室24へフルストローク量V5
して流れ込み、プランジャ9を燃料噴射カム32のリフト
ダウン面69および基礎円面66に押し当てる。
なお、このとき、スプール入口弁孔20もスプール室導入
弁孔22に出合って開通するが、燃料入口7の上流側が燃
料調量供給装置Bで閉じられているため、スプール蓄圧
室34内の圧力が燃料入口7側へは実質的に抜け出さな
い。
〈発明の効果〉 本発明は、上記のように構成され、作用することから、
「エンジンの回転速度が高くなるほど、プランジャポン
プの有効吐出量が過剰になる」という従来技術の問題を
解消して、エンジンの回転速度の全域において、プラン
ジャポンプの有効吐出量を過不足無く適正量に正確に保
つことができるのである。
すなわち、第9図(B)および第2図示すように、スプ
ール蓄圧室34からスプール弁体18aに作用して発生する
受圧閉弁力のみが、スプール弁体18aの閉弁力になる。
この閉弁力が閉弁設定力にまで上昇したときに、スプー
ル閉弁用弾圧手段33に抗してスプール弁体18aを閉弁さ
せる。
上記の「(1)無効吐出行程」において、プランジャ室
24内の圧力上昇は、スプール室導出弁孔23・スプール出
口弁孔21・中空孔19を介して、スプール蓄圧室34に即座
に伝わり、実質的に時間遅れは生じない。
エンジンの回転速度が高くなるほど、プランジャ室24内
での圧力上昇率が高くなるが、スプール蓄圧室34の圧力
上昇の遅れが無いから、プランジャ室24が正規の閉弁設
定圧に達した正しい時期に、スプール蓄圧室34も正規の
閉弁設定圧に達して、スプール弁体18aを正確に閉弁さ
せる。
これにより、第9図(B)の無効吐出量V2が不足するこ
とが無くなるため、有効吐出量V3が過剰になることが、
解消されるのである。
〈実施例〉 本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
第1図ないし第4図は本発明の一実施例に係るディーゼ
ルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置を構成するユニットイ
ンジェクタの各縦断面図であり、第1図は蓄圧室への燃
料圧入直前の状態を、第2図は蓄圧室への燃料圧入中の
状態を、第3図は燃料噴射中の状態を、第4図は噴射終
了直後の状態をそれぞれ示している。
このユニットインジェクタUは、蓄圧型燃料噴射ノズル
の本体1内に、プランジャポンプPを組み込んだもので
あって、本体1の一側の底面に燃料通路2の入口7が開
口され、本体1の中央下面から突出させた噴射管6の下
端に噴射孔8が開口されている。
上記入口7から噴射孔8に至る燃料通路2には、プラン
ジャポンプPのプランジャ室24と、逆止弁4とを介在さ
せてあり、その終端部には噴射弁3が設けられる。
この噴射弁3はニードル弁からなり、その弁軸11は噴射
管6の上壁を貫通して本体1の中央上部に設けられた閉
弁バネ室12に突入させてある。上記弁軸11の周囲には噴
射管6内の上部から下端にいたる燃料通路2の部分が形
成されている。
この燃料通路2の部分の上部には弁軸11を径方向に拡大
した逆止弁座13が設けられ、この逆止弁座13の下面に接
離する逆止弁4が燃料通路2に摺動可能に内嵌される。
この逆止弁4は閉弁バネ14によって閉弁付勢され、閉弁
時に上記燃料通路2の部分を、プランジャ室24に連通す
る閉弁圧力室15と第1蓄圧室16との間で区画する。
上記プランジャ室24に連続するプランジャ挿嵌孔10は本
体1の一側に弁軸11と平行に形成され、その上端の開口
から挿入されたプランジャ9の内部には、スプール弁8
が設けられている。
すなわち、プランジャ9の内部には、これと同心のスプ
ール室17が形成されている。
このスプール室17に摺動自在に収納されたスプール弁体
18aには、その下端面から中間高さ部にいたる中心穴19
が形成され、この中心穴19の上端部と中間高さ部とに周
面に直角に延びるスプール入口弁孔20とスプール出口弁
孔21とが開口される。
これに対して、プランジャ9の周壁の中間高さには、ス
プール弁体18aが、上死点(閉弁位置)に位置するとき
には上記各弁孔20,21と遮断され、その他のときには各
弁孔20,21と連通するスプール室導入弁孔22とスプール
室導出弁孔23とが設けられる。このスプール室導入弁孔
22は燃料通路2の入口7に接続され、スプール室導出弁
孔23はプランジャ室24に連通させてある。このプランジ
ャ室24が閉弁圧力室15と接続される。
上記スプール弁体18aはスプール室17の上端部に挿入さ
れたスプール開弁用バネ33によって下方に付勢される。
このプランジャ室24とスプール室17の下端のスプール蓄
圧室34とは、プランジャ室24からスプール蓄圧室34への
逆流を阻止する逆止弁25を介在させた流路断面が微小な
通路46により、断続されるようになっている。
上記閉弁バネ室12内には、弁軸11を閉弁付勢する閉弁バ
ネ26が挿入されている。逆止弁座13および逆止弁4の上
面は閉弁用受圧面42となり、その下面は閉弁用受圧面43
となる。
閉弁圧力室15内の圧力が閉弁用受圧面42に作用して発生
する受圧閉弁力と、閉弁バネ26の閉弁バネ力との合力か
らなる閉弁合力が、噴射弁3を閉弁側へ押圧する。第1
蓄圧室16内の圧力が開弁用受圧面43に作用して発生する
受圧開弁力が、噴射弁3を開弁側へ押圧する。
上記閉弁合力が上記受圧開弁力よりも大きい時には、噴
射弁3を閉弁させ、その逆のときには開弁させる。
本体1の中央部には弁軸11の周囲を取り囲む円環状の第
2蓄圧室27が形成され、上記第1蓄圧室16はこの第2蓄
圧室27に流入路28とこれに並列な流出路29とを介して接
続される。この流入路28には第2蓄圧室27から第1蓄圧
室16への逆流を阻止する逆止弁30が介在させてあり、上
記流出路29は第2蓄圧室27の内圧を所定の設定圧以上に
維持させる圧力設定弁31で開閉されるようになってい
る。これら逆止弁30及び圧力設定弁31は本体1のプラン
ジャ室24とは反対側に設けられている。
上記プランジャ9は、その上面に転接される燃料噴射カ
ム32によって駆動される。
上記の構成において、プランジャ9が上死点に位置し、
スプール弁体18aが下死点に位置する状態(第4図の状
態)で、外部の燃料供給装置から燃料通路2の入口7に
定圧の燃料がエンジン回転数に対応して調量されて供給
される。
この燃料はスプール室導入弁孔22、スプール入口弁孔2
0、中空孔19を通ってスプール室17の下端のスプール蓄
圧室34に導入され、第1図に示すように、スプール弁体
18aを上死点と下死点との中間の高さまで上昇させる。
次に、カム32がプランジャ9を上死点(復帰端位置)か
ら下死点(吐出終端位置)に向かって押し下げると、プ
ランジャ24の容積が減少し、この減少に見合う量の燃料
がスプール室導出弁孔23・スプール出口弁孔21及び中空
孔19を介してスプール蓄圧室34に流入し、プランジャ18
が下死点に達する前にスプール弁体18aが上死点まで上
昇する。
このスプール弁体18aが上死点に達するのは、スプール
開弁用バネ33のバネ開弁力と、スプール蓄圧室34内の圧
力がスプール弁体18aに作用して発生する受圧閉弁力と
にのみ依存する。これにより、第2図に示すようにスプ
ール室導出弁孔23とスプール出口弁孔21との間の接続が
遮断される。
さらにプランジャ18が下降することによりプランジャ室
24の内圧、従って閉弁圧力室15の内圧が更に上昇し、逆
止弁4が開弁される。即ち、プランジャ室24からの圧送
開始圧力を一定にして、正確に調量されたとおりの量の
燃料を逆止弁4側に送出できることになる。
これにより、第1蓄圧室16の内圧が上昇し、この内圧が
第2蓄圧室27の設定圧を上回ると逆止弁30が開弁されて
第2蓄圧室27に燃料が充填される。そして、第1蓄圧室
16と第2蓄圧室27の内圧がほぼ同じになると逆止弁30が
閉弁される。
また、この時点の直前の、逆止弁4の上流側と下流側の
差圧が閉弁バネ14の付勢力とバランスする時点で逆止弁
4も閉弁され、第1蓄圧室16と第2蓄圧室27に高圧の燃
料が蓄圧される。
この状態から、カム32のリフト量が減少しはじめると、
プランジャ9が上昇し始め、プランジャ室24の容積が増
大する。この容器の増大に見合う量よりも少量の燃料が
スプール蓄圧室34からまず微小な通路46を介してプラン
ジャ室24に流入し、閉弁圧力室15及びプランジャ室24の
内圧が徐々に減圧される。一方、スプール開弁用バネ33
のバネ開弁力とスプール蓄圧室34の内圧による受圧閉弁
力とが釣り合う位置に、スプール弁体18aが下降する。
閉弁圧力室15の内圧が所定の開弁圧まで下降すると噴射
弁3が開弁し始める。しかし、この段階では、閉弁圧力
室15の内圧はスプール蓄圧室34からプランジャ室24への
燃料の流入によって比較的緩慢に減少するので、噴射弁
3は第6図(2)、第2図に示すように大きく開弁され
ることなく、第1蓄圧室16の燃料が少しずつ噴射される
に過ぎない。
そして、この噴射による第1蓄圧室16の圧力降下は第6
図(4)に示すように極めて僅かになる。上記のスプー
ル弁体18aの下降により、スプール蓄圧室34とプランジ
ャ室24とがスプール出口弁孔21とスプール室導出弁口23
とを介して連通され、同時にスプール蓄圧室34がスプー
ル入口弁孔20とスプール室導入弁孔22とを介して燃料通
路2の入口7に連通されると、閉弁圧力室15の内圧が急
激に減圧される。これにより、逆止弁4の上流の閉弁圧
力室15と下流の第1蓄圧室16との間に大きな差圧が生
じ、噴射弁3が更に大きく開弁される。
上記のようにして、まず、小容積の第1蓄圧室16の燃料
の噴射を着火前にして、着火時から多量の燃料を噴射さ
せるようにすることにより、着火遅れ期間の燃料噴射料
を少なくすることができるから、着火時の爆発音を低減
させて騒音を減少させることができる。
ここで、上記カム32のカムプロフィルを所定の位相範囲
でそのリフト量が緩慢に減少するように形成し、スプー
ル蓄圧室34とプランジャ室24とが上記両弁孔21,23を介
して連通され、噴射弁3の開弁面積が最大になるタイミ
ングを着火時に合わせると、着火時前の噴射圧力の減少
を小さくし、着火時に大きく噴射弁を開弁されるので、
多量の燃料を勢い良く噴射させることができ、噴射期間
を短縮することができる。
特に、着火時に圧力設定弁31が開弁されて第2蓄圧室27
と第1蓄圧室16とが連通されるようにすると、噴射圧力
は第2蓄圧室27の高圧が第1蓄圧室16の内圧に加わった
高圧になり、第6図(4)に示すように、多量の燃料が
急激に噴射されることになり、噴射期間を従来よりも大
幅に短縮できる。
上記の実施例では、スプール弁18がプランジャ9の内部
に組み込まれているが、例えば第7図に示すように、こ
のスプール弁18をプランジャ9の外部に設けることも可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の一実施例に係るディーゼ
ルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置を構成するユニットイ
ンジェクタの各縦断面図であり、第1図は蓄圧室への燃
料圧入直前の状態を、第2図は蓄圧室への燃料圧入中の
状態を、第3図は燃料噴射中の状態を、第4図は燃料終
了直後の状態をそれぞれ示す。 第5図は本発明と従来例との噴射量変化に対する噴射圧
力の変化率の関係の比較図、第6図の図(1)はプラン
ジャを駆動するカムの要部のカムプロフィル図、図
(2)は噴射弁のリフト量の変化を示すタイミング図、
図(3)は噴射弁の開弁面積の変化変化を示すタイミン
グ図、図(4)は噴射圧力及び燃料噴射率の変化を示す
タイミング図である。 第7図は本発明の他の実施例の縦断面図、第8図は従来
例の縦断面図である。第9図(A)〜(D)はプランジ
ャポンプの1サイクル中の各作動行程を示す図であり、
図(A)は調量燃料供給行程、図(B)は無効吐出行
程、図(C)は有効吐出行程、図(D)はプランジャ復
帰行程を示す。 3……噴射弁、4……逆止弁、7……燃料入口、8……
噴射孔、9……プランジャ、15……閉弁圧力室、16……
蓄圧室、17……スプール室、18……スプール弁、18a…
…スプール弁体、19……中空孔、20……スプール入口弁
孔、21……スプール出口弁孔、22……スプール室導入弁
孔、23……スプール室導出弁孔、24……プランジャ室、
25……スプール開弁用逆止弁、26……閉弁バネ、32……
燃料噴射カム、33……スプール開弁用弾圧手段、34……
スプール蓄圧室、42……閉弁用受圧面、43……開弁用受
圧面、A……蓄圧型燃料噴射装置、B……燃料調量供給
装置、C……入口弁、I……蓄圧型燃料噴射装置、P…
…プランジャポンプ、V1……調量供給量。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置
    (A)の燃料調量供給装置(B)で調量した調量供給量
    (V1)の燃料を、プランジャポンプ(P)で蓄圧型燃料
    噴射器(I)へ圧入するように構成し、 プランジャポンプ(P)の燃料入口(7)を入口弁
    (C)・プランジャ室(24)・燃料噴射器(I)の閉弁
    圧力室(15)・逆止弁(4)・蓄圧室(16)および噴射
    弁(3)を順に直列状に介して、噴射孔(8)に連通さ
    せ、 プランジャポンプ(P)のプランジャ(9)は復帰位置
    から、燃料噴射カム(32)で吐出側へ駆動することによ
    り、プランジャ室(24)内の燃料を、閉弁圧力室(15)
    および逆止弁(4)を経て、蓄圧室(16)へ圧入するよ
    うに構成し、 噴射弁(3)は、閉弁用受圧面(42)が閉弁圧力室(1
    5)内の圧力を受けて発生する受圧閉弁力と、閉弁バネ
    (26)の閉弁バネ力との合力からなる閉弁合力で閉弁側
    へ押圧されるのに対し、開弁用受圧面(43)が蓄圧室
    (16)内の圧力をうけて発生する受圧開弁力で開弁側へ
    押圧されるように構成し、 閉弁圧力室(15)が高圧に加圧された閉弁用高圧状態で
    は、上記閉弁合力が上記受圧開弁力よりも強くて、噴射
    弁(3)を閉弁状態に保ち、 閉弁圧力室(15)が上記閉弁用高圧状態から減圧された
    開弁用減圧状態では、上記閉弁合力が低下して上記受圧
    開弁力よりも弱くなり、噴射弁(3)を開弁させて、蓄
    圧室(16)内の蓄圧燃料を、噴射孔(8)から噴出さ
    せ、 蓄圧室(16)の蓄圧力が噴射終了圧にまで低下した噴射
    終了用低圧状態では、上記受圧開弁力が低下して上記閉
    弁合力よりも弱くなり、噴射弁(3)を閉弁させるよう
    に構成した ディーゼルエンジンの蓄圧型燃料噴射装置において、 前記プランジャポンプ(P)の入口弁(C)はスプール
    弁(18)から成り、 このスプール(18)は、スプール室(17)内で、スプー
    ル弁体(18a)を、スプール開弁用弾圧手段(33)で開
    弁側へ弾圧するのに対し、スプール蓄圧室(34)の蓄圧
    力で閉弁側へ押圧するように構成し、 スプール蓄圧室(34)は中空孔(19)・スプール入口弁
    孔(20)およびスプール室導入弁孔(22)を介して前記
    燃料入口(7)に、また中空孔(19)・スプール出口弁
    孔(21)・スプール室導出弁孔(23)を介してプランジ
    ャ室(24)に、そして、スプール開弁用逆止弁(25)を
    介してプランジャ室(24)に、それぞれ連通させ、 上記中空孔(19)はスプール弁体(18a)内に形成し、
    スプール入口弁孔(20)およびスプール出口弁孔(21)
    はスプール弁体(18a)の外周面に開口し、スプール室
    導入弁孔(22)およびスプール室導出弁孔(23)はスプ
    ール室(17)の内周面に開口し て構成したことを特徴とするディーゼルエンジンの蓄圧
    型燃料噴射装置におけるプランジャポンプの復帰作動装
    置。
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