JPH0735186A - 振動減衰装置、減衰力可変型振動減衰機構、自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ、振動減衰装置を備えた移動体、減衰力可変ショックアブソーバそれらに用いるステップモータの制御装置及び制御方法 - Google Patents
振動減衰装置、減衰力可変型振動減衰機構、自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ、振動減衰装置を備えた移動体、減衰力可変ショックアブソーバそれらに用いるステップモータの制御装置及び制御方法Info
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- JPH0735186A JPH0735186A JP18242993A JP18242993A JPH0735186A JP H0735186 A JPH0735186 A JP H0735186A JP 18242993 A JP18242993 A JP 18242993A JP 18242993 A JP18242993 A JP 18242993A JP H0735186 A JPH0735186 A JP H0735186A
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- piston
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ショックアブソーバの減衰力切替に用いるステ
ップモータのステップ角を小さくすることなしに、切り
替え時のショックを小さくし、切り替えの応答性も保証
する。 【構成】ショックアブソーバの減衰力をステップモータ
4の動力で2段以上に切り替える。切替過渡時の初期
(ステップ角内)の速度を実位置θを検出しながら、角速
度制限値θsを超えないように、モータ電流を制御す
る。この時、スイッチSW1,SW2により処理要素5
4,56が選択され、A相,B相電流Ia,Ibが、I
a=j×θs×K×sinθ,Ib=j×θs×K×sin
(θ+90°)となるよう制御され、それ以外は処理要
素52が選択されステップ駆動を行う電流が供給され
る。jは電流方向を示す符号(±1),Kはゲイン。閉
ループ制御を代え一定のモータ電流制御パターンにより
切替速度を制限してもよい。
ップモータのステップ角を小さくすることなしに、切り
替え時のショックを小さくし、切り替えの応答性も保証
する。 【構成】ショックアブソーバの減衰力をステップモータ
4の動力で2段以上に切り替える。切替過渡時の初期
(ステップ角内)の速度を実位置θを検出しながら、角速
度制限値θsを超えないように、モータ電流を制御す
る。この時、スイッチSW1,SW2により処理要素5
4,56が選択され、A相,B相電流Ia,Ibが、I
a=j×θs×K×sinθ,Ib=j×θs×K×sin
(θ+90°)となるよう制御され、それ以外は処理要
素52が選択されステップ駆動を行う電流が供給され
る。jは電流方向を示す符号(±1),Kはゲイン。閉
ループ制御を代え一定のモータ電流制御パターンにより
切替速度を制限してもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動伝播経路に配置さ
れ、一つの物体から別の物体へ伝播する振動を減衰する
振動減衰機構に関する。
れ、一つの物体から別の物体へ伝播する振動を減衰する
振動減衰機構に関する。
【0002】また本発明はこのような減衰機構を用いて
車輪から車体へ伝わる振動を減衰するように構成された
移動体に関する。
車輪から車体へ伝わる振動を減衰するように構成された
移動体に関する。
【0003】さらに、この減衰機構は自動車のショック
アブソーバとして利用され得る。
アブソーバとして利用され得る。
【0004】さらにまた、本発明はこのような減衰機構
に用いる減衰力調整用のステップモータ、及びその制御
方法に関する。
に用いる減衰力調整用のステップモータ、及びその制御
方法に関する。
【0005】
【従来の技術】一つの物体から別の物体へ伝播する振動
を減衰する振動減衰機構としては、自動車のショックア
ブソーバが良く知られている。
を減衰する振動減衰機構としては、自動車のショックア
ブソーバが良く知られている。
【0006】このような減衰機構を用いて車輪から車体
へ伝わる振動を減衰するように構成された移動体として
は、ショックアブソーバを備えた自動車が良く知られて
いる。
へ伝わる振動を減衰するように構成された移動体として
は、ショックアブソーバを備えた自動車が良く知られて
いる。
【0007】ここでは、この種振動減衰機構として自動
車のショックアブソーバを例として説明する。
車のショックアブソーバを例として説明する。
【0008】自動車のショックアブソーバは、車体と車
輪の支持アームとの間に設けられ、また、作動液体(例
えばオイル)を収納するシリンダ、シリンダ内に液密状
態で挿入されたピストン等で構成され、このピストンに
より画成されたシリンダ内の液室間でピストン移動時に
オイルを流通させ、このオイルの流通抵抗により減衰力
を発生させている。
輪の支持アームとの間に設けられ、また、作動液体(例
えばオイル)を収納するシリンダ、シリンダ内に液密状
態で挿入されたピストン等で構成され、このピストンに
より画成されたシリンダ内の液室間でピストン移動時に
オイルを流通させ、このオイルの流通抵抗により減衰力
を発生させている。
【0009】また、減衰力を可変(切替可能)とするた
めに、シリンダ内の液室間にオイルを流通させるオリフ
ィスの開孔面積(流通抵抗)を変える技術が提案されて
いる。例えば、実開平3−118338 号公報に開示されるよ
うに、ステップモータによりシャッタ機構(可変オリフ
ィス機構又は減衰力切替機構とも称する)を回転させる
ことで減衰力を可変としたものがある。そのほか、ステ
ップモータの駆動力により減衰力特性を切り替える技術
としては、例えば、特開昭60−71313 号公報,特開平1
−316537号公報があり、また、特開昭59−99139 号公報
ではこの種ショックアブソーバのモータ電流が過電流と
ならないようなモータ焼付防止手段を備えたものであ
る。
めに、シリンダ内の液室間にオイルを流通させるオリフ
ィスの開孔面積(流通抵抗)を変える技術が提案されて
いる。例えば、実開平3−118338 号公報に開示されるよ
うに、ステップモータによりシャッタ機構(可変オリフ
ィス機構又は減衰力切替機構とも称する)を回転させる
ことで減衰力を可変としたものがある。そのほか、ステ
ップモータの駆動力により減衰力特性を切り替える技術
としては、例えば、特開昭60−71313 号公報,特開平1
−316537号公報があり、また、特開昭59−99139 号公報
ではこの種ショックアブソーバのモータ電流が過電流と
ならないようなモータ焼付防止手段を備えたものであ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術に記載された振動減衰機構では、減衰力の特性制
御が段階的にしか行えないという問題があった。
来技術に記載された振動減衰機構では、減衰力の特性制
御が段階的にしか行えないという問題があった。
【0011】このため、上述の自動車に用いられるショ
ックアブソーバでは、ピストンの移動速度が大きくなる
ような使用条件の下で、減衰力が一段(上記従来例では
ステップモータの1ステップ角)切り替わると減衰力が
急激に大きく変化し、その結果、大きな切り替えショッ
クが生じて、それに伴う音が発生し、運転者に不快感を
与える。
ックアブソーバでは、ピストンの移動速度が大きくなる
ような使用条件の下で、減衰力が一段(上記従来例では
ステップモータの1ステップ角)切り替わると減衰力が
急激に大きく変化し、その結果、大きな切り替えショッ
クが生じて、それに伴う音が発生し、運転者に不快感を
与える。
【0012】この点に鑑み、本発明の目的は減衰特性の
切り替え時に切替えショックの少ない振動減衰機構、そ
の様な減衰機構を備えた移動体、自動車用の減衰力可変
型ショックアブソーバ、及びこれら装置の減衰特性の切
り替えに用いるのに好適なステップモータとその制御方
法を得ることにある。
切り替え時に切替えショックの少ない振動減衰機構、そ
の様な減衰機構を備えた移動体、自動車用の減衰力可変
型ショックアブソーバ、及びこれら装置の減衰特性の切
り替えに用いるのに好適なステップモータとその制御方
法を得ることにある。
【0013】また本発明の目的は路面の状態に応じて車
体に伝播する振動を任意のレベルに減衰させ得る移動体
を提供するにある。
体に伝播する振動を任意のレベルに減衰させ得る移動体
を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的の一つ
は、減衰力特性の切り替え時の応答特性を任意に調整で
きるように構成することによって達成される。
は、減衰力特性の切り替え時の応答特性を任意に調整で
きるように構成することによって達成される。
【0015】また、振動の減衰特性を所定の特性から別
の特性に切り替え制御するに際し、減衰特性の切り替え
応答特性の少なくとも一部を1次関数的に制御すること
によっても達成できる。
の特性に切り替え制御するに際し、減衰特性の切り替え
応答特性の少なくとも一部を1次関数的に制御すること
によっても達成できる。
【0016】本発明の別の目的は、振動の減衰特性を所
定の特性から別の特性に切り替え制御するに際し、ピス
トンの移動速度を制御する作動流体の流通路の流通抵抗
の変化率を所定値以上にならないように制限しながら制
御する制御手段を設けることによって達成される。
定の特性から別の特性に切り替え制御するに際し、ピス
トンの移動速度を制御する作動流体の流通路の流通抵抗
の変化率を所定値以上にならないように制限しながら制
御する制御手段を設けることによって達成される。
【0017】それはまた、作動流体の流通路の流通抵抗
の変化率が任意に調整されるように構成することによっ
ても達成され得る。
の変化率が任意に調整されるように構成することによっ
ても達成され得る。
【0018】それはまた、作動流体の流通路に設けられ
たオリフィスの開口面積の変化速度を制御するように構
成することによっても達成され得る。
たオリフィスの開口面積の変化速度を制御するように構
成することによっても達成され得る。
【0019】さらにまた、作動流体の流通路に設けられ
たオリフィスの開口面積が現在の開口面積から所定の目
標開口面積まで変化する際、ピストンの移動速度が1次
関数的に変化するようにこのオリフィスの開口面積を変
化させるようにオリフィス駆動用電磁ソレノイドに供給
される電流を制御するように構成することによっても達
成され得る。
たオリフィスの開口面積が現在の開口面積から所定の目
標開口面積まで変化する際、ピストンの移動速度が1次
関数的に変化するようにこのオリフィスの開口面積を変
化させるようにオリフィス駆動用電磁ソレノイドに供給
される電流を制御するように構成することによっても達
成され得る。
【0020】さらにまた、ピストンで区画された液室間
の圧力差を制御して減衰特性を所定の特性から別の特性
に切り替え制御するに際し、周波数や振幅に代表される
振動の特徴に応じて、この圧力差の変化が所定値以上に
ならないように圧力差の変化率を制御することによって
も達成される。
の圧力差を制御して減衰特性を所定の特性から別の特性
に切り替え制御するに際し、周波数や振幅に代表される
振動の特徴に応じて、この圧力差の変化が所定値以上に
ならないように圧力差の変化率を制御することによって
も達成される。
【0021】さらにまた、作動流体の流通路の流通抵抗
を変化させて減衰特性を所定の特性から別の特性に切り
替え制御するに際し、ピストンで区画された液室間の圧
力差の変化が制限された所定の範囲内に維持されるよう
に作動流体の流通路の流通抵抗を制御することによって
も達成される。
を変化させて減衰特性を所定の特性から別の特性に切り
替え制御するに際し、ピストンで区画された液室間の圧
力差の変化が制限された所定の範囲内に維持されるよう
に作動流体の流通路の流通抵抗を制御することによって
も達成される。
【0022】別の目的は、減衰機構を介して車輪に支持
されている車体とからなる移動体の走行状態や、周波
数,振幅に代表される振動の特徴に応じて減衰機構の振
動減衰特性を任意の特性に制御するように構成すること
によって達成される。
されている車体とからなる移動体の走行状態や、周波
数,振幅に代表される振動の特徴に応じて減衰機構の振
動減衰特性を任意の特性に制御するように構成すること
によって達成される。
【0023】更に別の目的は、オリフィス駆動用ステッ
プモータの2つの相に供給された電流の向きを切り替え
ると共に、その電流値を連続的に制御することによって
達成される。
プモータの2つの相に供給された電流の向きを切り替え
ると共に、その電流値を連続的に制御することによって
達成される。
【0024】また更に本発明の別の目的は、オリフィス
駆動用ステップモータを1ステップ角の間でマイクロス
テップ動作させることによって達成される。
駆動用ステップモータを1ステップ角の間でマイクロス
テップ動作させることによって達成される。
【0025】上記目的を達成するために、本発明は、具
体的には、ステップモータの動力により減衰力切替機構
を作動させて、減衰力特性を2段以上に切り替えるショ
ックアブソーバにおいて、前記ステップモータの電流制
御により前記減衰力特性の切替過渡時のショックを緩和
させるための切替速度制御を行う減衰力切替速度制御手
段を備えて成る。また、上記の減衰力切替速度制御手段
の一例として、前記減衰力特性の切替過渡時の始めから
途中位置まで、減衰力切替過渡時のショックを緩和させ
るための角速度(減衰力切替速度)制限をステップモー
タ電流制御により行い、それ以外は、角速度制限を解除
してステップモータの各相にステップ駆動に必要な電流
を供給するように構成した。
体的には、ステップモータの動力により減衰力切替機構
を作動させて、減衰力特性を2段以上に切り替えるショ
ックアブソーバにおいて、前記ステップモータの電流制
御により前記減衰力特性の切替過渡時のショックを緩和
させるための切替速度制御を行う減衰力切替速度制御手
段を備えて成る。また、上記の減衰力切替速度制御手段
の一例として、前記減衰力特性の切替過渡時の始めから
途中位置まで、減衰力切替過渡時のショックを緩和させ
るための角速度(減衰力切替速度)制限をステップモー
タ電流制御により行い、それ以外は、角速度制限を解除
してステップモータの各相にステップ駆動に必要な電流
を供給するように構成した。
【0026】
【作用】この様に構成された本発明の振動減衰機構,減
衰力可変型振動減衰機構,自動車の減衰力可変型ショッ
クアブソーバは、結果的に減衰力特性の切り替えが連続
的に行えるので特性切り替え時のショックが発生するこ
とがなく、ショックによる異音の発生が防止できる。
衰力可変型振動減衰機構,自動車の減衰力可変型ショッ
クアブソーバは、結果的に減衰力特性の切り替えが連続
的に行えるので特性切り替え時のショックが発生するこ
とがなく、ショックによる異音の発生が防止できる。
【0027】また、減衰力特性の制御がキメ細かく行え
る。
る。
【0028】また、本発明になる移動体はその走行状
態、振動の特徴に応じて減衰力特性をキメ細かく調整で
きるので、静粛な移動体を提供できる。
態、振動の特徴に応じて減衰力特性をキメ細かく調整で
きるので、静粛な移動体を提供できる。
【0029】また、本発明になる振動減衰機構,減衰力
可変型振動減衰機構,移動体,自動車の減衰力可変型シ
ョックアブソーバに用いるオリフィス制御用のステップ
モータは、1ステップ角の間で停止角度を無段階に調整
可能であるため、その開度を徐々に(ある意味では1次
関数的に)目標値に近付けることができ、オリフィスの
開度を大きく変化させる場合にも切替ショックが発生し
ない。
可変型振動減衰機構,移動体,自動車の減衰力可変型シ
ョックアブソーバに用いるオリフィス制御用のステップ
モータは、1ステップ角の間で停止角度を無段階に調整
可能であるため、その開度を徐々に(ある意味では1次
関数的に)目標値に近付けることができ、オリフィスの
開度を大きく変化させる場合にも切替ショックが発生し
ない。
【0030】また、減衰力特性をキメ細かく制御でき
る。
る。
【0031】さらに具体的には車両走行中のショックア
ブソーバのピストンスピードが大きなときに、ステップ
モータの動力により減衰力特性を切り替える際ステップ
モータの切替速度(角速度)が急激に変化しないように
制御したので、切替ショックが緩和され、減衰力特性切
替時(減衰力切替時)に生じる不快な振動やそれに伴う
音を低減させることができる。
ブソーバのピストンスピードが大きなときに、ステップ
モータの動力により減衰力特性を切り替える際ステップ
モータの切替速度(角速度)が急激に変化しないように
制御したので、切替ショックが緩和され、減衰力特性切
替時(減衰力切替時)に生じる不快な振動やそれに伴う
音を低減させることができる。
【0032】また、このショック緩和のための切替速度
(角速度)制御は、ステップモータのステップ角内(ス
テップ角内は1ステップ角内あるいは1ステップ以上に
わたる場合の該当の各ステップ角内でもよい)での電流
制御により行うことができ、このような電流制御により
減衰力の切替速度制限を行う場合には、ステップ角を小
さくする必要がないので、この種モータの脱調を招くこ
となしにショックの発生を防止できる。
(角速度)制御は、ステップモータのステップ角内(ス
テップ角内は1ステップ角内あるいは1ステップ以上に
わたる場合の該当の各ステップ角内でもよい)での電流
制御により行うことができ、このような電流制御により
減衰力の切替速度制限を行う場合には、ステップ角を小
さくする必要がないので、この種モータの脱調を招くこ
となしにショックの発生を防止できる。
【0033】なお、切替ショックが発生するのは、切替
過渡時の初期の段階である。従って、減衰力の少なくと
も切替過渡時の初期の段階(換言すれば始めから途中位
置まで)に切替速度を速度制限等により小さく(低速モ
ード)しておけば、切替ショックを緩和でき、それ以外
は速度制限を解除してステップモータの通常のステップ
駆動による位置制御を行えば、減衰力切替時の低速モー
ドが必要最少限で済み、切替の応答性も保証できる。
過渡時の初期の段階である。従って、減衰力の少なくと
も切替過渡時の初期の段階(換言すれば始めから途中位
置まで)に切替速度を速度制限等により小さく(低速モ
ード)しておけば、切替ショックを緩和でき、それ以外
は速度制限を解除してステップモータの通常のステップ
駆動による位置制御を行えば、減衰力切替時の低速モー
ドが必要最少限で済み、切替の応答性も保証できる。
【0034】この速度制限として最適なものに、ステッ
プモータに供給している電流をオン/オフ制御とはせ
ず、速度制限を保ち得る電流に制御する方式があり、こ
の電流制御は、例えば、ステップモータのステップ角内
で回転位置に対応しながら切替速度を設定制限速度と比
較して閉ループ制御する方式や、予め、その電流制御パ
ターンを時間との関係で定めて制御する方式がある。
プモータに供給している電流をオン/オフ制御とはせ
ず、速度制限を保ち得る電流に制御する方式があり、こ
の電流制御は、例えば、ステップモータのステップ角内
で回転位置に対応しながら切替速度を設定制限速度と比
較して閉ループ制御する方式や、予め、その電流制御パ
ターンを時間との関係で定めて制御する方式がある。
【0035】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。
【0036】図1は本発明の一実施例に係るショックア
ブソーバの縦断面図、図2はショックアブソーバの自動
車への搭載状態を示す説明図である。
ブソーバの縦断面図、図2はショックアブソーバの自動
車への搭載状態を示す説明図である。
【0037】図2において、1は車体、2a〜2dは車
輪で、各ショックアブソーバ3a〜3dが車体1と各車
輪の支持アームとの間にスプリングと共に装着してあ
る。各ショックアブソーバ3a〜3dは、減衰力特性切
り替えに用いるステップモータ4a〜4dを有する。5
はステップモータ4a〜4dを制御する制御ユニット、
6a〜6dは上下方向の加速度を検出する加速度センサ
(以下、Gセンサとする)である。
輪で、各ショックアブソーバ3a〜3dが車体1と各車
輪の支持アームとの間にスプリングと共に装着してあ
る。各ショックアブソーバ3a〜3dは、減衰力特性切
り替えに用いるステップモータ4a〜4dを有する。5
はステップモータ4a〜4dを制御する制御ユニット、
6a〜6dは上下方向の加速度を検出する加速度センサ
(以下、Gセンサとする)である。
【0038】車体1は走行中、路面の凹凸、あるいはコ
ーナリング時のロール、減速時のダイブ(前輪の沈み込
み、即ち後輪の浮き上り)、加速運転時のスクウォート
(後輪の沈み込み)等によって車体の姿勢が変化する
が、この変化量が極端に大きい場合、あるいは、この変
化に起因する振動がいつまでも継続する場合、運転者に
不快感を与えるばかりではなく、タイヤー路面間の接地
状態が良好に保てなくなる。
ーナリング時のロール、減速時のダイブ(前輪の沈み込
み、即ち後輪の浮き上り)、加速運転時のスクウォート
(後輪の沈み込み)等によって車体の姿勢が変化する
が、この変化量が極端に大きい場合、あるいは、この変
化に起因する振動がいつまでも継続する場合、運転者に
不快感を与えるばかりではなく、タイヤー路面間の接地
状態が良好に保てなくなる。
【0039】そのため、本実施例では、図3に示すよう
に、上記の車両の走行状態をGセンサ6a〜6dによっ
て検出し、この検出信号を基に制御ユニット5のマイク
ロコンピュータ7が走行状態に応じた適切な減衰力特性
を演算してステップモータ4a〜4dが指令位置(演算
された減衰力特性位置に対応したステップモータ回転位
置)に至るように駆動制御される。このステップモータ
4a〜4dの位置制御によって、ショックアブソーバ3
a〜3dの減衰力が後述の減衰力切替機構13(図1に
示す)を介して段階的に切り替えられるが、制御ユニッ
ト5は、ステップモータ4に供給される電流を制御して
減衰力切替速度制御を行う手段を兼ねる(この制御の内
容については、図5及び図6を用いて後述する)。ステ
ップモータは2相(A相,B相)励磁式で、それぞれの
電流値をマイクロコンピュータ7の指令値に基づき電流
制御回路8a〜8dを介して供給される。
に、上記の車両の走行状態をGセンサ6a〜6dによっ
て検出し、この検出信号を基に制御ユニット5のマイク
ロコンピュータ7が走行状態に応じた適切な減衰力特性
を演算してステップモータ4a〜4dが指令位置(演算
された減衰力特性位置に対応したステップモータ回転位
置)に至るように駆動制御される。このステップモータ
4a〜4dの位置制御によって、ショックアブソーバ3
a〜3dの減衰力が後述の減衰力切替機構13(図1に
示す)を介して段階的に切り替えられるが、制御ユニッ
ト5は、ステップモータ4に供給される電流を制御して
減衰力切替速度制御を行う手段を兼ねる(この制御の内
容については、図5及び図6を用いて後述する)。ステ
ップモータは2相(A相,B相)励磁式で、それぞれの
電流値をマイクロコンピュータ7の指令値に基づき電流
制御回路8a〜8dを介して供給される。
【0040】図4は、図3における電流制御回路8(8
a〜8d)の構成を示したもので、マイクロコンピュー
タ7の出力(D/A出力値)をもとに、センス抵抗r1
の電圧値v=r1×I(I:モータ供給電流)をコンパ
レータにフィードバックし、先の指令値とセンス電圧v
を一致させる。
a〜8d)の構成を示したもので、マイクロコンピュー
タ7の出力(D/A出力値)をもとに、センス抵抗r1
の電圧値v=r1×I(I:モータ供給電流)をコンパ
レータにフィードバックし、先の指令値とセンス電圧v
を一致させる。
【0041】ここで、ショックアブソーバ3(3a〜3
d)の構成について図1により説明する。
d)の構成について図1により説明する。
【0042】ショックアブソーバ3は、シリンダ11,
ピストン12,減衰力切替機構13等で構成される。シ
リンダ11内には液密状態でピストン12が挿入され、
中空のピストンロッド12Aがピストン12に貫通固着
され、ロッド12Aの上方端がシリンダ外に突出してい
る。
ピストン12,減衰力切替機構13等で構成される。シ
リンダ11内には液密状態でピストン12が挿入され、
中空のピストンロッド12Aがピストン12に貫通固着
され、ロッド12Aの上方端がシリンダ外に突出してい
る。
【0043】シリンダ11内は、ピストン12により上
下の液室11a,11bに画成され、この液室11a,
11bは後述の筒形バルブ14,ピストンロッド下端1
2A′間で形成される可変オリフィス15(15a,1
5b)及びピストンロッド12A内部及びロッド12A
に設けた孔16を介して通じており、オイルが流通する
ようにしてある。
下の液室11a,11bに画成され、この液室11a,
11bは後述の筒形バルブ14,ピストンロッド下端1
2A′間で形成される可変オリフィス15(15a,1
5b)及びピストンロッド12A内部及びロッド12A
に設けた孔16を介して通じており、オイルが流通する
ようにしてある。
【0044】シリンダ11の上方外部(車体側)には、
ピストンロッド12A上端に位置するステップモータ4
が設けてあり、ステップモータ4の出力軸と結合された
コントロールロッド17がピストンロッド12A内部に
挿入してあり、このコントロールロッド17の下端に筒
形バルブ14が結合してある。
ピストンロッド12A上端に位置するステップモータ4
が設けてあり、ステップモータ4の出力軸と結合された
コントロールロッド17がピストンロッド12A内部に
挿入してあり、このコントロールロッド17の下端に筒
形バルブ14が結合してある。
【0045】筒形バルブ14は、下部液室11bに位置
するピストンロッド下端12A′の内周に回転可能にセ
ットされ、ステップモータ4の動力により回転する。こ
のバルブ14の回転によりオリフィス15の開孔面積
(オリフィス15a,15bの相対開孔面積)が変化す
る。
するピストンロッド下端12A′の内周に回転可能にセ
ットされ、ステップモータ4の動力により回転する。こ
のバルブ14の回転によりオリフィス15の開孔面積
(オリフィス15a,15bの相対開孔面積)が変化す
る。
【0046】ピストン12及びピストンロッド12A
は、上記オリフィス15を介して液室11a,11b間
でオイルを流通させることでシリンダ11との相対移動
を保証し、このオリフィス15を通るオイルの流通抵抗
により減衰特性が決定され、また、オリフィス15の開
孔面積を変えることで減衰力が可変となる。このこと
で、車体1と車輪2との運動、言い換えると、路面から
伝わる力を決定している。すなわち、ステップモータ
4,コントロールロッド17,可変オリフィス付きバル
ブ14及びピストンロッド下端12A′により減衰力切
替機構(シャッタ機構)13が構成される。
は、上記オリフィス15を介して液室11a,11b間
でオイルを流通させることでシリンダ11との相対移動
を保証し、このオリフィス15を通るオイルの流通抵抗
により減衰特性が決定され、また、オリフィス15の開
孔面積を変えることで減衰力が可変となる。このこと
で、車体1と車輪2との運動、言い換えると、路面から
伝わる力を決定している。すなわち、ステップモータ
4,コントロールロッド17,可変オリフィス付きバル
ブ14及びピストンロッド下端12A′により減衰力切
替機構(シャッタ機構)13が構成される。
【0047】可変オリフィス15の開度は、バルブ13
換言すればステップモータ4の回転角に対して連続的な
開度特性を持つが、バルブ13の回転はステップモータ
4の回転に束縛されているため段階的(ステップ回転)
であり、したがってオリフィス15の開度ひいては減衰
力特性は段階的に切り替えられる。ただし、本実施例で
は、ショックアブソーバ3のピストンスピードが大きな
時に急激な減衰力特性の切り替えを行うと、切替ショッ
クが大きくなって、振動及びそれに伴う音が発生し、運
転者に不快感を与えるので、この対応策として、次のよ
うな配慮がなされている。
換言すればステップモータ4の回転角に対して連続的な
開度特性を持つが、バルブ13の回転はステップモータ
4の回転に束縛されているため段階的(ステップ回転)
であり、したがってオリフィス15の開度ひいては減衰
力特性は段階的に切り替えられる。ただし、本実施例で
は、ショックアブソーバ3のピストンスピードが大きな
時に急激な減衰力特性の切り替えを行うと、切替ショッ
クが大きくなって、振動及びそれに伴う音が発生し、運
転者に不快感を与えるので、この対応策として、次のよ
うな配慮がなされている。
【0048】すなわち、切替ショックが生じるので、減
衰力切替過渡時の初期の段階で生じる(図6(a)の破
線部)ので、この初期段階に相当する1ステップ角内
(あるいは1ステップ角を超える範囲)で減衰力切替速
度が一定速度を超えないよう低速に制限すれば、切替シ
ョックを緩和させることができる。そのため、減衰力切
替過渡時の始めから途中位置までは、ステップモータに
供給する電流をオン/オフ制御(ステップ駆動制御)と
せず、一定速度を超えないような角速度制限を行う電流
制御を行う。この電流制御は、制御ユニット5により実
行される。
衰力切替過渡時の初期の段階で生じる(図6(a)の破
線部)ので、この初期段階に相当する1ステップ角内
(あるいは1ステップ角を超える範囲)で減衰力切替速
度が一定速度を超えないよう低速に制限すれば、切替シ
ョックを緩和させることができる。そのため、減衰力切
替過渡時の始めから途中位置までは、ステップモータに
供給する電流をオン/オフ制御(ステップ駆動制御)と
せず、一定速度を超えないような角速度制限を行う電流
制御を行う。この電流制御は、制御ユニット5により実
行される。
【0049】ここで、減衰力切替時の速度制限に用いる
ステップモータ電流制御の原理について説明する。
ステップモータ電流制御の原理について説明する。
【0050】ステップモータ4は、例えば図11,図1
2に示す如く2相(A相,B相)励磁式を用いると、そ
の発生トルクTは、
2に示す如く2相(A相,B相)励磁式を用いると、そ
の発生トルクTは、
【0051】
【数1】 Ia=I0sinθ …(数1) Ib=I0sin(θ+90°) …(数2) I0 :電流の最大値 θ :モータの回転角 Ia:A相の電流 Ib:B相の電流 の電流を供給した場合、
【0052】
【数2】 T=lr〔IaB0sinθ+IbB0sin(θ+90°)〕 =B0I01r …(数3) B0 :磁束密度の最大値 l :ロータ長 r :ロータ径 となり、発生トルクTは電流の最大値I0 を変化させる
ことで、調整することが可能となる。
ことで、調整することが可能となる。
【0053】通常、ステップモータへの供給電流は、そ
の利便性から、オン/オフの供給形態をとり、上式のよ
うに、回転位置に対しての連続的な電流供給は行わな
い。
の利便性から、オン/オフの供給形態をとり、上式のよ
うに、回転位置に対しての連続的な電流供給は行わな
い。
【0054】しかし、オン/オフの電流供給だけでは、
モータの発生トルクは、図12のa,b,c,d点で示
す如く与えられ、1ステップ角内では図6(a)の破線
で示す如く線形なものとはならず、回転角位置の微妙な
調整には不向きである。そこで、本実施例では、(数
1),(数2)式のように電流を調整し、制御要素をI0
として、モータの回転速度(角速度)を制御する。この
ことは、ステップ角内で、回転位置に対応してモータ電
流を制御することで、マグネット(ロータ)が発生する
磁界、1相の電流が発生する磁界、他の1相の電流が発
生する磁界の強さが互いに釣り合う点(図12の円周上
P)でロータを静止させることが可能なため、ステップ
角内での細かな位置制御を連続的に行うことが可能とな
り、ステップ角内の回転速度制御が可能になる。また、
図11(b)のようにサイン波形,コサイン波形のモー
タ電流を供給することで、回転速度を一定にでき、且つ
モータ電流値I0 の調整によりステップ角内での角速度
制御が可能となる。
モータの発生トルクは、図12のa,b,c,d点で示
す如く与えられ、1ステップ角内では図6(a)の破線
で示す如く線形なものとはならず、回転角位置の微妙な
調整には不向きである。そこで、本実施例では、(数
1),(数2)式のように電流を調整し、制御要素をI0
として、モータの回転速度(角速度)を制御する。この
ことは、ステップ角内で、回転位置に対応してモータ電
流を制御することで、マグネット(ロータ)が発生する
磁界、1相の電流が発生する磁界、他の1相の電流が発
生する磁界の強さが互いに釣り合う点(図12の円周上
P)でロータを静止させることが可能なため、ステップ
角内での細かな位置制御を連続的に行うことが可能とな
り、ステップ角内の回転速度制御が可能になる。また、
図11(b)のようにサイン波形,コサイン波形のモー
タ電流を供給することで、回転速度を一定にでき、且つ
モータ電流値I0 の調整によりステップ角内での角速度
制御が可能となる。
【0055】以上のようなステップ角内(切替過渡時初
期段階)でのステップモータ回転速度を制限(回転位置
の連続的な位置制御)するため、低速モードを設定し、
制御ユニット5が上記のステップモータの電流制御を行
う。図5は制御ユニット5の制御要素を示すブロック
図、図6はその制御内容(減衰力特性の切り替え)のタ
イムチャートである。
期段階)でのステップモータ回転速度を制限(回転位置
の連続的な位置制御)するため、低速モードを設定し、
制御ユニット5が上記のステップモータの電流制御を行
う。図5は制御ユニット5の制御要素を示すブロック
図、図6はその制御内容(減衰力特性の切り替え)のタ
イムチャートである。
【0056】図5及び図6において、位置指令値θt
は、減衰力特性の切り替えるためのステップモータ回転
位置(減衰力切替位置)に相当する信号で、マイクロコ
ンピュータ7より出力される。
は、減衰力特性の切り替えるためのステップモータ回転
位置(減衰力切替位置)に相当する信号で、マイクロコ
ンピュータ7より出力される。
【0057】指令位置θtの一次進み要素51(不完全
微分)の出力θt′は、ステップモータによる減衰力切
替速度制限(低速モード)を行う機会を設定するための
信号で、図6に示すようにθt′が所定の値以上である
時は、減衰力切替過渡時の初期の段階で、この初期時
に、ステップモータの実位置θの角速度θ′が設定速度
θsを超えないように、A相電流Ia,B相電流Ibを
制御する。それ以外のときには、モータの角速度に制限
を設けず(電流の制限を設けず)A相,B相の電流をス
テップ状に切り替える。なお、図6において、符号の
は、指定位置θtに至るまでのそれぞれステップ角
を示し、本実施例では、3ステップ角が指令値θtに相
当し、このうちのステップ角内の途中まで角速度制御
(減衰力切替速度制限)のための電流制御を行ってい
る。
微分)の出力θt′は、ステップモータによる減衰力切
替速度制限(低速モード)を行う機会を設定するための
信号で、図6に示すようにθt′が所定の値以上である
時は、減衰力切替過渡時の初期の段階で、この初期時
に、ステップモータの実位置θの角速度θ′が設定速度
θsを超えないように、A相電流Ia,B相電流Ibを
制御する。それ以外のときには、モータの角速度に制限
を設けず(電流の制限を設けず)A相,B相の電流をス
テップ状に切り替える。なお、図6において、符号の
は、指定位置θtに至るまでのそれぞれステップ角
を示し、本実施例では、3ステップ角が指令値θtに相
当し、このうちのステップ角内の途中まで角速度制御
(減衰力切替速度制限)のための電流制御を行ってい
る。
【0058】上記の電流制御は、図5の要素を用いると
次のように行われる。すなわち、θt′が所定値以上の
時には、スイッチSW1,SW2が処理要素54,56
を選択して、モータ電流Ia,Ibを処理要素54,56
の出力から求める。θt′が所定値以下の時には処理要
素52から求める。
次のように行われる。すなわち、θt′が所定値以上の
時には、スイッチSW1,SW2が処理要素54,56
を選択して、モータ電流Ia,Ibを処理要素54,56
の出力から求める。θt′が所定値以下の時には処理要
素52から求める。
【0059】すなわち、θt′が所定値以上の場合(角
速度制限時)には、まず実位置θの微分値(角速度)
θ′を求め、これと設定速度θsとの差を取り、その差
に従い、所定のゲインK53,55を掛け合わせて、
(数4),(数5)式によりモータ電流値Ia,Ibを求
める。
速度制限時)には、まず実位置θの微分値(角速度)
θ′を求め、これと設定速度θsとの差を取り、その差
に従い、所定のゲインK53,55を掛け合わせて、
(数4),(数5)式によりモータ電流値Ia,Ibを求
める。
【0060】
【数3】 Ia=j×θs×K×sinθ …(数4) Ib=j×θs×K×sin(θ+90°) …(数5) ここで、jは指令位置θtと実位置θとの差による符号
で±1を示し、ステップモータの回転方向(電流方向)
を意味する。
で±1を示し、ステップモータの回転方向(電流方向)
を意味する。
【0061】上記式で示された電流Ia及びIbは、図
6に示すように切替過渡時の初期にA相,B相に供給さ
れる。このことで、ステップモータ4の角速度は指令速
度(速度制限値)θsとなるように制御される。この指
令速度θsは、減衰力切替時に生じる切替ショックを緩
和できる値に設定してある。それ以外においては、速度
制限が解除されて、A相/B相のステップ状に変化する
電流制御により指令位置θtまでステップ駆動がなされ
る。このような指令位置までの一連の制御は、車体の走
行状況に応じて繰り返し行われる。
6に示すように切替過渡時の初期にA相,B相に供給さ
れる。このことで、ステップモータ4の角速度は指令速
度(速度制限値)θsとなるように制御される。この指
令速度θsは、減衰力切替時に生じる切替ショックを緩
和できる値に設定してある。それ以外においては、速度
制限が解除されて、A相/B相のステップ状に変化する
電流制御により指令位置θtまでステップ駆動がなされ
る。このような指令位置までの一連の制御は、車体の走
行状況に応じて繰り返し行われる。
【0062】このように、減衰力切替過渡時の初期のス
テップモータ回転速度を制限することで、ショックアブ
ソーバのピストンロッドが動いている時に減衰力を切り
替える時においても、減衰力が急激に変わることを防止
し、切替ショックを抑えることができる。このことで、
切替時に発生する異音,振動を回避することが可能とな
り、また、このステップモータの速度制限は必要最少限
で行うので、減衰力切替の応答性も良好に保つことがで
きる。
テップモータ回転速度を制限することで、ショックアブ
ソーバのピストンロッドが動いている時に減衰力を切り
替える時においても、減衰力が急激に変わることを防止
し、切替ショックを抑えることができる。このことで、
切替時に発生する異音,振動を回避することが可能とな
り、また、このステップモータの速度制限は必要最少限
で行うので、減衰力切替の応答性も良好に保つことがで
きる。
【0063】なお、上記実施例では、ステップモータの
実位置θを検出し、且つ、設定速度θsと実速度θ′を
比較して速度制限のための閉ループを制御を行うが、そ
の他の実施例として、実位置θの検出を省略して、図6
に示したようなIa,Ibの電流制御パターンを予め設
定して、減衰力切替過渡時の速度制限をすることも可能
である。
実位置θを検出し、且つ、設定速度θsと実速度θ′を
比較して速度制限のための閉ループを制御を行うが、そ
の他の実施例として、実位置θの検出を省略して、図6
に示したようなIa,Ibの電流制御パターンを予め設
定して、減衰力切替過渡時の速度制限をすることも可能
である。
【0064】すなわち、前実施例からも明らかなよう
に、減衰力切替のためのステップモータの位置(指令位
置)はステップ角を基に決定されるので、この位置を減
衰力切替速度制限解除後になされるA相,B相へのステ
ップ動作電流の供給の段階で容易に認識し記憶できる。
従って、ある減衰力切替後に相当する位置から次の指令
位置(別の段に相当する位置)までステップモータを回
転させる場合においても、常に、その切替速度制限を行
う始点の位置θを前記の予め認識,記憶された位置(ス
テップモータ回転角)に固定でき、θの時の経過ととも
に次第に増大していけば、上記(数4),(数5)式の電
流値Ia,Ibを得ることができる。例えば、減衰力特
性の切替段がステップモータ回転角の0°,90°,1
80°,270°に相当するならば、切替速度制限(切
替過渡時の初期)θの始点は常に0°,90°,180
°,270°のいずれかの値に固定される。
に、減衰力切替のためのステップモータの位置(指令位
置)はステップ角を基に決定されるので、この位置を減
衰力切替速度制限解除後になされるA相,B相へのステ
ップ動作電流の供給の段階で容易に認識し記憶できる。
従って、ある減衰力切替後に相当する位置から次の指令
位置(別の段に相当する位置)までステップモータを回
転させる場合においても、常に、その切替速度制限を行
う始点の位置θを前記の予め認識,記憶された位置(ス
テップモータ回転角)に固定でき、θの時の経過ととも
に次第に増大していけば、上記(数4),(数5)式の電
流値Ia,Ibを得ることができる。例えば、減衰力特
性の切替段がステップモータ回転角の0°,90°,1
80°,270°に相当するならば、切替速度制限(切
替過渡時の初期)θの始点は常に0°,90°,180
°,270°のいずれかの値に固定される。
【0065】そして、上記の切替速度制限値を一定(速
度を一定)にするため、サイン波形,コサイン波形の電
流を用いるならば、(数4),(数5)式は実位置θの関
数に代えて時間の関数αtを用いて、
度を一定)にするため、サイン波形,コサイン波形の電
流を用いるならば、(数4),(数5)式は実位置θの関
数に代えて時間の関数αtを用いて、
【0066】
【数4】 Ia=j×θs×K×sin(αt) …(数6) Ib=j×θs×K×sin(αt+90°) …(数7) と表わすことができる。このことは、切替速度制限のた
めのモータ電流を時間に対して一定のパターンで供給す
ることを示しており、結果として、θの検出が不要であ
ることを意味する。
めのモータ電流を時間に対して一定のパターンで供給す
ることを示しており、結果として、θの検出が不要であ
ることを意味する。
【0067】つまり、減衰力切替過渡時においては、一
定のパターンで電流を供給することでも、切替速度の制
限が可能となり、減衰力の切替ショックを低減すること
ができる。
定のパターンで電流を供給することでも、切替速度の制
限が可能となり、減衰力の切替ショックを低減すること
ができる。
【0068】本実施例においても、前の実施例と同様の
効果が得られる。また、回転角度位置の検出が不要とな
るため、安価なショック低減装置を実現することができ
る。図7において連続可変減衰力制御を行った場合の路
面形状,バネ上の変化(運転者の感じる変位)、その速
度,加速度を示している。マイクロコンピュータの演習
では、このバネ上の加速度をGセンサによって検出し、
この信号を基に、バネ上とバネ下との相対速度とバネ上
の速度との比率を一定とするように可変減衰力ショック
アブソーバの減衰力を切り替える。
効果が得られる。また、回転角度位置の検出が不要とな
るため、安価なショック低減装置を実現することができ
る。図7において連続可変減衰力制御を行った場合の路
面形状,バネ上の変化(運転者の感じる変位)、その速
度,加速度を示している。マイクロコンピュータの演習
では、このバネ上の加速度をGセンサによって検出し、
この信号を基に、バネ上とバネ下との相対速度とバネ上
の速度との比率を一定とするように可変減衰力ショック
アブソーバの減衰力を切り替える。
【0069】すなわち、図8において、処理81でGセ
ンサの電圧を取り込み、処理82で(数8)式を算出し
これをバネ上,バネ下の相対速度とする。
ンサの電圧を取り込み、処理82で(数8)式を算出し
これをバネ上,バネ下の相対速度とする。
【0070】
【数5】
【0071】処理83では、処理81で得た信号を積分
しバネ上の速度とする。処理84では、処理82,83
で得たバネ上/相対速度の比率をとり、減衰力係数を決
定する。この係数がC1以下の時には減衰力の下限値、
C2以上の時には上限値を設置する。処理85では現時
点のショックアブソーバの位置との差を求め、その差が
0ならば処理86でTIMERの値をゼロにする。処理
87ではその差がゼロ以外ではTIMERの値をインク
リメントを行う。また、その差が1ステップ角以内なら
ば、処理90で現位置がa,b,c,d位置を判定し、
a位置ならばTIMERの値に応じてA相の値を1から
−1までの値を選択する(図9)。ΔQ値が所定値以上
ならばa,b,c,d位置に応じた値を選択する(図1
0)。
しバネ上の速度とする。処理84では、処理82,83
で得たバネ上/相対速度の比率をとり、減衰力係数を決
定する。この係数がC1以下の時には減衰力の下限値、
C2以上の時には上限値を設置する。処理85では現時
点のショックアブソーバの位置との差を求め、その差が
0ならば処理86でTIMERの値をゼロにする。処理
87ではその差がゼロ以外ではTIMERの値をインク
リメントを行う。また、その差が1ステップ角以内なら
ば、処理90で現位置がa,b,c,d位置を判定し、
a位置ならばTIMERの値に応じてA相の値を1から
−1までの値を選択する(図9)。ΔQ値が所定値以上
ならばa,b,c,d位置に応じた値を選択する(図1
0)。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、減衰力切替時のショッ
クを小さくし、切替時に生ずる振動、それに伴う音の発
生を低減することができ、しかも切り替えの応答性も良
好に保証することができる。
クを小さくし、切替時に生ずる振動、それに伴う音の発
生を低減することができ、しかも切り替えの応答性も良
好に保証することができる。
【図1】本発明の一実施例に係る減衰力可変ショックア
ブソーバの断面図。
ブソーバの断面図。
【図2】ショックアブソーバの制御システムの自動車へ
の搭載状態を示す図。
の搭載状態を示す図。
【図3】ショックアブソーバの制御ブロック図。
【図4】図3におけるモータ電流制御回路の説明図。
【図5】上記実施例の減衰力特性切替制御系の要素を示
すブロック図。
すブロック図。
【図6】上記減衰力切替制御系の動作状態を示すタイム
チャート。
チャート。
【図7】本発明の課題を説明する為の特性図。
【図8】Gセンサの出力に基づくショックアブソーバの
制御フローチャート。
制御フローチャート。
【図9】ステップモータの制御フローチャート(1)。
【図10】ステップモータの制御フローチャート
(2)。
(2)。
【図11】ステップモータの制御特性比較図。
【図12】ステップモータの制御特性説明図。
3(3a〜3d)…ショックアブソーバ、4(4a〜4
d)…ステップモータ、5…制御ユニット、6(6a〜
6d)…加速度センサ、11…シリンダ、11a,11
b…液室、12…ピストン、12A…ピストンロッド、
13…減衰力切替機構、14…オリフィス付きバルブ、
15(15a,15b)…可変オリフィス、17…コン
トロールロッド。
d)…ステップモータ、5…制御ユニット、6(6a〜
6d)…加速度センサ、11…シリンダ、11a,11
b…液室、12…ピストン、12A…ピストンロッド、
13…減衰力切替機構、14…オリフィス付きバルブ、
15(15a,15b)…可変オリフィス、17…コン
トロールロッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田嶋 文男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 憲治 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 武藤 誠 茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番地 3 日立オートモティブエンジニアリング 株式会社内 (54)【発明の名称】 振動減衰装置、減衰力可変型振動減衰機構、自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ、振動減 衰装置を備えた移動体、減衰力可変ショックアブソーバそれらに用いるステップモータの制御装 置及び制御方法
Claims (28)
- 【請求項1】振動伝播経路に配置され、そこを通って伝
播する振動を減衰する減衰機構において、周波数や振幅
に代表される前記振動の特徴に応じてその減衰特性を所
定の特性から別の特性に切替えるに際し、その過渡時の
応答特性を任意の特性に制御する過渡応答特性制御手段
を設けたことを特徴とする振動減衰機構。 - 【請求項2】振動伝播経路に配置され、そこを通って伝
播する振動を減衰する減衰機構において、前記振動の減
衰特性の所定の特性から別の特性に切替え制御するに際
し、その過渡応答時の応答特性の少なくとも一部が1次
関数的に制御される振動減衰機構。 - 【請求項3】作動液体を収納するシリンダと、シリンダ
内に配置されたピストンとを備え、このピストンにより
区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を流
通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で移
動させて前記シリンダに係合する部材と前記ピストンに
係合する部材との間を伝播する振動を減衰する振動減衰
機構であって、前記作動流体の流通路の流通抵抗を変化
させて前記ピストンの移動速度を制御し、もって前記振
動の減衰特性を制御する減衰力可変型の振動減衰機構に
おいて、周波数や振幅に代表される前記振動の特徴に応
じて前記流通抵抗の変化率が予め定めた所定のパターン
になる様フィードバック制御する制御手段を設けたこと
を特徴とする減衰力可変型の振動減衰機構。 - 【請求項4】作動液体を収納するシリンダと、シリンダ
内に配置されたピストンとを備え、このピストンにより
区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を流
通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で移
動させて前記シリンダに係合する部材と前記ピストンに
係合する部材との間を伝播する振動を減衰する振動減衰
機構であって、前記作動流体の流通路の流通抵抗を変化
させて前記ピストンで区画された液室間の圧力差を制御
しもって前記ピストンの移動速度を制御して前記振動の
減衰特性を制御する減衰力可変型の振動減衰機構におい
て、周波数や振幅に代表される前記振動の特徴に応じて
前記圧力差の変化が所定値以上にならないように圧力差
の変化率を制御する制御手段を設けたことを特徴とする
減衰力可変型の振動減衰機構。 - 【請求項5】作動液体を収納するシリンダと、シリンダ
内に配置されたピストンとを備え、このピストンにより
区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を流
通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で移
動させて前記シリンダに係合する部材と前記ピストンに
係合する部材との間を伝播する振動を減衰する振動減衰
機構であって、前記作動流体の流通路の流通抵抗を変化
させて前記ピストンで区画された液室間の圧力差を制御
し、もって前記ピストンの移動速度を制御して前記振動
の減衰特性を制御する減衰力可変型の振動減衰機構にお
いて、前記作動流体の流通路の流通抵抗を変化させて前
記振動の減衰特性を所定の特性から別の特性に切替え制
御するに際し、前記液室間の圧力差の変化が制限された
所定の範囲内に維持されるように前記作動流体の流通路
の流通抵抗を制御する制御手段を設けたことを特徴とす
る減衰力可変型の振動減衰機構。 - 【請求項6】作動液体を収納するシリンダと、シリンダ
内に配置されたピストンとを備え、このピストンにより
区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を流
通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で移
動させて前記シリンダに係合する部材と前記ピストンに
係合する部材との間を伝播する振動を減衰する振動減衰
機構であって、前記作動流体の流通路の流通抵抗を前記
作動流体の流通路に設けたオリフィスの開口面積を変化
させ、もって前記ピストンの移動速度を制御して前記振
動の減衰特性を制御する減衰力可変型の振動減衰機構に
おいて、1ステップ角の間でマイクロステップ動作する
ステップモータで前記オリフィスを駆動することを特徴
とする減衰力可変型の振動減衰機構。 - 【請求項7】作動液体を収納するシリンダと、シリンダ
内に配置されたピストンとを備え、このピストンにより
区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を流
通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で移
動させて車輪から車体に伝達される振動を減衰する自動
車のショックアブソーバであって、前記作動流体の流通
路の流通抵抗を変化させて前記ピストンの移動速度を制
御し、もって前記振動の減衰特性を制御する自動車の減
衰力可変型ショックアブソーバにおいて、前記減衰力特
性が振動の特徴若しくは自動車の運転状態のいずれかに
応じて予め定めた所定の特性パターンに沿って切替制御
される際、その応答特性が調整される自動車の減衰力可
変型ショックアブソーバ。 - 【請求項8】作動液体を収納するシリンダと、シリンダ
内に配置されたピストンとを備え、このピストンにより
区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を流
通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で移
動させて車輪から車体に伝達される振動を減衰する自動
車のショックアブソーバであって、前記作動流体の流通
路の流通抵抗を変化させて前記ピストンの移動速度を制
御し、もって前記振動の減衰特性を制御する自動車の減
衰力可変型ショックアブソーバにおいて、前記作動流体
の流通路の流通抵抗が振動の特徴若しくは自動車の運転
状態のいずれかに応じて予め定めた所定の特性パターン
に沿って切替制御される際に、その応答特性が調整され
る自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ。 - 【請求項9】作動液体を収納するシリンダと、シリンダ
内に配置されたピストンとを備え、このピストンにより
区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を流
通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で移
動させて車輪から車体に伝達される振動を減衰する自動
車のショックアブソーバであって、前記作動流体の流通
路の流通抵抗を変化させて前記ピストンの移動速度を制
御し、もって前記振動の減衰特性を制御する自動車の減
衰力可変型ショックアブソーバにおいて、前記流通抵抗
を変化させて前記振動の減衰特性を所定の特性から別の
特性に切替え制御するに際し、前記流通抵抗の変化が所
定量以上にならないように変化率を制限しながら前記流
通抵抗を制御する制御手段を設けたことを特徴とする自
動車の減衰力可変型ショックアブソーバ。 - 【請求項10】作動液体を収納するシリンダと、シリン
ダ内に配置されたピストンとを備え、このピストンによ
り区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を
流通させ、これによって前記ピストンを前記シリンダ内
で移動させて車輪から車体に伝達される振動を減衰する
自動車のショックアブソーバであって、前記作動流体の
流通路に設けたオリフィスの開口面積を変化させて前記
ピストンの移動速度を制御し、もって前記振動の減衰特
性を制御する自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ
において、前記オリフィスの開口面積の変化速度を制御
する制御手段を設けたことを特徴とする自動車の減衰力
可変型ショックアブソーバ。 - 【請求項11】作動液体を収納するシリンダと、シリン
ダ内に配置されたピストンとを備え、このピストンによ
り区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を
流通させ、これによって前記ピストンを前記シリンダ内
で移動させて車輪から車体に伝達される振動を減衰する
自動車のショックアブソーバであって、前記作動流体の
流通路に設けたオリフィスの開口面積を変化させて前記
ピストンの移動速度を制御し、もって前記振動の減衰特
性を制御する自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ
において、前記オリフィスの開口面積を予め定めた所定
の開度特性で制御する制御手段を設けたことを特徴とす
る自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ。 - 【請求項12】作動液体を収納するシリンダと、シリン
ダ内に配置されたピストンとを備え、このピストンによ
り区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を
流通させ、これによって前記ピストンを前記シリンダ内
で移動させて車輪から車体に伝達される振動を減衰する
ショックアブソーバであって、前記作動流体の流通路に
設けたオリフィスとバルブの相対位置を電磁ソレノイド
の駆動力で制御して前記オリフィスの開口面積を変化さ
せ、もって前記ピストンの移動速度を制御して前記振動
の減衰特性を制御する自動車の減衰力可変型ショックア
ブソーバにおいて、前記オリフィスの開口面積が現在の
開口面積から所定の目標開口面積まで変化する際、前記
ピストンの移動速度が過渡時の所定期間、1次関数的に
変化するよう前記オリフィスの開口面積を変化させるべ
く前記電磁ソレノイドに供給される電流を制御する電流
制御手段を設けたことを特徴とする自動車の減衰力可変
型ショックアブソーバ。 - 【請求項13】作動液体を収納するシリンダと、シリン
ダ内に配置されたピストンとを備え、このピストンによ
り区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を
流通させ、これによって前記ピストンを前記シリンダ内
で移動させて車輪から車体に伝達される振動を減衰する
ものであって、前記作動流体の流通路に設けたオリフィ
スとバルブの相対位置を電磁ソレノイドの駆動力で制御
して前記オリフィスの開口面積を変化させ、もって前記
ピストンの移動速度を制御して前記振動の減衰特性を制
御する自動車用の減衰力可変型ショックアブソーバにお
いて、前記オリフィスの開口面積が現在の開口面積から
所定の目標開口面積まで変化する際、その開口面積変化
が所定値以上にならないように、前記電磁ソレノイドに
供給される電流の変化を制御する電流制御手段を設けた
ことを特徴とする自動車用の減衰力可変型ショックアブ
ソーバ。 - 【請求項14】車輪と、この車輪を介して路面から伝播
する振動を減衰する減衰機構と、この減衰機構を介して
前記車輪に支持されている車体とからなる移動体におい
て、周波数や振幅に代表される前記振動の特徴に応じて
前記減衰機構の振動減衰特性を所定の特性から別の特性
に切替える際の過渡時の応答特性が制御できる様に構成
された移動体。 - 【請求項15】車輪と、この車輪を介して路面から伝播
する振動を減衰する減衰機構と、この減衰機構を介して
前記車輪に支持されている車体とからなる移動体におい
て、この移動体の走行状態に応じて前記減衰機構の振動
減衰特性の切替り応答特性が制御できる様に構成された
移動体。 - 【請求項16】作動液体が収納されたシリンダ内で移動
するピストンの移動速度を制御して前記シリンダに係合
する部材と前記ピストンに係合する部材との間を伝播す
る振動を減衰する振動減衰機構に用いられ、前記作動流
体の流通路に設けたオリフィスの開口面積を変化させる
オリフィス駆動用のステップモータの制御装置におい
て、このステップモータの回転トルクを発生するための
2相の巻線に流れる電流の方向を切替ると共に1ステッ
プ角内のその電流値を予め定めた所定のパターンに沿っ
て制御することを特徴とする振動減衰機構に用いられる
ステップモータの制御装置。 - 【請求項17】請求項16に記載されたステップモータ
において、前記電流値はPWM制御装置によってそのデ
ューティが制御されることを特徴とする振動減衰機構に
用いられるステップモータの制御装置。 - 【請求項18】作動液体が収納されたシリンダ内で移動
するピストンの移動速度を制御して前記シリンダに係合
する部材との前記ピストンに係合する部材との間を伝播
する振動を減衰する振動減衰機構に用いられ、前記作動
流体の流通路に設けたオリフィスの開口面積を変化させ
るオリフィス駆動用のステップモータの制御方法におい
て、1ステップ角の切替り初期の所定期間マイクロステ
ップ動作させることを特徴とする振動減衰機構に用いら
れるステップモータの制御方法。 - 【請求項19】ステップモータの動力により減衰力切替
機構を作動させて、減衰力特性を2段以上に切り替える
ショックアブソーバにおいて、 前記ステップモータの電流を制御して前記減衰力特性の
切替過渡時の切替速度を制御する減衰力切替速度制御手
段を備えたことを特徴とする減衰力可変ショックアブソ
ーバ。 - 【請求項20】作動液体を収納するシリンダと、シリン
ダ内に液密状態で挿入されたピストンとを備え、このピ
ストンにより画成されたシリンダ内の液室間でピストン
移動時に作動液体を流通させ、この作動液体の流通抵抗
により減衰力を発生させるショックアブソーバにおい
て、 作動液体流通用のオリフィスの開孔面積をステップモー
タの動力で変化させて減衰力特性を2段以上に切り替え
る減衰力切替機構と、前記ステップモータの電流を制御
して前記減衰力特性の切替過渡時の切替速度を制御する
減衰力切替速度制御手段とを備えたことを特徴とするシ
ョックアブソーバ。 - 【請求項21】請求項19又は請求項20のいずれかに
おいて、前記切替速度制御手段は、前記減衰力特性の切
替過渡時の始めから途中位置まで、減衰力切替過渡時の
角速度(減衰力切替速度)制限をステップモータ電流制
御により行い、それ以外は、角速度制限を解除してステ
ップモータの各相にステップ駆動に必要な電流を供給す
るように設定してあることを特徴とする減衰力可変ショ
ックアブソーバ。 - 【請求項22】請求項19ないし請求項21のいずれか
1項において、前記切替速度制御手段は、前記減衰力特
性の切替過渡時の始めから途中位置まで、ステップモー
タ電流をモータ回転位置を検出しながら閉ループ制御す
ることにより減衰力切替過渡時の角速度(減衰力切替速
度)制限を行う電流制御回路より成ることを特徴とする
減衰力可変ショックアブソーバ。 - 【請求項23】請求項19ないし請求項21のいずれか
1項において、前記切替速度制御手段は、時間に対する
ステップモータ電流制御パターンを予め定めて、この電
流制御パターンにより前記減衰力特性の切替過渡時の角
速度(減衰力切替速度)制限を行う電流制御回路より成
ることを特徴とする減衰力可変ショックアブソーバ。 - 【請求項24】請求項19ないし請求項23のいずれか
1項において、前記切替速度制御手段は、減衰力切替過
渡時の初期にステップモータの各相にサイン波形あるい
はコサイン波形の電流を供給するように設定してあるこ
とを特徴とする減衰力可変ショックアブソーバ。 - 【請求項25】請求項19ないし請求項26のいずれか
1項において、路面の凹凸等に起因して発生する上下方
向の加速度を検出する手段を有し、前記減衰力切替機構
は、この加速度検出信号を基に減衰力特性を切り替える
ことを特徴とする減衰力可変ショックアブソーバ。 - 【請求項26】振動伝播経路に配置され、そこを通って
伝播する振動を減衰する減衰機構であって、その減衰特
性が切替可能に構成されたものにおいて、減衰特性を所
定の特性から別の特性に切り替えるに際し、その過渡応
答特性を制御する制御手段を設けたことを特徴とする減
衰機構。 - 【請求項27】作動液体を収納するシリンダと、シリン
ダ内に配置されたピストンとを備え、このピストンによ
り区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を
流通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で
移動させて前記シリンダに係合する部材と前記ピストン
に係合する部材との間を伝播する振動を減衰する振動減
衰機構であって、前記作動流体の流通路の流通抵抗を前
記作動流体の流通路に設けたオリフィスの開口面積をス
テップモータで変化させ、もって前記ピストンの移動速
度を制御して前記振動の減衰特性を制御する減衰力可変
型の振動減衰機構において、ステップモータの電機子巻
線の相の数で決まるステップ角の1ステップ角の間で任
意の位置に停止するマイクロステップ動作するステップ
モータで前記オリフィスを駆動することを特徴とする減
衰力可変型の振動減衰機構。 - 【請求項28】作動液体を収納するシリンダと、シリン
ダ内に配置されたピストンとを備え、このピストンによ
り区画された前記シリンダ内の液室間で前記作動流体を
流通させこれによって前記ピストンを前記シリンダ内で
移動させて車輪から車体に伝達される振動を減衰する自
動車のショックアブソーバであって、前記作動流体の流
通路の流通抵抗を変化させて前記ピストンの移動速度を
制御し、もって前記振動の減衰特性を制御する自動車の
減衰力可変型ショックアブソーバにおいて、前記減衰力
特性が自動車の運転状態に応じて一つの指令値に基づく
所定の特性から別の指令値に基づく別の特性に切り替え
るにあたって、指令値と指令値との間での過渡応答特性
を制御する制御手段を設けたことを特徴とする自動車の
減衰力可変型ショックアブソーバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18242993A JPH0735186A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 振動減衰装置、減衰力可変型振動減衰機構、自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ、振動減衰装置を備えた移動体、減衰力可変ショックアブソーバそれらに用いるステップモータの制御装置及び制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18242993A JPH0735186A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 振動減衰装置、減衰力可変型振動減衰機構、自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ、振動減衰装置を備えた移動体、減衰力可変ショックアブソーバそれらに用いるステップモータの制御装置及び制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0735186A true JPH0735186A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16118124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18242993A Pending JPH0735186A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 振動減衰装置、減衰力可変型振動減衰機構、自動車の減衰力可変型ショックアブソーバ、振動減衰装置を備えた移動体、減衰力可変ショックアブソーバそれらに用いるステップモータの制御装置及び制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0735186A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021066384A1 (ko) * | 2019-10-02 | 2021-04-08 | 숭실대학교산학협력단 | 유체의 완충 조절이 가능한 댐퍼 |
-
1993
- 1993-07-23 JP JP18242993A patent/JPH0735186A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021066384A1 (ko) * | 2019-10-02 | 2021-04-08 | 숭실대학교산학협력단 | 유체의 완충 조절이 가능한 댐퍼 |
KR20210039662A (ko) * | 2019-10-02 | 2021-04-12 | 숭실대학교산학협력단 | 유체의 완충 조절이 가능한 댐퍼 |
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