JPH0734947A - 内燃機関の燃焼状態診断装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼状態診断装置

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JPH0734947A
JPH0734947A JP17395993A JP17395993A JPH0734947A JP H0734947 A JPH0734947 A JP H0734947A JP 17395993 A JP17395993 A JP 17395993A JP 17395993 A JP17395993 A JP 17395993A JP H0734947 A JPH0734947 A JP H0734947A
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combustion state
combustion
engine
detecting
internal combustion
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JP17395993A
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Kazuya Kono
一也 河野
Toshio Ishii
俊夫 石井
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単かつ安価な手法で、高速回転領域での診断
精度を向上し、正確な内燃機関の燃焼状態診断装置を実
現すること。 【構成】内燃機関の燃焼行程に対応して、所定のクラン
ク角度の間を回転するのに要する所要時間を求め、この
所要時間に基づいて燃焼状態パラメータを計算し、これ
を用いて燃焼状態を判定する手段と、空燃比センサまた
はエンジン振動センサ等の明らかに燃焼異常を検出でき
る手段と、その検出手段の結果を用いて燃焼状態パラメ
ータに含まれる誤差ファクタ、または誤差ファクタによ
る誤判定への影響を補正する手段と、および、またはそ
の補正量を学習する手段とにより、正確に燃焼状態を判
定できる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の失火等の燃
焼の異常を検出する装置に関わり、特に機関失火時の機
関回転速度の変動検出により、燃焼の異常気筒を特定す
る情報の検出誤差の影響を抑制することのできる装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関(以降、エンジンとする)にお
ける異常、例えば失火の発生は、まず未燃焼ガスが排出
されるため大気汚染の原因となる。さらに排気ガスを浄
化することを目的に設けられている触媒等において未燃
焼ガスが燃焼することにより、これらの排気ガス浄化装
置部が異常高温となり性能が低下したりする。これらの
対策のため、例えば失火の発生を検出して運転者に警報
を発したり、失火の発生している気筒に対して燃料の供
給を停止したりする必要がある。失火等の燃焼状態の検
出装置に関する従来技術としては、例えばエンジンの回
転速度の変動から検出する方法,燃焼室内の燃焼圧力,
温度等から検出する方法,点火コイルを流れる電流波形
等から検出する方法等多くの方法があり、公知となって
いる。これらの中で、回転速度変動から検出する方法
は、比較的コストの上昇が少なく、原因によらず(燃料
系,点火系,空気系いずれの異常による燃焼状態の悪化
であっても)燃焼状態の異常を検出できるという特徴が
あり、例えば特公平1−30098号公報や特開平2−112646
号公報等がある。
【0003】また、これらのように回転速度変動から燃
焼状態を検出する方法では、当然の事ながら回転速度に
関する情報を検出する手段の精度により燃焼状態の検出
精度が左右されてしまう。回転速度情報の検出精度の向
上のための技術としては、例えば、特公平3−19500号公
報や特開平3−92565号公報等がある。これらの技術は、
所定のクランク角度の間を回転するのに要する所要時間
を計測するに当り、その所定のクランク角度自身の検出
誤差を低減するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらのよ
うに回転速度変動から燃焼状態を検出する方法において
回転速度に関する情報を検出する手段に要求される精度
を検討するには、正常時と失火時との回転速度の差を考
えて見ればよい。一般的に、エンジンが高回転になる
と、爆発膨張行程にかかる時間が短くなるため失火した
場合の回転速度の落ち込みが回転速度にほぼ反比例して
少なくなるために、正常時と失火時との回転速度の差が
ほとんどなくなってしまう。このため、特に高回転時の
負荷が比較的低い運転領域において燃焼状態を検出しよ
うとすると、高精度の回転速度に関する情報が必要とな
る。しかるに特開平2−112646 号公報では、この点を考
慮しておらず、特に高速回転時には、正確に燃焼状態を
検出できない(あるいは非常に高精度の回転速度検出手
段を必要とする)という問題がある。また、特公平1−3
0098 号公報では、回転速度検出手段の精度を上げるこ
となく同じ回転速度の加速時と減速時(燃料が燃焼する
ことのない減速、すなわち例えば燃料供給停止を伴う減
速等である必要がある。)との運動エネルギー変化の差
を求めることにより、誤差をもたらす多数のファクタ
(特にピストン等作動部材の質質,回転速度測定等の誤
差)を相殺するような構成としている。しかるにこの場
合であっても、次のような問題がある。すなわち、この
方法はエンジンメーカまたはサービス工場でのチェック
方法としては良いが、例えば自動車等に搭載されたエン
ジンを自動的にチェックする所謂自己診断に採用しよう
とすると、運転者の運転パターンの偏りのため、ほとん
どの場合減速時(前述のように例えば燃料供給停止を伴
う減速)のデータは狭い回転速度範囲でしか得られない
という問題である。従って、燃焼状態を判定できる範囲
もその狭い回転速度範囲に限定されてしまう。さらに
は、例えば自動車用エンジンの場合で言うと、トランス
ミッションはどのギアが選択されているか、等の運転状
態の差により前述の誤差をもたらすファクタも異なって
しまうので、その場合は例え同じ回転速度であっても加
速時と減速時との運動エネルギー変化の差を求めても誤
差ファクタを相殺することができない。また、特公平3
−19500号公報や特開平3−92565号公報等のようにクラ
ンク角度の検出誤差を低減しても以下のような問題が残
る。すなわち、特公平3−19500号公報のように失火時の
燃焼室圧力最大時期でクランク角センサの圧縮上死点
(TDC)信号を補正するような場合、補正手段である
圧力最大時期の検出精度自体が、前述のような高速低負
荷時の燃焼状態の検出に必要とされる回転速度情報検出
手段の精度には及ばない。また、特開平3−92565号公報
のように回転速度等から、計測されたクランク角と真の
クランク角との誤差を算出する場合、あらかじめ想定さ
れる分(回路の構成上その他の理由により)の誤差のみ
を考慮しているため、製造上のバラツキ等の誤差を除去
することはできない。
【0005】以上述べたように精度上の問題があるのに
対して、環境保護のため触媒等排気ガス浄化装置がます
ます重要になり、このためより高速回転(失火発生時の
触媒等の損傷は回転速度が高いほど、負荷が高いほど大
きい。)まで燃焼状態を判定する必要が生じている。
【0006】本発明の目的は、回転速度変動からエンジ
ンの燃焼状態を検出する装置において、特定の運転状態
の中で得られた回転速度情報と、空燃比センサまたはエ
ンジン振動センサ等の比較的低コストの手段により得ら
れる内燃機関燃焼異常検出手段による情報を用いて、前
述のような誤差ファクタを含む燃焼状態パラメータ等に
対する補正値を計算し(及び、または学習させ)補正す
ることにより、誤差ファクタの影響を除去し、正確な燃
焼状態検出を行うことのできるエンジンの燃焼状態検出
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、まず、エンジンの燃焼行程に対応して、所定のクラ
ンク角度の間(回転速度計測区間)を回転するのに要す
る所要時間を求め、この所要時間に基づいて燃焼状態パ
ラメータを計算し、これを用いて燃焼状態を判定する手
段と、空燃比センサまたはエンジン振動センサ等の明ら
かに燃焼異常を検出できる手段と、その検出手段の結果
を用いて前記燃焼状態パラメータに含まれる誤差ファク
タ、または誤差ファクタによる誤判定への影響を補正す
る手段と、および、またはその補正量を学習する手段と
により、正確に燃焼状態を判定できる構成とした。
【0008】
【作用】上記の本発明になるエンジンの燃焼状態検出装
置によれば、空燃比センサまたはエンジン振動センサ等
の明らかに燃焼異常を検出できる手段を用いて、燃焼状
態パラメータに含まれる誤差ファクタによる誤診断へ影
響を補正しているので、例えばピストン等作動部材の質
量や回転速度計測区間の幅等をむやみに高精度にするこ
となく、すなわちコストの上昇を抑えつつ、燃焼状態の
検出精度を上げることができ、特に高速回転時における
運転者への警告や例えば失火気筒への燃料供給の中止等
を正確に実行することができるようになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。
【0010】図1は、本発明の一実施例の全体の構成を
示す図である。エンジン1のスタータ用リングギア2の
歯形を電磁式ピックアップで検出するタイプのポジショ
ンセンサ3とクランク軸5の1回転に1回一定のクラン
ク角度位置での信号を得るためにリングギア2に設けた
突起部と電磁式ピックアップを用いたレファレンスセン
サ4、さらに気筒識別用にクランク軸5の2回転に1回
信号を発生するフェイズセンサ6をカム軸7に備えてい
る。上記センサの出力信号は、コントロールユニット8
に入力されクランク角度,回転速度等が測定または計算
される。更に、コントロールユニット8には図示しない
吸入空気流量センサ,水温センサ等の出力が入力され
る。これらの入力情報に基づき、エンジンの点火・燃料
等の制御が行われる。
【0011】一方、エンジン1から排出された排気ガス
は、排気管9を通り空燃比センサ10で空燃比を計測さ
れた後、触媒11で浄化される。失火が発生すると未燃
焼ガスが排気管9に流出し、触媒11などで燃焼するた
めその部分が異常に高温となり触媒11が劣化したり、
未燃焼ガスが大気へ流出し大気を汚染する。また、当然
のことながら、触媒11が劣化すれば失火が発生しなく
なっても、各種有害ガスが浄化されなくなるので大気を
汚染することになる。
【0012】図2は各信号のタイミングを4気筒エンジ
ンの場合について示した図である。6aは前述のように
フェイズセンサ6の図示しない波形成形回路を通した後
の出力でありクランク軸5が2回転する毎に1回出力さ
れ、更に例えば第1気筒の燃焼上死点で出力されるよう
に合わせてある。4aは電磁式ピックアップ4の図示し
ない波形成形回路を通した後の出力でありクランク軸5
が1回転する毎に1回出力され、更に例えば第1気筒の
上死点で出力されるように合わせてある。3aは電磁式
ピックアップ3の図示しない波形成形回路を通した後の
出力であり、リングギア2の歯に対応して一定のクラン
ク角度ごとに出力される。波形12は信号3aのパルス
数のカウント値を示し、6aと4aとのAND信号によ
りリセットされる。このカウント値12により例えば第
1気筒の燃焼上死点を基準としたクランク角度を検出す
ることができる。波形13は回転速度計測区間の1例を
表す信号であり、前述のカウント値12に基づいてほぼ
各気筒の燃焼行程に対応するクランク角度位置に設定さ
れる。図2の例では、点火順が第1,2,3,4気筒と
して対応する回転速度計測区間に気筒番号を付してい
る。この回転速度計測区間を回転するのに要する時間を
測定し、これをTdata(n)(n:気筒番号)とする。
【0013】なお、このTdata(n)を測定する装置,方
法は上記に限定されるものではなく、例えば特願平3−2
39976 号に示すように、各気筒毎に設定した基準クラン
ク角度において前記カウント値12に相当するカウント
値をリセットすることも可能である。
【0014】ところで、エンジンの回転速度は図3(a)
に示すように一定ではなく正常な燃焼状態でもクランク
角度に応じて変動している。この変動は、各燃焼室での
吸気,圧縮,燃焼,排気行程に伴う発生トルクTgの変
動や、ピストン等往復動する質量の慣性力に伴い生じる
トルクTiの変動によるものである。例えば、4気筒エ
ンジンの場合、Tgは図3(b)に示すように変動する。
これは、燃焼室内の圧力とクランク機構のアーム長との
積により決定する曲線である。さらに、Tiが比較的小
さい低速回転時には、このTgの変動によって回転速度
も図3(a)に示すように変動する。例えば失火時には、
爆発によるトルクが発生しないので、Tgおよび回転速
度は図3(a)及び(b)の破線で示すようになる。そこで
燃焼状態パラメータとして例えば次式で示されるDを採
用する。すなわち該当する気筒番号をnとして、 D(n)={N(n)2−N(n−1)2}/2 とする。ここで、N(n)は該当気筒の回転速度である。
この燃焼状態パラメータは、回転運動エネルギーの変化
にほぼ比例する値となっている。より具体的には、まず
各気筒の燃焼上死点を基準に回転速度計測区間の開始位
置をWs(正の値である必要はない。),幅をW(deg)
とし、この回転速度計測区間を回転するのに要する時間
Tdata(s)を計測する。回転速度Nは、 N=60×(W/360)/Tdata(r/min) となり、このNを使ってDを計算すれば良い。さらにD
の式を変形し下式に示すように近似しても同様の結果を
得ることができる。
【0015】 D(n)={Tdata(n)−Tdata(n−1)}/Tdata(n−1)3 但し、Wに関係する係数は省略した。この式を用いた場
合について、以下説明する。この場合、Dは正常時には
ゼロに近い値,失火時には正の値を示す。また、失火に
至らなくとも不完全燃焼が発生している様な場合にはそ
の程度に応じた正の値を示す。なお、失火時に示す値
は、エンジンの負荷が大きい場合ほど大きな値となる。
【0016】図4は6気筒エンジンについて48点火毎
に1回の割合で第1気筒(点火順を第1,2…6気筒と
する。)を失火をさせた場合のエンジン回転速度および
Dの変化を示す図である。この例では、エンジンの平均
回転速度がおよそ2400(r/min)と低速回転である
ため、失火時と正常時とで燃焼状態パラメータDは明確
な差を示している。従って、例えば、正の値のしきい値
を設定しそのしきい値を超えたときに該当する気筒を失
火と判定するなどの燃焼状態判定を行うことが可能であ
る。なお、図4(b)は図4(a)のDの変動の一部を拡大
した図であり、失火した気筒にのみ対応してDが変化し
ている。すなわち、失火気筒の識別も可能であることが
わかる(実際には、Tdataの計測やDの計算に要する遅れ
が存在するが、この図4では位相を合わせて表示してあ
る。)。
【0017】図5は図4と同様の条件でエンジンの平均
回転速度のみを高速にしたものである。低速回転時と比
べ、失火時と正常時とで燃焼状態パラメータDの差がは
っきりとしなくなっていることがわかる。また、失火時
の回転速度の落ちこみは小さく(失火した気筒の次の燃
焼行程までの時間が短くなるため。)、行程内の回転速
度変動は大きく(前述のピストン等往復動する質量の慣
性力に伴い生じるトルクTiが大きくなるため。)なっ
ていることもわかる。高速回転時に失火時と正常時とで
燃焼状態パラメータDの差がはっきりとしなくなる原因
の内、大きな割合を占めるのは、回転速度計測区間の幅
Wの誤差(この実施例では、回転速度計測にクランク軸
に取り付けられたリングギア歯を用いており、このリン
グギア歯間の間隔誤差である。)とピストン等作動部材
の質量の誤差(ピストン等作動部材の質量の誤差は前述
のトルクTiの変動の誤差となり、最終的に回転速度変
動の誤差となる。)である。
【0018】図6は、空燃比センサ(本実施例では、酸
素濃度センサを用いた。)出力の検出による燃焼状態判
定を説明する図である。例えば、エンジン高回転領域の
リッチな空燃比状態下において失火が発生すると、図6
(c)に示すようなリーン方向の出力が得られる。この明
らかに失火の影響と判断できる情報を基に図5に説明し
た前記燃焼状態パラメータDの差がはっきりとしなくな
る原因である回転速度計測区間の幅Wの誤差やピストン
等作動部材の質量の誤差等を補正する。例えば図6(a)
に示すようにパラメータDにS/L(しきい値)を設け
ておきS/L以上の回転変動を検出したときは失火と判
断する。S/Lは誤判定を避けるために充分余裕をもた
せて設定する。次にDmax(回転速度計測区間の幅Wの誤
差やピストン等作動部材の質量の誤差等の補正量の学習
値)は、燃焼正常時のパラメータDの最大値を格納した
もので、このレベル以下では燃焼状態は正常と判定す
る。S/LとDmax の中間レベルにあるパラメータDを
得たときには、空燃比センサ出力の検出による燃焼状態
判定を行う。この時、図6(b)に示すように排気管に設
定された空燃比センサまでの行程遅れを考慮して空燃比
センサ出力を監視する時間設定のためのカウンタを設け
る。カウンタの設定時間は、充分行程遅れを考慮した大
きさとする。ここでは、エンジン負荷の関数とした。こ
の時間内に燃焼異常を判定しないときには、Dmax に今
回のパラメータDを格納して補正量を更新する。これに
より、回転速度計測区間の幅Wの誤差やピストン等作動
部材の質量の誤差等を補正した正確な特定気筒の燃焼状
態異常が検出できるものである。但し、図6(d)に示す
ような所定時間(TLb)以上の連続したリーン方向の
空燃比センサ出力では、エンジン制御系全体の異常に関
わる可能性も有、Dmax の更新の中断、また場合によっ
ては燃焼状態診断を中断する。
【0019】ここでは、気筒特定は難しいにしても、明
らかに失火していると判定するための手段として、空燃
比センサのリーン方向出力の時間計測値を用いて失火判
定を行い、回転角速度による失火判定方式の補正を行う
例を示しているが、空燃比センサに限らず、エンジンの
機体振動検出,機関燃焼の燃焼温度,燃焼圧力,燃焼光
等の出力検出,機関燃焼時におけるイオン電流検出、ま
たは排気ガス温度検出による情報を一つまたは複数用い
て燃焼状態を判断する手段を用いることによっても回転
角速度による失火判定方式の補正を行える。また、これ
らの情報を用いて各手段のセンサ等の相互的な故障診断
を行うことも可能である。
【0020】以下、本発明によるエンジンの燃焼状態検
出装置の構成,動作について具体的に説明する。図7は
本発明の一実施例を示すブロック図である。所要時間計
測手段701は、前述のTdata を計測する手段である。
燃焼状態計算手段702は、燃焼状態パラメータ例えば
前述のD(n)を計算する手段である。なお、気筒番号n
は、例えば図2の説明で記述したカウント値12を利用
して容易に識別することができる。この実施例では燃焼
状態パラメータを補正手段703への入力としている。
【0021】空燃比センサ出力検出手段704は、空燃
比センサ出力をコントロールユニットに取り込み、A/
D変換を行う。次に、図6での説明のようにエンジンの
燃焼状態判定手段705において、エンジンの燃焼状態
情報を補正手段703に出力し、その情報をもとに回転
速度計測区間の幅Wの誤差やピストン等作動部材の質量
の誤差等の補正を行う。この補正後の燃焼状態パラメー
タDを用いて燃焼状態判定手段707において燃焼状態
を判定し、異常があれば報知手段708により、運転者
または整備者等にその情報を報知する。また、必要に応
じて失火気筒への燃料供給の中止等のフェ−ルセーフを
行う。
【0022】図8は、本発明の一実施例を示すフローチ
ャートである。今回の特定気筒の燃焼におけるパラメー
タD0の判定において801パラメータD0>S/L(し
きい値)となり明らかに失火と判定されれば、808燃
焼異常判定処理を行いそのことをドライバまたは整備者
に異常を報知する809。D0<S/L の時は、802の
0>Dmax(回転速度計測区間の幅Wの誤差やピストン
等作動部材の質量の誤差等の補正量)の判定を行う。D
0<Dmaxの時は、燃焼状態正常と判定して終了する。D
0>Dmaxの時は、図6で説明したように、排気管に設定
された空燃比センサまでの行程遅れを考慮したカウンタ
にAFCUNTにデータをセットし803、空燃比センサ出力
による燃焼状態判定を行う804,805,806。次
に、その判定結果にTL(空燃比センサリーン出力時間)
が807KH<TL<KL(KH,KLはリーン出力時間
判定値)ならば空燃比センサ出力に失火による出力が現
れたと判定し、808燃焼異常判定処理を行い(必要に
応じて失火気筒への燃料供給の中止等のフェールセーフ
を行う。)そのことをドライバまたは整備者に異常を報
知する809。807KH<TL<KLでなければ、8
101KL>TLの判断を行い、KL>TLならば、燃
焼は正常であったと判定し今回のD0 を回転速度計測区
間の幅Wの誤差やピストン等作動部材の質量の誤差等に
よる最大誤差量とし、811Dmax=D0として補正量を
更新する。また、クランクシャフトに取り付けられたリ
ングギア歯による角度に対し、機関の気筒位置は固定さ
れており、Dmax をバッテリ等によりバックアップする
補正量の学習効果により診断ロジックのプログラム負荷
低減等の効果が得られる。810KL>TLでなけれ
ば、エンジン制御上の何かしらの異常がある可能性もあ
り、Dmax 補正量の更新を中止するとともに、これに対
する処理812を行う。ここでは、空燃比センサリーン
出力フラグのセットを行い他の診断系に情報を引き渡す
処理を行っている。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、簡単かつ安価な手法
で、内燃機関の高速回転領域での燃焼状態の診断精度を
向上できる。従って、機関の燃焼状態異常を正確に運転
者や整備者へ警告できるとともに、例えば失火気筒への
燃料供給の中止等のフェールセーフをより広い運転領域
で実行することができ、有害排気ガス成分の排出を抑制
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体のシステム図である。
【図2】実施例における各種信号のタイミングを示す図
である。
【図3】回転速度および発生トルク変動の例を示す図で
ある。
【図4】失火発生時の回転速度および燃焼状態パラメー
タの変化の例を示す図である。
【図5】失火発生時の回転速度および燃焼状態パラメー
タの変化の例を示す図である。
【図6】空燃比センサによる燃焼状態判定を説明する図
である。
【図7】本発明の一実施例を説明するブロック図であ
る。
【図8】本発明の一実施例を説明するフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1…エンジン、2…スタータ用リングギア、3…ポジシ
ョンセンサ、3a…ポジションセンサ出力信号、4…レ
ファレンスセンサ、4a…レファレンスセンサ出力信
号、5…クランク軸、6…フェイズセンサ、6a…フェ
イズセンサ出力信号、7…カム軸、8…コントロールユ
ニット、9…排気管、10…空燃比センサ、11…触
媒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 17/12 G01M 15/00 Z 7324−2G

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の燃焼行程に対応して、所定のク
    ランク角度の間を回転するのに要する所要時間を計測す
    る所要時間計測手段、この所要時間から燃焼状態パラメ
    ータを計算する燃焼状態計算手段、この燃焼状態パラメ
    ータの値により燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段よ
    りなる第一の燃焼状態検出手段と、内燃機関の運転状態
    を検出し燃焼状態を判定する第二の燃焼状態検出手段
    と、当該第二の燃焼状態検出手段により前記第一の燃焼
    状態検出手段を補正する補正手段とを設けたことを特徴
    とする内燃機関の燃焼状態診断装置。
  2. 【請求項2】請求項1の内燃機関の燃焼状態診断装置に
    おいて、第二の燃焼状態検出手段により第一の燃焼状態
    検出手段を補正する補正手段の補正量をバックアップR
    AMに記憶する手段を設けたことを特徴とする内燃機関
    の燃焼状態診断装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の内燃機関の燃焼状態検出
    装置において、第二の燃焼状態検出手段により第一の燃
    焼状態検出手段を補正する補正手段は、所定のクランク
    角度の間を回転するのに要する所要時間を計測する所要
    時間計測手段におけるピッチ誤差が与える影響,機関圧
    縮比の変動がクランクシャフトの回転速度に与える影
    響,機関構造上の偏りによる機械摩擦がクランクシャフ
    トの回転速度に与える影響,悪路による機体振動がクラ
    ンクシャフトの回転速度にあたえる影響、または供給燃
    料の偏りによる燃焼変動がクランクシャフトの回転速度
    に与える影響の一つ以上を補正することを目的とした手
    段であることを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1,2又は3の内燃機関の燃焼状態
    検出装置において、第二の燃焼状態検出手段として、機
    関燃焼の空燃比を検出する手段と、この空燃比検出手段
    の出力から燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段とを設
    けたことを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2又は3の内燃機関の燃焼状態
    検出装置において、第二の燃焼状態検出手段として、内
    燃機関機体振動を検出する手段と、この機体振動検出手
    段の出力から燃焼状態パラメータを計算し燃焼状態を判
    定する燃焼状態判定手段とを設けたことを特徴とする内
    燃機関の燃焼状態診断装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2又は3の内燃機関の燃焼状態
    検出装置において、第二の燃焼状態検出手段として、機
    関燃焼の燃焼温度を検出する手段と、この燃焼温度検出
    手段の出力から燃焼状態パラメータを計算し燃焼状態を
    判定する燃焼状態判定手段とを設けたことを特徴とする
    内燃機関の燃焼状態診断装置。
  7. 【請求項7】請求項1,2又は3の内燃機関の燃焼状態
    検出装置において、第二の燃焼状態検出手段として、機
    関燃焼の燃焼圧力を検出する手段と、この燃焼圧力検出
    手段の出力から燃焼状態パラメータを計算し燃焼状態を
    判定する燃焼状態判定手段とを設けたことを特徴とする
    内燃機関の燃焼状態診断装置。
  8. 【請求項8】請求項1,2又は3の内燃機関の燃焼状態
    検出装置において、第二の燃焼状態検出手段として、機
    関燃焼の燃焼光を検出する手段と、この燃焼光検出手段
    の出力から燃焼状態パラメータを計算し燃焼状態を判定
    する燃焼状態判定手段とを設けたことを特徴とする内燃
    機関の燃焼状態診断装置。
  9. 【請求項9】請求項1,2又は3の内燃機関の燃焼状態
    検出装置において、第二の燃焼状態検出手段として、機
    関燃焼時のイオン電流を検出する手段と、この燃焼によ
    るイオン電流検出手段の出力から燃焼状態パラメータを
    計算し燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段とを設けた
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断装置。
  10. 【請求項10】請求項1,2又は3の内燃機関の燃焼状
    態検出装置において、第二の燃焼状態検出手段として、
    機関の排気ガス温度を検出する手段と、この排気ガス温
    度検出手段の出力から燃焼状態パラメータを計算し燃焼
    状態を判定する燃焼状態判定手段とを設けたことを特徴
    とする内燃機関の燃焼状態診断装置。
  11. 【請求項11】請求項1,2又は3の内燃機関の燃焼状
    態検出装置において、燃焼状態を報知する手段を設けた
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼状態診断装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2842871A1 (fr) * 2002-07-27 2004-01-30 Bosch Gmbh Robert Procede de detection de rates de combustion d'un moteur a combustion interne
JP2008298782A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Avl List Gmbh 燃焼評価方法

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