JPH0734679B2 - 車輌用複電源装置 - Google Patents

車輌用複電源装置

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JPH0734679B2
JPH0734679B2 JP1009279A JP927989A JPH0734679B2 JP H0734679 B2 JPH0734679 B2 JP H0734679B2 JP 1009279 A JP1009279 A JP 1009279A JP 927989 A JP927989 A JP 927989A JP H0734679 B2 JPH0734679 B2 JP H0734679B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車輌用の交流電源装置に係り、特に自動車の蓄
電池充電用交流発電機を利用して一般家庭用の商用周波
数交流電力も得る車輌用複電源装置及びこれに用いる交
流変圧器並びに商用電力発生装置に関する。
〔従来の技術〕
自動車の機関を利用して家庭用の商用周波数交流電力を
得る車輌用複電源装置としては、特開昭63−77358号公
報に記載のものがある。これは、発電機の電機子コイル
を第1次三相と第2次三相とを直列に巻線して構成し、
界磁コイルは低圧直流負荷即ち12V蓄電池用のものを1
つ設け、第1次三相で得られた電力を中間タップの端子
から従来通りの蓄電池充電用として取り出し、第2次三
相で得られた電力を100V交流電力用として取り出すもの
である。
一方、商用周波数交流電力を得る複電源装置ではない
が、交流発電機の出力端子に変圧器を接続し、得られた
高圧交流電力を高圧直流電力に変換し、これを高圧直流
負荷用の電力として取り出すものが特開昭63−69500号
に記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭63−77358号公報に記載の複電源装置では、第1
次三相と第2次三相とを直列に巻線し、磁界コイルは12
V蓄電池用のものを1つ設ける構成であるため、100V交
流電力用である第2次三相側の発電量が12V側負荷容量
(蓄電池電圧)の影響を受け、第2次三相側の出力電圧
が大きく変動するという問題があった。即ち、この従来
装置においては、蓄電池電圧即ち中間タップ端子の電圧
に応じて界磁コイルに界磁電流が流れ、蓄電池電圧がほ
ぼ一定に保たれるが、その際に生じる第1次三相側の出
力電流の変化により100V交流電力用である第2次三相側
の発電量が変化し、その出力電圧が大きく変動する。従
って、この問題に対応するため、発電機の容量に余裕を
持たせる必要があった。
一方、特開昭63−69500号に記載の装置は、変圧器を使
用して高圧交流電力を得ているので、12V側負荷容量の
影響による高圧側出力電圧の変動は少ないが、この従来
装置は高圧直流負荷用の電力を得るものであり、商用周
波数の交流電力を得る複電源装置を提供するものではな
い。
また、特開昭63−77358号公報及び特開昭63−69500号公
報に記載の複電源装置は共に商用電圧系をバッテリ低電
圧系に対して絶縁する構成を採用していない。例えば、
特開昭63−77358号公報では電機子コイル部分が中間タ
ップ方式であり、特開昭63−69500号公報では変圧器が
単巻トランス方式即ち中間タップ方式であり、この方式
では商用高電圧系はバッテリ低電圧系に対して絶縁され
ない。また、特開昭63−77358号公報のようにインバー
タを用いる場合は、インバータの制御に商用交流電流を
検出しかつバッテリ電圧を電源として制御信号を作成
し、インバータを駆動する必要があるが、このような交
流電流検出部分及びインバータの駆動部分でも商用高電
圧系がバッテリ低電圧系に対して電位を持つようにな
る。このため、これら従来技術の複電源装置は、家庭用
商用電源としては車体アース電位に対して絶縁されなく
なるため、触手により感電するなど安全上の心配があ
る。
本発明の目的は、低圧直流負荷側の影響による出力電圧
の変動が少なく、安定した商用周波数交流電力を安全上
の心配なく供給することのできる車輌用複電源装置及び
商用電源発生装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を採用す
る。すなわち、低圧直流電力と商用周波数交流電力を同
時に供給可能とする車輌用複電源装置において、車輌の
蓄電池充電用の交流発電機と、前記交流発電機の出力端
子に一次側入力端子が接続され、該交流発電機の交流出
力を昇圧する一次側と二次側が相互に絶縁された絶縁型
の交流変圧器と、前記交流変圧器の二次側出力端子に接
続され、昇圧後の高圧交流出力を所定の周波数の交流出
力に変換して商用周波数交流電力を得る変換装置と、前
記変換装置により変換した交流出力の電流を電気的に絶
縁して検出する絶縁型の電流検出手段と、前記電流検出
手段により検出した交流出力電流を入力し前記蓄電池を
電源として前記変換装置の動作を制御する制御回路とを
有し、前記制御回路は前記電流検出手段により検出した
交流出力電流に基づいて前記変換装置に対する制御信号
を生成する信号生成手段と、前記制御信号を前記変換装
置に電気的に絶縁して伝達する絶縁型の駆動手段とを備
える構成とする。
上記車輌用複電源装置において、好ましくは、前記制御
回路は車輌のサイドブレーキが動作した状態でかつ変速
装置がニュートラル状態のときのみ車輌の機関アイドル
回転数を、前記変換装置が交流出力電力を十分に供給で
きる回転数まで上昇させる回転数制御手段を更に有す
る。この場合、前記回転数制御手段に、車輌が走行状態
の場合は前記アイドル回転数の制御を解除する安全手段
を設けることが望ましい。
また、商用電源発生装置において、車輌の蓄電池充電用
交流発電機の出力端子に一次側入力端子が接続され、該
交流発電機の交流出力を昇圧する一次側と二次側が相互
に絶縁された絶縁型の交流変圧器と、前記交流変圧器の
二次側出力端子に接続され、昇圧後の高圧交流出力を所
定の周波数の交流出力に変換して商用周波数交流電力を
得る変換装置と、前記変換装置により変換した交流出力
の電流を電気的に絶縁して検出する絶縁型の電流検出手
段と、前記電流検出手段により検出した交流出力電流を
入力し前記蓄電池を電源として前記変換装置の動作を制
御する制御回路とを有し、前記制御回路は前記電流検出
手段により検出した交流出力電流に基づいて前記変換装
置に対する制御信号を生成する信号生成手段と、前記制
御信号を前記変換装置に電気的に絶縁して伝達する絶縁
型の駆動手段とを備える構成とする。
〔作用〕
このように構成された本発明においては、交流発電機の
交流出力から交流変圧器を介在させて商用周波数交流電
力を得るので、低圧直流負荷の影響により交流発電機の
出力端子を流れる電流が変化しても、その出力端子電圧
即ち変圧器の一次電圧はほぼ一定に制御されるため、得
られる商用周波数交流電力はほぼ定電圧の特性を示し、
安定した商用交流電力を得ることができる。
また、交流変圧器として交流出力を昇圧する一次側と二
次側が相互に絶縁された絶縁型を用いることにより、商
用周波数交流電力系(変換装置)は交流発電機に対して
絶縁されると共に、変換装置により変換した交流出力の
電流を電気的に絶縁して検出する絶縁型の電流検出手段
を設けかつ変換装置の動作を制御する制御回路に制御信
号を変換装置に電気的に絶縁して伝達する絶縁型の駆動
手段を設けることにより、商用周波数交流電力系(変換
装置)は制御回路の電源である蓄電池に対して絶縁され
る。このように商用周波数交流電力系(変換装置)を交
流発電機の側と制御回路の側の両方で低圧直流電力系
(交流発電機及び蓄電池)に対して絶縁することにより
商用周波数交流電力系は車体アース電位に対して絶縁さ
れて電位を持たなくなり、感電の心配がなくなり、複電
源装置の安全性が大幅に向上する。
また、車輌のアイドル回転数を上昇させる制御を、サイ
ドブレーキが引かれかつ変速装置がニュートラル状態の
ときのみ行なわせるようにすることにより、停車時のみ
安全に大電力が供給される。更に、走行状態でアイドル
アップの制御を解除することにより、二重のフェイルセ
イフ機能が果たされ、安全性が更に向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図〜第17図により説明す
る。本実施例は、DC12VとAC100Vの2系統を有する自動
車用の複電源装置の例である。
まず、本実施例の全体構成を第1図により説明する。
第1図において、1は機関(図示せず)により駆動され
る交流発電機である。交流発電機1は、Δ結線された三
相の電機子コイル11a,11b,11cと、これら電機子コイル
の交流出力を直流に変換する三相全波整流器12と、電機
子コイル11a,11b,11cに磁束を供給する界磁コイル13
と、界磁コイル13に電流を供給する補助整流器14と、界
磁コイル13に流れる電流を制御して、電機子コイルの出
力電圧を所定値に制御する電圧調整器15とから構成され
ている。
電圧調整器15は、パワートランジスタ151、ダイオード1
52、トランジスタ153、ツェナーダイオード154、抵抗器
155,156a,156bからなっている。
2は蓄電池であり、発電機1より充電されたり、DC負荷
3へ電流を供給する。4はキースイッチで、5は充電表
示灯である。
6はサイドブレーキON時ONとなるスイッチで、警告灯7
を動作させる。同様に8,9にニュートラル時ONとなるス
イッチ及び警告灯、10,11は運転中ONとなるスイッチ及
び警告灯である。
100は発電機1の三相交流出力U,V,W相を入力として商用
50Hz又は60Hzの100V交流電力をAC負荷101に供給するコ
ントローラである。コントローラ100は、低圧側(一次
側)と高圧側(二次側)が相互に絶縁され、それぞれY
結線よりなる変圧器102と、その高圧側の三相交流を整
流する三相全波整流器103と、その直流出力を平滑する
コンデンサー104と、その直流を交流に変換するインバ
ー回路を構成するパワートランジスタ105a,105b,105c,1
05dと、アクセルペダル(図示せず)を駆動して燃料ス
ロットルバルブ21を動作させるためのモータ22と、蓄電
池2を電源としてインバータ回路のトランジスタ105a〜
105d及びモータ22の動作を制御する制御回路106と、交
流出力電流を検出するカレントトランス107とより構成
されている。
カレントトランス107はインバータ回路のトランジスタ1
05a〜105dにより変換した交流出力電流を電気的に絶縁
して検出する絶縁型の電流検出手段を構成する。
上記構成による動作の概略を以下に述べる。まず、キー
スイッチ4を投入すると、蓄電池2から充電表示灯5、
界磁コイル13、パワートランジスタ151を通って電流が
流れ、充電表示灯5が点灯する。次に、機関が回転を開
始すると、交流発電機1においては、電機子コイル11a,
11b,11cに交流電圧が発生し、三相全波整流器12を介し
蓄電池2やDC負荷3に電力が供給される。一方、補助整
流器14のカソード端子の電圧が高くなり、充電表示灯5
を消灯させると共に、界磁コイル13へ電流を供給し、自
己励磁を開始する。
機関の回転速度が高くなると、交流発電機1の出力電圧
が高くなり、バッテリ2の端子電圧も高くなる。バッテ
リ2の端子電圧が高くなると、抵抗156a,156bの分圧点
の電圧が高くなり、ツェナーダイオード154、トランジ
スタ153が導通し、パワートランジスタ151が遮断する。
トランジスタ151が遮断すると、界磁コイル13に流れて
いた電流はダイオード152を通って減衰する。界磁電流
が減少すると、電機コイル11a,11b,11cの発生電圧が低
くなり、バッテリ2の電圧が低下するので、ツェナーダ
イオード154が遮断し、トランジスタ153が遮断する。そ
の結果、パワートランジスタ151は導通し、界磁電流が
付勢され、出力電圧が高まる。以上の動作がくり返され
てバッテリ2の電圧が一定値に制御される。
コントローラ100においては、交流発電機1の出力電圧
が三相トランス102により昇圧され、その昇圧された高
圧交流出力が全波整流器103により整流され、コンデン
サー104で平滑され高圧直流出力とされる。このとき、
上述したように交流発電機1の出力電圧(バッテリ2の
電圧)は界磁電流の制御により一定値に制御されている
ので、三相トランス102の出力電圧もほぼ一定値とな
り、コンデンサー104で平滑された出力電圧もほぼ一定
値の直流出力となる。
この直流出力は、制御回路106がパワートランジスタ105
a,105b,105c,105dのベースを駆動することにより、50Hz
又は60Hzの一定の周期を持った矩形波交流に変換され、
商用周波数交流電力としてAC負荷101に供給される。
車輌の正規なアイドル回転数では発電機1の出力は、AC
負荷の容量によっては十分でない場合がある。制御回路
106は、そのような場合必要な出力を得るため、モータ2
2を駆動して、燃料スロットルバルブ21の開度を増大さ
せ、アイドル回転数を上昇させる機能、即ちアイドルア
ップの機能を有している。これにより、必要な発電機出
力が得られる回転数までエンジン回転が上昇し、アイド
ル運転時でもAC負荷の容量に見合った十分な電力が得ら
れる。ただし、このアイドルアップの機能は車輌の走行
中に動作すると危険である。従って、制御回路106は、
サイドブレーキスイッチ6とニュートラルスイッチ8の
両方がON状態の時にのみアイドルアップ機能が動作する
ようにしている。更に、制御回路106は、走行スイッチ1
0がON時には必らずアイドルアップ機能の動作を解除す
る機能を有している。これにより、2重のフェイルセイ
フ機能が果たされ、高い安全性が確保される。
ここで、特開昭63−77358号に記載の電機子コイルに中
間タップを設けることにより、12V系と100V系の2系統
の電源を得た場合の出力電圧特性と、本実施例の変圧器
102を用いて同様に2系統の電源を得た場合の出力電圧
特性を第2図及び第3図により説明する。
第2図(a)は、特開昭63−77358号における中間タッ
プによる100V系出力電流(一相電流実効値)と100V系出
力端子電圧(線間電圧実効値)との関係を示し、第2図
(b)は、その12V系の直流出力電流と出力電圧との関
係を示す。第3図(a)は、本実施例の変圧器102の2
次出力電流(100V系出力電流)と同2次出力電圧(100V
系出力電圧)との関係を示し、第3図(b)は、その12
V系の直流出力電流と出力電圧との関係を示す。
特開昭63−77358号においては、発電機の界磁電流はバ
ッテリ電圧即ち中間タップ端子の電圧に応じて制御され
るため、12V系の出力電圧は第2図(b)のようにほぼ
一定電圧に制御される(ただし、発電機の発電容量を越
える範囲では電圧はフの字特性を示し垂下する)が、10
0V系の出力電圧は第2図(a)のように、12V系の出力
電流の変化によって大きく変動する。
これに対して、本実施例においては、変圧器102によっ
て発電機1の出力電圧を昇圧し、100V系の交流電圧を得
ているので、バッテリ電圧が界磁電流の調節により一定
値に制御されると、12V系出力電圧即ち変圧器の一次電
圧はほぼ一定値に制御されることになるので、100V系の
出力電圧は、第3図(a)に示すようにほぼ定電圧の特
性を示す。
このように本実施例によれば、交流発電機1の交流出力
から変圧器102を介在させて商用周波数交流電力を得て
いるので、得られる商用周波数交流電力はほぼ定電圧の
特性を示し、安定した商用交流電力を得ることができる
ことが分かる。
次に、制御回路106の内部の回路構成及び動作を第4図
〜第17図により説明する。
第4図は制御回路106の結線図である。制御回路106は、
概略的に言えば、DC−DCコンバータ106a、集積回路106
b、シングルチップ・マイクロ・コンピュータ106C、抵
抗器106d,106e、フォトカプラ106f〜106i、抵抗器群106
j、入力回路106k、モータ駆動集積回路106l、増幅器106
mからなっている。
DC−DCコンバータ106aは、バッテリー2を電源として、
バッテリーとは絶縁された電源を抵抗106d,106e、フォ
トカプラ106f,106gからなるトランジスタ105b,105dの駆
動回路に供給する。DC−DCコンバータ106aの内部は第5
図に示す結線構造となっている。即ち、DC−DCコンバー
タ106aはトランス106a1,フォトカプラ106a2,三角波発生
器106a3,比較器106a4,演算増幅器106a5等により構成さ
れている。
集積回路106bは、シングルチップ・マイクロ・コンピュ
ータ(以下マイコンと略称する)106Cに電源Vccと電源
の立上り時に一定時間ローレベルを保持するリセット信
号(RESET)とを供給するものであり、内部等価回路は
第6図に示すようになっている。即ち、集積回路106bは
トランジスタ106b1と、基準電圧106b2を用いた電圧電原
回路と、リセット信号発生回路106b3等により構成され
ている。
マイコン106cは第7図に示すような内部構成を有してい
る。即ち、マイコン106cは中央演算処理装置(CPU)106
c1、メモリ(RAM,ROM)106c2,106c3、A/D変換器106c4、
入出力ポート106c5,105c6,発振器106c7、電源106c8、1
〜3のタイマ106c9〜106c11を内蔵している。中央演算
処理装置(CPU)106c1は割込み検出器106c12を、入出力
ポート106c5はエッジ検出器106c13をそれぞれ備えてい
る。
フォトカプラ106h,106iはトランジスタ105a,105cを駆動
する駆動回路を構成している。
入力回路106kは抵抗器、コンデンサ、定電圧ダイオード
により構成され、サイドブレーキスイッチ6、ニュート
ラルスイッチ8及び運転中オンになるスイッチ10の状態
をマイコン106cに入力する際の入力信号の平滑及び入力
ポートの保護を行う。
モータ駆動集積回路106lはスロットルバルブ21を操作す
るモータ22を駆動するものであり、トランジスタ・ブリ
ッジ回路106l1とそのロジック制御回路106l2とによって
構成されている。
増幅器106mはカレントトランス107の出力を増幅するも
のであり、第8図に示すように、演算増幅器106m1とそ
の周辺素子により構成される。増幅器116mの出力端子
は、マイコン106cのA/D変換器106c4の入力端子に接続さ
れている。
以上が制御回路106の内部の回路構成の説明である。次
に、制御回路106の動作について、第9図〜第16図に示
すマイコン106cの制御フローに基づいて説明する。
第9図は、制御回路106の起動プログラム(メインプロ
グラム)の制御フローである。まず、ステップ9−1に
おいて、電源投入時に集積回路106bが出力するリセット
信号を発生し、プログラムを起動する。次に、ステップ
9−1で、入出力ポート106C5,106C6の入出力方向及び
出力論理レベルの設定やタイマ1〜3(タイマ106C9〜1
1)の割込みの時間の設定、メモリ106C2,106C3のクリア
等の初期設定を行い、ステップ9−3へ進む。ステップ
9−3ではタイマ1の割り込みを許可し、タイマ1の割
込み設定時間には第10図で示すタイマ1の割り込みフロ
ーへ進む。
このタイマ1の割り込みフローでは、ステップ10−1で
タイマ1の割り込みが発生すると、ステップ10−2で入
出力ポート106C5のP1端子の出力を反転し、次にステッ
プ10−3でP2端子の出力を反転する。ただし、P1とP2は
第9図のステップ9−2で初期設定を行う際に、どちら
か一方を“H"、他方を“L"に設定する。ステップ10−4
ではタイマ2(タイマ106C10)の割り込み時間をT2時間
後に設定し、ステップ10−5でタイマ1の次の割り込み
時間をT1時間後に設定し、ステップ10−6でタイマ1の
割り込みルーチンから復帰する。
ステップ10−4で設定したタイマ2の割り込みが発生す
ると、第11図に示すタイマ2の割り込み処理が行われ
る。即ち、ステップ11−1でタイマ2の割り込みが発生
すると、ステップ11−2でP1端子の出力論理レベルの判
定を行い、P1端子の出力が“H"のときはステップ11−4
へ行き、入出力ポート106C5のP3端子の出力を“H"に
し、P1端子の出力が“L"のときはステップ11−3へ行
き、入出力ポート106C5のP4端子の出力を“H"にする。
そして、ステップ11−3又は11−4からステップ11−5
へ進み、タイマ3(タイマ106C11)の割り込みをT3時間
後に設定して、ステップ11−6でタイマ2の割り込みか
ら復帰する。
そして、ステップ11−5で設定したタイマ3の割り込み
が発生すると、第12図で示すタイマ3の割り込み処理ル
ーチンのステップ12−1に進み、まずステップ12−2で
入出力ポート106C5の端子P3の出力を“L"にし、次にス
テップ12−3で端子P4の出力を“L"にし、ステップ12−
4でタイマ3の割り込みから復帰する。
第10図〜第12図に示したタイマ1、タイマ2、タイマ3
の割り込みのタイミングを表したタイミングチャートを
第17図に示す。入出力ポート106C5のP1,P2,P3,P4の端子
はインバータ回路のトランジスタ105c,105a,105b,105d
を駆動するフォトカプラ106h,106l,106f,106gにそれぞ
れ接続されており、上記のようにして得られたこれら端
子の出力がインバータ回路のトランジスタ105a〜105dに
対する制御信号としてフォトカプラ106f〜106iに与えら
れ、トランジスタ105a〜105dが駆動される。このとき得
られるトランジスタ105a〜105dの出力波形は、平滑コン
デンサ104の端子電圧をVHとすると、第17図の最下部に
示したVH,O,−VHのタイミングで示す波形となる。
再び第9図に戻り、メインプログラムの説明を行う。ス
テップ9−3でタイマ1の割り込みを許可した後は、ス
テップ9−4へ進み、インバータ回路のトランジスタ10
5a〜105dの出力電流をA/D変換器106C4を介して入力す
る。ステップ9−5では、その出力電流が定格出力電流
を越えるかどうかの判定を行い、定格出力以内であれば
ステップ9−6へ行き、タイマ3の割り込み時間T3を定
格時間にし、定格出力を越えるときはステップ9−8へ
行き、タイマ3の割り込み時間T3を短くする。即ち、ス
テップ9−8ではタイマ3の割り込み時間T3を短縮する
ことにより、インバータ回路のトランジスタ105a〜105d
の出力通流率を制限して、インバータ回路の出力電圧を
減少させる。これにより、インバータ回路の出力電流を
定格電流値以下に制限して、トランジスタ105a〜105dの
保護を行う。
次に、ステップ9−7でインバータ回路のトランジスタ
105a〜105dの出力電流の平均値を求め、ステップ9−9
でスロットルバルブ調節副プログラムを実行してから、
再び、ステップ9−4へ戻る。
以上のように構成した本実施例によれば、交流発電機1
の交流出力から交流変圧器102を介在させて商用周波数
交流電力を得るので、低圧直流負荷の影響により交流発
電機1の出力端子を流れる電流が変化しても、その出力
端子電圧即ち変圧器の一次電圧はほぼ一定に制御される
ため、得られる商用周波数交流電力はほぼ定電圧の特性
を示し、安定した商用交流電力を得ることができる。
また、交流変圧器102として交流出力を昇圧する一次側
と二次側が相互に絶縁された絶縁型を用いるので、商用
周波数交流電力系である三相全波整流器103及びインバ
ータ回路のトランジスタ105a〜105dは交流発電機1に対
して絶縁されると共に、インバータ回路により変換した
交流出力の電流を電気的に絶縁して検出する絶縁型の電
流検出手段であるカレントトランス107を設けかつイン
バータ回路の動作を制御する制御回路106に制御信号を
インバータ回路に電気的に絶縁して伝達する絶縁型の駆
動手段であるフィトカプラ106f〜106iを設けるので、商
用周波数交流電力系は制御回路106の電源である蓄電池
2に対しても絶縁される。このように商用周波数交流電
力系を交流発電機1の側と制御回路106の側との両方で
低圧直流電力系である交流発電機1及び蓄電池2に対し
て絶縁することにより商用周波数交流電力系は車体アー
スに対して絶縁されて電位を持たなくなり、感電の心配
がなくなり、複電源装置の安全性が大幅に向上する。ま
た、交流発電機1としては従来と同様、定電圧出力の発
電機を使用できる。
また、車輌のアイドル回転数を上昇させる制御を、サイ
ドブレーキが引かれかつ変速装置(ギヤ)がニュートラ
ル状態のときのみ行なわせるようにするので、停車時の
み安全に大電力が供給される。更に、走行状態にアイド
ルアップの制御を解除することにより、二重のフェイル
セイフ機能が果たされ、安全性が更に向上する。
スロットルバルブ調節副プログラムの制御フローを第13
図に示す。ステップ13−1でスロットルバルブ調節副プ
ログラムに入ると、ステップ13−2でニュートラルスイ
ッチ8のレベルを判定をして、ギアがニュートラルの位
置のときステップ13−3へ進み、ニュートラルの位置に
ないときはステップ13−9へ進む。ステップ13−3で
は、サイドブレーキスイッチ6のレベル判定を行い、サ
イドブレーキが引かれているときはステップ13−4へ進
み、引かれていないときにはステップ13−9へ進む。ス
テップ13−4ではドライブスイッチ10のレベルを判定
し、ギアがドライブレンジにあるときはステップ13−9
へ進み、ドライブレンジにないときはステップ13−5へ
進む。
ステップ13−5ではインバータ回路105a〜105dの出力電
流が零より大きい場合はステップ13−6へ進み、出力が
零のときはステップ13−9へ進む。ステップ13−6は電
流値から燃料スロットルバルブ21の開度の指令値を演算
して求め、ステップ13−7で開度の指令値に基づきモー
タ22を駆動して、ステップ13−8でスロットルバルブ調
節副プログラムから復帰する。
一方、ステップ13−9への流れでは、アイドル回転速度
の上昇を解除すべくモータ22を駆動してからステップ13
−8で副プログラムから復帰する。
即ち、ギアの位置(ニュートラルでかつドライブレンジ
でない状態)とサイドブレーキの状態(サイドブレーキ
が引かれている状態)の条件が成立したときのみ、スロ
ットルバルブ21の開度の調節を行って、アイドリング回
転速度の上昇制御即ちアイドルアップ制御を行うが、条
件不成立の場合は、アイドルアップ制御を解除する。
第14図〜第16図はドライブスイッチ10が接続される入出
力ポート106C5のP5端子、ニュートラルスイッチ8が接
続されるP6端子及びサイドブレーキスイッチ6が接続さ
れるP7端子の入力信号の立下りまたは立ち上りで割り込
み処理を行うルーチンの制御フローである。第14図に示
すドライブスイッチ10の割り込み処理では、ドライブス
イッチがONし、P5の入力信号が“L"になる。ステップ14
−1で立下りエッジにより割り込みが発生して、ステッ
プ14−2でアイドリング回転速度の上昇を解除するモー
タ22の駆動信号を出力し、更にスロットルバルブ開度指
令を初期化して、ステップ14−3で割り込みから復帰す
る。第15図及び第16図に示すニュートラルスイッチ8と
サイドブレーキスイッチ6の入力ポートP6端子及びP7端
子の入力信号の立上りとき(“L"→“H")の割り込み処
理では、第14図のステップ14−2と同様に、それぞれス
テップ15−2及びステップ16−2でアイドルアップ制御
の解除を行う。
以上の第14図〜第16図に示す割り込み処理により、アイ
ドルアップ制御の条件不成立時には即座にアイドルアッ
プ制御の解除を行うことが可能となる。
以上の構成において、カレントトランス107は前述した
ように整流器103と共に変換装置を構成するインバータ
回路のトランジスタ105a〜105dにより変換した交流出力
電流を電気的に絶縁して検出する絶縁型の電流検出手段
を構成する。また、マイコン106cは、カレントトランス
107(電流検出手段)により検出した交流出力電流に基
づいてインバータ回路のトランジスタ105a〜105dに対す
る制御信号を生成する信号生成手段を構成し、フォトカ
プラ106f〜106iはその制御信号をトランジスタ105a〜10
5dに電気的に絶縁して伝達する絶縁型の駆動手段を構成
する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、交流発電機の交流出力から変圧器を介
在させて商用周波数交流電力を得るので、低圧直流負荷
側の影響による出力電圧の変動の少ない安定した商用周
波数交流電力を供給することができる。
また、交流変圧器として絶縁型の変圧器を採用すると共
に、交流出力の電流を電気的に絶縁して検出する絶縁型
の電流検出手段を設けかつ制御信号を変換装置に電気的
に絶縁して伝達する絶縁型の駆動手段を設けたので、交
流発電機としては従来と同様、定電圧出力の発電機を使
用でき、更に商用周波数交流電力系は車体アースに対し
て絶縁されて電位を持たなくなるため、感電の心配がな
くなり、複電源装置の安全性が大幅に向上する。
更に、車輌のアイドルアップ制御は、サイドブレーキが
引かれかつ変速装置がニュートラル状態のときのみ行な
わせるようにしたので、停車時のみ安全に大電力が供給
される。また、走行状態ではアイドルアップの制御を解
除したので、二重のフェイルセイフ機能が果たされる。
更に、変圧器で使用される交流発電機の出力は周波数が
比較的高いので、蓄電池から高周波交流出力を得る場合
に比べて小形化が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による車輌用複電源装置を示
す回路図であり、第2図(a)及び(b)は、従来装置
の100V系出力電流と100V系出力端子電圧との関係及び12
V系の直流出力電流と出力電圧との関係をそれぞれ示
し、第3図(a)及び(b)は、本実施例の車輌用複電
源装置における変圧器の2次出力電流と2次出力電圧と
の関係及び12V系の直流出力電流と出力電圧との関係を
それぞれ示し、第4図は同車輌用複電源装置の制御回路
の内部構成を示す回路図であり、第5図はその制御回路
のDC−DCコンバータの内部構成を示す回路図であり、第
6図は制御回路の集積回路の内部構成を示す回路図であ
り、第7図は制御回路のシングルチップマイクロコンピ
ュータの内部構成を示すブロック図であり、第8図は制
御回路の増幅器の内部構成を示す回路図であり、第9図
は制御回路の起動プログラムを示す制御フローであり、
第10図〜第12図はそれぞれ第9図の制御フローにおける
タイマ1〜3の割り込み処理を示す制御フローであり、
第13図は第9図の制御フローにおけるスロットルバルブ
調節副プログラムを示す制御フローであり、第14図〜第
16図あ入力ポートP5〜P7の割り込み処理を示す制御フロ
ーであり、第17図はタイマ1〜3の割り込みのタイミン
グを示すタイムチャートである。 符号の説明 1……交流発電機 2……蓄電池 3……DC負荷 6……サイドブレーキスイッチ 8……ニュートラルスイッチ 10……ドライブスイッチ 21……スロットルバルブ 22……モータ 100;100A……コントローラ 101……AC負荷 102……変圧器 103……整流器 105a〜105d……パワートランジスタ(インバータ回路) 106……制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−77358(JP,A) 特開 昭63−69500(JP,A) 特開 昭63−253897(JP,A) 特開 昭51−67905(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低圧直流電力と商用周波数交流電力を同時
    に供給可能とする車輌用複電源装置において、 車輌の蓄電池充電用の交流発電機と、前記交流発電機の
    出力端子に一次側入力端子が接続され、該交流発電機の
    交流出力を昇圧する一次側と二次側が相互に絶縁された
    絶縁型の交流変圧器と、前記交流変圧器の二次側出力端
    子に接続され、昇圧後の高圧交流出力を所定の周波数の
    交流出力に変換して商用周波数交流電力を得る変換装置
    と、前記変換装置により変換した交流出力の電流を電気
    的に絶縁して検出する絶縁型の電流検出手段と、前記電
    流検出手段により検出した交流出力電流を入力し前記蓄
    電池を電源として前記変換装置の動作を制御する制御回
    路とを有し、前記制御回路は前記電流検出手段により検
    出した交流出力電流に基づいて前記変換装置に対する制
    御信号を生成する信号生成手段と、前記制御信号を前記
    変換装置に電気的に絶縁して伝達する絶縁型の駆動手段
    とを備えることを特徴とする車輌用複電源装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の車輌用複電源装置におい
    て、前記制御回路は車輌のサイドブレーキが動作した状
    態でかつ変速装置がニュートラル状態のときのみ車輌の
    機関アイドル回転数を、前記変換装置が交流出力電力を
    十分に供給できる回転数まで上昇させる回転数制御手段
    を更に有することを特徴とする車輌用複電源装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の車輌用複電源装置におい
    て、前記回転数制御手段に、車輌が走行状態の場合は前
    記アイドル回転数の制御を解除する安全手段を設けたこ
    とを特徴とする車輌用複電源装置。
  4. 【請求項4】車輌の蓄電池充電用交流発電機の出力端子
    に一次側入力端子が接続され、該交流発電機の交流出力
    を昇圧する一次側と二次側が相互に絶縁された絶縁型の
    交流変圧器と、前記交流変圧器の二次側出力端子に接続
    され、昇圧後の高圧交流出力を所定の周波数の交流出力
    に変換して商用周波数交流電力を得る変換装置と、前記
    変換装置により変換した交流出力の電流を電気的に絶縁
    して検出する絶縁型の電流検出手段と、前記電流検出手
    段により検出した交流出力電流を入力し前記蓄電池を電
    源として前記変換装置の動作を制御する制御回路とを有
    し、前記制御回路は前記電流検出手段により検出した交
    流出力電流に基づいて前記変換装置に対する制御信号を
    生成する信号生成手段と、前記制御信号を前記変換装置
    に電気的に絶縁して伝達する絶縁型の駆動手段とを備え
    ることを特徴とする商用電源発生装置。
  5. 【請求項5】低圧直流電力と商用周波数交流電力を同時
    に供給可能とする車輌用複電源装置において、 車輌の蓄電池充電用の交流発電機と、前記交流発電機の
    出力端子に一次側入力端子が接続され、該交流発電機の
    交流出力を昇圧する一次側と二次側が相互に絶縁された
    絶縁型の交流変圧器と、前記交流変圧器の二次側出力端
    子に接続され、昇圧後の高圧交流出力を整流して高圧直
    流出力を得る整流装置と、前記整流装置に接続され、前
    記高圧直流出力を所定の周波数の交流出力に変換して商
    用周波数交流電力を得るインバータ装置と、前記インバ
    ータ装置により変換した交流出力の電流を電気的に絶縁
    して検出する電流検出手段と、前記電流検出手段により
    検出した交流出力電流を入力し前記蓄電池を電源として
    前記インバータ装置の動作を制御する制御回路とを有
    し、前記制御回路は前記電流検出手段により検出した交
    流出力電流に基づいて前記インバータ装置に対する制御
    信号を生成する信号生成手段と、前記制御信号を前記イ
    ンバータ装置に電気的に絶縁して伝達する駆動手段とを
    備えることを特徴とする車輌用複電源装置。
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