JPH073434A - 酸化物陰極およびその製造方法 - Google Patents
酸化物陰極およびその製造方法Info
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- JPH073434A JPH073434A JP3205919A JP20591991A JPH073434A JP H073434 A JPH073434 A JP H073434A JP 3205919 A JP3205919 A JP 3205919A JP 20591991 A JP20591991 A JP 20591991A JP H073434 A JPH073434 A JP H073434A
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- H01J1/144—Solid thermionic cathodes characterised by the material with other metal oxides as an emissive material
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- Solid Thermionic Cathode (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 陰極の電子放出能力を向上させるとともに、
その寿命を改善させること。 【構成】 SCまたはSC2 O3 を酸素雰囲気下で気体
状態で蒸発させてイオン化させた後、Mg、Si等の還
元剤が少量含まれたキャップの表面に、イオン化された
SCまたはSC2 O3 を加速させ注入し、ニッケル金属
基体の内部表面にSCまたはSC2 O3 が均等に分布さ
れながら炭酸塩との間における中間層の生成を抑制する
ことにより、酸化物陰極の電子放出能力を向上させるよ
うにしたもの。
その寿命を改善させること。 【構成】 SCまたはSC2 O3 を酸素雰囲気下で気体
状態で蒸発させてイオン化させた後、Mg、Si等の還
元剤が少量含まれたキャップの表面に、イオン化された
SCまたはSC2 O3 を加速させ注入し、ニッケル金属
基体の内部表面にSCまたはSC2 O3 が均等に分布さ
れながら炭酸塩との間における中間層の生成を抑制する
ことにより、酸化物陰極の電子放出能力を向上させるよ
うにしたもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物陰極およびその
製造方法に係り、特に、イオン注入方法により、熱電子
放出性酸化物の分散性を改善し、電子放出特性とその陰
極の寿命を向上せしめる酸化物陰極およびその製造方法
に関する。
製造方法に係り、特に、イオン注入方法により、熱電子
放出性酸化物の分散性を改善し、電子放出特性とその陰
極の寿命を向上せしめる酸化物陰極およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の通常の酸化物陰極は、図3に示す
ように、電子放出性物質である炭酸塩1により塗布され
たキャップ2をスリーブ3に溶接した構造となってい
る。前記炭酸塩1としては、通常アルカリ土類金属であ
るバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)およびカ
ルシウム(Ca)等を共沈させて得た3元炭酸塩(Ba
CO3 、CaCO3 、SrCO3 )を少量のMg、Si
還元剤を含むニッケル(Ni)金属基体上に懸濁液状態
においてスプレした後、これを真空中において分解させ
て得た3元酸化物層を電子放出物質として使用する。
ように、電子放出性物質である炭酸塩1により塗布され
たキャップ2をスリーブ3に溶接した構造となってい
る。前記炭酸塩1としては、通常アルカリ土類金属であ
るバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)およびカ
ルシウム(Ca)等を共沈させて得た3元炭酸塩(Ba
CO3 、CaCO3 、SrCO3 )を少量のMg、Si
還元剤を含むニッケル(Ni)金属基体上に懸濁液状態
においてスプレした後、これを真空中において分解させ
て得た3元酸化物層を電子放出物質として使用する。
【0003】すなわち、前記3元炭酸塩を真空状態下で
加熱し分解させると、 BaCO3 →BaO+CO2 ↑ CaCO3 →CaO+CO2 ↑ SrCO3 →SrO+CO2 ↑ となっており、CO2 は基体状態で放出され、3元炭酸
塩は(Ba、Ca、Sr)Oの固容体状態において酸化
物として残るようになる。したがって、この酸化物を7
00〜800°Cに加熱すると、ニッケル金属基体と
(Ba、Ca、Sr)O固溶体との境界面において、ニ
ッケル金属基体と還元剤により、前記酸化物固溶体が還
元されながら遊離Baが生成され、この遊離Baがドナ
ーの役割をして、電子放出動作に寄与することになる。
加熱し分解させると、 BaCO3 →BaO+CO2 ↑ CaCO3 →CaO+CO2 ↑ SrCO3 →SrO+CO2 ↑ となっており、CO2 は基体状態で放出され、3元炭酸
塩は(Ba、Ca、Sr)Oの固容体状態において酸化
物として残るようになる。したがって、この酸化物を7
00〜800°Cに加熱すると、ニッケル金属基体と
(Ba、Ca、Sr)O固溶体との境界面において、ニ
ッケル金属基体と還元剤により、前記酸化物固溶体が還
元されながら遊離Baが生成され、この遊離Baがドナ
ーの役割をして、電子放出動作に寄与することになる。
【0004】一方、電子放出動作が長く持続されると、
ニッケル金属基体中の還元剤と(Ba、Ca、Sr)O
の固溶体が反応して酸化物が生成される。このような酸
化物は、通常“中間層”と呼称され、その組成は、Mg
SiO3 、BaSiO3 等の複合酸化物からなり、結局
は前記中間層が還元剤の拡散動作を妨げ、遊離Baの生
成に悪影響を及ぼすようになる。
ニッケル金属基体中の還元剤と(Ba、Ca、Sr)O
の固溶体が反応して酸化物が生成される。このような酸
化物は、通常“中間層”と呼称され、その組成は、Mg
SiO3 、BaSiO3 等の複合酸化物からなり、結局
は前記中間層が還元剤の拡散動作を妨げ、遊離Baの生
成に悪影響を及ぼすようになる。
【0005】したがって、前述したように製造された酸
化物陰極は熱電子放出能力が低く、かつ寿命が短いとい
う欠点を有している。
化物陰極は熱電子放出能力が低く、かつ寿命が短いとい
う欠点を有している。
【0006】このような欠点の改善のため、米国特許第
4,797,593号および第4,864,187号明
細書や、特開昭61−271732号、特開昭63−2
54635号、特開昭64−77819号および特開平
1−102829号公報等に記載されているように、3
元炭酸塩を製造する際、In、Ga、Sc等のような希
土類金属中1種または2種の元素を分散法や浸漬法また
は共沈法により添加し、遊離Baの生成を増加させるこ
とにより、陰極の寿命の延長と高電流密度を得るように
する技術が従来から提案されている。
4,797,593号および第4,864,187号明
細書や、特開昭61−271732号、特開昭63−2
54635号、特開昭64−77819号および特開平
1−102829号公報等に記載されているように、3
元炭酸塩を製造する際、In、Ga、Sc等のような希
土類金属中1種または2種の元素を分散法や浸漬法また
は共沈法により添加し、遊離Baの生成を増加させるこ
とにより、陰極の寿命の延長と高電流密度を得るように
する技術が従来から提案されている。
【0007】例えば、SCを3元炭酸塩に混ぜて使用す
れば、従来問題となっていた複合酸化物からなる中間層
を前記SCが再度還元されることにより、中間層の生成
を抑制させる効果を有するようになる。
れば、従来問題となっていた複合酸化物からなる中間層
を前記SCが再度還元されることにより、中間層の生成
を抑制させる効果を有するようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭64−77819号および特開平1−102829
号公報におけるように、SCをSC2 O3 の粉末状態で
3元炭酸塩に混ぜる分散法およびSC溶液に3元炭酸塩
を浸漬して炭酸塩中でSCが浸されるようにする浸漬法
等は、成分物質等間の比重差および凝集力により、均一
に分散させることができないため、分散状態が不良とな
るし、また、SCと3元炭酸塩を共沈させて同時に析出
させる共沈法は、SC共沈量が限定されているため、そ
の効果が減少され、従来の酸化物陰極におけるような問
題点を誘発するというような欠点がある。
開昭64−77819号および特開平1−102829
号公報におけるように、SCをSC2 O3 の粉末状態で
3元炭酸塩に混ぜる分散法およびSC溶液に3元炭酸塩
を浸漬して炭酸塩中でSCが浸されるようにする浸漬法
等は、成分物質等間の比重差および凝集力により、均一
に分散させることができないため、分散状態が不良とな
るし、また、SCと3元炭酸塩を共沈させて同時に析出
させる共沈法は、SC共沈量が限定されているため、そ
の効果が減少され、従来の酸化物陰極におけるような問
題点を誘発するというような欠点がある。
【0009】一方、前述したような欠点を解決するた
め、SCをスパッタリングまたは熱蒸着方法によりニッ
ケル金属基体にコーティングを行う方法も提案されてい
るが、この方法においては、前記コーティングされたS
C層が炭酸塩と還元剤間を遮断する妨害層の役割をし
て、遊離Baの生成に悪影響を与えるという欠点があ
り、また、ニッケル金属製造の際、微量のSCを直接添
加する方法も提案されたことがあるが、これは経済性が
低いという欠点がある。
め、SCをスパッタリングまたは熱蒸着方法によりニッ
ケル金属基体にコーティングを行う方法も提案されてい
るが、この方法においては、前記コーティングされたS
C層が炭酸塩と還元剤間を遮断する妨害層の役割をし
て、遊離Baの生成に悪影響を与えるという欠点があ
り、また、ニッケル金属製造の際、微量のSCを直接添
加する方法も提案されたことがあるが、これは経済性が
低いという欠点がある。
【0010】本発明は、前述した従来の問題点に鑑みて
なされたもので、本発明の主な目的は、少量の還元剤を
含むニッケル金属基体の内部および表面に、SCが均一
に分散され、陰極の電子放出能力を向上させることがで
きるようにした酸化物陰極を提供することにある。
なされたもので、本発明の主な目的は、少量の還元剤を
含むニッケル金属基体の内部および表面に、SCが均一
に分散され、陰極の電子放出能力を向上させることがで
きるようにした酸化物陰極を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、SCまたはSC2 O
3 をイオン化させ、少量の還元剤を含むニッケル金属基
体内部および表面にイオン注入方法で浸透させ、これに
炭酸塩を塗布することにより、陰極の寿命および電子放
出能力を向上せしめ得る酸化物陰極の製造方法を提供す
ることにある。
3 をイオン化させ、少量の還元剤を含むニッケル金属基
体内部および表面にイオン注入方法で浸透させ、これに
炭酸塩を塗布することにより、陰極の寿命および電子放
出能力を向上せしめ得る酸化物陰極の製造方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために本発明の酸化物陰極は、ニッケル金属基体からな
りスリーブに溶接されたキャップと、BaCO3 とCa
CO3 およびSrCO3 の3元炭酸塩からなり、前記キ
ャップに被覆されるようになされた電子放出物質と、前
記キャップの加熱のため、前記スリーブの内部に装着さ
れたヒータとを備えた酸化物陰極において、前記ニッケ
ル金属基体の内部および表面にSCまたはSC2 O3 が
均一に分散され、所定の深さの浸透層が形成されたこと
を特徴としている。
ために本発明の酸化物陰極は、ニッケル金属基体からな
りスリーブに溶接されたキャップと、BaCO3 とCa
CO3 およびSrCO3 の3元炭酸塩からなり、前記キ
ャップに被覆されるようになされた電子放出物質と、前
記キャップの加熱のため、前記スリーブの内部に装着さ
れたヒータとを備えた酸化物陰極において、前記ニッケ
ル金属基体の内部および表面にSCまたはSC2 O3 が
均一に分散され、所定の深さの浸透層が形成されたこと
を特徴としている。
【0013】また、本発明の酸化物陰極の製造方法は、
ニッケル金属基体からなるキャップに、BaCO3 とC
aCO3 、およびSrCO3 からなる3元炭酸塩により
被覆された陰極を製造する酸化物陰極の製造方法におい
て、SCまたはSC2 O3 を酸素雰囲気化で気体状態に
蒸発させイオン化させ、還元剤を少量含むキャップの表
面に、前記イオン状態のSCまたはSC2 O3 を加速さ
せて注入し、所定の深さの浸透層を形成し、前記キャッ
プの表面に電子放出物である炭酸塩を含む懸濁液を塗布
させることを特徴としている。
ニッケル金属基体からなるキャップに、BaCO3 とC
aCO3 、およびSrCO3 からなる3元炭酸塩により
被覆された陰極を製造する酸化物陰極の製造方法におい
て、SCまたはSC2 O3 を酸素雰囲気化で気体状態に
蒸発させイオン化させ、還元剤を少量含むキャップの表
面に、前記イオン状態のSCまたはSC2 O3 を加速さ
せて注入し、所定の深さの浸透層を形成し、前記キャッ
プの表面に電子放出物である炭酸塩を含む懸濁液を塗布
させることを特徴としている。
【0014】
【作用】前述した構成からなる本発明の酸化物陰極によ
れば、酸化物陰極の電子放出能力を向上させることはも
とより、その寿命を向上せしめることができる。
れば、酸化物陰極の電子放出能力を向上させることはも
とより、その寿命を向上せしめることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により詳細
に説明する。
に説明する。
【0016】図1(B)に示すようにニッケル金属基体
からなるキャップ10がヒータ12の内着されたスリー
ブ14に溶接されており、前記金属基体上にはBaCO
3 とCaCO3 およびSrCO3 の3元炭酸塩からなる
電子放出物質16が設けられている。
からなるキャップ10がヒータ12の内着されたスリー
ブ14に溶接されており、前記金属基体上にはBaCO
3 とCaCO3 およびSrCO3 の3元炭酸塩からなる
電子放出物質16が設けられている。
【0017】ここで、本発明の陰極製造方法を述べれ
ば、図1(A)に示すように、前記キャップ10すなわ
ちニッケル金属基体上に気体状態で蒸発させ、イオン化
させたSCまたはSC2 O3 を加速させ、前記キャップ
10の材料内部に浸透させてSCが均一に分散された所
定の深さの浸透層を形成する。
ば、図1(A)に示すように、前記キャップ10すなわ
ちニッケル金属基体上に気体状態で蒸発させ、イオン化
させたSCまたはSC2 O3 を加速させ、前記キャップ
10の材料内部に浸透させてSCが均一に分散された所
定の深さの浸透層を形成する。
【0018】このSC2 O3 をイオン化させる場合、直
接SC2 O3 を加熱させて蒸気状態につくることができ
るが、SC2 O3 の蒸気をつくるためには高温度を要す
るため経済性が低い。これによって、本実施例において
は、酸素雰囲気下において、SCを蒸気状態につくり、
SCと酸素をそれぞれ別に注入する方法を用いた。
接SC2 O3 を加熱させて蒸気状態につくることができ
るが、SC2 O3 の蒸気をつくるためには高温度を要す
るため経済性が低い。これによって、本実施例において
は、酸素雰囲気下において、SCを蒸気状態につくり、
SCと酸素をそれぞれ別に注入する方法を用いた。
【0019】そして、このとき、イオンが注入されるS
CまたはSC2 O3 の量は、初期原料量や、さらにニッ
ケル金属気体の表面状態により、イオン化の程度、加速
電圧と異なることになるのであるが、本発明の実施例に
おいては、注入されたSCまたはSC2 O3 は、ニッケ
ル金属基体の表面で所定の厚さtの深さ、すなわち、2
00〜3000A(オングストローム:10-10 m)の
範囲で浸透され、浸透層を形成することになる。
CまたはSC2 O3 の量は、初期原料量や、さらにニッ
ケル金属気体の表面状態により、イオン化の程度、加速
電圧と異なることになるのであるが、本発明の実施例に
おいては、注入されたSCまたはSC2 O3 は、ニッケ
ル金属基体の表面で所定の厚さtの深さ、すなわち、2
00〜3000A(オングストローム:10-10 m)の
範囲で浸透され、浸透層を形成することになる。
【0020】このようにSCまたはSC2 O3 が浸透さ
れた浸透層の密度は、Mg、Si等の還元剤が少量添加
された基地組織であるニッケル金属基体に対し、0.3
〜0.5程度のものが最適であることが判明した。
れた浸透層の密度は、Mg、Si等の還元剤が少量添加
された基地組織であるニッケル金属基体に対し、0.3
〜0.5程度のものが最適であることが判明した。
【0021】一方、図2はニッケル金属基体のキャップ
10内部に、Mg、Si等を少量含む還元剤18とSC
またはSC2 O3 20が均等に分布された状態を示す組
織図であって、図示されているように、還元剤が添加さ
れたニッケル金属基体との接触面において生成され還元
剤を遮断させていた中間層の生成が抑制され、遊離Ba
の放出動作が円滑になる。これにより、酸化物放出能力
および陰極の寿命が向上されることになる。
10内部に、Mg、Si等を少量含む還元剤18とSC
またはSC2 O3 20が均等に分布された状態を示す組
織図であって、図示されているように、還元剤が添加さ
れたニッケル金属基体との接触面において生成され還元
剤を遮断させていた中間層の生成が抑制され、遊離Ba
の放出動作が円滑になる。これにより、酸化物放出能力
および陰極の寿命が向上されることになる。
【0022】前述した説明においては、イオン化された
SCを加速させ、イオン注入方法によりニッケル金属基
体内部に浸透させる方法を述べたが、本発明の他の実施
例として、前記SCまたはSC2 CO3 を既存のプラズ
マ溶射法を用いて、ニッケル金属基体からなるキャップ
10の表面にスプレーを行い、前記SCがニッケル金属
基体内部に拡散されながら浸透されるようにし、所定の
深さの浸透層を形成させることにより、第1実施例にお
けるものと同様の効果を得ることもできる。
SCを加速させ、イオン注入方法によりニッケル金属基
体内部に浸透させる方法を述べたが、本発明の他の実施
例として、前記SCまたはSC2 CO3 を既存のプラズ
マ溶射法を用いて、ニッケル金属基体からなるキャップ
10の表面にスプレーを行い、前記SCがニッケル金属
基体内部に拡散されながら浸透されるようにし、所定の
深さの浸透層を形成させることにより、第1実施例にお
けるものと同様の効果を得ることもできる。
【0023】なお、本発明は前述した各実施例に限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能であ
る。
れるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能であ
る。
【0024】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
ニッケル金属基体の内部表面にSCまたはSC2 O3 が
均等に分布されながら炭酸塩との間における中間層の生
成を抑制することにより、酸化物陰極の電子放出能力を
向上させることはもとより、その寿命を向上せしめるこ
とができるという利点を有する。
ニッケル金属基体の内部表面にSCまたはSC2 O3 が
均等に分布されながら炭酸塩との間における中間層の生
成を抑制することにより、酸化物陰極の電子放出能力を
向上させることはもとより、その寿命を向上せしめるこ
とができるという利点を有する。
【図1】Aは本発明によりキャップの表面上にイオンを
注入させる工程を概略的に示した縦断面側面図であり、
Bは本発明による陰極構造体の概略縦断面側面図
注入させる工程を概略的に示した縦断面側面図であり、
Bは本発明による陰極構造体の概略縦断面側面図
【図2】図1のA部位の拡大断面図
【図3】従来の酸化物陰極を示す縦断面側面図
10 キャップ 12 ヒータック 14 スリーブ 16 電子放出物質 18 還元剤 20 SCまたはSC2 O3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 崔 鍾書 大韓民国ソウル特別市冠岳区奉天1洞721 −3 (72)発明者 呉 宗昊 大韓民国京畿道水原市郵便局私書箱64号 (72)発明者 朱 圭楠 大韓民国ソウル特別市麻浦区大興洞337− 53
Claims (7)
- 【請求項1】 ニッケル金属基体からなりスリーブ(1
4)に溶接されたキャップ(10)と、BaCO3 とC
aCO3 およびSrCO3 の3元炭酸塩からなり、前記
キャップ(10)に被覆されるようになされた電子放出
物質(16)と、前記キャップ(10)の加熱のため、
前記スリーブ(14)の内部に装着されたヒータ(1
2)とを備えた酸化物陰極において、前記ニッケル金属
基体の内部および表面にSCまたはSC2 O3 が均一に
分散され、所定の深さの浸透層が形成されたことを特徴
とする酸化物陰極。 - 【請求項2】 前記キャップ(10)の表面上に、SC
またはSC2 O3 が分散形成される浸透層の厚さが20
0〜3000Aであることを特徴とする請求項1に記載
の酸化物陰極。 - 【請求項3】 前記SCまたはSC2 O3 の浸透した浸
透層の密度が、ニッケル金属基体に対し0.3〜0.5
であることを特徴とする請求項2に記載の酸化物陰極。 - 【請求項4】 ニッケル金属基体からなるキャップ(1
0)に、BaCO3とCaCO3 、およびSrCO3 か
らなる3元炭酸塩により被覆された陰極を製造する酸化
物陰極の製造方法において、SCまたはSC2 O3 を酸
素雰囲気化で気体状態に蒸発させイオン化させ、還元剤
を少量含むキャップ(10)の表面に、前記イオン状態
のSCまたはSC2 O3 を加速させて注入し、所定の深
さの浸透層を形成し、前記キャップ(10)の表面に電
子放出物である炭酸塩を含む懸濁液を塗布させることを
特徴とする酸化物陰極の製造方法。 - 【請求項5】 前記浸透層の深さがニッケル金属気体の
表面から200〜3000Aであることを特徴とする請
求項4に記載の酸化物陰極の製造方法。 - 【請求項6】 ニッケル金属基体からなるキャップ(1
0)の表面に、BaCO3 とCaCO3 およびSrCO
3 とからなる3元炭酸塩により被覆された酸化物陰極を
製造する方法において、前記キャップ(10)の表面に
SCまたはSC2 O3 をプラズマ溶射法により塗布し、
前記キャップ(10)の表面に電子放出物質の3元炭酸
塩を含む懸濁液を塗布し、内部拡散によりSCがニッケ
ル金属基体内部に浸透されながら、所定の深さの浸透層
を形成することを特徴とする酸化物陰極の製造方法。 - 【請求項7】 前記浸透層の深さがニッケル金属基体の
表面から200〜3000Aであることを特徴とする請
求項6に記載の酸化物陰極の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
KR1019900012728A KR920009328B1 (ko) | 1990-08-18 | 1990-08-18 | 산화물 음극의 제조방법 |
KR1990-12728 | 1990-08-18 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH073434A true JPH073434A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=19302455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3205919A Pending JPH073434A (ja) | 1990-08-18 | 1991-08-16 | 酸化物陰極およびその製造方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5121027A (ja) |
JP (1) | JPH073434A (ja) |
KR (1) | KR920009328B1 (ja) |
MY (1) | MY111384A (ja) |
NL (1) | NL194056C (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6465178B2 (en) * | 1997-09-30 | 2002-10-15 | Surmodics, Inc. | Target molecule attachment to surfaces |
KR20000034114A (ko) * | 1998-11-27 | 2000-06-15 | 김영남 | 환원제가 투입된 음극선관의 산화물 캐소드와 그 제조방법 |
WO2015061306A1 (en) | 2013-10-25 | 2015-04-30 | United Technologies Corporation | Plasma spraying system with adjustable coating medium nozzle |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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